JP2732293B2 - 細穴放電加工方法 - Google Patents

細穴放電加工方法

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JP2732293B2
JP2732293B2 JP1098886A JP9888689A JP2732293B2 JP 2732293 B2 JP2732293 B2 JP 2732293B2 JP 1098886 A JP1098886 A JP 1098886A JP 9888689 A JP9888689 A JP 9888689A JP 2732293 B2 JP2732293 B2 JP 2732293B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は,超硬合金,焼入鋼等の工作物のワイヤ放
電加工用のスタートホール加工,銅,ステンレススチー
ル等の難加工材,曲面,テーパ面を有する工作物に対す
る細穴加工を行うことができる細穴放電加工方法に関す
る。
〔従来の技術〕
従来,例えば,ワイヤ放電加工機については,ワイヤ
電極が走行している部分を使用して超硬合金,焼入鋼等
の工作物を加工しているが,ワイヤ放電加工を行う工作
物に対してはスタートホールが必要であり,該スタート
ホール加工等の細穴を加工するものとして,細穴放電加
工機或いはスタートホール加工装置付きワイヤ放電加工
機が提供されている。
また,細穴放電加工機は,その他,銅,ステンレスス
チール等の難加工材,曲面,テーパ面を有する工作物に
対して細穴加工を行うのに使用されている。
このような細穴放電加工機或いはスタートホール加工
装置については,パイプ電極保持装置を回転主軸の先端
に取り付け,該パイプ電極保持装置に,通常,φ0.3〜
φ3のパイプ打譜電極を保持し,回軸管継手等を介して
送られた高圧水(通常,30kg/cm2〜100kg/cm2)をパイプ
電極のパイプ内を通して該先端部より噴出させ,このパ
イプ電極と工作物との間で放電させて工作物に細穴或い
は細孔を開けるものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで,上記のように,工作物に対してスタートホ
ール等の細穴を放電加工する場合に,スタートホール加
工装置付きワイヤ放電加工機或いは専用の細穴放電加工
機が必要であり,工作物の取付け取外し作業,装置その
ものが複雑な構造になる。そこで,本出願人は,ワイヤ
放電加工機そのもので,ワイヤ電極を用いて工作物にス
タートホール等の細穴を放電加工するシステムを,特願
昭63−259326号として先に出願した。
しかしながら,工作物に対してスタートホール等の細
穴を放電加工する場合に,スタートホール加工装置付き
ワイヤ放電加工機,専用の細穴放電加工機,或いはワイ
ヤ放電加工機そのものの何れの装置を使用するにして
も,細穴加工で加工屑が発生する。
加工屑は,荒加工では放電間隙が大きく,放電エネル
ギーが大きいので加工屑は爆発力で除去されるが,工作
物に対する細穴加工が深い場合,或いは仕上げ加工の場
合には放電間隙が小さく,放電エネルギーも小さいので
加工屑の排除が効率良く行われない現象が発生する。
そこで,従来,放電加工で発生する加工屑の除去につ
いては,例えば,加工屑の排除状態を検出するセンサー
を設け,電極と工作物との極間に加工屑が溜まり始める
と該センサーがその状態を検出し,該検出信号に応答し
てサーボコントロールによって電極を上下運動させ,該
電極のポンプ作用によって加工屑を排除している。ま
た,場合によっては,電極の側面或いは電極に設けた穴
から加工液を噴射して加工屑を排除したり,電極の側面
或いは電極に設けた穴から吸引によって加工屑を排除し
たり,或いは,電極を回転させて加工屑の排除の効果を
高めようとしているが,電極を回転できない場合にはそ
の効果は全くなく,何れにしても加工屑排出の十分な効
果を得ることができないという問題がある。
この発明の目的は,上記の課題を解決することであ
り,スタートホール加工装置付きワイヤ放電加工機,専
用の細穴放電加工機,或いはワイヤ放電加工機そのもの
