JP2740123B2 - クリーニングブレード用ブレード部材 - Google Patents

クリーニングブレード用ブレード部材

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JP2740123B2
JP2740123B2 JP6178044A JP17804494A JP2740123B2 JP 2740123 B2 JP2740123 B2 JP 2740123B2 JP 6178044 A JP6178044 A JP 6178044A JP 17804494 A JP17804494 A JP 17804494A JP 2740123 B2 JP2740123 B2 JP 2740123B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クリーニングブレード
用ブレード部材に関する。さらに詳しくは、複写機、プ
リンタ、ファクシミリなどの電子写真装置に用いられた
感光体上に残留するトナーを除去するためのクリーニン
グブレード用ブレード部材に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真装置では、記録用紙に
転写を行なったあと感光体上に残存するトナーを除去し
て繰り返し複写を行なうために、支持体にブレード部材
が接合されたクリーニングブレードが用いられている。
【0003】前記ブレード部材としては、耐摩耗性や低
永久歪などにすぐれていることから、ポリウレタンエラ
ストマーからなるシートを所定の寸法にカットしたもの
が広く用いられている。前記ポリウレタンエラストマー
は、通常、ポリエチレンアジペートやポリカプロラクト
ンエステルなどの高分子量ポリオールと、4,4´−ジ
フェニルメタンジイソシアネートなどのイソシアネート
とを反応させてえられたプレポリマーに、ポリオールか
らなる硬化剤を添加し、型内に注入し、硬化させること
によってえられている。
【0004】しかしながら、このようにしてえられたポ
リウレタンエラストマーからなるブレード部材は、長期
間使用しているうちに感光体に当接するエッジ部の欠け
が発生しやすいという問題がある。
【0005】そこで、このようなエッジ部の欠けを発生
しがたくするために、たとえば特開平2−203372
号公報には、官能基数が2.02〜2.5のプレポリマ
ーを用いて引裂強度を大きくすることが開示され、また
特開平5−150697号公報には、ポリイソシアネー
トと高分子量ポリオールとから調製され、NCO基の含
有率が8〜20重量%であるプレポリマー、数平均分子
量1000〜3000の高分子量ポリオールおよび分子
量60〜250の低分子量ポリオールを、OH基/NC
O基の当量比の値が0.8〜0.9となるように配合
し、えられた300%モジュラスの高いポリウレタンエ
ラストマーからなるブレード部材が提案されている。
【0006】しかしながら、かかるポリウレタンエラス
トマーからなるブレード部材を用いたばあいであって
も、感光体との摺擦距離が長くなるにしたがってブレー
ド部材のエッジ部が局部的に欠損し、かかる欠損箇所か
らトナーがすり抜け、画像が不鮮明になるなどの問題が
発生し、ブレード部材の耐久性が未だ不充分であった。
【0007】また、ブレード部材のエッジ部が局部的に
欠損しないようにする手段として、(イ)ポリウレタン
エラストマーに潤滑剤を添加し、ブレード部材の摩擦係
数を低減させる方法、(ロ)トナーに潤滑剤を配合する
方法、(ハ)ブレード部材の感光体表面への圧接力を小
さくする方法などが提案されている。しかしながら、前
記(イ)および(ロ)の方法には、添加された潤滑剤が
感光体に悪影響を与えることがあるという問題があり、
また前記(ハ)の方法には、ブレード部材と感光体表面
とのあいだからトナーがすり抜けることがあるという問
題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、長期間使用してもエッ
ジ部の局部的な欠損が発生しにくく、摩耗が軽微で均一
であり、感光体に悪影響を及ぼさないクリーニングブレ
ード用ブレード部材を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、 (A)数平均分子量1000〜5000の高分子量ポ
リエステルポリオール95〜99.9重量%および炭素
数2〜10の低分子量ジオール0.1〜5重量%からな
るポリオールと、イソシアネートとを反応させてえられ
たNCO基の含有率が5〜20重量%のプレポリマー、
