JP2740853B2 - 2,2―ジアリールグリコール酸の製造方法 - Google Patents

2,2―ジアリールグリコール酸の製造方法

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、簡単な炭化水素化合物であるジアリールエ
チレンを酸化することにより、ジアリールエチレングリ
コールを経て、2,2−ジアリールグリコール酸を製造す
る新規な方法に関するものである。
ジアリールグリコール酸の中には、有機合成の原料あ
るいは医薬品の中間原料として有用な化合物が多い。例
えば、ジフェニルグリコール酸(別名ベンジル酸)は、
副交感神経抑制剤として用いられる塩酸ジフェニン、塩
酸ベナクチジン、臭化メベンゾレート、ピペンゾレート
メチルブロマイド等を製造するための中間体として利用
される化合物である。
[従来の技術] 以下に、2,2−ジアリールグリコール酸の内、ベンジ
ル酸を例にとり説明する。
ベンジル酸の有用性は非常に高く、そのために従来か
ら種々の製法が提案されている。例えば、ベンジル酸転
位、ベンゾフェノンの電解還元カルボキシル化、ジフェ
ニル酢酸の酸化、ジフェニルグリコールアルデヒドの酸
化等の方法が知られている。
その内、工業的にも実施されているベンジル酸転位に
よる製法は、ベンジルに苛性カリのアルコール溶液ある
いは濃厚な水溶液を作用させて加熱する方法である(Or
ganic Synthesis,Vol.1,29(1921))。
[発明が解決しようとする課題] 上記の方法は反応それ自体は簡単なものであるが、原
料となるベンジルは通常ベンズアルデヒドのエタノール
溶液にシアン化カリウムを加え煮沸してベンゾインにし
た後、更に酸化することにより得られる。すなわち、有
毒なシアン化カリウムを用いる。
このように上記の方法は、原料の合成に有毒なシアン
化カリウムを使うので危険な上、原料それ自体も高価で
あり、工業的な製法としては未だ充分であるとは言えな
い。
従って、本発明は、各種の農薬、医薬品などの中間原
料として有用である2,2−ジアリールグリコール酸を、
容易に入手できる安価な原料から高い収率をもって製造
することを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 即ち本発明は、1,1−ジアリールエチレンを酸化し、
ジアリールエチレングリコールを経て、2,2−ジアリー
ルグリコール酸を製造する方法に関するものである。
以下に本発明を詳しく説明する。
本発明の工程(I)は、ジアリールエチレングリコー
ルを、容易に入手することができる1,1−ジアリールエ
チレンを原料として、特定の酸化剤の存在下に酸化する
ことにより行なわれる。
本発明の工程(I)の原料は、下記式(I)で示す1,
1−ジアリールエチレンである。
ここで上記式のAr1あるいはAr2は、例えば、置換基を
有することのあるフェニル基、ナフチル基、ビフェニリ
ル基などのアリール基を表わし、同一または異なるもの
でもよい。
このアリール基は、塩素、弗素、臭素、沃素などのハ
ロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、メチル基、エチル基
などの低級アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、など
の低級アルコキシ基からなる群より選ばれる1〜3個の
置換基で置換されていてもよい。
具体的な1,1−ジアリールエチレンとしては、1,1−ジ
フェニルエチレン、1,1−フェニルトリルエチレン、1,1
−ジトリルエチレン、1,1−フェニルブロムフェニルエ
チレン、1,1−ビスブロムフェニルエチレン、1,1−ビス
クロロフェニルエチレン、1,1−ビスメトキシフェニル
エチレン、1,1−ビスフロロフェニルエチレン、1,1−フ
ェニルニトロフェニルエチレン、1,1−ビスニトロフェ
ニルエチレン、1,1−フェニル−(3−(1−カルボキ
シエチル)フェニル)エチレン、1,1−フェニルナフチ
ルエチレンなどが挙げられる。
本発明の工程(I)により製造されるジアリールエチ
レングリコールは下記一般式(II)により表わされる。