を用いて工作物に対してスタートホール等の細穴を加
工,特に,工作物に対する深い細穴加工,或いは放電間
隙が小さく且つ放電エネルギーも小さい仕上げ加工の場
合に発生する加工屑を効率良く排除するため,従来行わ
れている電極の上下運動,回転運動等の加工屑排除方法
に加えて,電極と工作物とを相対的に揺動運動させるこ
とによって,加工屑排除効果をスムースに達成し,その
結果,加工状態を安定させ,加工速度を上げて加工能率
を上げると共に,アーク放電等の発生を防止し,工作物
に対する加工精度を向上させ,電極への損傷の発生を防
止することができる細穴放電加工方法を提供することで
ある。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は,上記の目的を達成するため,次のように
構成されている。即ち,この発明は,ヘッドに固定した
ガイドロッドに沿って供給パイプを固定した保持体を下
降させ,前記供給パイプの下端面をXYテーブルに取り付
けた工作物に所定の距離をおいて対向させ,ソースボビ
ンから送出するワイヤ電極を前記供給パイプを貫通して
前記供給パイプの前記下端面から突出した状態に前記ワ
イヤ電極を供給し,次いで突出部位の前記ワイヤ電極と
前記工作物との間に加工液を噴射させて前記加工液を介
在させた状態で極間電圧を印加して放電させ,該放電エ
ネルギーによって前記工作物に細穴を放電加工して細穴
加工の進みに応じて前記ワイヤ電極を送り込んで前記工
作物に細穴放電加工を行うと共に,更に前記ワイヤ電極
と前記工作物との間の極間に存在する加工屑の残量を検
出し,前記加工屑の検出量が所定値以上の検出信号に応
答して前記XYテーブルを揺動させて前記工作物と前記ワ
イヤ電極との間に相対運動を行わせ,前記ワイヤ電極と
前記工作物との間の前記極間に存在する前記加工屑を排
除することを特徴とする細穴放電加工方法に関する。
また,この発明は,ヘッドに固定したガイドロッドに
沿ってパイプ電極を固定した保持体を下降させ,前記パ
イプ電極の下端面をXYテーブルに取り付けた工作物に所
定の距離において対向させ,次いで前記パイプ電極と前
記工作物との間に加工液を介在させた状態で極間電圧を
印加して放電させ,該放電エネルギーによって前記工作
物に細穴を放電加工すると共に,更に前記ワイヤ電極と
前記工作物との間の極間に存在する加工屑の残量を検出
し,前記加工屑の検出量が所定値以上の検出信号に応答
して,前記XYテーブルを揺動させて前記工作物と前記ワ
イヤ電極との間に相対運動を行わせ,前記ワイヤ電極と
前記工作物との間の前記極間に存在する前記加工屑を排
除することを特徴とする細穴放電加工方法に関する。
〔作用〕
この発明による細穴放電加工方法は,上記のように構
成されており,次のように作用する。即ち,この細穴放
電加工方法は,工作物にスタートホール等の細穴を放電
加工し,該細穴の放電加工完了後に,従来行われている
電極の上下運動,回転運動等の加工屑排除方法に加え
て,工作物を取り付けているXYテーブルを揺動運動させ
ることによってワイヤ電極と前記工作物との間に相対運
動を行わせ,細穴加工によって発生した放電加工部位に
存在する加工屑の排除効率を向上させることができる。
また,ワイヤ放電加工を行うワイヤ電極自体でスター
トホール等の細穴を放電加工する場合には,スタートホ
ールの加工後,前記工作物を再設置することなく,その
ままの取り付け状態で直ちにワイヤ放電加工を行うこと
ができ,スタートホールの位置決め不良等は発生するこ
とがなく,しかも加工屑の排除効率は大幅に向上でき
る。
〔実施例〕
以下,図面を参照して,この発明による細穴放電加工
方法を達成するワイヤ放電加工機の一実施例を説明す
る。
第1図はこの発明による細穴放電加工方法を達成でき
るワイヤ放電加工機でスタートホール加工を行う状態を
示す概略正面図である。
このワイヤ放電加工機は,例えば,工作物8に対して
ワイヤ電極1によって所定の加工形状にワイヤ放電加工
を行ったり,また,ワイヤ電極1であるワイヤが貫通す
るスタートホール等の細穴を放電加工するものであり,
該ワイヤ放電加工機を構成するヘッド10には自動ワイヤ