ならびに(B)数平均分子量1000〜5000の高分
子量ポリエステルポリオールおよび分子量62〜250
の低分子量ポリオールからなる硬化剤を反応させてえら
れたポリウレタンエラストマーからなるクリーニングブ
レード用ブレード部材(以下、第1発明という)、なら
びに (A)数平均分子量1000〜5000の高分子量ポ
リエステルポリオール70〜99.4重量%、炭素数2
〜10の低分子量ジオール0.1〜5重量%および分子
量92〜980の3官能ポリオール0.5〜25重量%
からなるポリオールと、イソシアネートとを反応させて
えられたNCO基の含有率が5〜20重量%のプレポリ
マー、ならびに(B)数平均分子量1000〜5000
の高分子量ポリエステルポリオールおよび分子量62〜
250の低分子量ポリオールからなる硬化剤を反応させ
てえられたポリウレタンエラストマーからなるクリーニ
ングブレード用ブレード部材(以下、第2発明という)
に関する。
【0010】
【作用および実施例】前記第1発明のクリーニングブレ
ード用ブレード部材は、前記したように、(A)数平均
分子量1000〜5000の高分子量ポリエステルポリ
オール95〜99.9重量%および炭素数2〜10の低
分子量ジオール0.1〜5重量%からなるポリオール
と、イソシアネートとを反応させてえられたNCO基の
含有率が5〜20重量%のプレポリマー、ならびに
(B)数平均分子量1000〜5000の高分子量ポリ
エステルポリオールおよび分子量62〜250の低分子
量ポリオールとからなる硬化剤を反応させてえられたポ
リウレタンエラストマーからなるものである。
【0011】また、前記第2発明のクリーニングブレー
ド用ブレード部材は、前記したように、(A)数平均分
子量1000〜5000の高分子量ポリエステルポリオ
ール70〜99.4重量%、炭素数2〜10の低分子量
ジオール0.1〜5重量%および分子量92〜980の
3官能ポリオール0.5〜25重量%からなるポリオー
ルと、イソシアネートとを反応させてえられたNCO基
の含有率が5〜20重量%のプレポリマー、ならびに
(B)数平均分子量1000〜5000の高分子量ポリ
エステルポリオールおよび分子量62〜250の低分子
量ポリオールからなる硬化剤を反応させてえられたポリ
ウレタンエラストマーからなるものである。
【0012】第1発明および第2発明には、プレポリマ
ーを構成する成分として、従来のように高分子量ポリエ
ステルポリオールのみを用いるのではなく、数平均分子
量1000〜5000の高分子量ポリエステルポリオー
ルと、炭素数2〜10の低分子量ジオールとを併用した
点に第1の特徴がある。
【0013】また、硬化剤として、数平均分子量100
0〜5000の高分子量ポリエステルポリオールと分子
量62〜250の低分子量ポリオールとを併用した点に
第2の特徴がある。
【0014】第1発明および第2発明は、いずれもこれ
ら第1〜2の特徴を有するので、ブレード部材は、長期
間使用したばあいであってもエッジ部の局部的な欠損が
発生しにくく、摩耗が軽微でかつ均一であり、しかも感
光体に悪影響を及ぼさないというすぐれた性質を呈す
る。第1発明および第2発明がこのようなすぐれた性質
を呈する理由は、必ずしも明らかではないが、高分子量
ポリエステルポリオールのみを用いたばあいには、ソフ
トセグメント部の規則性が高いので、凝集力の高いハー
ドセグメント部のみならず、ソフトセグメント部におい
ても微結晶を形成するため、えられるブレード部材が比
較的脆くなるのに対して、第1発明および第2発明にお
いては、数平均分子量1000〜5000の高分子量ポ
リエステルポリオールと、炭素数2〜10の低分子量ジ
オールとが併用されているので、ソフトセグメント部の
規則性が乱され、微結晶の生成が阻害され、豊かな柔軟
性としなやかさが付与されることにもとづくものと考え
られる。また、本発明においては、低分子量ジオールと
して直鎖を有するものよりもむしろ側鎖を有するものを
用いたり、3官能ポリオールを配合したばあいには、柔
軟性およびしなやかさがより一層向上するので好まし
い。これらの物性が向上するのは、これら側鎖を有する
低分子量ジオールや3官能ポリオールを用いたばあいに
は、立体障害を生起し、ソフトセグメント部の規則性を
乱すことによるものと考えられる。
【0015】さらに、第1発明および第2発明において
は、ポリオールには、数平均分子量1000〜5000
の高分子量ポリエステルポリオールと炭素数2〜10の
低分子量ジオールとが併用されているため、高分子量ポ
