JP2730270B2 - 磁気記録媒体およびその潤滑剤層の潤滑剤配向度評価法 - Google Patents
磁気記録媒体およびその潤滑剤層の潤滑剤配向度評価法Info
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- JP2730270B2 JP2730270B2 JP2146632A JP14663290A JP2730270B2 JP 2730270 B2 JP2730270 B2 JP 2730270B2 JP 2146632 A JP2146632 A JP 2146632A JP 14663290 A JP14663290 A JP 14663290A JP 2730270 B2 JP2730270 B2 JP 2730270B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、情報処理システムの補助記憶装置として
用いられる固定磁気ディスク装置に搭載される、非磁性
基板上に形成された磁性層上にカーボン保護層，フロロ
カーボン系潤滑剤層を順次積層してなる磁気記録媒体、
およびその潤滑剤層の潤滑剤配向度評価法に関する。
用いられる固定磁気ディスク装置に搭載される、非磁性
基板上に形成された磁性層上にカーボン保護層，フロロ
カーボン系潤滑剤層を順次積層してなる磁気記録媒体、
およびその潤滑剤層の潤滑剤配向度評価法に関する。
固定磁気ディスク装置に用いられる磁気記録媒体にお
いては、要望される耐環境性，耐磨耗性，潤滑性を得る
ために、従来より磁性層上に保護層を形成し、さらにそ
の上にフロロカーボン系の潤滑剤層を形成することが行
われてきた。保護層材料としてはカーボンが広く用いら
れてきた。
いては、要望される耐環境性，耐磨耗性，潤滑性を得る
ために、従来より磁性層上に保護層を形成し、さらにそ
の上にフロロカーボン系の潤滑剤層を形成することが行
われてきた。保護層材料としてはカーボンが広く用いら
れてきた。
ところが、特にカーボン保護層上にフロロカーボン系
の潤滑剤層を形成した場合、潤滑剤層，従って磁気記録
媒体の潤滑性がばらつき、磁気ヘッドとの摩擦係数が小
さく，磁気ヘッドの吸着が起きにくい良好な潤滑性を常
に安定して得ることが難しいという問題があった。
の潤滑剤層を形成した場合、潤滑剤層，従って磁気記録
媒体の潤滑性がばらつき、磁気ヘッドとの摩擦係数が小
さく，磁気ヘッドの吸着が起きにくい良好な潤滑性を常
に安定して得ることが難しいという問題があった。
カーボン保護層上にフロロカーボン系潤滑剤層を形成
した場合、保護層膜質，その表面粗さ，潤滑剤層形成
法，潤滑剤層形成前後の処理（例えば加熱処理），ある
いは潤滑剤の化学構造により、保護層上の潤滑剤は様々
な存在形態をとると思われ、その存在形態により潤滑性
が変化すると考えられる。
した場合、保護層膜質，その表面粗さ，潤滑剤層形成
法，潤滑剤層形成前後の処理（例えば加熱処理），ある
いは潤滑剤の化学構造により、保護層上の潤滑剤は様々
な存在形態をとると思われ、その存在形態により潤滑性
が変化すると考えられる。
一般的に、潤滑剤の分子量が大きい程，すなわち主鎖
部が長い程、摩擦特性は向上する。一方、吸着性は分子
量が小さい程吸着しにくくなる。また、潤滑剤の主鎖部
の末端に何らかの極性基をもつ潤滑剤ともたない潤滑剤
とでは、もたないものの方が吸着しやすい。このような
極性基をもつ潤滑剤を用いて潤滑剤層を形成した場合、
極性基が保護層側に配向していると保護層との密着性が
良くなり、しかも潤滑剤層表面側には極性基が配向して
ないので磁気ヘッドの吸着は起きにくくなる。従って、
主鎖部がある程度長く、末端に極性基をもつ潤滑剤を用
い、保護層側に極性基を配向させて保護層と密着させ、
主鎖部を潤滑剤層表面側に配向させて磁気ヘッドの摺動
が円滑となるような存在形態となるように保護層表面に
潤滑剤層を形成することが望ましい。
