JP2723799B2 - ガスシールドアーク溶接用ワイヤ - Google Patents

ガスシールドアーク溶接用ワイヤ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガスシールドアーク溶接
に使用されるガスシールドアーク溶接用ワイヤに関し、
特に溶接アークを安定に維持できるガスシールドアーク
溶接用ワイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車及び鉄骨橋梁等の製造に使用され
ているガスシールドアーク溶接方法は、年々その性能向
上の要求が厳しくなっている。従来、ガスシールドアー
ク溶接技術の改良のために、シールドガス成分の適切化
及び溶接電源の制御方法の改良等が行われている。
【0003】しかし、溶接部を能率良く得るためには、
溶接アークの不安定性に起因する欠陥を防ぎ、安定した
溶接アークを長時間に亘り維持することが極めて重要で
ある。この溶接アークの不安定性とは、肉眼で確認でき
る溶接アーク長の変動、肉眼では認められない短時間の
溶接アークの消滅(所謂、溶接アーク切れ)及びワイヤ
と溶融プールとの短時間の短絡(以下、短絡という)等
のことをいう。
【0004】溶接アークが不安定になった場合、溶融プ
ールの形状が不規則になり、ビード形状の欠陥が生じや
すくなる。また、溶接アークが不安定になると、溶接作
業者が溶接アーク長を微妙に調節する必要が生じ、溶接
能率が低下する。
【0005】このような問題点に対して、例えば、ワイ
ヤ表面の残存潤滑剤を除去した後、ワイヤ表面にカルボ
ン酸カリウム塩を固着させ、その固着量並びにその固着
過程で発生する遊離鉄粉及び遊離銅粉の量を規制するこ
とにより、アーク放電現象を安定化させようとするアー
ク安定技術が提案されている(特公平3−7703
5)。
【0006】また、銅メッキされたワイヤの表面に残留
している銅粉の量を規制することにより、通電銅チップ
の磨耗を防止すると共に、ワイヤ送給用コンジットライ
ナーの閉塞を防止する方法も提案されている(特開昭6
1−3696)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来技術においては、肉眼では認めることができない
短時間のアーク切れ及び短絡等の発生を十分に減少させ
ることができていない。このため、前記各従来技術で
は、溶接欠陥及び溶接能率の低下等の溶接作業性の悪化
を回避することができない。
【0008】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、安定送給が可能であり、溶融プールとの間
の短時間の短絡及び溶接アーク切れを減少させることが
でき、これにより溶接欠陥の減少及び溶接能率の向上を
図ることができるガスシールドアーク溶接用ワイヤを提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るガスシール
ドアーク溶接用ワイヤは、ワイヤを有機溶媒中で超音波
洗浄し、ワイヤ本体を除去した後に、孔径0.2μmの
濾紙(メンブレンフィルタ)を使用して濾過し、濾液中
の有機溶媒を除去して得られる測定液中の銅イオン濃度
及び鉄イオン濃度を夫々ワイヤ表面付着物に含まれる銅
イオン濃度及び鉄イオン濃度とした場合、このワイヤ
面付着物に含まれる銅イオン濃度が5000ppm以
下、鉄イオン濃度が500ppm以下であることを特徴
とする。
【0010】好ましくは前記表面付着物の銅イオン濃度
及び鉄イオン濃度は夫々3000ppm以下及び300
ppm以下であり、更に好ましくは前記表面付着物の銅
イオン濃度及び鉄イオン濃度は夫々1000ppm以下
及び100ppm以下である。
【0011】また、本発明は、0.001乃至0.15
重量%のC、0.30乃至1.10重量%のSi、0.
