JP2725940B2 - 分注装置 - Google Patents

分注装置

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JP2725940B2
JP2725940B2 JP4045171A JP4517192A JP2725940B2 JP 2725940 B2 JP2725940 B2 JP 2725940B2 JP 4045171 A JP4045171 A JP 4045171A JP 4517192 A JP4517192 A JP 4517192A JP 2725940 B2 JP2725940 B2 JP 2725940B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、分注装置、特にノズル
から試料の吐出を行う際に、気泡が存在することを判定
することによって吐出量の不足を判断できる分注装置に
関する。
【０００２】
【従来の技術】試料の分注を行う分注装置が知られてお
り、例えば人体から採取された血液を複数の容器に分配
する装置として用いられている。
【０００３】試料の吸引は、例えばディスポーザブル化
されたノズルによって行われる。ここで、試料の分注を
設定された所定量ずつ正確に行うためには、まず吸引時
に、その吸引量が適正でなければならない。しかし、何
らの配慮なく吸引を行えば、気泡などを吸引した場合に
吸引量が正確でなくなり、その後の吐出量が不足する結
果、分注精度が低下する。
【０００４】そこで、本出願人により先に出願した特開
平２−１９６９６３では、吸引時において、ノズルに接
続されたエアチューブ内の圧力を圧力センサによって検
出し、その圧力の積算値が基準値以下の場合に、吸引量
不足の判定を行っている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、試料の
吐出時にその吐出量が正確でなければ、結局のところ分
注精度を向上させることができない。すなわち、ノズル
移動中の振動等に起因してノズル内にビールの泡のよう
な微小気泡が生じて試料上部に集まった場合には、吐出
終了後においてもノズル内先端に前記微小気泡が残存す
ることがあり、吐出量が正確でなくなる。また、吐出終
了後にノズル先端に風船状の気泡となって試料がぶら下
がり残存した場合にも、吐出量が正確でなくなる。もち
ろん、分注装置では、ノズル内壁の試料の付着量を考慮
して吸引量等を設定しているが、上記のような不測の事
態は想定されていない。
【０００６】一方、上記特開平２−１９６９６３による
手法は、吸引時のみにおける判定であるため、吐出時の
試料残存による吐出量不足に対処できない。また、吸引
時の判定で仮に気泡吸引がチェックされなかった場合
に、吐出時に気泡の吐出を判定できれば、分注の信頼性
をより向上できる。
【０００７】本発明は、上記従来の課題に鑑みなされた
ものであり、吐出完了間際に気泡がノズル内や先端に生
じたことを検出できる分注装置を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、試料の吸引・吐出を行うノズルとそのノズルの吸引
力・吐出力を発生する分注ポンプとを有する分注装置に
おいて、所定のしきい値を記憶したしきい値記憶部と、
前記分注ポンプ停止後であって試料の吐出完了間際に設
定される所定の判定時におけるノズル内圧力を検出する
圧力センサと、前記圧力センサによって検出された実際
の圧力が前記しきい値を超えている場合に、気泡発生を
判定する判定部と、を含むことを特徴とする。
【０００９】
【作用】上記構成によれば、圧力センサによって所定の
判定時のノズル内圧力が直接的にあるいは間接的に検出
され、その検出値がしきい値記憶部に記憶されたしきい
値と比較される。この場合、検出値がしきい値を超えて
いる場合には、判定部によって気泡存在が判定される。
【００１０】すなわち、ノズル内の試料の吐出終了時
に、ノズル先端内に試料が微小気泡となって残存した場
合、ノズル先端に風船状の試料が付着残存した場合、又
は吐出完了間際に微小気泡の吐出が行われる場合には、
ノズル先端開口がその気泡により塞がれることになる。
この場合、吐出のためにポンプから送り込まれた吐出エ
アに対して、残存したその気泡が抵抗力を及ぼし、結果
としてノズル内圧力が正常時より上昇することになる。
したがって、そのような正常時との圧力差が現れる吐出
完了間際、具体的にはほとんどの試料を吐出した際にノ
ズル内圧力が大気圧に戻るまでの間のいずれかの時点
で、ノズル内圧力を観察すれば、気泡の存在を判定で
き、さらに吐出量不足等を判断できる。
【００１１】なお、適正な吐出量を得るためには、吸引
量が正確であることが前提となり、例えば上記特開平２
−１９６９６３の発明等と本発明とを組み合わせること
が好適である。
【００１２】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を図面に基づき
説明する。
【００１３】図１には、本発明に係る分注装置の好適な
実施例が示されており、図１はその要部を示すブロック
図である。
【００１４】図１において、ノズル１０は、試料分注の
ために試料の吸引・吐出を行うものであり、本実施例に
おいてノズル１０はディスポーザブルなものが用いられ
ている。このノズル１０は、ＸＹＺロボット１２によっ
て保持され、上下左右自在に移動可能とされている。
【００１５】ノズル１０にはエアホース１４を介してポ
ンプ１６が接続されている。このポンプ１６は、吸引力
及び吐出力を発生するものであり、シリンダ１８とピス
トン２０とで構成されている。そして、エアホース１４
には、圧力センサ２２が接続され、エアホース１４内の
圧力、すなわちノズル１０内の圧力が検出されている。
圧力センサ２２からの圧力検出信号は、ＤＣアンプ２４