供給装置が設けられている。
また,工作物8は,サーボモータによってサーボ機能
で作動されるクロススライド即ちXYテーブル,或いはク
ロススライド上に取り付けられたワークテーブル即ちXY
テーブル21上にクランプ22によって固定される。XYテー
ブル21は,通常,ワイヤ放電加工を行う場合に,NC装置
からの指令によって工作物8の加工状況に応じてX方向
及びY方向に移動するものである。
ワイヤ放電加工機のヘッド10の上部には,自動ワイヤ
供給装置を構成する該支持本体9が取り付けられ,ま
た,ヘッド10の下部には,上ワイヤヘッド6を取り付け
た支持体23,並びに供給パイプ5及びワイヤ電極1をガ
イドするローラ18等を取り付けた支持体24が固定されて
いる。支持本体9と支持体24との間には,一対のガイド
ロッド3が配設されている、これらのガイドロッド3に
は,保持体20が上下方向に摺動可能に取り付けられてい
る。
保持体20には,ワイヤ電極1をガイドする供給パイプ
5がセットビス25等で固定され,更に,スレッドガイド
12,給電ピンの機能を有する一対のアニールロール4,及
びパイプホルダ13が取り付けられている。一対のアニー
ルローラ4は,保持体20に取り付けたスレッドガイド12
を通って送り込まれたワイヤ電極1を挟持して供給パイ
プ5内へと送り込む機能を有している。
支持本体9には,方向変換ローラ7及びフェルトブレ
ーキローラ11が取り付けられ,ワイヤ電極1に所定のテ
ンションを付与した状態で供給パイプ5に送り込むよう
に構成されている。
また,ヘッド10に取り付けられた支持体24には,供給
パイプ5の摺動運動をスムースにするために,スライド
レール14が固定されている。支持体24において,スライ
ドレール14の下方に近接して切断器16が設置されてい
る。切断器16は,良好なワイヤ電極端部を準備するた
め,ワイヤ電極1を切断するため設けられている。ヘッ
ド10に固定した支持体24において,切断器16の下方に
は,給電ピン17,及びワイヤ電極1をガイドする一対の
コモンローラ15,ローラ18等が配設されている。
また,支持体24の下面に近接し且つヘッド10に固定さ
れた支持体23には,ワイヤ電極1のガイドを行うローラ
18,供給パイプ5の先端部が当接して該供給パイプ5を
それ以上下方へ降下させて突出するのを阻止するための
パイプストッパ19,及び上ワイヤヘッド6が取り付けら
れている。
上記のワイヤ放電加工機は,この発明による細穴放電
加工方法を達成するため,特に,ワイヤ電極1と工作物
8との極間に放電加工によって発生する加工屑が残留し
ている程度を即ち加工屑の排除状態を検出する加工屑検
出センサーが設けられている。
加工屑検出センサーは,例えば,ワイヤ電極1と工作
物8との間の放電加工部位における加工液に存在するイ
オン状態を電気的に検出し,該電気信号によって放電加
工部位に存在する加工屑の残量を検出することができ
る。加工屑検出センサーによってワイヤ電極1と工作物
8との間の極間に存在する加工屑の残量を検出し,該検
出信号をNC装置即ちコントローラに入力する。
加工屑検出センサーによる該加工屑の検出量が所定値
以上の場合には,コントローラは該検出信号に応答し
て,ワイヤ放電加工機のXYテーブル21を揺動させる揺動
運転を行う指令を発する。
XYテーブル21の揺動によって工作物8とワイヤ電極1
との間には,相対運動が行われ,ワイヤ電極1と工作物
8との間の極間に存在する加工屑は,加工液の噴射作
用,或いはワイヤ電極1の上下運動によるポンプ作用に
よって極間から排除される。
ここで,XYテーブル21の揺動運転は,例えば,従来形
彫放電加工機において行われている揺動加工法を適用で
きるものである。その揺動運転の例としては,XYテーブ
ルを円運動させること,任意角度の放射揺動させること
等を適用できる。XYテーブルの円運動或いは放射揺動と
しては,揺動幅,揺動速度,アプローチ速度,揺動開始
点復帰,揺動深さ,揺動モード等を予め設定しておくも
のである。
また,ワイヤ電極1はソースボビンに巻き上げられて
いるが,ワイヤ放電加工機に該ソースボビンを装填し,