リエステルポリオールが単独で用いられているばあいよ
りも、ウレタン結合やアロハネート結合が多くなるの
で、エラストマー中の架橋点密度が高くなり、耐摩耗性
が向上したものとなるものと考えられる。
【0016】また、第1発明および第2発明において
は、第2の特徴、すなわち硬化剤にも、数平均分子量1
000〜5000のポリエステルと分子量62〜250
の低分子量ポリオールとが併用されているので、架橋点
密度がさらに高くなり、えられるエラストマーは、複雑
な架橋構造を有するため、機械的強度にすぐれ、永久歪
が小さく、耐摩耗性にすぐれたものとなる。
【0017】したがって、これら第1の特徴および第2
の特徴を同時に併せもつ第1発明および第2発明は、硬
度が70度前後で柔軟性に富み、大変形領域におけるモ
ジュラス(300%モジュラス)が大きく、永久歪が小
さく、耐摩耗性にすぐれたものとなり、エッジ部の欠損
を有効に防止するのみならず、感光体に悪影響を及ぼさ
ないという特性を備えたものとなる。
【0018】以下に、まず第1発明について説明する。
【0019】第1発明に用いられるプレポリマーを構成
する数平均分子量が1000〜5000の高分子量ポリ
エステルポリオールの代表例としては、たとえばアルキ
レングリコールとアジピン酸の縮合体であるアジペート
系ポリエステルポリオール、カプロラクトンを開環重合
させてえられたポリカプロラクトンエステルポリオー
ル、ポリカーボネートエステルポリオールなどがあげら
れ、これらのなかでは、アジペート系ポリエステルポリ
オールおよびポリカプロラクトンエステルポリオールが
とくに好ましい。
【0020】前記アジペート系ポリエステルポリオール
の具体例としては、たとえばポリエチレンアジペートエ
ステルポリオール、ポリブチレンアジペートエステルポ
リオール、ポリヘキシレンアジペートエステルポリオー
ル、ポリエチレン−プロピレンアジペートエステルポリ
オール、ポリエチレン−ブチレンアジペートエステルポ
リオール、ポリエチレン−ネオペンチレンアジペートエ
ステルポリオールなどがあげられ、これらは単独でまた
は2種以上混合して用いられる。
【0021】前記高分子量ポリエステルポリオールの数
平均分子量は、あまりにも小さいばあいには、えられる
ポリウレタンエラストマーの硬度が高くなり、伸びや柔
軟性が低下するようになるので、1000以上、好まし
くは1500以上とされ、またあまりにも大きいばあい
には、伸びが大きくなり、機械的強度が低下するので、
5000以下、好ましくは4000以下とされる。
【0022】前記高分子量ポリエステルポリオールと併
用される炭素数2〜10の低分子量ジオールの具体例と
しては、たとえばエチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、トリエチレングリコー
ル、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオ
ール、デカンジオール、ジプロピレングリコール、3−
メチル−1,5−ペンタンジオールなどがあげられる。
なお、これらの低分子量ジオールのなかでは、直鎖状の
ジオールよりも1,3−ブタンジオールや2,3−ブタ
ンジオールなどのような側鎖を有するジオールのほう
が、その側鎖による立体障害によってソフトセグメント
部分の規則性を乱しやすく、ブレード部材の耐久性が一
層向上するので、本発明においてはとくに好適に使用し
うるものである。
【0023】前記低分子量ジオールの炭素数は、2未満
のものはありえず、また10をこえるばあいには、ポリ
ウレタンエラストマーの300%モジュラス応力の向上
効果が小さくなり、さらにコスト高となるため、炭素数
は2〜10とされる。
【0024】前記ポリオールにおける高分子量ポリエス
テルポリオールの量があまりにも多いばあい、すなわち
前記低分子量ジオールの量があまりにも少ないばあいに
は、えられるブレード部材の耐久性の向上効果が発現し
にくくなるので、前記高分子量ポリエステルポリオール
の量は99.9重量%以下、好ましくは99.8重量%
以下、すなわち前記低分子量ジオールの量は0.1重量
%以上、好ましくは0.2重量%以上とされる。また、
前記高分子量ポリエステルポリオールの量があまりにも
少ないばあいには、すなわち前記低分子量ジオールの量
があまりにも多いばあいには、えられるプレポリマーの
粘度が高くなり、作業性が低下するのみならず、えられ
るポリウレタンエラストマーのガラス転移点が上昇し、
えられるブレード部材の弾性が小さくなるので、前記高
分子量ポリエステルポリオールの量は95重量%以上、
