JP2724903B2 - 耐屈曲性に優れた導電用高力銅合金 - Google Patents

耐屈曲性に優れた導電用高力銅合金

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JP2724903B2
JP2724903B2 JP2133572A JP13357290A JP2724903B2 JP 2724903 B2 JP2724903 B2 JP 2724903B2 JP 2133572 A JP2133572 A JP 2133572A JP 13357290 A JP13357290 A JP 13357290A JP 2724903 B2 JP2724903 B2 JP 2724903B2
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    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B1/00Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors
    • H01B1/02Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors mainly consisting of metals or alloys
    • H01B1/026Alloys based on copper
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    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、銅合金に係り、特に、例えば自動車用電線
の導体として用いた場合に、導電率の低下を招くことな
く、機械的衝撃に対し高強度で、圧着端子部における引
張り及び屈曲による断線を減少させることができ、かつ
軽量化を図ることのできる耐屈曲性に優れた導電用高力
銅合金に関する。
【従来の技術】
一般に自動車は、マニアル・トランス・ミッション車
と、オート・トランス・ミッション車(AT車)とがあ
る。これら自動車の自動車用電線の導体としては軟銅線
が主として用いられている。近年、AT車の普及に伴って
キャブレタから電子燃料噴射装置への転換が図られ、各
種計器類等車載装置の電子化が図られている。このよう
な車載装置の電子化等に伴い、自動車内における電気、
電子配線回路の数が著しく増加し、自動車における自動
車用電線の占積空間の増加及び、この自動車用電線によ
る重量の増加を招いている。 しかし、自動車の車体は、燃費の向上の点から計量で
あることが望ましく、自動車用電線の使用量の増加は、
車体の軽量化に逆行することとなる。そこで、車体の軽
量化を図る上から、自動車内における電気、電子配線回
路に用いられる自動車用電線においては、その軽量化及
び自動車内における占積空間の微小化の要望が強まって
いる。 従来は、自動車用電線の中で例えばマイクロコンピュ
ータを含む微小電流回路に用いられる電線においては、
リード線等極細い径の電線で充分であるにも拘らず、自
動車走行中に生じる振動衝撃は甚だしく大きいものであ
るため、充分な機械的強度を有していないと接合部がは
ずれたり、断線を生じ、自動車走行に支障を生じたりす
ることがある。このようなことから従来、充分な機械的
強度を確保するため、電気的な必要径より大きな径の導
体を用いている。 しかし、充分な機械的強度を確保するため、電気的な
必要径より大きな径の導体を用いていたのでは、自動車
内における電気、電子配線回路に用いる自動車用電線の
軽量化及び占積空間の狭小化を図ることはできない。 そこで、自動車用電線を計量化するため導体外径を小
さくしても機械的強度を確保することのできる硬銅線が
検討されたが、硬銅線は材質的に伸びが著しく小さい。
このため、硬銅線を用いて端子間を圧着接合しても、自
動車走行中に生じる振動衝撃等の外力による機械的負荷
が接合部に加わると、接合部が損傷してしまうことがあ
る。このように硬銅線を用いて端子間を圧着接合する
と、端子圧着箇所が機械的な弱点部となり外的衝撃によ