85乃至2.60重量%のMn、0.001乃至0.0
30重量%のP、0.001乃至0.030重量%のS
及び0.01乃至0.50重量%のCuを含有し、残部
が鉄及び不可避的不純物からなる組成を有するソリッド
ワイヤに適用することができる。
【0012】更に、前記ソリッドワイヤの組成は、前記
成分に、0.01乃至1.80重量%のNi、0.01
乃至0.70重量%のCr、0.01乃至0.65重量
%のMo、0.01乃至0.50重量%のAl並びに総
重量が0.01乃至0.30重量%のTi及び/又はZ
rからなる群から選択された少なくとも1種を含有した
ものとすることができる。
【0013】
【作用】本願発明者等が、溶接アークを安定に維持する
ための条件を求めるべく種々実験研究した結果、以下の
ことが明らかになった。
【0014】即ち、ワイヤ及びワイヤ表面の分析結果
と、高速度カメラにより撮影した溶接アーク現象の観察
結果とから、ワイヤの表面に付着させている送給用又は
防錆用の油分に溶解している金属イオン(銅イオン及び
鉄イオン)が通電チップとワイヤとの間のワイヤの安定
送給を阻害し、これがアークを不安定にしていることを
見い出した。油分に金属イオン(銅イオン及び鉄イオ
ン)が溶解することにより、送給性及び防錆性の向上に
必要な油分中の脂肪酸が減少して、通電チップとガスシ
ールドアーク溶接用ワイヤとの間で金属接触が生じやす
く、これにより送給不良となることが判明した。
【0015】このため、本願発明はワイヤ表面付着物中
の銅イオン濃度及び鉄イオン濃度を規制するが、本願発
明者等による多数の実験の結果、ガスシールドアーク溶
接用ワイヤの表面付着物に含有される銅イオン濃度が5
000ppm以下、鉄イオン濃度が500ppm以下の
場合は、ガスシールドアーク溶接用ワイヤを安定に送給
することができ、溶接アーク切れ及びガスシールドアー
ク溶接用ワイヤと溶融プールとの間の短時間の短絡を減
少させることができることが判明した。
【0016】このワイヤの安定送給によるアーク切れ及
び短絡防止効果は、表面付着物の銅イオン濃度及び鉄イ
オン濃度を更に減少させて夫々3000ppm以下及び
300ppm以下にすることにより更に向上し、更に、
表面付着物の銅イオン濃度及び鉄イオン濃度を夫々10
00ppm以下及び100ppm以下にすることによ
り、この効果は更に一層向上する。
【0017】なお、ガスシールドアーク溶接用ワイヤの
表面付着物の銅イオン及び鉄イオンの濃度を規制する手
段としては、例えば、送給用又は防錆用油の塗布方法に
もよるが、油を循環使用する場合は、循環経路内にフィ
ルタを設置し、イオン化する前の金属微粉末を除去する
方法と、油に静電気をかけ超微細の金属不純物を凝集さ
せて除去させる方法とがある。このような方法により、
表面潤滑油中の銅及び鉄イオンを規制することが可能で
ある。
【0018】一方、ガスシールドアーク溶接用ワイヤが
ソリッドワイヤである場合には、このソリッドワイヤの
化学組成は、JIS Z3312に規定されている範囲
内とすることができる。即ち、ソリッドワイヤの組成と
しては、請求項4又は5にて規定したものが好ましい。
【0019】以下、本発明におけるソリッドワイヤの成
分添加理由及び組成限定理由について説明する。
【0020】C;0.001〜0.15重量% Cは溶接金属の脱酸及び強度を得るために必要不可欠の
元素である。しかし、C含有量が0.001重量%未満
では、脱酸及び強度がいずれも不十分であり、0.15
重量%を超えると、溶接金属に高温割れが発生し易くな
る。従って、Cの含有量は0.001乃至1.15重量
%であることが望ましい。
【0021】Si;0.30〜1.10重量% Siは溶接金属の脱酸のために添加される。しかし、S
i含有量が0.30重量%未満では、脱酸不足であり、