該ソースボビンから自動ワイヤ供給装置によって繰り出
される。通常,自動ワイヤ供給装置は,各種のローラ,
例えば,方向変換ローラ,テンションローラ,ブレーキ
ローラ,ワイヤ電極断線センサー等から成るワイヤ走行
系を有しており,該ワイヤ走行系を通じてワイヤ電極1
は,工作物8との間で構成される放電加工部位へと送り
込まれる。
第1図では,ワイヤ走行系のテンションローラの下流
に位置する方向変換ローラ2が示されており,ワイヤ電
極1は,該方向変換ローラ2から方向変換ローラ7,フェ
ルトブレーキローラ11,スレッドガイド12,アニールロー
ラ4,供給パイプ5,コモンローラ15及びガイドローラ18を
順次通って,上ワイヤヘッド6へ送り込まれ,最後に工
作物8との放電加工部位へ供給される。
保持体20をガイドロッド3に沿って下方へ移動させ,
供給パイプ5の下端部を支持体24に取り付けたパイプス
トッパ19の上面に位置させた場合には,工作物8に対し
てスタートホール等の細穴の加工を行う場合,或いは工
作物に対して所定の加工形状をワイヤ放電加工する場合
にワイヤ電極1を工作物8のスタートホールに通してワ
イヤ電極1を設定する場合が示されている。また,図示
していないが,保持体20をガイドロッド3を沿って上方
へ移動させ,供給パイプ5の下端部を支持体24に取り付
けた切断器16の上方に位置させた場合には,工作物に対
して所定の加工形状をワイヤ放電加工する工程,加工形
状のワイヤ放電加工後にワイヤ電極を切断する工程,細
穴放電加工を行う時にワイヤ電極1の先端部を切断して
排除する工程である。
次に,この発明による細穴放電加工方法の一例を,ワ
イヤ放電加工機を示す第1図及び第3図(A)、第3図
(B)及び第3図(C)の作動フロー図を参照して説明
する。
まず,ワイヤ放電加工機によって工作物8にスタート
ホールを加工するため,工作物8をXYテーブル21に設定
し,ワイヤ放電加工機におけるメインスイッチ,モー
タ,サーボモータ等をオン状態にし,自動ワイヤ供給装
置を作動する(ステップ30)。
自動ワイヤ供給装置の作動によってワイヤ電極1をソ
ースボビンからテンションローラ,方向変換ローラ等の
各種のローラを通じて方向変換ローラ2,7,フェルトブレ
ーキローラ11,スレッドガイド12,アニールローラ4を順
次通って供給パイプ5内へ送り込み,ワイヤ電極1の先
端部が供給パイプ5の下端部から露出して突出状態にな
るように設定する(ステップ31,32)。
ワイヤ電極1の供給パイプ5への供給動作と共に,保
持体20をガイドロッド3に沿って降下させ,保持体20に
固定した供給パイプ5の下端部がパイプストッパ19に当
接するまで該降下作動を続ける(ステップ33)。
上記工程に応じて,サーボモータ送り機構を作動して
クロススライド上のワークテーブル21の位置を調節し
て,ワークテーブル21に固定した工作物8に対してスタ
ートホール等の細穴の放電加工を施す部位の上方に対向
状態に,ワイヤ電極1が位置するようにワイヤ電極1を
送り出す(ステップ34)。
ワイヤ電極1の降下位置と工作物8の位置設定が完了
したか否かを,位置センサーによって検出して判断し,
位置設定が終了した場合には,工作物8にスタートホー
ル等の細穴を放電加工するため,加工液供給装置を作動
して噴流ノズルから加工液を噴出させ,位置設定が終了
していない場合には引き続きワイヤ電極1と工作物8と
の位置設定を行う(ステップ35)。この時,加工屑検出
センサーは,極間に加工屑が溜まった状態に電子的に検
出する状態に設定されている。
工作物8とワイヤ電極1との間に極間電圧を印加し,
工作物8とワイヤ電極1との間で放電させ,該放電エネ
ルギーによって工作物8にスタートホール等の細穴を放
電加工する。この場合に,工作物8に対する細穴加工の
進みに応じて,ワイヤ供給装置を作動してワイヤ電極1
の送りを制御する(ステップ36)。
加工屑検出センサーによってワイヤ電極1と工作物8
との極間に所定量以上の加工屑が残留しているか否かを
判断し(ステップ37),所定値以上の加工屑が残留して
いる場合には,該検出信号に応答してNC装置からの指令
によって工作物8を取り付けているXYテーブル21の揺動
