JP2738453B2 - 銅張積層板の製造方法 - Google Patents

銅張積層板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、回路形成後のカール、ねじれ、反り等がな
く、耐熱性、寸法安定性、接着性、耐折り曲げ性に優れ
たフレキシブルプリント回路用銅張積層板の製造方法に
関する。
[従来の技術] 従来、フレキシブルプリント回路用銅張積層板は、一
般に導体と有機ポリマーの絶縁体とをエポキシ樹脂ある
いはウレタン樹脂等の接着剤で接着して製造されてい
た。しかし、この際に熱圧着等の熱履歴を加えると、冷
却時に基板のカール、ねじれ、反り等を生じてその後の
導体パターニング等が不可能となる欠点があった。これ
らの問題は導体と絶縁体の線膨張係数の差に起因する。
また、接着剤層のため難燃性が低下したり、使用するポ
リイミドフィルムが高価であるほか、貼り合わせに多大
の手間を要してフレキシブルプリント基板が高価格にな
る等の問題があった。
特開昭56−23,791号公報等においては、ポリアミドイ
ミド溶液を金属箔に塗布し、乾燥後に線膨張係数の差に
基づいて生じたカールを後工程で熱処理により緩和する
手法が提案されているが、この方法も製造に手間のかか
る点や線膨張係数が異なることからハンダ浴等の再加熱
時にカールするという点等については依然として解決さ
れておらず、満足し得るものではなかった。
また、特開昭60−157,286号公報や特開昭60−243,120
号公報においては、ポリアミドイミド溶液を金属箔に塗
布し、乾燥後に線膨張係数の差に基づいて生じたカール
を後工程で熱処理により緩和する手法が提案されている
が、この方法も製造に手間のかかる点や線膨張係数が異
なることからハンダ浴等の再加熱時にカールするという
点等については依然として解決されておらず満足し得る
ものではなかった。
また、特開昭60−157,286号公報や特開昭60−243,120
号公報においては、特定構造を有するポリイミドあるい
はポリイミド前駆体溶液を導体上に塗布して低熱膨張性
の樹脂を得、カールの少ないフレキシブルプリント基板
を得る方法が提案されているが、接着力が不十分であっ
たり、また、導体をエッチングして回路を形成する際に
導体と接触していた面を内側にしてフィルムが大きくカ
ールし、その後の回路保護等の後作業が困難になるとい
う問題があった。
また、従来の接着層を用いたタイプでは、その接着層
に硬さ、引き裂き強度等のポリイミドフィルムに不足す
る物性を保持させていたが、反面、この接着層が存在す
るために、例えば耐熱性、打抜き加工性等の種々の点で
問題があった。
[発明が解決しようとする課題] 従って、本発明の目的は、熱履歴を加えてもカール,
ねじれ、反り等がなく、及び十分な接着力、耐折り曲げ
性、寸法安定性等を有し、しかも、導体をエッチングし
た後のカールが小さくて作業性に優れた工業的に有用な
フレキシブルプリント基板を提供することにあった。
[課題を解決するための手段] 本発明者は、かかる観点に鑑みて鋭意研究を重ねた結
果、絶縁体を互いにその線膨張係数の異なる複数のポリ
イミド系樹脂層を高熱膨張性の樹脂層を外側として導体
上に塗工し、減圧下及び/又は還元性気体雰囲気下に乾
燥硬化し、多層化することにより、導体をエッチングし
た後のフィルムのカールを防止し、温度変化に対しての
寸法安定性、接着力等において信頼性に優れたフレキシ
ブルプリント基板を得ることができることを見出し、本
発明を完成した。
すなわち、本発明は、導体上にポリイミド系樹脂を直
接塗工して形成するフレキシブルプリント回路用銅張積
層板の製造方法において、線膨張係数の異なる少なくと
も2種のポリイミド系樹脂組成物又はその前駆体組成物
を、線膨張係数の高い樹脂層が外側となるように導体上
に塗工した後乾燥し、減圧下及び/又は還元性気体雰囲
気下に硬化を行うことを特徴とする銅張積層板の製造方
法である。
本発明において、直接塗工により形成されるフレキシ
ブルプリント回路用銅張積層板とは、導体上に樹脂溶液
をあるいはその前駆体樹脂溶液を直接塗布し、乾燥し、
さらに硬化させ、導体と絶縁体との複合材を形成してな
る可撓性配線体用基板又はその材料である。
また、本発明でいうポリイミド系樹脂とは、ポリイミ
ド、ポリアミド、ポリベンズイミダゾール、ポリイミド
エステル等の耐熱性樹脂である。