部が長い程、摩擦特性は向上する。一方、吸着性は分子
量が小さい程吸着しにくくなる。また、潤滑剤の主鎖部
の末端に何らかの極性基をもつ潤滑剤ともたない潤滑剤
とでは、もたないものの方が吸着しやすい。このような
極性基をもつ潤滑剤を用いて潤滑剤層を形成した場合、
極性基が保護層側に配向していると保護層との密着性が
良くなり、しかも潤滑剤層表面側には極性基が配向して
ないので磁気ヘッドの吸着は起きにくくなる。従って、
主鎖部がある程度長く、末端に極性基をもつ潤滑剤を用
い、保護層側に極性基を配向させて保護層と密着させ、
主鎖部を潤滑剤層表面側に配向させて磁気ヘッドの摺動
が円滑となるような存在形態となるように保護層表面に
潤滑剤層を形成することが望ましい。
従来、潤滑剤の配向度を定量的に示す方法がなく、断
片的な分析データからの推測、あるいは種々の摩擦特性
評価データ，吸着性評価データからの推測によって、配
向度と潤滑性との関係が論じられていた。
片的な分析データからの推測、あるいは種々の摩擦特性
評価データ，吸着性評価データからの推測によって、配
向度と潤滑性との関係が論じられていた。
現実的には、潤滑剤を上述のように完全に配向させる
ことは難しく、どの程度の配向度となれば実用的に充分
な良好な潤滑性が得られるかを定量的に把握することが
望まれていた。
ことは難しく、どの程度の配向度となれば実用的に充分
な良好な潤滑性が得られるかを定量的に把握することが
望まれていた。
この発明は、上述の点に鑑みてなされたものであっ
て、潤滑剤層を形成する潤滑剤の配向度を定量的に評価
する方法を提供することを解決しようとする課題とす
る。また、この評価法により、潤滑剤層を形成する潤滑
剤が良好な潤滑性が得られるように配向している磁気記
録媒体を提供することを解決しようとする課題とする。
て、潤滑剤層を形成する潤滑剤の配向度を定量的に評価
する方法を提供することを解決しようとする課題とす
る。また、この評価法により、潤滑剤層を形成する潤滑
剤が良好な潤滑性が得られるように配向している磁気記
録媒体を提供することを解決しようとする課題とする。
この発明によれば、上記の課題のうち前者は、非磁性
基板上に形成された磁性層上にカーボン保護層，フロロ
カーボン系潤滑剤層を順次積層してなる磁気記録媒体の
潤滑剤層をESCA（Ｘ線光電子分光法）で光電子取出角を
変化させて分析して潤滑剤層を形成する潤滑剤の配向度
を評価する方法により解決される。また、後者の課題
は、非磁性基板上に形成された磁性層上にカーボン保護
層，フロロカーボン系潤滑剤層を順次積層してなる磁気
記録媒体において、潤滑剤層を形成する潤滑剤がその極
性基がカーボン保護層側に、その主鎖部が潤滑剤層表面
側にあるように配向しており、ESCA（Ｘ線光電子分光
法）での光電子取出角を変化させる方法で評価した配向
度が、極性基に関しては極性基ピーク強度が光電子取出
角16゜の場合全極性基ピーク強度の12％以下，光電子取
出角90゜の場合全極性基ピーク強度の20％以上を占め、
かつ、主鎖部に関しては主鎖部ピーク強度が光電子取出
角10゜の場合最大値を示し、光電子取出角16゜の場合全
主鎖部ピーク強度の14％以下を占めている磁気記録媒体
によって解決される。
基板上に形成された磁性層上にカーボン保護層，フロロ
カーボン系潤滑剤層を順次積層してなる磁気記録媒体の
潤滑剤層をESCA（Ｘ線光電子分光法）で光電子取出角を
変化させて分析して潤滑剤層を形成する潤滑剤の配向度
を評価する方法により解決される。また、後者の課題
は、非磁性基板上に形成された磁性層上にカーボン保護
層，フロロカーボン系潤滑剤層を順次積層してなる磁気
記録媒体において、潤滑剤層を形成する潤滑剤がその極
性基がカーボン保護層側に、その主鎖部が潤滑剤層表面
側にあるように配向しており、ESCA（Ｘ線光電子分光
法）での光電子取出角を変化させる方法で評価した配向
