JP2726716B2 - 輪転印刷機の分割版胴 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、輪転印刷機の印刷ユニツトに設けられた分
割版胴、特に分割版胴における駆動、ジヤーナル支持機
構と円周方向および軸方向の見当装置との連結構造に関
するものである。

〔従来の技術〕

従来の１ケの版胴本体１と１ケのシエルとよりなる分
割版胴を第４および第５図に示す。

しかし本発明の対象となる１ケの版胴本体と複数（２
〜３ケ）のシエルを有し、版胴本体の両側にあるジヤー
ナルが左右一対のフレームに回転および軸方向に摺動可
能のように支承された分割版胴の従来例は未当らない。

第４図（駆動側）、第５図（操作側）において、分割
版胴33は版を装着する外周面34aを有する版胴本体34
と、この外周面34aより小さい直径の版胴本体の小径胴
部分35に回動および軸方向に摺動自在に嵌合し、版を装
着する外周面36aを有するシエル36が軸方向に同心に近
接して配設されている。

次に版胴本体34の駆動側および操作側のジヤーナル37
および38が、それぞれフレーム19および20にベアリング
９および10にて回転自在に支持され、軸受31および32を
介してフレーム19および20との嵌合部19aおよび20aにて
軸方向に摺動し得るように支承されている。

またブランケツト胴２の駆動側ジヤーナル60に固設さ
れたはすば歯車62に噛合う駆動はすば歯車13が、スプラ
イン13aにて、ジヤーナル37の回転方向には固定され軸
方向には摺動自在に支持されている。

一方、シエル36は、ジヤーナル38の側穴38bに円周方
向および軸方向の見当合せ時当らないように貫通して取
付けられている結合部材39により調整軸40に連結されて
いる。この調整軸40は、ジヤーナル38aの内径部38aに回
動および軸方向に移動自在に支えられている。

さらに、ジヤーナル38には、シエル36の駆動を兼ねて
ジヤーナル38に固設された伝達はすば歯車41の内径41a
が調整軸40の外径に回動および軸方向に移動自在に嵌合
している。また伝達はすば歯車41に噛合う調整はすば歯
車42が、スプライン42aによって調整軸40に回転方向に
は固定され軸方向には摺動自在に取付けられている。

次に、駆動はすば歯車13または調整はすば歯車42は、
それぞれフレーム19または20に固定されたブラケツト43
にキー44にて軸方向に摺動自在に支持された調整部材47
にベアリング45を介して回転自在に支持される。この調
整部材47は、そのねじ部47aと螺合し且つブラケツト43
により回転自在に支持された部材48を経て、円周方向の
見当装置17に連結されている。

またジヤーナル37あるいは調整軸40の内径部37aおよ
び40aには、それぞれベアリング50を介してねじ軸51が
取付けられている。このねじ軸51は、これと螺合し且つ
ブラケツト43により回転自在に支持された部材52を経
て、軸方向の見当装置18に連結されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

前述した従来技術による分割版胴では、２枚以上の版
を取付けることが出来ない等の問題点がある。

更に最近では、印刷物特に新聞の編集上必要となる４
枚の版を取付け得る分割版胴の要望が出ている。

本発明は、４枚の版を装着できる分割版胴を提供する
ことを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

両端のジヤーナルが左右一対のフレームに支持された
版胴本体と、同版胴本体に装着された３ケのシエルとに
より構成される４ケの版を装着し得る分割版胴について
説明する。

１）ブランケット胴の駆動側および操作側のジヤーナル
にそれぞれ設けられた２ケづつのはすば歯車により、版
胴本体の駆動側ジヤーナルとその駆動側および操作側の
ジヤーナルに取付けられた下記２）項の調整軸のそれぞ
れに設けられた版胴本体および各シエルの円周方向の見
当合せを兼ね、版胴本体および各シエルを駆動するはす
ば歯車を、回転させる。

２）各シエルに、版胴本体の駆動側および操作側ジヤー
ナルの側穴を貫通する結合部材にて連結された調整軸
を、それぞれ版胴本体の駆動側ジヤーナルの内径部に、
また操作側ジヤーナルの内径部に、内外２軸の構成に
て、回転および軸方向に摺動し得るように設ける。