本発明では、互いにその線膨張係数の異なる高熱膨張
性樹脂層と低熱膨張性樹脂層とを複合化して絶縁体を形
成するものであるが、その高熱膨張性樹脂層の厚み(t
1)と低熱膨張性樹脂層の厚み(t2)の比率(t2/t1)
(但し、t1及びt2はそれぞれの樹脂層の厚みの和であ
る)については、0.01〜20,000、好ましくは2〜100、
より好ましくは3〜25の条件を満たす必要がある。ここ
で、高熱膨張性樹脂層及び低熱膨張性樹脂層とは、多層
構造を形成する絶縁体の各構成樹脂層が有する線熱膨張
係数の単純平均値を基準にしてそれより高い値の線膨張
係数を有する樹脂層を高熱膨張性樹脂層といい、また、
それより低い線膨張係数を有する樹脂層を低熱膨張性樹
脂層という。厚みの比率(t2/t1)の値が小さすぎると
絶縁体全体としての線膨張係数が大きくなり、導体との
線膨張係数の差により基板が絶縁体を内側にしてカール
し、回路形成作業が困難になったり、導体のエッチング
時に歪みが解除されて寸法が大きく変化する。反対に、
厚みの比率(t2/t1)の値が大きすぎると本発明の目的
である導体エッチング後のフィルムのカール防止が困難
になる。
本発明において、絶縁体の全体の厚み(t1+t2)は、
通常5〜100μm、好ましくは10〜50μmである。ま
た、この絶縁体を構成する高熱膨張性樹脂層の線膨張係
数は30×10-6(1/K)以上、好ましくは(40〜100)×10
-6(1/K)であり、低熱膨張性樹脂層の線膨張係数は30
×10-6(1/K)未満、好ましくは(0〜25)×10-6(1/
K)であって、これら高熱膨張性樹脂層と低熱膨張性樹
脂層との間にはその線膨張係数において5×10-6(1/
K)以上、好ましくは10×10-6(1/K)以上の差があるこ
とが望ましい。5×10-6(1/K)未満であれば、エッチ
ング後のフィルムカール防止が困難である。
フィルムカールを防止するためには、高熱膨張性の樹
脂層を外層に設けることが必要である。
本製造方法においては、そのような熱膨張係数の異な
る少なくとも2層のポリイミド系樹脂層を設けることが
必要であるが、さらに導体との密着性向上やフィルム物
性のコントロールを目的として、その他の樹脂層を設け
ても差し支えない。
高熱膨張性樹脂としてはどのようなポリイミド系樹脂
であってもよいが、好ましくは耐熱性の点から下記一般
式で示される構成単位を有するポリアミドイミド樹脂又
はポリイミド樹脂を主成分とするものである。
(但し、上記各一般式において、Ar1は炭素数12以上の
2価の芳香族基であり、Ar2は4価の芳香族基である) ここで、上記Ar1としては、例えば、 等を挙げることができ、また、上記Ar2としては、例え
ば、 等を挙げることができるが、安価である点及び優れた可
撓性の点等により、好ましくは である。
このような構造を有するポリイミド系樹脂は、通常そ
の線膨張係数が30×10-6(1/K)以上と比較的高い値を
示す。
特に、下記一般式(III) で示される構成単位を有するポリイミドは、熱可塑性を
有し、最外層に設けることにより回路加工時に熱圧着に
よる多層化に適している。
また、低熱膨張性樹脂としては、線膨張係数が低いポ
リイミド系樹脂であれば格別な制限はないが、下記一般
式(I)又は(II)で示される構成単位を有するポリイ
ミド系樹脂が好ましい。
一般式(I) (但し、式中Arは4価の芳香族基を示し、R1及びR2は互
いに同じであっても異なっていてもよい低級アルキル
基、低級アルコキシ基又はハロゲンのいずれかを示し、
l及びmは0〜4の整数であり、少なくとも1つの低級
アルコキシ基を有する)で示される構成単位、好ましく
は下記構成単位 を含むポリアミドイミド樹脂。
一般式(II) で示される構成単位を含むポリイミド樹脂。
これらポリイミド系樹脂の合成は、一般的にはM−メ
チルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DM
F)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルフ
ォキサイド(DMSO)、硫酸ジメチル、スルホラン、ブチ
ロラクトン、クレゾール、フェノール、ハロゲン化フェ
ノール、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロ
フラン、ダイグライム等の溶媒中で、上記各一般式に対
応するジアミン化合物及び酸無水物化合物をほぼ等モル
の割合で混合し、反応温度0〜200℃、好ましくは0〜1
00℃の範囲で反応させることにより、ポリイミド系樹脂
の前駆体溶液が得られ、さらに、これらの樹脂溶液を導
体上に塗工し、乾燥する操作を繰返すか、あるいは、多
層ダイ、ナイフコート等により同時に多層塗工し、乾燥
することにより、導体上に多層構造のポリイミド系樹脂
層若しくはポリイミド系前駆体樹脂層を形成せしめ、駆
体樹脂層の場合にはこれを200℃以上、好ましくは300℃
以上の加熱処理してイミド化反応を行う。
また、テトラカルボン酸並びにその誘導体としては次
のようなものが挙げられる。なお、ここではテトラカル
ボン酸として例示するが、これらのエステル化物、酸無
水物、酸塩化物も使用できることは勿論である。ピロメ
リット酸、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン
酸、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、
3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、
2,3,3′,4′−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、
2,3,3′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,
6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,7−ナフタレ
ンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカル
ボン酸、3,3′,4,4′−ジフェニルメタンテトラカルボ
ン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン、3,4,9,10−テトラカルボキシペリレ
ン、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)
フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボ
キシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、
ブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボ
ン酸等がある。また、トリメリット酸及びその誘導体も
挙げることができる。
さらに、反応性官能基を有する化合物で変性し、架橋
構造やラダー構造を導入することもできる。例えば、次
のような方法がある。
下記一般式で表される化合物で変性することによっ
て、ピロロン環やイソインドロキナゾリンジオン環等を
導入する。
〔但し、式中R7は2+z価(zは1又は2である)の芳
香族有機基を示し、Bは−NH2基、−CONH2基又は−SO2N
H2基から選択された置換基であってアミノ基に対しオル
ト位である〕 重合性不飽和結合を有するアミン、ジアミン、ジカル
ボン酸、トリカルボン酸、テトラカルボン酸の誘導体で
変性して、硬化時に橋かけ構造を形成する。不飽和化合
物としては、マレイン酸、ナジック酸、テトラヒドロフ
タル酸、エチニルアニリン等が使用できる。
フェノール性水酸基あるいはカルボン酸を有する芳香
族アミンで変性し、この水酸基又はカルボキシル基と反
応し得る橋かけ剤を用いて網目構造を形成する。
本発明の低熱膨張性樹脂は、このような前記各成分を
用いて変性することにより、その線膨張係数を調製する
ことができる。すなわち、一般式(I)又は(II)の構
造のみからなるポリイミド系樹脂は、面内に1×10
-5(K-1)以下の線膨張係数を有する絶縁体を形成可能
であるが、これを前記各成分を使用して変性することに
より、線膨張係数を任意に大きくすることができる。ま
た、一般式(I)又は(II)の構成単位を含むポリイミ
ド系樹脂であっても、上記の各成分を使用して変性する
ことにより、高熱膨張性樹脂とすることもできる。
塗工方法は、多層塗工を行う任意の塗工方法が可能で
あるが、好ましくは塗工精度の点により以下の3方法が
好ましい。
多層ダイにより2種以上のポリイミド系樹脂又はその