ここでAr1およびAr2は上記式(I)における定義と同
一の置換基である。
本発明の方法により製造されるジアリールエチレング
リコールとしては、上記式(I)の芳香族の置換基はそ
のまま保存される。
従って具体的には、例えば、1,1−ジフェニルエチレ
ンからは1,1−ジフェニルエチレングリコールが得ら
れ、1,1−ビスクロロフェニルエチレンからは1,1−ビス
クロロフェニルエチレングリコールが、1,1−フェニル
−(3−(1−カルボキシエチル)フェニル)エチレン
からは1,1−フェニル−(3−(1−カルボキシエチ
ル)フェニル)エチレングリコールが、1,1−フェニル
ピリジルエチレンからは1,1−フェニルピリジルエチレ
ングリコールがそれぞれ得られる。
本発明の工程(I)では、上記式(I)の1,1−ジア
リールエチレンは、過マンガン酸塩、四酸化オスミウ
ム、三酢酸コバルトおよび一重項酸素からなる群から選
ばれるいずれかの酸化剤により酸化される。
具体的な過マンガン酸塩としては、過マンガン酸のカ
リウム塩、バリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム
塩、鉛塩の他に、セチルトリメチルアンモニウム塩等の
アンモニウム塩などが用いられる。
また、四酸化オスミウムは、反応基質に対して等モル
数以上加えて酸化する方法の他に、触媒量の四酸化オス
ミウムをニトロソ化合物、ヨードシル化合物、過酸化物
などの共酸化剤と共に酸化させる方法も採用することが
できる。具体的なニトロソ化合物としては、メチルモル
ホリンN−オキシドなどがあり、ヨードシル化合物とし
ては酢酸ヨードシルトルエン、酢酸ヨードシルベンゼン
など挙げられる。
一重項酸素は、過酸化水素と次亜塩素酸ナトリウム、
次亜塩素酸カルシウム、次亜臭素酸ナトリウムなどの次
亜ハロゲン酸塩との反応による方法あるいは有機過酸化
物の熱分解による方法などによれば容易に発生するので
これを用いることができる。
酸化剤の使用量については、特に制限はないが、例え
ば、原料の1,1−ジアリールエチレンに対して、0.1〜20
モル倍、好ましくは1.0〜10モル倍が適当である。酸化
剤の使用量がこの範囲の下限より少ない場合には反応は
充分には進まず、また、酸化剤の使用量を上記範囲の上
限値より多くしても、反応速度の向上には殆ど寄与せ
ず、却って酸化剤の回収に手間取るようになり好ましく
ない。
反応温度は酸化剤により左右されるが、一般には−50
〜200℃、好ましくは0〜100℃である。−50より低い温
度では反応溶媒あるいは反応原料が凝固したり、反応温
度が低過ぎるために反応速度が遅くなるので好ましくな
い。また、200℃を超えると、反応生成物であるジアリ
ールエチレングリコールの熱分解などの副反応が生じ、
目的物の選択性が著しく低下するので何れも好ましくな
い。また、反応時間は酸化剤あるいは反応温度などの反
応条件によっても異なるが、一般には10分〜10時間の範
囲から選ばれる。
反応時の反応系の圧力は、何等本発明の反応には影響
を与えないので適宜に選択できるが、通常は常圧で充分
である。
1,1−ジアリールエチレンと酸化剤との接触効率を向
上させるために溶媒を用いてもよく、このような溶媒と
しては、例えば、水、メタノールあるいはイソプロパノ
ールなどのアルコール、ジオキサン、アセトン、アセト
ニトリル、イソオクタン、ベンゼン、クロロホルムなど
の単一溶媒あるいはこれらの混合溶媒などが用いられ、
好ましくは水が用いられる。
工程(I)の反応は、例えば、次のようにして行なう
ことができる。
反応容器に1,1−ジアリールエチレンおよび反応溶媒
を入れ、所定の条件下で酸化剤を加え反応を進行させ
る。但し、これらの添加順序に特に制限はない。
反応後においては、金属などの固形物を濾過などの手
段で分離した後、常法に従い、ベンゼン、酢酸エチル、
クロロホルムなどの有機溶媒で反応混合物を抽出した
後、通常の蒸留あるいは再結晶などによりジアリールエ
チレングリコールが得られる。
工程(II)においては、上記式一般式(II)で示す1,
1−ジアリールエチレングリコールを分子状酸素により
酸化する。