って断線を生じやすく信頼性に乏しいという結果を招来
している。 また、自動車用電線の使用重量を小さくすることは、
導体径を小さくすることによって実現が可能であるが、
従来の如き軟銅線にあっては、導体外径を小さくすると
機械的強度が低下してしまう。そこで、近年、導体外径
を小さくしても、機械的強度を確保でき、比較的良好な
繰返し屈曲強度及び導電性を有する銅合金として、Cu−
Ni−Ti合金、Cu−Ni−Si合金等が考案されている。
【発明が解決しようとする課題】
このCu−Ni−Ti合金は、Ni−Tiの金属間化合物を、Cu
マトリックス中に析出させることにより、導電性を大き
く低下させずに、引張り強さを向上させたものである。
しかしながら、このCu−Ni−Ti合金は、自動車走行中に
生じる振動衝撃等の外力による機械的負荷に耐え得るに
充分な引張り強さを得ることができないという問題点を
有している。 また、Cu−Ni−Si合金は、Ni−Siの金属間化合物を、
Cuマトリックス中に析出させることにより、導電性を大
きく低下させずに、引張り強さを向上させたものであ
る。しかしながら、このCu−Ni−Si合金は、自動車走行
中に生じる振動衝撃等の外力による機械的負荷に耐え得
るに充分な引張り強さを得ることができないという問題
点を有している。 本願第1の発明及び本願第2の発明は、導電率の大幅
な低下を招くことなく、機械的衝撃に対し高強度で、圧
着端子部における引張り及び屈曲による断線を減少させ
ることができ、かつ軽量化を図ることのできる耐屈曲性
に優れた導電用高力銅合金を提供することを目的として
いる。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願第1の発明に係る耐
屈曲性に優れた導電用高力銅合金においては、Niを2.0
〜4.0重量%、Siを0.4〜10重量%、Inを0.05〜0.25重量
%、Snを0.05〜0.25重量%、Mgを0.05〜0.20重量%を含
有し、残部が基本的にCuからる鋳造棒を冷間圧延・伸線
し、溶体化処理した後、伸線して時効処理を行って得ら
れるCuマトリックス中にNiとSiの金属間化合物を析出さ
せて構成したものである。 すなわち、上記目的を達成するために、本願第1の発
明に耐屈曲性に優れた導電用高力銅合金においては、Cu
マトリックス中にNiとSiの金属間化合物を析出させ、こ
れによって導電性を大幅に低下させることなく、引張り
強さを向上し、In、Sn、Mgを加えることにより、引張り
強さをさらに高めたものである。 本願第1の発明においては、Niの含有量を2.0〜4.0重
量%としたのは、Niが2.0重量%未満では、Siとの金属
間化合物の析出による引張強さの向上が小さく、また、
Niが4.0重量%を超えると、Cu母相中へ固溶するNiが多
くなり、導電性を著しく損なうためである。 また、本願第1の発明において、Siの含有量を0.4〜
1.0重量%としたのは、Siが0.4重量%未満では、Niとの
金属間化合物の析出による引張強さの向上が小さく、ま
た、Siが1.0重量%を超えると、Cu母相中に固溶するSi
が多くなり、導電性が低下するためである。 さらに、本願第1の発明において、Inの含有量を0.05
〜0.25重量%としたのは、Inが0.05重量%未満では、引
張強さを向上させる効果が小さく、0.25重量%を超える
とCu母相中に固溶するInが多くなり、導電性を著しく低
下させるからである。 さらにまた、本願第1の発明において、Snの含有量を
0.05〜0.25重量%としたのは、Snが0.05重量%未満で
は、引張強さを向上させる効果が小さく、Snが0.25重量
%を超えると導電性を大きく低下させるからである。 また、本願第1の発明において、Mgの含有量を0.05〜
0.2重量%としたのは、Mgが0.05重量%未満では、引張
強さを向上させる効果が小さく、Mgが0.20重量%を超え
ると導電性、加工性、鋳造性を低下させるからである。 また、上記目的を達成するために、本願第2の発明に
係る耐屈曲性に優れた導電用高力銅合金においては、Ni
を2.0〜4.0重量%、Siを0.4〜1.0重量%、Inを0.05〜0.