３）前記各駆動はすば歯車を、この歯車と同軸あるいは
他軸に設けられた螺合部材を介して軸方向に移動させ、
それぞれ版胴本体および各シエルの円周方向の見当合せ
を行う装置を設ける。

４）版胴本体の駆動側ジヤーナルを支持する軸受、操作
フレーム側の外調整軸に固定された外周面にねじ部を有
する部材、駆動フレーム側の調整軸および操作フレーム
側の内調整軸を、それぞれ螺合部材を介して軸方向に移
動させ、それぞれ版胴本体および各シエルの軸方向の見
当合せを行う装置を設ける。

尚分割版胴での版胴本体と複数（２〜３ケ）のシエル
との組合せを第３図に示す。いづれの場合も上述の構造
を容易に適用することが出来る。

〔作 用〕

１）強固に安定して支持されている版胴本体および各シ
エルは、調整された円周方向および軸方向の見当を保っ
たまま、同期して駆動される。

２）版胴本体および各シエルに装着された版の円周方向
および軸方向の見当合せが、運転中および停止中に個々
に行える。

３）短幅の版を４枚装着することが出来る。

〔実施例〕 第１図および第２図に本発明による４ケの版を装着し
得る分割版胴を示す。

分割版胴73は、版を装着する外周面71を有する版胴本
体74と、この外周面71より小さい直径の版胴本体の両側
にある小径胴部分75（75aと75b）に回動および軸方向に
摺動自在に嵌合した複数（３ケ）のシエル76（76a,76b,
76c）とより構成される。各シエル76（76a,76b,76c）は
それぞれ版を装着する外周面72（72a,72bおよび72c）を
有し、軸方向に同心に近接して配設されている。

次に、図示しない原動歯車に噛合う歯車63を経由する
動力伝達経路を介して回動する版胴本体74の駆動側およ
び操作側のジャーナル77および78がそれぞれフレーム19
および20にベアリング９および10にて回転自在に支持さ
れ軸受31および32を介してフレーム19および20との嵌合
部19aおよび20aで、軸方向に摺動し得るように支承され
ている。

次にブランケット胴２の駆動側ジャーナル60に固設し
て設けた歯車62と軸方向移動自在に設けた歯車63とは、
それぞれ調整軸80aに軸方向移動自在に設けた歯車66
と、同じく調整軸80aに軸方向移動自在に設けた歯車67
と噛合せ、又ブランケット胴２の操作側ジャーナル61に
固設して設けた歯車64は、内調整軸80cに軸方向移動自
在に設けた歯車68と噛合せると共に、同操作側ジャーナ
ル61に軸方向移動自在に設けた歯車65は、外調整軸80b
に固設の歯車69と噛合せた。

一方、シエル76はジヤーナル77と78の側穴70（70a,70
bおよび70c）に、円周方向および軸方向の見当を合せる
時当らないように、貫通して取付けられいる結合部材79
（79a,79bおよび79c）にて、それぞれの調整軸80（80a,
80bおよび80c）に連結されている。この調整軸80aと外
調整軸80bはジヤーナル77と78との内径部に、内調整軸8
0cは外調整軸80bの内径部に、回転および軸方向に移動
自在に取付けられている。

更に軸受31に固設された部材94の外周面のねじ部に螺
合する歯車85と、外調整軸80bに回転自在に軸方向の移
動を拘束され、外周面にねじ部を有する部材86に螺合す
る歯車87とが、それぞれフレーム19および20に取付けら
れたストツパ88と89に軸方向には移動し得えないように
軽く接している。

次に駆動側の円周方向および軸方向の見当装置との接
続は次のようになっている。第２図で駆動はすば歯車66
は、フレーム19に固設されたブラケツト43にキー44にて
軸方向に摺動自在に取付けられベアリング45を内蔵し、
ねじ部47aを有する調整部材47に連結されている。この
調整部材47は、これと螺合し且つブラケツト43に回転自
在に支えられた部材48を経て円周方向の見当装置17に連
結されている。