前駆体溶液を同時に導体上に塗工する。
任意の方法で塗工後その未乾燥塗工面上にナイフコー
ト方式によりさらに塗工する。
任意の方法で塗工乾燥後、さらにその乾燥塗工面上に
任意の方法で塗工する。
ここでいうナイフコート方式とは、バー、スキージ、
ナイフ等により樹脂溶液をならして塗工する方法であ
る。
乾燥硬化方法としては、任意の方法が使用可能である
が、作業の効率化、歩留り等を考慮して、ポリイミド系
樹脂を塗工した後予備乾燥したものを、ロール状に巻き
取り、さらに高温で乾燥及び硬化するバッチ処理方式が
好ましい。このとき、導体の酸化を防ぐことを目的とし
て、高温(200℃以上)での熱処理を、減圧下及び/又
は還元性気体雰囲気下に行うことが好ましい。
本発明のフレキシブルプリント基板用銅張積層板は、
少なくとも導体と絶縁体を有するものであるが、導体と
しては、銅、アルミニウム、鉄、銀、パラジウム、ニッ
ケル、クロム、モリブデン、タングステン又はそれらの
合金等を挙げることができ、好ましくは銅である。
また、これらの導体についてはその表面に、接着力の
向上を目的として、サイディング、ニッケルメッキ、銅
−亜鉛合金メッキ、又は、アルミニウムアルコラート、
アルミニウムキレート、シランカップリング剤等によっ
て化学的あるいは機械的な表面処理を施してもよい。
絶縁層も接着力向上等を目的として、トリメトキシシ
リルアニリン等のカップリング剤等により修飾すること
が可能である。
[実施例] 以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明を具体的
に説明するが、本発明はこれに限定されないことは勿論
である。
線膨張係数は、イミド化反応が十分終了した試料を用
い、サーモメカニカルアナライザー(TMA)を用いて、2
50℃に昇温後に10℃/min.で冷却して240℃から100℃ま
での平均の線膨張率を算出して求めた。
エッチング後のフィルムのカールは、導体を塩化第二
鉄水溶液で全面エッチングした後、縦10cm×横10cm×厚
さ25μmの大きさのフィルムを100℃で10分間乾燥し
後、発生したカールの曲率半径を求めて数値化した。
エッチング後のフィルムの強度及び弾性率は、JIS Z
−1702、ASTM D−882−67に準じて測定した。
なお、各例における略号は以下のとおりである。
PMDA:ピロメリット酸二無水物 BPDA:3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物 BTDA:3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二
無水物 DDE:4,4′−ジアミノジフェニルエーテル MABA:2′−メチル−4,4′−ジアミノベンズアニリド PPD:パラフェニレンジアミン DDS:3,3′−ジアミノジフェニルスルフォン BAPP:2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]プロパン DDM:4,4′−ジアミノジフェニルメタン DMAc:ジメチルアセトアミド NMP:N−メチル−2−ピロリドン 合成例1 温度計、塩化カルシウム管、攪拌機及び窒素吸込口を
取付けた500mlの4つ口フラスコに200ml/minの速度で窒
素を流しながら、0.1モルのDDE及び300mlのDMAcを加え
て攪拌し溶解した後、この溶液を水冷浴中で10℃以下に
冷却しながら0.10モルのBTDAを徐々に加えた。反応混合
物は発熱しながら重合し、粘稠なポリアミック酸(ポリ
イミド前駆体溶液)が得られた。
このポリアミック酸溶液を、ステンレス枠上に固定し
た市販の厚さ35μmの電解銅箔(日本鉱業(株)製)の
粗面上にアプリケータを用いてフィルム厚みが約25μm
になるようにコーティングし、130℃及び150℃の熱風オ
ーブン中で順次10分間放置して乾燥させ、次いで15分間
かけて360℃まで昇温させ、イミド化反応を行った。
得られた銅張品は、樹脂を内側に大きくカールした。
この銅張品を塩化第二鉄水溶液でエッチングし、得ら
れたフィルムの線膨張性係数を測定したところ、55×10
-6(1/K)であった。
合成例2〜6 合成例1と同様にして、種々のジアミン化合物と酸無
水物を用いて重合反応を行い、高熱膨張性ポリイミド前
駆体溶液を調製し、合成例1と同様に銅箔上にコーティ