25重量%、Coを0.05〜020重量%、Mgを0.05〜0.20重量
%を含有し、残部が基本的にCuからなる鋳造棒を冷間圧
延・伸線し、溶体化処理した後、伸線して時効処理を行
って得られるCuマトリックス中にNiとSiの金属間化合物
を析出させて構成したものである。 すなわち、上記目的を達成するために、本願第2の発
明に係る耐屈曲性に優れた導電用高力銅合金において
は、Cuマトリックス中にNiとSiの金属間化合物を析出さ
せ、これによって導電性を大幅に低下させることなく、
引張り強さを向上し、In、Co、Mgを加えることにより、
引張り強さをさらに高めたものである。 本願第2の発明において、Niの含有量を2.0〜4.0重量
%としたのは、Niが2.0重量%未満では、Siとの金属間
化合物の析出による引張強さの向上が小さく、また、Ni
が4.0重量%を超えると、Cu母相中へ固溶するNiが多く
なり、導電性を著しく損なうためである。 また、本願第2の発明において、Siの含有量を0.4〜
1.0重量%としたのは、Siが0.4重量%未満では、Niとの
金属間化合物の析出による引張強さの向上が小さく、ま
た、Siが1.0重量%を超えると、Cu母相中に固溶するSi
が多くなり、導電性が低下するためである。 さらに、本願第2の発明において、Inの含有量を0.05
〜0.25重量%としたのは、Inが0.05重量%未満では、引
張強さを向上させる効果が小さく、0.25重量%を超える
とCu母相中に固溶するInが多くなり、導電性を著しく低
下させるからである。 さらにまた、本願第2の発明において、Coの含有量を
0.05〜0.20重量%としたのは、Snは0.05重量%未満で
は、引張強さを向上させる効果が小さく、Coが0.20重量
%を超えると加工性を低下させるからである。 また、本願第2の発明において、Mgの含有量を0.05〜
0.2重量%としたのは、Mgが0.05重量%未満では、引張
強さを向上させる効果が小さく、Mgが0.2重量%を超え
ると導電性、加工性、鋳造性を低下させるからである。
【作用】
上記のように構成された本願第1の発明に係る耐屈曲
性に優れた導電用高力銅合金を用いると、導電率は、従
来の導電用高力銅合金とほぼ同等であり、42%IACS以上
の導電率を得ることができる。 また、上記のように構成された本願第1の発明に係る
耐屈曲性に優れた導電用高力銅合金を用いると、引張強
さは、硬銅の約1.6倍以上と飛躍的強さを有し、従来の
導電用高力銅合金に比しても、向上することができる。 さらに、上記のように構成された耐屈曲性に優れた導
電用高力銅合金を用いると伸びは、軟銅より小さくなる
が、硬銅に比して7倍以上の伸びを有しており、軟銅と
同等の繰返し屈曲強度を得ることができる。 そして、上記した理由から本願第1の発明のように構
成された耐屈曲性に優れた導電用高力銅合金を自動車の
自動車用電線の導体等として用いた場合に、自動車用電
線の導体に適した特性を得ることができ、導体外径の小
型化に対する機械的強度の確保と端子圧着箇所での引張
荷重及び屈曲による断線を減少させることができる。し
たがって、上記のように構成された耐屈曲性に優れた導
電用高力銅合金を電子機器内配線用電線の導体、半導体
のリード材等として用いると好適である。 以上の点から明確なように、上記本願第1の発明のよ
うに構成された耐屈曲性に優れた導電用高力銅合金を例
えば自動車用電線の導体等として用いた場合に、機械的
衝撃に対して高強度で、しかも電気的特性において高導
電性を有し、かつ導線の小径化が行なわれ、自動車用電
線の軽量化する方向に働く。 上記のように構成された本願第2の発明に係る耐屈曲
性に優れた導電用高力銅合金を用いると、導電率は、従
来の導電用高力銅合金とほぼ同等であり、41%IACS以上
の導電率を得ることができる。 また、上記のように構成された本願第2の発明に係る
耐屈曲性に優れた導電用高力銅合金を用いると、引張強
さは、硬銅の約1.7倍と飛躍的強さを有し、従来の導電
用高力銅合金に比しても、向上することができる。 さらに、上記のように構成された耐屈曲性に優れた導
電用高力銅合金を用いると伸びは、軟銅より小さくなる
が、硬銅に比して5倍以上の伸びを有しており、軟銅と
同等以上の繰返し屈曲強度を得ることができる。 そして、上記した理由から本願第2の発明のように構
成された耐屈曲性に優れた導電用高力銅合金を自動車の
自動車用電線の導体等として用いた場合に、自動車用電
線の導体に適した特性を得ることができ、導体外径の小
型化に対する機械的強度の確保と端子圧着箇所での引張
荷重及び屈曲による断線を減少させることができる。し