運動を行う(ステップ38)。
XYテーブル21の揺動運動によって工作物8とワイヤ電
極1とが相対運動をして加工屑の排除が促進され,加工
屑検出センサーの検出信号が所定量以下の加工屑である
との信号を受けた場合には,XYテーブル21の揺動運動を
停止する(ステップ40)。
XYテーブル21を揺動運動させる場合に,XYテーブル21
の揺動運動時間Tをタイマで測定し(ステップ41),該
揺動運動時間Tが所定時間T0以下であるか否かを判断し
(ステップ42),所定時間T0以上経過しても,ワイヤ電
極1と工作物8との間の極間即ち放電加工部位に加工屑
が所定量以上残留している場合には,スタートホール等
の細穴に加工屑以外の異物が詰まった状態,或いは加工
屑が固まった状態等の異常状態が発生したとして,異常
信号の警報を発し(ステップ43),ワイヤ放電加工機の
作動を停止する(ステップ44)。
また,加工屑検出センサーによる加工屑の残量が所定
値以下であれば,細穴加工には何ら支障がないので,工
作物8とワイヤ電極1との間に極間電圧に応じて発生す
る加工電圧の電圧値Vを適宜に検出し,該電圧値Vが所
定の電圧値V0以上であるか否かを判断する(ステップ4
5)。
加工電圧値Vが所定の電圧値V0以上であれば,ワイヤ
電極1は消耗しておらず正常状態であるとして,引き続
き細穴放電加工を行うことができる状態であるので,工
作物8に対する細穴放電加工を引き続き行う(ステップ
46)。また,加工電圧値Vが所定の電圧値V0以下であれ
ば,ワイヤ電極1は異常状態であり,消耗していると判
断し,ワイヤ電極1の先端部を切断して排除し,正常な
ワイヤ電極1の先端部を供給パイプ5から露出させる処
理を行う(ステップ55へと進む)。なお,この場合に
は,加工電圧を検出したが,加工電流を検出するように
構成してもよいことは勿論である。
ワイヤ電極1が正常状態であり,まだ消耗していない
場合には,細穴放電加工を続行するため,引き続き工作
物8とワイヤ電極1との間に極間電圧を印加し,放電を
繰り返し,工作物8に対してスタートホールの細穴加工
を続行する(ステップ46)。
工作物8に対する所定の細穴加工が完了したか否を,
センサー等で検出し判断する(ステップ47)。細穴加工
が完了していない場合には,引き続き細穴加工を続行す
る(ステップ46)。
細穴加工が完了した場合には,ワイヤ放電加工機によ
る細穴放電加工は終了するが,細穴放電加工に引き続き
工作物8に対して所定の加工形状をワイヤ放電加工する
場合には,ワイヤ電極1と工作物8との間の極間電圧の
印加を停止し,放電を中断する(ステップ48)。
次いで,自動ワイヤ供給装置を作動し,ワイヤ電極1
を走行させて供給し,該ワイヤ電極1を細穴放電加工し
た工作物8のスタートホールに貫通させ,ワイヤ電極1
を下流に設けたワイヤ引出し装置によって挟持してワイ
ヤ電極1を走行状態にしてワイヤ電極1を設定する(ス
テップ49,50)。
保持体20をガイドロッド3に沿って上方へ移動させ,
第1図に示す位置にまで上昇させる(ステップ51)。
保持体20の上昇によってワイヤ放電加工機は,工作物
8に対してワイヤ放電加工ができる状態に設定される。
通常の放電加工と同様に,ワイヤ電極1と工作物8との
間に極間電圧を印加して放電させ,該放電により発生す
る放電エネルギーによって工作物8に所定の加工形状を
放電加工する(ステップ52)。
工作物8に対して所定の加工形状の放電加工が完了し
たか否を検出して判断し(ステップ53),所定の加工形
状が工作物8に放電加工されていない場合には,通常の
ワイヤ放電加工方法に従って放電加工を続行する(ステ
ップ52)。
工作物8に対して所定の加工形状の放電加工が完了し
た場合には,ワイヤ放電加工機の作動を停止し,工作物
8に対して次のスタートホールの細穴を放電加工するた
め,上記の各工程を繰り返す。ワークテーブル21に取り
付けられている工作物8にそれ以上の加工形状を放電加
工する必要がない場合には,別の工作物8に交換し,上
記と同様に,各ステップに従って処理を行う(ステップ
54)。
ところで,ステップ45において,加工電圧値Vが所定