好ましくは97重量%以上、すなわち前記低分子量ジオ
ールの量は5重量%以下、好ましくは3重量%以下とさ
れる。
【0025】前記高分子量ポリエステルポリオールおよ
び前記低分子量ジオールを所定量配合してえられたポリ
オールと、イソシアネートとを反応させることにより、
プレポリマーがえられる。
【0026】前記イソシアネートの具体例としては、た
とえばトリレンジイソシアネート、3,3´−ジメチル
ジフェニルジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネー
トなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混
合して用いられる。これらのなかでは、4,4´−ジフ
ェニルメタンジイソシアネートは、とくにブレード部材
に好適に用いられる。
【0027】前記ポリオールとイソシアネートとの配合
割合は、両者を反応させてえられるプレポリマーに含ま
れるNCO基の含有率の下限値が5重量%以上、好まし
くは8重量%以上、またその上限値が20重量%以下、
好ましくは17重量%以下となるように調整される。前
記プレポリマーに含まれるNCO基の含有率が前記下限
値よりも低いばあいには、ブレード部材の機械的強度が
充分でなくなり、また前記上限値よりも高いばあいに
は、えられるプレポリマーの貯蔵安定性が低下し、また
えられるプレポリマーと硬化剤とを混合したあと、粘度
上昇が早くなりすぎて混合注型などの作業が困難とな
る。
【0028】前記プレポリマーの製造法については、と
くに限定はないが、その一例として、たとえば前記ポリ
オールと前記イソシアネートとをチッ素ガスなどの不活
性ガス雰囲気中で混合し、反応させる方法などがあげら
れる。
【0029】ブレード部材に用いられるポリウレタンエ
ラストマーは、前記プレポリマーと硬化剤を反応させる
ことによってえられる。
【0030】前記硬化剤は、数平均分子量1000〜5
000の高分子量ポリエステルポリオールおよび分子量
62〜250の低分子量ポリオールで構成される。
【0031】前記数平均分子量1000〜5000の高
分子量ポリエステルポリオールは、前記プレポリマーを
調製する際に用いられたものが代表例としてあげられる
が、異なるものであってもよい。
【0032】前記分子量62〜250の低分子量ポリオ
ールとしては、たとえば2価アルコール、3価以上のア
ルコール、アミン含有多価アルコールなどがあげられ、
これらは単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
【0033】前記2価アルコールの具体例としては、た
とえば1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−
ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、3−メチ
ル−1,5−ペンタンジオールなどがあげられる。
【0034】前記3価以上の多価アルコールの具体例と
しては、たとえば1,1,1−トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、
1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタ
ン、1,1,1−トリス(ヒドロキシエトキシメチル)
プロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトールなどが
あげられる。
【0035】前記アミン含有多価アルコールの具体例と
しては、たとえばトリエタノールアミン、トリイソプロ
パノールアミン、ジイソプロパノールアミンなどがあげ
られる。
【0036】前記分子量62〜250の低分子量ポリオ
ールのなかでは、とくに2価アルコールおよび3価アル
コールの併用、たとえば1,4−ブタンジオールなどの
2価アルコールと1,1,1−トリメチロールプロパン
などの3価アルコールの併用は、えられるポリウレタン
エラストマーに、ブレード部材として好適な機械的強度
を付与し、永久歪を改善するので好ましい。このばあ
い、2価アルコール/3価アルコール(モル比)は、好
適な機械的強度を付与し、永久歪を改善させるために
は、60/40〜90/10であることが好ましい。
【0037】前記硬化剤において、前記高分子量ポリエ
ステルポリオールと前記低分子量ポリオールとの配合割
合(高分子量ポリエステルポリオール/低分子量ポリオ
ール:重量比)は、とくに限定がないが、あまりにも低