度が、極性基に関しては極性基ピーク強度が光電子取出
角16゜の場合全極性基ピーク強度の12％以下，光電子取
出角90゜の場合全極性基ピーク強度の20％以上を占め、
かつ、主鎖部に関しては主鎖部ピーク強度が光電子取出
角10゜の場合最大値を示し、光電子取出角16゜の場合全
主鎖部ピーク強度の14％以下を占めている磁気記録媒体
によって解決される。
ESCA（Ｘ線光電子分光法）では、光電子取出角が小さ
い程試料の表面の浅い部分の情報が得られる。従って、
潤滑剤層を分析した場合、光電子取出角が小さいときに
潤滑剤の極性基ピーク強度が小さいということは潤滑剤
層表面側に極性基がほとんど存在せず保護層側に配向し
ていることを示しており、また、光電子取出角が小さい
ときに潤滑剤の主鎖部ピーク強度が最大となることは、
主鎖部が潤滑層表面側に配向していることを示してい
る。光電子取出角を変化させて分析し、それぞれの角度
における極性基ピーク強度の全極性基ピーク強度に対す
る割合、また、主鎖部ピーク強度の全主鎖部ピーク強度
に対する割合を知ることにより、潤滑剤の配向度を定量
的に把握することが可能となる。
い程試料の表面の浅い部分の情報が得られる。従って、
潤滑剤層を分析した場合、光電子取出角が小さいときに
潤滑剤の極性基ピーク強度が小さいということは潤滑剤
層表面側に極性基がほとんど存在せず保護層側に配向し
ていることを示しており、また、光電子取出角が小さい
ときに潤滑剤の主鎖部ピーク強度が最大となることは、
主鎖部が潤滑層表面側に配向していることを示してい
る。光電子取出角を変化させて分析し、それぞれの角度
における極性基ピーク強度の全極性基ピーク強度に対す
る割合、また、主鎖部ピーク強度の全主鎖部ピーク強度
に対する割合を知ることにより、潤滑剤の配向度を定量
的に把握することが可能となる。
このような評価法により、潤滑剤が極性基ピーク強度
が光電子取出角16゜の場合全極性基ピーク強度の12％以
下，光電子取出角90゜の場合全極性基ピーク強度の20％
以上を占め、かつ、主鎖部ピーク強度が光電子取出角10
゜の場合最大値を示し，光電子取出角16゜の場合全主鎖
部ピーク強度の12％以下を占めるように配向している潤
滑剤層を備えた磁気記録媒体は良好な潤滑性を有するこ
とになる。
が光電子取出角16゜の場合全極性基ピーク強度の12％以
下，光電子取出角90゜の場合全極性基ピーク強度の20％
以上を占め、かつ、主鎖部ピーク強度が光電子取出角10
゜の場合最大値を示し，光電子取出角16゜の場合全主鎖
部ピーク強度の12％以下を占めるように配向している潤
滑剤層を備えた磁気記録媒体は良好な潤滑性を有するこ
とになる。
Al合金板の表面にNi−Ｐ合金層を無電解めっき法で形
成してなる非磁性基板上に、スパッタ法で、基板加熱温
度250℃,Arガス圧10mTorrとして、Cr層（膜厚600Å）,C
o−Cr−Ta磁性層（膜厚500Å），カーボン保護層（膜厚
250Å）を順次成膜した。このカーボン保護層上にフロ
ロカーボン系の液体潤滑剤フォンブリンAM2001（商品
名：モンテジソン社製）を塗布して潤滑剤層を形成し、
実施例１〜５の磁気記録媒体を作製した。
成してなる非磁性基板上に、スパッタ法で、基板加熱温
度250℃,Arガス圧10mTorrとして、Cr層（膜厚600Å）,C
o−Cr−Ta磁性層（膜厚500Å），カーボン保護層（膜厚
250Å）を順次成膜した。このカーボン保護層上にフロ
ロカーボン系の液体潤滑剤フォンブリンAM2001（商品
名：モンテジソン社製）を塗布して潤滑剤層を形成し、
実施例１〜５の磁気記録媒体を作製した。
これらの磁気記録媒体について、ESCAで光電子取出角
θを０゜から90゜まで変化させて分析し、潤滑剤層を形
成する潤滑剤の配向度を調べた。潤滑剤フォンブリンAM
2001は分子の末端に芳香族を極性基としてもっており、
潤滑剤の配向度を知るためには芳香族がどこに存在する