本発明により製造することのできる2,2−ジアリール
グリコール酸は下記一般式(III)により表わされる。
ここでAr1およびAr2は上記式(I)における定義と同
一の置換基である。
本発明の方法により製造されるジアリールグリコール
酸としては、上記式(I)の芳香族の置換基がそのまま
保存される。
具体的には、例えば、1,1−ジフェニルエチレングリ
コールからベンジル酸(2,2−ジフェニルグリコール
酸)が得られ、1,1−フェニルトリルエチレングリコー
ルからは2,2−フェニルトリルグリコール酸がそれぞれ
得られる。
工程(II)の反応では、反応を促進する目的で触媒を
使用する。該触媒としては、遷移金属、例えば、白金、
パラジウム、ロジウム、ルテニウム、レニウム、イリジ
ウム、ニッケル、鉄、コバルト、銅およびこれらの混合
物が用いられ、これらの酸化物、硫化物、塩化物などお
よびその塩も用いられる。触媒は、好ましくは白金であ
る。遷移金属は如何なる酸化数の遷移金属であっても、
本発明に何等問題なく使用できる。また、触媒は活性
炭、珪藻土、炭酸バリウム、アルミナ、シリカゲル、マ
グネシア、チタニア、ジルコニア等の適宜の不活性担体
に担持されたものでもよい。
触媒の具体例は、白金−カーボン、白金黒、コロイド
白金、酸化白金、パラジウム−カーボン、パラジウム
黒、ロジウム−カーボン、レニウム黒等が挙げられる。
触媒の使用量については、例えば、原料の1,1−ジア
リールエチレングリコールに対して0.01〜20重量%、好
ましくは0.1〜10重量%が適当である。触媒の使用量が
この範囲の下限より少ない場合には、反応は充分に進ま
ない。また、触媒の使用量を上記範囲の上限値より多く
しても、反応速度の向上に殆ど寄与せず、却って触媒の
回収に手間取るようになり好ましくない。
工程(II)では塩基を用いる。塩基としては水酸化ナ
トリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リ
チウム等のアルカリ金属塩、あるいは水酸化カルシウ
ム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属塩を用いるこ
とができる。塩基の使用量は、反応系を塩基性にするた
めに十分な量であれば特に限定されない。
また、工程(II)では分子状酸素により酸化する。酸
素は、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン、メタ
ン、エタン等の反応に不活性なガスによて稀釈してもよ
い。また、空気を用いることもできる。
反応温度は、0〜200℃、好ましくは50〜100℃であ
る。0℃よりも低い温度では、反応溶媒である水あるい
は反応原料が凝固したり、反応温度が低過ぎるために反
応速度が遅くなるので好ましくない。また、200℃を超
える高い温度では、反応生成物である2,2−ジアリール
グリコール酸の熱分解等の副反応が生じ、目的物の選択
性が著しく低下するので、何れも好ましくない。また、
反応時間は反応温度などの反応条件によっても異なる
が、一般には10分〜10時間の範囲から選ばれる。
反応時の反応系の圧力は、何等本発明の反応には影響
を与えないので適宜に選択できるが、通常は常圧で十分
である。
1,1−ジアリールエチレングリコールと酸素あるいは
塩基との接触効率を向上させるために溶媒を用いてもよ
い。このような溶媒としては、例えば、水、ジオキサ
ン、アセトン、アセトニトリル、イソオクタン、ベンゼ
ン、クロロホルムなどの単一溶媒あるいはこれらの混合
溶媒などが用いられ、好ましくは水が用いられる。
工程(II)は、例えば、次のようにして行なうことが
できる。
反応容器に1,1−ジアリールエチレングリコール、遷
移金属触媒および反応溶媒を入れ、所定の条件下で酸素
雰囲気下において反応を進行させる。但し、これらの添
加順序に特に制限はない。
反応後においては、遷移金属触媒を濾過等の手段によ
り分離した後、酸性にし、常法に従いベンゼン、酢酸エ
チル、クロロホルムなどの有機溶媒で反応混合物を抽出
した後、通常の再結晶等により、高純度の2,2−ジアリ
ールグリコール酸を容易に得られる。