たがって、上記のように構成された耐屈曲性に優れた導
電用高力銅合金を電子機器内配線用電線の導体、半導体
のリード材等として用いると好適である。 以上の点から明確なように、上記本願第2の発明のよ
うに構成された耐屈曲性に優れた導電用高力銅合金を例
えば自動車用電線の導体等として用いた場合に、機械的
衝撃に対して高強度で、しかも電気的特性において高導
電性を有し、かつ導線の小径化が行なわれ、自動車用電
線の軽量化する方向に働く。
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。 本願第1の発明の実施例として、不活性ガス雰囲気に
保たれた溶解炉で、黒鉛粒被覆下にて銅を溶解した後、
Ni、In、Sn、Mgを純金属、Siを母合金の形態で添加し、
均一な溶湯を得、これを、連続鋳造により、第1表に示
す如き組成の20φの鋳造棒を作製した。これらを冷間圧
延、伸線により3.2φにした後、不活性ガス雰囲気中約9
00℃で1時間、加熱保持後、水冷して溶体化処理を施し
た。その後、1.0φまで伸線し、さらに不活性ガス雰囲
気中約470℃で6時間の時効処理を行ない、引張強さ、
伸び、導電率、繰返し屈曲強度を測定した。比較例も同
様の製造方法によったものである。 なお、屈曲試験は、第1図に示す如く、治具1に供試
材2の一端を挟持し、他端を2kgの引張荷重Wを加えた
状態で第1図図示(A)→(B)→(C)→(D)と左
右90゜曲げを1回として破断するまで、繰返し行ない、
その回数を繰返し屈曲強度とした。 第1表には、本願第1の発明に係る耐屈曲性に優れた
導電用高力銅合金の特徴を明確にするために、実施例と
合わせて、比較例及び従来例の組成、特性値が示してあ
る。 なお、比較例の合金No.4〜No.6は、組成がCu、Ni、S
i、In、Sn、Mgと本発明と同一であるが、各組成の含有
量が本発明とは異なっている。 第1表の実施例(No.1〜No.5)と比較例(No.1〜No.
6)との比較から明らかな如く、本願第1の発明による
と、Ni−Siの金属間化合物を銅マトリクス中に析出させ
ることにより、導電率を大幅に低下させることなく、引
張強さを向上させることができる。 さらに、本願第1の発明によると、Cu母相中にIn、Sn
を固溶させているため、このCu母相中へのIn、Snの固溶
により、導電率の幾分の低下は生じるが、引張強さによ
り一層の向上を図ることができる。さらに、Mgを添加す
ることにより、Mgの一部がSiと金属間化合物を形成し、
導電率の低下をあまり生じさせることなく、引張強さを
向上することができる。この導電率は、銅マトリクス中
に固溶した合金元素In、Snにより比較例(No.1)に比し
て低下は有るが、約42%IACSを確保し、繰返し屈曲強度
は、軟銅より優れ、引張強さは、硬銅より格段向上させ
ることができる。 このように、本願第1の発明に係る耐屈曲性に優れた
導電用高力銅合金は、硬銅と比較すると、1.6倍以上と
格段に優れた引張強さを有しており、導電率は低下する
が、添加元素の一部を析出させることにより、その低下
を約42%IACSと極力抑え、伸びは、軟銅より小さくなる
も、硬銅の7倍以上有り、繰返し屈曲強度は、極めて良
好な軟銅よりも優れている。 本願第2の発明の実施例として、不活性ガス雰囲気に
保たれた溶解炉で、黒鉛粒被覆下にて銅を溶解した後、
Ni、In、Mgを純金属、Co、Siを母合金の形態で添加し、
均一な溶湯を得、これを、連続鋳造により、第2表に示
す如き組成の20φの鋳造棒を作製した。これらを冷間圧
延、伸線により3.2φにした後、不活性ガス雰囲気中約9
00℃で1時間、加熱保持後、水冷して溶体化処理を施し
た。その後、1.0φまで伸線し、さらに不活性ガス雰囲
気中約470℃で6時間の時効処理を行ない、引張強さ、
伸び、導電率、繰返し屈曲強度を測定した。比較例も同
様の製造方法によったものである。 なお、屈曲試験は、第1図に示す如く、治具1に供試
材2の一端を挟持し、他端を2kgの引張荷重Wを加えた
状態で第1図図示(A)→(B)→(C)→(D)と左
右90゜曲げを1回として破断するまで、繰返し行ない、
その回数を繰返し屈曲強度とした。 第2表には、本願第2の発明に係る耐屈曲性に優れた
導電用高力銅合金の特徴を明確にするために、実施例と
合わせて、比較例及び従来例の組成、特性値が示してあ
る。 なお、比較例の合金No.4〜No.6は、組成がCu、Ni、S
i、In、Sn、Mgと本発明と同一であるが、各組成の含有
量が本発明とは異なっている。 第2表の実施例(No.1〜No.5)と比較例(No.1〜No.