かを確認することが必要である。しかし、ESCAにおいて
芳香族ピークはＣ−Ｃピーク,C−Ｈピーク中に含まれる
ために芳香族そのもののピーク，従って芳香族そのもの
の存在を確認することは不可能である。そこで、芳香族
と主鎖の末端とをつなぐ−CF2CH2O−のピークに着目し
て芳香族の存在を調べ潤滑剤の配向度を検討した。
θを０゜から90゜まで変化させて分析し、潤滑剤層を形
成する潤滑剤の配向度を調べた。潤滑剤フォンブリンAM
2001は分子の末端に芳香族を極性基としてもっており、
潤滑剤の配向度を知るためには芳香族がどこに存在する
かを確認することが必要である。しかし、ESCAにおいて
芳香族ピークはＣ−Ｃピーク,C−Ｈピーク中に含まれる
ために芳香族そのもののピーク，従って芳香族そのもの
の存在を確認することは不可能である。そこで、芳香族
と主鎖の末端とをつなぐ−CF2CH2O−のピークに着目し
て芳香族の存在を調べ潤滑剤の配向度を検討した。
第１図は、各磁気記録媒体について、潤滑剤層をESCA
でθを０゜から90゜に変化させて分析したときの−CF2C
H2O−ピーク強度全体に対して各θでの−CF2CH2O−ピー
ク強度が占める割合を示す。また、第１表にθ＝16゜お
よびθ＝90゜のときの−CF2CH2O−ピーク強度の全体に
占める割合（％）を潤滑剤の極性基の配向度として示
す。
でθを０゜から90゜に変化させて分析したときの−CF2C
H2O−ピーク強度全体に対して各θでの−CF2CH2O−ピー
ク強度が占める割合を示す。また、第１表にθ＝16゜お
よびθ＝90゜のときの−CF2CH2O−ピーク強度の全体に
占める割合（％）を潤滑剤の極性基の配向度として示
す。
次に、潤滑剤の主鎖部の配向度を調べた。フロロカー
ボン系の潤滑剤は主鎖部に酸素を多く含むものであるこ
とから、Ｃ−Ｏ−Ｃのピーク強度からその都度を調べる
ことができる。第２図に、各磁気記録媒体について潤滑
剤層をESCAでθを０゜から90゜まで変化させて分析した
ときのＣ−Ｏ−Ｃピーク強度全体に対して各θでのＣ−
Ｏ−Ｃピーク強度の占める割合を示す。また、第１表に
θ＝16゜のときのＣ−Ｏ−Ｃピーク強度の全体に占める
割合（％）およびＣ−Ｏ−Ｃピーク強度が最大となるθ
を潤滑剤の主鎖部の配向度として示す。
ボン系の潤滑剤は主鎖部に酸素を多く含むものであるこ
とから、Ｃ−Ｏ−Ｃのピーク強度からその都度を調べる
ことができる。第２図に、各磁気記録媒体について潤滑
剤層をESCAでθを０゜から90゜まで変化させて分析した
ときのＣ−Ｏ−Ｃピーク強度全体に対して各θでのＣ−
Ｏ−Ｃピーク強度の占める割合を示す。また、第１表に
θ＝16゜のときのＣ−Ｏ−Ｃピーク強度の全体に占める
割合（％）およびＣ−Ｏ−Ｃピーク強度が最大となるθ
を潤滑剤の主鎖部の配向度として示す。
このように、各磁気記録媒体において、潤滑剤層を形
成する潤滑剤の配向度が異なるのは、Cr層,Co−Cr−Ta
磁性層，カーボン保護層をスパッタ成膜するときのスパ
ッタ条件のばらつき、各層膜厚のばらつき、あるいはス
パッタ成膜時の雰囲気のガス成分のばらつきなどによ
り、得られるカーボン保護層の膜質および表面粗さがば
らつくことに主として起因すると考えられるが、その関
係は現在明確になっていない。
成する潤滑剤の配向度が異なるのは、Cr層,Co−Cr−Ta
磁性層，カーボン保護層をスパッタ成膜するときのスパ
ッタ条件のばらつき、各層膜厚のばらつき、あるいはス
パッタ成膜時の雰囲気のガス成分のばらつきなどによ
り、得られるカーボン保護層の膜質および表面粗さがば
らつくことに主として起因すると考えられるが、その関
係は現在明確になっていない。
次に、これらの磁気記録媒体の潤滑性を摩擦試験によ
り評価した。摩擦試験は、テストヘッドとしてAl2O3−T
iCヘッドを用い、この磁気ヘッドを100rpmで回転してい
る磁気記録媒体の半径35mmの位置でその表面に接触摺動