の電圧値V0以下であれば,ワイヤ電極1は異常状態であ
り,ワイヤ電極1の先端部は消耗していると判断し,工
作物8に対するスタートホールの細穴放電加工は続行で
きないので,ワイヤ電極1と工作物8との間の極間電圧
の印加を停止し,放電加工を中断する(ステップ55)。
供給パイプ5を固定している保持体20を,ガイドロッ
ド3に沿って上昇させ,供給パイプ5の下端部をヘッド
10に固定した支持体24に取り付けた切断器16より上方に
位置させる(ステップ56)。
供給パイプ5の下端部が切断器16より上方に位置し,
所定位置に設定されたか否かをリミットスイッチ等のセ
ンサーによって検出し判断する。供給パイプ5の下端部
が切断器16より上方に位置設定された場合には,保持体
20の上昇運動を停止し,処理は次のステップ50に進み,
所定位置に設定されていない場合には引き続き保持体20
の上昇作動を続ける(ステップ57)。
供給パイプ5の下端部が切断器16より上方に位置した
時,切断器16を作動して,ワイヤ電極1の消耗した部
分,即ち,ワイヤ電極1の先端部を切断し,切り離され
たワイヤ電極1を適宜な手段によって排除する。ワイヤ
電極1の消耗部分が排除されることによって,再びワイ
ヤ電極1の先端部は良好なワイヤ電極部分となる。次い
で,正常なワイヤ電極1の先端部を供給パイプ5から露
出させるため,処理はステップ31へと進み,引き続い
て,上記の各ステップに従ってワイヤ電極1による工作
物8へのスタートホール等の細穴の細穴放電加工のため
の処理を行う(ステップ58,59)。
また,上記の加工屑の除去について,一般的な第1図
に示す細穴放電加工機又はスタートホール加工装置付き
ワイヤ放電加工機に対しても適用できることは勿論であ
る。
第2図において,この細穴放電加工方法を達成するた
めの細穴放電加工機の一例が示されている。この細穴放
電加工機において,パイプ電極を取り付けるヘッド60に
ついては,次のように構成されている。即ち,ヘッド60
は,細穴放電加工機又はスタートホール加工装置付きワ
イヤ放電加工機のZ軸スライド61に上下方向に移動でき
るように取り付けられている。ヘッド60には,回転軸62
が取り付けられ,回転軸62に取外し可能に電極カプラ63
が取り付けられている。電極カプラ63は,ワークテーブ
ル64に固定された工作物に細穴放電加工を施すため,パ
イプ電極が装着される。ワークテーブル64は,ベッドベ
ース66上に配置されたクロススライド65に取り付けられ
ている。Z軸スライド61には,電極カプラ63に装着され
るパイプ電極のパイプをガイドする電極ガイド67が取り
付けられている。細穴放電加工機によって工作物に細穴
又は細孔,或いはスタートホール加工装置によって細孔
を放電加工する場合には,工作物をワークテーブル64上
にクランプによって固定し,回転軸62の電極カプラ63に
パイプ電極を装置してヘッド60を下げ,パイプ電極の下
端部を工作物に近づけた状態に設定する。なお,図中,6
8は操作パネル,69はデジタルカウンタ,70はZ軸クラン
プ,71は水カバー,72は保水槽を示す。
第2図に示すような細穴放電加工機,或いはスタート
ホール加工装置によって工作物に細穴又は細孔を放電加
工する場合には,従来と同様の加工工程によって達成で
きるが,このような細穴放電加工機又はスタートホール
加工装置にも,上記に説明したと同様の加工屑の排除工
程を組み込んだ細穴放電加工方法を適用することができ
る。細穴放電加工方法における加工屑の排除工程は,上
記で説明したステップ37からステップ44において説明し
た処理工程と全く同様の処理を行えば良いので,ここで
は,それらの処理工程についての説明は,重複するので
省略する。
〔発明の効果〕
この発明による細穴放電加工方法は,上記のように構
成されており,次のような効果を有する。即ち,この細
穴放電加工方法は,電極と工作物との間で発生する放電
エネルギーで該工作物にスタートホール等の細穴を放電
加工する加工工程中,或いは該細穴の放電加工完了後
に,前記工作物を取り付けたXYテーブルを揺動移動させ
ることによって前記工作物を揺動運動させ,前記電極と
前記工作物との間に相対運動を行わせたので,放電加工