ングし、厚さ25μmのフィルムを得た。合成例1と同様
にその線膨張係数を測定した。結果を第1表に示す。
合成例7 合成例1と同様にして、0.055モルのMABA及び0.045モ
ルのDDEを300mlのDMAcに溶解した後、0.10モルのPMDAを
加えて反応させ、粘稠なポリアミック酸を得た。
このポリアミック酸を用いて得られたポリアミドイミ
ドフィルムの線膨張係数は13×10-6(1/K)であった。
また、カールは顕著であった。
合成例8 合成例1と同様にして、0.090モルのPPD及び0.010モ
ルのDDEを300mlのDMAcに溶解した後、0.10モルのBPDAを
加えて反応させ、粘稠なポリアミック酸を得た。
このポリアミック酸を用いて得られたポリイミドフィ
ルムの線膨張係数は10×10-6(1/K)であった。また、
カールは顕著であった。
実施例1〜6 合成例7で得られた樹脂溶液を金属枠に固定した厚さ
35μmの電解銅箔上にフィルム厚みが23μmになるよう
にバーにて塗工し130℃で5分間乾燥した後、合成例1
〜6で得られた樹脂溶液を最終のフィルム厚みが25μm
になるようにバーにより塗工し、130℃で10分間乾燥し
た後、15分かけて360℃まで昇温させ、イミド化反応を
行った。
得られた銅張品は、ほぼ平らで、銅を塩化第二鉄水溶
液でエッチングして得られたフィルムも平らであった。
実施例7〜12 実施例1〜6と同様にして、合成例8の樹脂溶液及び
合成例1〜6の樹脂溶液を用いて銅張品を得た。銅張品
及びフィルムのカールもなく、充分使用可能なものであ
った。
比較例1〜6 合成例1〜6で得られた樹脂溶液のみを用い、実施例
1〜6と同様にして銅張品を得た。
銅張品のカールが大きく、また、銅をエッチング後の
フィルムのカールも大きく約20mmの曲率半径を示し、使
用に耐えないものであった。
比較例7〜8 合成例7〜8で得られた樹脂溶液のみを用い、実施例
7〜8と同様にして銅張品を得た。
銅張品のカールはなかったが、得られたフィルムは曲
率半径10mmの曲率半径を示し、使用に耐えないものであ
った。
実施例13 実施例1と同様にして、合成例7の樹脂溶液を塗工
後、未乾燥塗工面上に合成例1の樹脂溶液をバーにより
塗工し、同様の熱処理を行った。
銅張品及びフィルムのカールもなく、良好であった。
実施例14 ライン長7mのドライヤー部を有する塗工装置におい
て、多層ダイを用い、合成例1の樹脂溶液及び合成例7
の樹脂溶液を同時にカーテン状に押出し、銅箔面上に最
終樹脂厚みが各々23μm、2μmになるように塗工し、
ラインスピード0.2m/minで130℃から360℃まで連続的に
昇温させて熱処理した。
得られた銅張品はカールもなく、エッチング後のフィ
ルムも平らであり、十分使用可能なものであった。
実施例15 実施例1と同様に、合成例7及び合成例1の樹脂溶液
を塗工した後、130℃で乾燥し、さらに真空乾燥機中0.2
torrの雰囲気で、130℃から徐々に昇温し、10時間かけ
て360℃まで熱処理した。冷却後得られた銅張品は銅箔
の酸化がなく、しかも銅張品及びフィルムのカールもな
かった。
実施例16 実施例15と同様にして、未硬化の銅張品を窒素ガス雰
囲気のイナートオーブン中で360℃まで熱処理した。
得られた銅張品は、実施例15と同様に、銅箔の酸化及
び銅張品カール、フィルムカールともなく有用なもので
あった。
[発明の効果] 本発明の製造方法は、工業的に有用なフレキシブルプ
リント回路用銅張積層板を製造する上で極めて有用なも
のである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導体上にポリイミド系樹脂を直接塗工して
    形成するフレキシブルプリント回路用銅張積層板の製造
    方法において、線膨張係数の異なる少なくとも2種のポ
    リイミド系樹脂組成物又はその前駆体組成物を、線膨張
    係数の高い樹脂層が外側となるように導体上に塗工した
    後乾燥し、減圧下及び/又は還元性気体雰囲気下に硬化
    を行うことを特徴とする銅張積層板の製造方法。
  2. 【請求項2】線膨張係数の差が5×10-6(1/K)以上の
    少なくとも2層のポリイミド層を形成する請求項1記載
    の銅張積層板の製造方法。
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