させて、そのときの摩擦係数の変動を調べた。その結果
を実施例１〜５の各磁気記録媒体についてそれぞれ第３
図〜第７図に示す。また、摩擦試験で磁気ヘッドを60分
間摺動させたときの各磁気記録媒体の摩擦係数μ60を第
１表に示す。
り評価した。摩擦試験は、テストヘッドとしてAl2O3−T
iCヘッドを用い、この磁気ヘッドを100rpmで回転してい
る磁気記録媒体の半径35mmの位置でその表面に接触摺動
させて、そのときの摩擦係数の変動を調べた。その結果
を実施例１〜５の各磁気記録媒体についてそれぞれ第３
図〜第７図に示す。また、摩擦試験で磁気ヘッドを60分
間摺動させたときの各磁気記録媒体の摩擦係数μ60を第
１表に示す。
第３図〜第７図および第１表のμ60の値より磁気記録
媒体の潤滑性は実施例５は極めて良好であり、実施例４
は不良である。また、実施例１および２は実用上ほぼ問
題なく良好であり、実施例４は実用上若干問題となる。
媒体の潤滑性は実施例５は極めて良好であり、実施例４
は不良である。また、実施例１および２は実用上ほぼ問
題なく良好であり、実施例４は実用上若干問題となる。
第１表において、極性基の配向度についてθ＝16゜の
とき12％以下，θ＝90゜のとき20％以上を良とし、主鎖
部の配向度についてθ＝10゜のとき最大値を示し、θ＝
16゜のとき14％以下を良として、潤滑剤配向度を総合判
定し、潤滑性の良否と対応して示すと第２表のようにな
り、潤滑剤配向度の良否と磁気記録媒体の潤滑性の良否
とを関連づけることができる。従って、潤滑剤配向度を
良とする規格値を上述のように決めることにより、潤滑
剤配向度の数値により磁気記録媒体の潤滑性の良否を知
ることが可能となる。
とき12％以下，θ＝90゜のとき20％以上を良とし、主鎖
部の配向度についてθ＝10゜のとき最大値を示し、θ＝
16゜のとき14％以下を良として、潤滑剤配向度を総合判
定し、潤滑性の良否と対応して示すと第２表のようにな
り、潤滑剤配向度の良否と磁気記録媒体の潤滑性の良否
とを関連づけることができる。従って、潤滑剤配向度を
良とする規格値を上述のように決めることにより、潤滑
剤配向度の数値により磁気記録媒体の潤滑性の良否を知
ることが可能となる。
〔発明の効果〕 この発明によれば、磁気記録媒体の潤滑剤層をESCAで
光電子取出角θを変化させながら分析することにより、
潤滑剤層を形成するフロロカーボン系潤滑剤の配向度を
評価することができる。
光電子取出角θを変化させながら分析することにより、
潤滑剤層を形成するフロロカーボン系潤滑剤の配向度を
評価することができる。
そうして、この発明の方法により評価した潤滑剤配向
度が、極性基に関しては極性基ピーク強度がθ＝16゜の
場合全極性基ピーク強度の12％以下，θ＝90゜の場合全
極性ピーク強度の20％以上を占め、かつ、主鎖部に関し
ては主鎖部ピーク強度がθ＝10゜の場合最大値を示し，
θ＝16゜の場合全主鎖部ピーク強度の14％以下を占める
潤滑剤層を備えた磁気記録媒体は良好な潤滑性を有する
ものである。
度が、極性基に関しては極性基ピーク強度がθ＝16゜の
場合全極性基ピーク強度の12％以下，θ＝90゜の場合全
極性ピーク強度の20％以上を占め、かつ、主鎖部に関し
ては主鎖部ピーク強度がθ＝10゜の場合最大値を示し，
θ＝16゜の場合全主鎖部ピーク強度の14％以下を占める
潤滑剤層を備えた磁気記録媒体は良好な潤滑性を有する
ものである。
第１図は潤滑剤層をESCAで分析したときの光電子取出角
と−CF2CH2O−ピーク強度の全体に占める割合との関係
を示す線図、第２図は潤滑剤層をESCAで分析したときの
光電子取出角とＣ−Ｏ−Ｃピーク強度の全体に占める割
合との関係を示す線図、第３図ないし第７図は磁気記録
媒体の摩擦試験結果を示す線図で、第３図は実施例1,第
４図は実施例2,第５図は実施例3,第６図は実施例4,第７
図は実施例５についての線図である。