によって発生した放電加工部位に存在する加工屑の排除
効率を向上させることができる。即ち,極間に存在する
加工屑の排除効果をスムースに達成し,その結果,加工
状態を安定させ,加工速度を上げて加工能率を上げると
共に,加工屑の存在に起因するようなアーク放電等の発
生を防止し,前記工作物に対する加工精度を向上させ,
前記電極への損傷の発生も防止することができる。
また,ワイヤ放電加工を行うワイヤ電極自体でスター
トホール等の細穴を放電加工する場合には,スタートホ
ールの加工後,前記工作物を再設定することなく,その
ままの取り付け状態で直ちにワイヤ放電加工の工程に移
行することができ,工作物を電極に対して設定してスタ
ートホールの位置決めを行う場合に発生するような位置
決め不良等は発生することがなく,前記工作物に対する
加工精度を低下させることがなく,しかも加工屑の排除
効率は大幅に向上できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明による細穴放電加工方法を達成するワ
イヤ放電加工機の一例を示す概略正面図,第2図はこの
発明による細穴放電加工方法を達成する細穴放電加工機
の一例を示す概略正面図,第3図(A),第3図(B)
及び第3図(C)はこの発明による細穴放電加工方法を
達成するための作動の一例を示す作動フロー図である。 1……ワイヤ電極,3……ガイドロッド,5……供給パイ
プ,6……上ワイヤヘッド,8……工作物,10,60……ヘッ
ド,16……切断器,20……保持体,21……XYテーブル,65…
…クロススライド(XYテーブル)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−217020(JP,A) 特開 昭51−93499(JP,A) 特公 昭52−26959(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヘッドに固定したガイドロッドに沿って供
    給パイプを固定した保持体を下降させ,前記供給パイプ
    の下端面をXYテーブルに取り付けた工作物に所定の距離
    をおいて対向させ,ソースボビンから送出するワイヤ電
    極を前記供給パイプを貫通して前記供給パイプの前記下
    端面から突出した状態に前記ワイヤ電極を供給し,次い
    で突出部位の前記ワイヤ電極と前記工作物との間に加工
    液を噴射させて前記加工液を介在させた状態で極間電圧
    を印加して放電させ,該放電エネルギーによって前記工
    作物に細穴を放電加工して細穴加工の進みに応じて前記
    ワイヤ電極を送り込んで前記工作物に細穴放電加工を行
    うと共に,更に前記ワイヤ電極と前記工作物との間の極
    間に存在する加工屑の残量を検出し,前記加工屑の検出
    量が所定値以上の検出信号に応答して前記XYテーブルを
    揺動させて前記工作物と前記ワイヤ電極との間に相対運
    動を行わせ,前記ワイヤ電極と前記工作物との間の前記
    極間に存在する前記加工屑を排除することを特徴とする
    細穴放電加工方法。
  2. 【請求項2】ヘッドに固定したガイドロッドに沿ってパ
    イプ電極を固定した保持体を下降させ,前記パイプ電極
    の下端面をXYテーブルに取り付けた工作物に所定の距離
    をおいて対向させ,次いで前記パイプ電極と前記工作物
    との間に加工液を介在させた状態で極間電圧を印加して
    放電させ,該放電エネルギーによって前記工作物に細穴
    を放電加工すると共に,更に前記ワイヤ電極と前記工作
    物との間の極間に存在する加工屑の残量を検出し,前記
    加工屑の検出量が所定値以上の検出信号に応答して前記
    XYテーブルを揺動させて前記工作物と前記ワイヤ電極と
    の間に相対運動を行わせ,前記ワイヤ電極と前記工作物
    との間の前記極間に存在する前記加工屑を排除すること
    を特徴とする細穴放電加工方法。
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