1.10重量%を超えると、溶接金属の靱性が低下し易
くなる。従って、Siの含有量は0.30乃至1.10
重量%であることが望ましい。
【0022】Mn;0.85〜2.60重量% Mnは溶接金属の脱酸及び強度を得るために添加され
る。しかし、Mn含有量が0.85重量%未満では、脱
酸及び強度が不十分であり、2.60重量%を超える
と、溶接金属に低温割れが発生し易くなる。従って、M
nの含有量は0.85乃至2.60重量%にすることが
望ましい。
【0023】P;0.001〜0.030重量% Pはソリッドワイヤ先端からの溶滴の離脱を図るために
添加される。しかし、P含有量が0.001重量%未満
では、その効果が不十分であり、0.030重量%を超
えると、溶接金属に高温割れが発生し易くなる。従っ
て、Pの含有量は0.001乃至0.030重量%であ
ることが望ましい。
【0024】S;0.001〜0.030重量% Sはソリッドワイヤ先端から溶滴を離脱させるのに有効
な成分である。しかし、S含有量が0.001重量%未
満では、その効果が不十分であり、0.030重量%を
超えると、溶接金属に高温割れが発生し易くなる。従っ
て、Sの含有量は0.001乃至0.030重量%にす
ることが望ましい。
【0025】Cu;0.01〜0.50重量% Cuはソリッドワイヤの通電性を高め、溶接金属の強度
を高めるために必要不可欠の元素である。しかし、Cu
含有量が0.01重量%未満では、通電性及び強度が不
十分であり、0.50重量%を超えると、溶接金属に高
温割れが発生し易くなる。従って、Cuの含有量は0.
01乃至0.50重量%であることが望ましい。
【0026】なお、Cuはワイヤ表面にメッキされた状
態、鋼中に固溶した状態又は結晶粒界析出物の状態のい
ずれの状態で存在してもよい。しかし、ワイヤの通電性
を向上させるためには、Cuはワイヤ表面にメッキされ
た状態において0.10乃至0.40重量%であること
が望ましい。
【0027】一方、不可避的不純物としては、Be、
B、N、Mg、Ca、V、Co、Zn、As、Se、S
r、Y、Nb、Cd、In、Sn、Sb、Te、Ba、
W、Hg、Tl、Pb及びBi等があり、これらの不純
物は、夫々0.05重量%以下、合計で0.50重量%
以下であれば含有していてもよい。不純物は少ない方が
好ましく、上記不純物元素のうち、1つでも含有量が
0.05重量%を超えると、溶接アークの不安定性の増
大及び割れ感受性の増大等の悪影響が生じると共に、こ
れらの元素の含有量が合計で0.50重量%を超えた場
合も、同様に溶接アークの不安定性の増大及び割れ感受
性の増大等の悪影響が生じる。
【0028】また、ソリッドワイヤは上記成分に加えて
下記成分の1種又は2種以上を適量添加してもよい。
【0029】Ni;0.01〜1.80重量% Niは溶接金属の低温靱性及び強度を得るために有効な
元素である。しかし、Ni含有量が0.01重量%未満
では、低温靱性及び強度がいずれも不十分であり、1.
80重量%を超えると、溶接金属に高温割れが発生し易
くなる。従って、Niの含有量は0.01乃至1.80
重量%であることが望ましい。
【0030】Cr;0.01〜0.70重量% Crは溶接金属の強度を高めるために有効な元素であ
る。しかし、Cr含有量が0.01重量%未満では、強
度上昇効果が不十分であり、0.70重量%を超える
と、溶接金属の伸びが不足し易くなると共に、低温割れ
が発生し易くなる。従って、Crの含有量は0.01乃
至0.70重量%にすることが望ましい。
【0031】Mo;0.01〜0.65重量% Moは溶接金属の低温靱性及び強度を得るために有効な
元素である。しかし、Mo含有量が0.01重量%未満
では、低温靱性及び強度がいずれも不十分であり、0.