6)との比較から明らかな如く、本発明によると、Ni−S
iの金属間化合物を銅マトリクス中に析出させることに
より、導電率を大幅に低下させることなく、引張強さを
向上させることができる。 さらに、本発明によると、Cu母相中にIn、Coを固溶さ
せているため、このCu母相中へのIn、Coの固溶により、
導電率の幾分の低下は生じるが、引張強さのより一層の
向上を図ることができる。さらに、Mgを添加することに
より、Mgの一部がSiと金属間化合物を形成し、導電率の
低下をあまり生じさせることなく、引張強さを向上する
ことができる。この導電率は、銅マトリクス中に固溶し
た合金元素In、Coにより比較例(No.1)に比して低下は
有るが、約41%IACSを確保し、繰返し屈曲強度は、軟銅
より優れ、引張強さは、硬銅より格段向上させることが
できる。 このように、本発明に係る耐屈曲性に優れた導電用高
力銅合金は、硬銅と比較すると、約1.7倍と格段に優れ
た引張強さを有しており、導電率は低下するが、添加元
素の一部を析出させることにより、その低下を約41%IA
CSと極力抑え、伸びは、軟銅より小さくなるも、硬銅の
5倍以上有り、繰返し屈曲強度は、極めて良好な軟銅よ
りも優れている。
【発明の効果】
以上説明したように、本願第1の発明によれば、硬銅
と比較すると、1.6倍以上と格段に優れた引張強さを有
し、導電率は低下するが、添加元素の一部を析出させる
ことにより、その低下を約42%IACSと極力抑えることが
できる。 さらに、本願第1の発明によれば、伸びは、軟銅より
小さくなるが、硬銅の7倍の伸びを有しており、繰返し
屈曲強度の極めて良好な軟銅よりも優れた繰返し屈曲強
度を得ることができる。 また、本願第2の発明によれば、硬銅と比較すると、
約1.7倍と格段に優れた引張強さを有し、導電率は低下
するが、添加元素の一部を析出させることにより、その
低下を約41%IACSと極力抑えることができる。 さらに、本願第2の発明によれば、伸びは、軟銅より
小さくなるが、硬銅の5倍以上の伸びを有しており、繰
返し屈曲強度の極めて良好な軟銅よりも優れた繰返し屈
曲強度を得ることができる。 したがって、本願第1の発明及び本願第2の発明によ
れば、自動車用電線として用いる導体に適した特性を得
ることができ、導体外径の小型化に対する機械的強度の
確保と端子圧着箇所での引張荷重及び屈曲による断線を
減少させることができる。 また、本願第1の発明及び本願第2の発明によれば、
電子機器内配線用電線の導体、半導体のリード材等とし
て用いるにも好適である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本願第1の発明及び本願第2の発明の実施例
及び比較例の屈曲試験方法を示す図である。 1……治具 2……供試材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤野 年弘 静岡県沼津市大岡2771 矢崎電線株式会 社内 (72)発明者 滝 康仁 静岡県沼津市大岡2771 矢崎電線株式会 社内 (56)参考文献 特開 昭63−262448(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Niを2.0〜4.0重量%、Siを0.4〜1.0重量
    %、Inを0.05〜0.25重量%、Snを0.05〜0.25重量%、Mg
    を0.05〜0.20重量%を含有し、残部が基本的にCuからな
    る鋳造棒を冷間圧延・伸線し、溶体化処理した後、伸線
    して時効処理を行って得られるCuマトリックス中にNiと
    Siの金属間化合物を析出させた耐屈曲性に優れた導電用
    高力銅合金。
  2. 【請求項2】Niを2.0〜4.0重量%、Siを0.4〜1.0重量
    %、Inを0.05〜0.25重量%、Coを0.05〜0.20重量%、Mg
    を0.05〜0.20重量%を含有し、残部が基本的にCuからな
    る鋳造棒を冷間圧延・伸線し、溶体化処理した後、伸線
    して時効処理を行って得られるCuマトリックス中にNiと
    Siの金属間化合物を析出させた耐屈曲性に優れた導電用
    高力銅合金。
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