と−CF2CH2O−ピーク強度の全体に占める割合との関係
を示す線図、第２図は潤滑剤層をESCAで分析したときの
光電子取出角とＣ−Ｏ−Ｃピーク強度の全体に占める割
合との関係を示す線図、第３図ないし第７図は磁気記録
媒体の摩擦試験結果を示す線図で、第３図は実施例1,第
４図は実施例2,第５図は実施例3,第６図は実施例4,第７
図は実施例５についての線図である。
Claims (2)
- 【請求項１】非磁性基板上に形成された磁性層上にカー
ボン保護層，フロロカーボン系潤滑剤層を順次積層して
なる磁気記録媒体の潤滑剤層をESCA（Ｘ線光電子分光
法）で光電子取出角を変化させて分析することにより潤
滑剤層を形成する潤滑剤の配向度を知ることを特徴とす
る潤滑剤層の潤滑剤配向度評価法。 - 【請求項２】非磁性基板上に形成された磁性層上にカー
ボン保護層，フロロカーボン系潤滑剤層を順次積層して
なる磁気記録媒体において、潤滑剤層を形成する潤滑剤
がその極性基がカーボン保護層側に、その主鎖部が潤滑
剤層表面側にあるように配向しており、ESCA（Ｘ線光電
子分光法）での光電子取出角を変化させる方法で評価し
た配向度が、極性基に関しては極性基ピーク強度が光電
子取出角16゜の場合全極性基ピーク強度の12％以下，光
電子取出角90゜の場合全極性基ピーク強度の20％以上を
占め、かつ、主鎖部に関しては主鎖部ピーク強度が光電
子取出角10゜の場合最大値を示し，光電子取出角16゜の
場合全主鎖部ピーク強度の14％以下を占めることを特徴
とする磁気記録媒体。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2146632A JP2730270B2 (ja) | 1990-06-05 | 1990-06-05 | 磁気記録媒体およびその潤滑剤層の潤滑剤配向度評価法 |
| US07/711,168 US5144134A (en) | 1990-06-05 | 1991-06-05 | Method for determining the quality of a lubricant layer on a magnetic recording medium by detecting electrons at varying drawing angles |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2146632A JP2730270B2 (ja) | 1990-06-05 | 1990-06-05 | 磁気記録媒体およびその潤滑剤層の潤滑剤配向度評価法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0440625A JPH0440625A (ja) | 1992-02-12 |
| JP2730270B2 true JP2730270B2 (ja) | 1998-03-25 |
Family
ID=15412124
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2146632A Expired - Lifetime JP2730270B2 (ja) | 1990-06-05 | 1990-06-05 | 磁気記録媒体およびその潤滑剤層の潤滑剤配向度評価法 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US5144134A (ja) |
| JP (1) | JP2730270B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH06223356A (ja) * | 1992-12-03 | 1994-08-12 | Tdk Corp | 磁気記録媒体 |
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