65重量%を超えると、溶接金属に高温割れが発生し易
くなると共に、溶接金属の伸びが不足し易くなる。従っ
て、Moの含有量は0.01乃至0.65重量%である
ことが望ましい。
【0032】Al;0.01〜0.50重量% Alは溶接金属の脱酸及び溶接ビードを整えるために有
効な元素である。しかし、Al含有量が0.01重量%
未満では、脱酸及びビード整形性がいずれも不十分であ
り、逆に0.50重量%を超えると、溶接金属に高温割
れが発生し易くなる。従って、Alの含有量は0.01
乃至0.50重量%にすることが望ましい。
【0033】Ti及び/又はZr;0.01〜0.30
重量% Ti及びZrは溶接金属の脱酸及びスパッタの減少に有
効な成分であり、そのいずれを添加しても同様の効果が
ある。従って、Ti及びZrの一方又は双方を添加して
もよいが、Ti及び/又はZrの総含有量が0.01重
量%未満では、脱酸及びスパッタの減少は不十分であ
り、0.30重量%を超えると、溶接金属に高温割れが
発生し易くなる。従って、Ti及び/又はZrの総含有
量は0.01乃至0.30重量%であることが望まし
い。
【0034】なお、ZrよりもTiの方がスパッタの減
少にはより有効であるので、Tiの方がZrよりも多く
なるようにすることが好ましい。
【0035】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。先
ず、本発明における銅イオン濃度及び鉄イオン濃度の測
定方法について説明する。ガスシールドアーク溶接用ワ
イヤ(以下、ワイヤという)の表面に付着している物質
を分析する方法は多種あるが、本願発明者等が試行錯誤
により最も好ましい銅イオン濃度及び鉄イオン濃度の分
析方法を調査した結果、ワイヤを石油エーテル等の有機
溶媒中で超音波洗浄することにより表面の付着物を採取
して分析する方法が最も有効であった。
【0036】この方法は、先ず、ワイヤを石油エーテル
等の有機溶媒中で超音波洗浄し、ワイヤ本体を有機溶媒
中から取り出した後、この有機溶媒を孔径0.2μmの
濾紙(メンブレンフィルタ)を使用して濾過し、濾液を
得る。この濾液中には孔径0.2μmの濾紙を通過した
ワイヤ表面付着物と有機溶媒とが混合されている。この
ようにして得た濾液を50℃以下及び大気圧下に放置
し、有機溶媒を徐々に蒸発除去させる。そして、この濾
液を3時間毎にガスクロマトグラフィ分析(GC分析)
にかけて、有機溶媒の含有量を分析する。その結果、有
機溶媒が検出されなくなったときの濾液を測定液とし
て、この測定液を酸分解し、銅及び鉄についてI.C.
P(誘導結合プラズマ)分析を行うことにより、測定液
中の銅イオン濃度及び鉄イオン濃度を測定する。
【0037】この場合に、得られた測定液には有機溶媒
が含有されておらず、孔径0.2μmの濾紙を通過した
ワイヤ表面付着物のみからなり、測定液中の銅イオン濃
度及び鉄イオン濃度(測定液全重量に対する%)がワイ
ヤ表面付着物に含有される銅イオン濃度及び鉄イオン濃
度となる。
【0038】従って、この銅イオン濃度及び鉄イオン濃
度はワイヤ重量及び有機溶媒量に影響されないものとな
り、ワイヤ表面付着物に含まれる銅イオン濃度及び鉄イ
オン濃度の測定に最も有効な方法である。また、この方
法によれば、数kg以上のワイヤを容易に分析すること
ができるため、ワイヤ表面に付着している微量物質も高
精度で捕集することができる。本発明にて規定した銅イ
オン濃度及び鉄イオン濃度はこの方法により測定したも
のである。
【0039】なお、この場合の超音波洗浄はワイヤ表面
が傷ついて銅粉及び鉄粉が生じることがないような強度
にする。
【0040】次に、本発明の実施例について具体的に説
明する。下記表1に示す組成のソリッドワイヤを圧延工
程又は伸線工程、熱処理工程(必要に応じ)、洗浄工
程、銅メッキ工程、洗浄工程、仕上げ伸線工程、洗浄工
程、送給用又は防錆用の油塗布工程及びスプール巻き又
は大容量パック製造工程の各工程を順次実施することに
より製造した。
【0041】この場合に、各工程の条件を適宜変更する
ことにより、表面付着物に含まれる銅イオン濃度及び鉄
イオン濃度を種々変化させ、軟鋼母材上で溶接を行い、
溶接作業性を評価した。溶接条件は以下のとおりであ
る。