分子量ポリオールの割合が大きいばあいには、プレポリ
マーと硬化剤とを混合した際に硬化速度が速くなり、作
業性が低下するばかりでなく、えられるポリウレタンエ
ラストマーの硬度が高くなるとともに該ポリウレタンエ
ラストマーの反発弾性が高くなり、ブレード部材が感光
体を摺擦する際に鳴きを生じるようになる傾向があるの
で、90/10以下、なかんづく85/15以下とする
ことが好ましく、またあまりにも低分子量ポリオールの
割合が小さいばあいには、えられるポリウレタンエラス
トマーの硬度が低くなり、ブレード部材の耐摩耗性が低
下するばかりでなく、ブレード部材が感光体を摺擦する
際に反転するようになる傾向があるので、75/25以
上、なかんづく80/20以上とすることが好ましい。
【0038】第1発明のブレード部材は、前記プレポリ
マーと硬化剤とをNCO基/OH基当量比の値が1.0
〜1.25となるように混合した液状体を、常圧注型
法、遠心成形法、減圧注型法などの通常のポリウレタン
の成形法に準じて厚さ1〜3mm程度のシートを成形
し、熟成後、所定寸法に切断してつくることができる。
かかるブレード部材は、支持体に接着剤などで接合した
り、支持体にはさみ込んだりすることによってクリーニ
ングブレードとし、電子写真装置に用いることができ
る。また、かかるブレード部材は、支持体を用いること
なく、電子写真装置の枠体に直接取りつけることによ
り、電子写真装置に用いることもできる。
【0039】つぎに、第2発明について説明する。
【0040】第2発明と第1発明との相違点は、プレポ
リマーを構成するポリオールが異なる点にある。
【0041】第2発明に用いられるプレポリマーを構成
するポリオールは、前記したように、数平均分子量10
00〜5000の高分子量ポリエステルポリオール70
〜99.4重量%、炭素数2〜10の低分子量ジオール
0.1〜5重量%および分子量92〜980の3官能ポ
リオール0.5〜25重量%から構成される。
【0042】前記数平均分子量1000〜5000の高
分子量ポリエステルポリオールおよび前記炭素数2〜1
0の低分子量ジオールとしては、第1発明に用いられる
ものと同じものが例示される。
【0043】前記3官能ポリオールの分子量は、92未
満のものはありえず、また980よりも高いばあいに
は、えられるプレポリマーの粘度が高くなり、作業性が
低下するので、92〜980とされる。
【0044】前記3官能ポリオールの具体例としては、
たとえばグリセリン、1,2,4−ブタントリオール、
トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,
2,6−ヘキサントリオールなどの3官能脂肪族ポリオ
ール;前記3官能脂肪族ポリオールにエチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどを
付加したポリエーテルトリオール;前記3官能脂肪族ポ
リオールにラクトンなどを付加したポリエステルトリオ
ールなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を
混合して用いられる。
【0045】前記数平均分子量1000〜5000の高
分子量ポリエステルポリオールのポリオール中における
含有量の下限値は、70重量%以上、好ましくは73重
量%以上とされ、またその上限値は99.4重量%以
下、好ましくは94.8重量%以下とされる。
【0046】前記炭素数2〜10の低分子量ジオールの
ポリオールにおける含有量の下限値は0.1重量%以
上、好ましくは0.2重量%以上とされ、またその上限
値は5重量%以下、好ましくは3重量%以下とされる。
【0047】なお、前記数平均分子量1000〜500
0の高分子量ポリエステルポリオールおよび炭素数2〜
10の低分子量ジオールのポリオール中における含有量
の上限値および下限値の意義は、それぞれ第1発明に用
いられている各成分の意義と同一である。
【0048】前記分子量92〜980の3官能ポリオー
ルのポリオール中における含有量の下限値は、あまりに
も小さいばあいには、添加したことによる効果が充分に
発現されなくなるので、0.5重量%以上、好ましくは
5重量%以上とされ、またその上限値は、あまりにも大
きいばあいには、えられるプレポリマーの粘度が高くな
り、取扱い性がわるくなるので、25重量%以下、好ま
しくは20重量%以下とされる。
【0049】第2発明においては、ポリオールが第1発
明に用いられるものと相違するほかは、第1発明と同様
であればよい。