またジヤーナル77に固設された駆動はすば歯車67は、
はすば歯車63により、はすば歯車62のばか穴62aを貫通
しはすば歯車63に固設された棒96にてジヤーナル60の軸
方向に移動し得る部材90に連結されている。更に部材90
の内径部にはベアリング91を介してねじ軸92が取付けら
れていて、このねじ軸92は部材93と螺合している。従っ
て円周方向の見当装置17にて、それぞれ部材48と93とを
回転させると、部材93の回転はこれに螺合するねじ軸92
を軸方向に動かし、ねじ軸92にスラストベアリングを介
して連結した部材90は棒96を介して歯車63と連結し、一
体に動く。その際部材90が回転（歯車63が回転）しても
ねじ軸92にはスラストベアリング部で回転を伝えず、ね
じ軸92は回転しない。しかしねじ軸92の軸方向の動きは
スラストベアリングを介し部材90、棒96および歯車63を
動かす。歯車63はブランケット胴２にスプラインで嵌合
し、プランケット胴２には回転力を伝え、軸方向にはブ
ランケット胴２に動きを伝えない。そのため見当装置17
にて部材93が回転すると歯車63がブランケット胴とは関
係なく軸方向に動き、歯車63と相手歯車67はどちらかが
軸方向に動いてもはすば効果にて負荷の軽い方が円周方
向に回転する。歯車63が軸方向に動けばブランケット胴
２よりも負荷の軽い側の歯車67および版胴本体74が円周
方向に回動し、円周方向の見当合せができる。又部材48
の回転は、これに螺合するねじ軸51を軸方向に動かし、
該ねじ軸51を介して歯車66の軸方向の動きは、これに噛
合う相手側のブランケットジャーナル60の歯車62を回動
できず、逆に負荷の軽い歯車66を回転し、該歯車66の回
転は調整軸80a、ピン77aを経由してシエル76aの円周方
向の見当合せができる。

次にジヤーナル77を支持する軸受31は軸方向の見当装
置18により歯車97が回転すると部材94が軸方向に移動す
るのでジヤーナル77も軸方向に摺動させる。また調整軸
80aの内径部には第２図に示すようにベアリング50を介
してねじ軸51が設置されているので、このねじ軸51に螺
合し且つブラケツト43に回転自在に支えられた部材52を
軸方向の見当装置18にて回転すると、ねじ軸51が軸方向
に移動するので調整軸80aも軸方向に移動する。従っ
て、版胴本体74とシエル76aの軸方向の見当合せが出来
る。

操作側の円周方向および軸方向の見当合せも同様にし
て行われるが、外調整軸80bの軸方向の見当合せはこの
軸80bに取付けられている部材86が、軸方向の見当装置1
8にて歯車97を回転することにより、軸方向に移動する
ことにより行う。これ以外は駆動側と同一接続である。

〔発明の効果〕

版を装着する版胴本体と、この版胴本体の左右の小径
胴部に回転自在に且つ軸方向に摺動自在に嵌合し且つ版
を装着する複数のシエルとが同心に一列に配置され、前
記版胴本体の両側にあるジヤーナルを輪転印刷機の左右
一対のフレームによりそれぞれ回転および軸方向に摺動
可能に支承した複数の版を装着し得る分割版胴におい
て、前記版胴本体の一方のジヤーナルとこの一方のジヤ
ーナルの内径部に回転および軸方向に摺動可能に挿入さ
れ且つ前記複数のシエルのうちの１ケのシエルと連結さ
れた調整軸とをこの一方のジヤーナルを支承するフレー
ムの外側に延長し、前記版胴本体の他方のジヤーナルの
内径部に回転および軸方向に摺動可能に挿入され且つ前
記複数のシエルのうちの残りの２ケのシエルにそれぞれ
連結された内外２ケの調整軸をこの他方のジヤーナルを
支承するフレームの外側に延長し、前記版胴本体の一方
のジヤーナルと、この一方のジヤーナルの内径部に設け
られた前記調整軸とに、この一方のジヤーナル側にある
ブランケツト胴の一方のジヤーナルに設けられた２ケの
はすば歯車よりそれぞれ駆動される駆動はすば歯車を取
付け、前記他方のジヤーナルの内径部に設けられた前記
２ケの調整軸に、この他方のジヤーナル側にあるブラン
ケツト胴の他方のジヤーナルに設けられた２ケのはすば
歯車よりそれぞれ駆動される駆動はすば歯車を取付け、
これらの駆動歯車のそれぞれに円周方向の見当合せ装置
を連結し、更に前記版胴本体の一方のジヤーナルを支持
する軸受、前記版胴本体の他方のジヤーナルの内径部に
設けられた内外２ケのうち外側の調整軸、前記一方のジ
ヤーナルの内径部に設けられた前記調整軸および前記他
方のジヤーナルの内径部に設けられた内外２ケの調整軸
のうちの内側の調整軸のそれぞれに軸方向の見当合せ装
置を連結してなることにより、次の効果を有する。