[発明の効果] 以上詳述したように、本発明によれば、1,1−ジアリ
ールエチレンを、特定の酸化剤の存在下に酸化し、ジア
リールエチレングリコールを経て、2,2−ジアリールグ
リコール酸を高い収率で製造することができる。
[実施例] 以下、本発明を実施例により更に説明するが、本発明
はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
−工程(I)− <実験例1> 1,1−ジアリールエチレンとして1,1−ジフェニルエチ
レン10.0g(50mmol)をエタノールで稀釈して120mlにし
たものを−15℃に保ちながら、過マンガン酸カリウム1
2.0gと硫酸マグネシウム9.0gの160ml水溶液を滴下し、
混合液中に過マンガン酸カリウムによる紫色が現われる
まで滴下を続けた。
滴下後一時間撹拌した後、反応液から二酸化マンガン
を濾別し、更にエーテルで濾液を抽出した。エーテル層
を亜硫酸ナトリウムで失活した後、乾燥し更に溶媒を蒸
発させ、白色固体の粗生成物を得た。粗生成物をベンゼ
ン、n−ヘキサンで再結晶し、精製物5.2gを得た。精製
物をNMRおよびIRで分析したところ1,1−ジフェニルエチ
レングリコールであることを確認した。
粗生成物を液体クロマトグラフ(カラム:ERMAERC−10
00、溶離液:75%メタノール水溶液、検出器:UV−225n
m)で分離定量したところ、原料の転化率が85%で1,1−
ジフェニルエチレングリコールが72%の収率で得られ
た。
<実験例2> 1,1−ジアリールエチレンとして1,1−ジフェニルエチ
レン1.0g(5.6mmol)を三酢酸コバルト(13.9mmol)と
1.5mlの水と40mlの氷酢酸溶液に溶かし反応させた。
反応はアルゴン雰囲気下で70℃で攪拌せずに8時間行
なった。反応液をエーテルで抽出し、エーテル層を亜硫
酸ナトリウム水溶液で洗浄し、更に水洗した後、硫酸マ
グネシウムで乾燥した。エーテルを蒸留で除くと白色固
体の粗生成物が残った。
その後の分析あるいは定量を実験例1と同様に行な
い、原料の転化率66%で、ジフェニルエチレングリコー
ルを46%の収率で得た。
<実験例3> 1,1−ジアリールエチレンとして1,1−フェニル−(3
−(1−カルボキシエチル)フェニル)エチレン5.0g
(20mmol)のメタノール300ml溶液を10℃に冷却し、そ
の中に31%過酸化水素水溶液6.6g(60mmol)を加える。
この溶液に10.0%次亜塩素酸ナトリウム水溶液30.1g(5
0mmol)を、冷却と攪拌を続けながら2時間で滴下し
た。反応液はそのままの温度で一晩攪拌を続けた。反応
混合物を水で薄めた後、エーテルで抽出した。
エーテル層を亜硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、更に
水で洗った後、硫酸マグネシウムで乾燥した。エーテル
を蒸留で除くと粘性のある液体が得られた。
粗生成物1gに対して2.5%硫酸イソプロパノール溶液2
0mlを加え、還流温度で3時間反応させた。反応液を水
酸化ナトリウム水溶液で塩基性にした後、エーテルで抽
出し、エーテル層を乾燥した後濃縮し、残留液をGC−MA
SSで分析したところ、原料転化率は59.8%であり、1,1
−フェニル−(3−(1−イソプロポキシカルボニルエ
チル)フェニル)エチレングリコールは36%の収率で生
成した。
<実験例4> 1,1−ジアリールエチレンとして1,1−ジトリルエチレ
ン、1,1−ビスクロロフェニルエチレンおよび1,1−ビス
メトキシフェニルエチレンを各々50mmol用い、実験例1
と同様な操作を行なったところ、1,1−ジトリルエチレ
ングリコール、1,1−ビスクロロフェニルエチレングリ
コール、および1,1−ビスメトキシフェニルエチレング
リコールが各々得られた。転化率と収率は、各々75%/6
1%、81%/70%および97%/80%であった。
<比較例1> 1,1−ジアリールエチレンとして、ジフェニルエチレ
ン10.0g(50mmol)を、t−ブタノールで稀釈し50mlと
した後、珪タングステン酸(SiO2・12WO2・2H2O)3.35g
(1mmol)、31%過酸化水素水16.5g(150mmol)を加