【0050】なお、本発明においては、前記ポリウレタ
ンプレポリマーをうる際には、必要により、たとえばア
ミン化合物、有機金属化合物、イミダゾール化合物など
の触媒を配合してもよい。
【0051】本発明のブレード部材による感光体のクリ
ーニングは、該ブレード部材のエッジ部を回転する感光
体の表面に圧接させることによって行なわれるが、該ブ
レード部材は、長期間使用したばあいであっても、該エ
ッジ部が欠損しがたく、しかも摩耗が軽微であるので、
耐久性にすぐれたものである。
【0052】つぎに本発明クリーニングブレード用ブレ
ード部材を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、
本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0053】実施例1 高分子量ポリエステルポリオールとしてポリブチレンア
ジペートエステルポリオール(数平均分子量2070、
水酸基価54.2mgKOH/g)640.4gおよび
低分子量ジオールとして1,3−ブタンジオール5gを
混合してポリオールをえた。
【0054】前記ポリオール645.4gと4,4´−
ジフェニルメタンジイソシアネート450gとを、チッ
素雰囲気中で70℃で3時間加熱反応させ、NCO基の
含有率が11.0重量%の液状のプレポリマーをえた。
【0055】他方、前記と同じポリブチレンアジペート
エステルポリオール488.6g、低分子量ポリオール
として1,4−ブタンジオール76.8gおよび1,
1,1−トリメチロールプロパン19.2gを混合して
硬化剤をえた。
【0056】えられたプレポリマーと硬化剤とを混合
し、遠心成形機に注入し、150℃で1時間、約600
rpmの回転数で成形させたのち、室温で1週間熟成さ
せてポリウレタンエラストマーからなる厚さ2mmのシ
ートをえた。
【0057】つぎに、えられたシートを20mm×28
0mmに切断してブレード部材を作製した。
【0058】えられたブレード部材の物性として、
(A)硬度、(B)300%モジュラス、引張強さおよ
び切断時の伸びを以下の方法にしたがって調べた。その
結果を表1に示す。
【0059】(A)硬度 JIS−K6301の方法に準拠して硬度(JIS
A)を測定した。
【0060】(B)300%モジュラス、引張強さおよ
び切断時の伸び JIS−K6301の方法に準拠し、ダンベル状3号試
験片を用いてオートグラフで引張試験を行ない、S−S
曲線より300%モジュラス(MPa)、引張り強さ
(MPa)および切断時の伸び(%)を測定した。
【0061】また、えられたブレード部材を鋼板から成
形された支持体に接着剤で接合させてえられたクリーニ
ングブレードを普通紙複写機(コピー速度:55枚(A
4ヨコ)/min)に装着し、常温常湿下でブラック/
ホワイト6%文字チャートを被複写画像として5枚間欠
モード(5枚コピー後にエンジン停止の繰り返し)でA
4紙50000枚に画像複写を行なったのち、クリーニ
ングブレードのエッジ部の摩耗状態および摩耗量、なら
びに画像状態を以下の方法にしたがって調べた。その結
果を表1に示す。
【0062】(摩耗状態)走査型電子顕微鏡にてクリー
ニングブレードのエッジ部の摩耗状態を観察した。
【0063】(摩耗量) (摩耗量)=(摩耗部の断面積)×(エッジ部の単位長
さ) にしたがって算出した。
【0064】(画像状態)形成された複写画像を肉眼に
て観察した。
【0065】実施例2〜3 プレポリマーを形成するポリオールの高分子量ポリエス
テルポリオールと低分子量ジオールの組合せ、および硬
化剤を形成する高分子量ポリエステルポリオールと低分
子量ポリオールの組合せを表1に示すようにしたほか
は、実施例1と同様にしてブレード部材およびクリーニ
ングブレードを作製し、その物性ならびに摩耗状態、摩
耗量および画像状態を実施例1と同様にして調べた。そ
の結果を表1に示す。
【0066】実施例4〜6 プレポリマーを形成するポリオールに3官能ポリオール
を加え、表1に示す組成のポリオールとし、また硬化剤
を形成する高分子量ポリエステルポリオールと低分子量
ポリオールの組合せを表1に示すようにしたほかは、実
施例1と同様にしてブレード部材およびクリーニングブ
レードを作製し、その物性ならびに摩耗状態、摩耗量お
よび画像状態を調べた。その結果を表1に示す。
【0067】比較例1〜2 プレポリマーを形成するポリオールを表1に示されるよ
うに高分子量ポリエステルポリオールのみとし、また硬
化剤を形成する高分子量ポリエステルポリオールと低分