にて増幅され、さらにリミッタ回路２６に送られる。リ
ミッタ回路２６は、過大信号が次のＡ／Ｄ変換器２８に
入力されることを防止するものであり、そのＡ／Ｄ変換
器２８からデジタル信号に変換された圧力検出信号が制
御部３０に送られている。
【００１６】この制御部３０は、装置全体のコントロー
ルを行うものであり、例えば前記ポンプ１６やＸＹＺロ
ボット１２等の制御を行っている。また、この制御部３
０は、判定回路３２及びメモリ３４を含んでおり、以下
にこれら判定回路３２及びメモリ３４の機能について説
明する。
【００１７】図２には、吐出時におけるノズル内圧力の
時間的変化がグラフとして例示されている。なお、縦軸
は圧力センサ２２によって検出される圧力を示し、横軸
は時間を示している。
【００１８】図においては、ノズル１０内に気泡が発生
していない正常時の特性が１００で示されている。な
お、この場合の吐出量は、２００μｌである。
【００１９】また、図において１０１はノズルに気泡が
生じている場合の特性であり、具体的には５０μｌの気
泡が生じている場合である。その他の条件は、正常時と
同じである。
【００２０】図示されるように、図１に示したシリンダ
１８に対してピストン２０を前進させ吐出力を発生させ
ると、ノズル内の圧力が高まり、吐出が開始される。こ
こで、初期圧力が大気圧より低いのは、主としてノズル
内に試料を保持しておくためである。
【００２１】吐出開始後、ある程度の時間が経過すると
ノズル内の試料は、ほぼ全部吐出される。このとき、試
料の粘性等に起因して、ポンプによる吐出作用に対して
実際の試料の吐出は若干遅れる傾向にある。これを主因
としてポンプ停止後は、ノズル内の圧力がなだらかに低
下している。なお、図において、１０３はポンプ停止の
開始（減速開始）時期を示し、その後の１０４は、ポン
プの完全停止を示している。
【００２２】図示されるように、ポンプ停止前において
は、正常特性１００、気泡含有特性１０１、いずれもほ
ぼ同様の特性を示しているが、ポンプ停止後、すなわち
試料の吐出完了間際は両特性が顕著に異なっている。つ
まり、ノズル内の試料上部に存在していた気泡が、試料
の吐出完了間際に徐々に吐出され、あるいはノズル先端
内に残留し、吐出エアに対して抵抗力を及ぼすためであ
り、ポンプ停止後においては、気泡含有特性１０１が正
常特性１００より上方にシフトしている。ちなみに、最
終的にノズル内に気泡が残留した場合、あるいは風船状
の気泡がノズル先端に付着残存した場合には、図示され
るように、ノズル内の圧力は大気圧まで復帰せず、一定
の圧力値を示すことになる。ただし、最終的に気泡自体
も吐出される場合には、気泡含有特性１０１は最後に大
気圧に近づくが、それまでの間は図２同様に２つの特性
に開きが生じる。
【００２３】したがって、例えば、図において１０５で
示す判定時に、ノズル内の圧力を検出し、それと正常時
とを比較すれば、気泡発生を判定できることが理解され
る。その判定を行うためにしきい値が設定されている。
【００２４】判定時１０５は、ポンプ停止後、ノズル内
圧力が大気圧に復帰するまでの間において、特性の差が
現れやすい時期に設定することが好適である。また、し
きい値は、試料の粘性等に応じて設定すればよい。
【００２５】図１に示した判定回路３２は、吐出完了間
際の判定時の圧力検出値をメモリ３４に格納されたしき
い値と比較し、気泡の有無の判定を行う。そして、気泡
の存在が判定された場合、吐出量の不足が考えられるた
め、制御部３０は警報を発生し、操作者に注意を促す。
【００２６】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ノズルによって試料の吐出を行う際に、気泡の存在を判
定できるので、吐出量が不足したことを判断し、警報を
発し、これに対する対策を促すことによって分注精度を
高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る分注装置の全体構成を示すブロッ
ク図である。
【図２】吐出時のノズル内圧力変化を示す特性図であ
る。
【符号の説明】
１０ ノズル １６ ポンプ ２２ 圧力センサ ３０ 制御部 ３２ 判定回路 ３４ メモリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹田 雅明 東京都三鷹市牟礼６丁目22番１号 アロ カ株式会社内 (72)発明者 片木 ひとみ 東京都三鷹市牟礼６丁目22番１号 アロ カ株式会社内 (72)発明者 加藤 有子 東京都三鷹市牟礼６丁目22番１号 アロ カ株式会社内 (72)発明者 ブレント アレン ペレタイアー アメリカ合衆国 イリノイ州 60060 マンデレイン サウス エメラルド ス トリート 46 (56)参考文献 特開 平２−196963（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−24151（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 試料の吸引・吐出を行うノズルとそのノ
    ズルの吸引力・吐出力を発生する分注ポンプとを有する
    分注装置において、 所定のしきい値を記憶したしきい値記憶部と、前記分注ポンプ停止後であって 試料の吐出完了間際に設
    定される所定の判定時におけるノズル内圧力を検出する
    圧力センサと、 前記圧力センサによって検出された実際の圧力が前記し
    きい値を超えている場合に、気泡の存在を判定する判定
    部と、 を含むことを特徴とする分注装置。
JP4045171A 1992-03-03 1992-03-03 分注装置 Expired - Lifetime JP2725940B2 (ja)

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