１）版胴本体と３ケのシエルよりなる分割版胴とするこ
とにより、４ケの版を装着することが出来るので、印刷
物の編集が自在に行える。

２）ブランケツト胴の両側ジヤーナルより、版胴本体と
複数のシエルが駆動されるので、版胴本体および各シエ
ルは合された見当を保ったまま同期して駆動される。

３）版胴本体と各シエルと円周方向および軸方向の見当
装置との連結により、版胴本体および各シエルの円周方
および軸方向の見当合せを個々に独立して、運転中、停
止中の別なく、微細に行うことが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による分割版胴の実施例を示し、第１図
（ａ）は破断側面図、第１図（ｂ）は第１図（ａ）のＡ
部拡大図、第２図は同上分割胴の駆動側の破断側面図、
第３図（ａ）〜（ｇ）は第１図に示した分割版胴におけ
る版胴本体および複数のシエルの組合せを示す、第４図
は従来の分割版胴の駆動側の破断側面図、第５図は第４
図の操作側の破断側面図である。 ２……ブランケツト胴、17……円周方向の見当装置 18……軸方向の見当装置 73……分割版胴、74……版胴本体 76（76a,76b,76c）……シエル

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】版を装着する版胴本体と、この版胴本体の
   左右の小径胴部に回転自在に且つ軸方向に摺動自在に嵌
   合し且つ版を装着する複数のシエルとが同心に一列に配
   置され、前記版胴本体の両側にあるジヤーナルを輪転印
   刷機の左右一対のフレームによりそれぞれ回転および軸
   方向に摺動可能に支承した複数の版を装着し得る分割版
   胴において、前記版胴本体の一方のジヤーナルと、この
   一方のジヤーナルの内径部に回転および軸方向に摺動可
   能に挿入され且つ前記複数のシエルのうちの１ケのシエ
   ルと連結された調整軸とをこの一方のジヤーナルを支承
   するフレームの外側に延長し、前記版胴本体の他方のジ
   ヤーナルの内径部に回転および軸方向に摺動可能に挿入
   され且つ前記複数のシエルのうちの残りの２ケのシエル
   にそれぞれ連結された内外２ケの調整軸をこの他方のジ
   ヤーナルを支承するフレームの外側に延長し、前記版胴
   本体の一方のジヤーナルと、この一方のジヤーナルの内
   径部に設けられた前記調整軸とに、この一方のジヤーナ
   ル側にあるブランケツト胴の一方のジヤーナルに設けら
   れた２ケのはすば歯車よりそれぞれ駆動される駆動はす
   ば歯車を取付け、前記他方のジヤーナルの内径部に設け
   られた前記２ケの調整軸に、この他方のジヤーナル側に
   あるブランケツト胴の他方のジヤーナルに設けられた２
   ケ口はすば歯車よりそれぞれ駆動される駆動はすば歯車
   を取付け、これらの駆動歯車のそれぞれに円周方向の見
   当合せ装置を連結し、更に前記版胴本体の一方のジヤー
   ナルを支持する軸受、前記版胴本体の他方のジヤーナル
   の内径部に設けられた内外２ケのうち外側の調整軸、前
   記一方のジヤーナルの内径部に設けられた前記調整軸お
   よび前記他方のジヤーナルの内径部に設けられた内外２
   ケの調整軸のうちの内側の調整軸のそれぞれに、軸方向
   の見当合せ装置を連結してなることを特徴とする輪転印
   刷機の分割版胴。