子量ポリオールの組合せを表1に示すようにしたほか
は、実施例1と同様にしてブレード部材およびクリーニ
ングブレードを作製し、その物性ならびに摩耗状態、摩
耗量および画像状態を調べた。その結果を表1に示す。
【0068】比較例3 プレポリマーを形成するポリオールに低分子ジオールを
使用せず、表1に示されるようにポリオールを高分子量
ポリエステルポリオールと3官能ポリオールのみとした
ほかは、実施例1と同様にして、ブレード部材およびク
リーニングブレードを作製し、その物性ならびに摩耗状
態、摩耗量および画像状態を調べた。その結果を表1に
示す。
【0069】比較例4 実施例3において、表1に示されるように、高分子量ポ
リエステルポリオールに対する3官能ポリオールの比率
を小さくし、プレポリマー中のイソシアネート基含量を
小さくし、硬化剤に高分子量ポリエステルポリオールを
用いなかったほかは、実施例1と同様にしてブレード部
材およびクリーニングブレードを作製し、その物性なら
びに摩耗状態、摩耗量および画像状態を調べた。その結
果を表1に示す。
【0070】なお、表中の各略号は、以下のことを意味
する。
【0071】PBA:ポリブチレンアジペートエステル
ポリオール(数平均分子量2070、水酸基価54.2
mgKOH/g) PCL:ポリカプロラクトンエステルポリオール(数平
均分子量2040、水酸基価55.0mgKOH/g) f3 PCL:ラクトン付加ポリエステルトリオール(数
平均分子量300、水酸基価561mgKOH/g) 1,3 BD:1,3−ブタンジオール 1,4 BD:1,4−ブタンジオール 4,4´ MDI:4,4´−ジフェニルメタンジイソ
シアネート 1,1,1 TMP:トリメチロールプロパン
【0072】
【表1】
【0073】
【発明の効果】本発明のクリーニングブレード用ブレー
ド部材は、硬度、300%モジュラス、引張り強さ、切
断時伸びなどの機械的強度にすぐれ、エッジ部が欠けに
くく、摩耗が軽微で均一であることから、耐久性にすぐ
れ、長期間にわたってトナーを除去しても安定した画像
を与えるという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 良則 兵庫県神戸市兵庫区明和通三丁目2番15 号 バンドー化学株式会社内 (72)発明者 長谷川 誠 兵庫県神戸市兵庫区明和通三丁目2番15 号 バンドー化学株式会社内 (72)発明者 秋山 一 京都市東山区一橋野本町11番地の1 三 洋化成工業株式会社内 (72)発明者 田仲 弘忠 京都市東山区一橋野本町11番地の1 三 洋化成工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−278045(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)数平均分子量1000〜5000
    の高分子量ポリエステルポリオール95〜99.9重量
    %および炭素数2〜10の低分子量ジオール0.1〜5
    重量%からなるポリオールと、イソシアネートとを反応
    させてえられたNCO基の含有率が5〜20重量%のプ
    レポリマー、ならびに(B)数平均分子量1000〜5
    000の高分子量ポリエステルポリオールおよび分子量
    62〜250の低分子量ポリオールからなる硬化剤を反
    応させてえられたポリウレタンエラストマーからなるク
    リーニングブレード用ブレード部材。
  2. 【請求項2】 (A)数平均分子量1000〜5000
    の高分子量ポリエステルポリオール70〜99.4重量
    %、炭素数2〜10の低分子量ジオール0.1〜5重量
    %および分子量92〜980の3官能ポリオール0.5
    〜25重量%からなるポリオールと、イソシアネートと
    を反応させてえられたNCO基の含有率が5〜20重量
    %のプレポリマー、ならびに(B)数平均分子量100
    0〜5000の高分子量ポリエステルポリオールおよび
    分子量62〜250の低分子量ポリオールからなる硬化
    剤を反応させてえられたポリウレタンエラストマーから
    なるクリーニングブレード用ブレード部材。
  3. 【請求項3】 (B)硬化剤に用いられた低分子量ポリ
    オールが2価アルコールおよび3価アルコールからなる
    請求項1または2記載のクリーニングブレード用ブレー
    ド部材。
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