え、還流させつつ16時間反応させた。
反応終了後、水100mlを加えてエーテルで抽出した。
エーテル液を水洗した後、乾燥し蒸留によりエーテルを
除いた。
実験例1と同様にして分析したところ、原料の転化率
は32%であったが、ジフェニルエチレンは全く検出され
ず、その代わりにベンゾフェノンが23%の収率で得られ
た。
−工程(II)− <実験例5> 1,1−ジアリールエチレングリコールとして、1,1−ジ
フェニルエチレングリコール2.14g(10mmol)、5%担
持の白金−カーボン0.4gおよび0.33N水酸化ナトリウム
水溶液350mlの混合物を、85℃で激しく攪拌しながら、
純酸素を6l/hrの速度で4時間導入した。室温まで冷却
した後、反応液から触媒を濾別し、塩酸酸性にした後、
エーテルで抽出した。エーテル層を乾燥した後、蒸留に
より濃縮した。
生成物は液体クロマトグラフ(カラム:ERMAERC−100
0、溶離液:70%メタノール水溶液、検出器:UV−225nm)
で分離し、NMRおよびIRで分析したところ、ベンジル酸
が88%の収率で得られた。なお、1,1−ジフェニルエチ
レングリコールは全て消費されていた。
<実験例6> 反応温度を50℃にしたこと以外は実験例5と同様に反
応を行なったところ、転化率は42%に過ぎなかった。
<実験例7> 実験例5における5%担持の白金−カーボンを次表に
示す遷移金属触媒に代えた他は、実験例5と同様に反応
させた。結果を次表にまとめて示す。
<実験例8> 1,1−ジアリールエチレングリコールとして、1,1−ジ
トリルエチレングリコール、1,1−ビスクロロフェニル
エチレングリコール、1,1−ビスメトキシフェニルエチ
レングリコールを、各々10mmol用い、実験例5と同様な
操作を行なったところ、1,1−ジトリルグリコール酸、
1,1−ビスクロロフェニルグリコール酸、1,1−ビスメト
キシフェニルグリコール酸が、各々81%、79%および89
%の収率で得られた。また、実験例5と同じく、原料の
ジアリールエチレングリコールは全て消費されていた。
<比較例2> 反応触媒である5%担持の白金−カーボンを加えず
に、実験例5と同様に反応させたところ、原料の転化率
は2%に過ぎず、目的物であるベンジル酸は全く生成し
なかった。
<比較例3> 0.33N水酸化ナトリウム水溶液350mlの代わりに同量の
水を加えた他は実験例5と同様にて反応を行なった。
反応生成物の分析結果では、ベンジル酸が8%という
低い収率で得られた。なお、1,1−ジフェニルエチレン
グリコールは10%消費されていた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 29/48 C07C 29/48 33/26 33/26

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記工程(I)および工程(II)からなる
    2,2−ジアリールグリコール酸の製造方法、 工程(I):下記一般式(I)で表わされる1,1−ジア
    リールエチレンを過マンガン酸塩、四酸化オスミウム、
    三酢酸コバルトおよび一重項酸素からなる群から選ばれ
    るいずれかの酸化剤の存在下に酸化する、下記一般式
    (II)で表わされる1,1−ジアリールエチレングリコー
    ルを製造する工程、 工程(II):前記式(II)で表わされる1,1−ジアリー
    ルエチレングリコールを遷移金属触媒と塩基の存在下
    に、温度0〜200℃で分子状酸素により酸化する、下記
    一般式(III)で表わされる2,2−ジアリールグリコール
    酸を製造する工程、 式中、Ar1およびAr2は同一または異なるアリール基であ
    る。
  2. 【請求項2】前記各式のアリール基がハロゲン原子、ニ
    トロ基、アミノ基、低級アルキル基および低級アルコキ
    シ基からなる群より選ばれる1〜3個の置換基を有する
    請求項1記載の2,2−ジアリールグリコール酸の製造方
    法。
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