【0042】溶接条件 ソリッドワイヤの直径;1.2mm 電流;280(A),DCEP(直流逆極性) 電圧; 32(V) シールドガス;CO2ガス、25リットル/min。
【0043】この溶接条件で溶接した場合に、ソリッド
ワイヤの表面付着物の銅イオン濃度及び鉄イオン濃度と
溶接作業性の官能評価の結果を表1に併せて示す。な
お、比較例8乃至14として、本願の請求項4,5から
外れる組成のソリッドワイヤを使用して同様に溶接を行
った結果についても溶接作業性を評価した。
【0044】
【表1】
【0045】なお、作業性評価欄においては、溶接作業
性を官能による評価で5段階で表わした。5は優、3は
良、1は劣、4は優と良の中間及び2は良と劣の中間を
表わす。
【0046】表1から明らかなように、ソリッドワイヤ
の表面付着油の銅イオン濃度が5000ppm以下であ
ると共に、鉄イオン濃度が500ppm以下の実施例1
乃至7の場合は作業性が優れている。即ち、本実施例の
ソリッドワイヤは安定に送給され、ソリッドワイヤと溶
融プールとの間の短時間の短絡及び溶接アーク切れを減
少させることができる。この結果、溶接欠陥の減少及び
溶接能率の向上を図ることができる。これに対し、比較
例8乃至14は表面付着物の銅イオン濃度が5000p
pmを超えているか又は鉄イオン濃度が500ppmを
超えているため、溶接作業性が低いものであった。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、ガスシールドアーク溶
接用ワイヤの表面付着物の銅イオン濃度を5000pp
m以下に規制し、鉄イオン濃度を500ppm以下に規
制しているため、ガスシールドアーク溶接用ワイヤは安
定に送給され、ガスシールドアーク溶接用ワイヤと溶融
プールとの間の短時間の短絡及び溶接アーク切れを減少
させることができる。この結果、溶接欠陥の減少及び溶
接能率の向上を図ることができる。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤを有機溶媒中で超音波洗浄し、ワ
    イヤ本体を除去した後に、孔径0.2μmの濾紙(メン
    ブレンフィルタ)を使用して濾過し、濾液中の有機溶媒
    を除去して得られる測定液中の銅イオン濃度及び鉄イオ
    ン濃度を夫々ワイヤ表面付着物に含まれる銅イオン濃度
    及び鉄イオン濃度とした場合、このワイヤ表面付着物に
    含まれる銅イオン濃度が5000ppm以下、鉄イオン
    濃度が500ppm以下であることを特徴とするガスシ
    ールドアーク溶接用ワイヤ。
  2. 【請求項2】 前記表面付着物の銅イオン濃度は300
    0ppm以下、鉄イオン濃度は300ppm以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載のガスシールドアーク
    溶接用ワイヤ。
  3. 【請求項3】 前記表面付着物の銅イオン濃度は100
    0ppm以下、鉄イオン濃度は100ppm以下である
    ことを特徴とする請求項2に記載のガスシールドアーク
    溶接用ワイヤ。
  4. 【請求項4】 前記ソリッドワイヤは0.001乃至
    0.15重量%のC、0.30乃至1.10重量%のS
    i、0.85乃至2.60重量%のMn、0.001乃
    至0.030重量%のP、0.001乃至0.030重
    量%のS及び0.01乃至0.50重量%のCuを含有
    し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる組成を有する
    ソリッドワイヤであることを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれか1項に記載のガスシールドアーク溶接用ワイ
    ヤ。
  5. 【請求項5】 前記ソリッドワイヤは0.001乃至
    0.15重量%のC、0.30乃至1.10重量%のS
    i、0.85乃至2.60重量%のMn、0.001乃
    至0.030重量%のP、0.001乃至0.030重
    量%のS及び0.01乃至0.50重量%のCuを含有
    すると共に、0.01乃至1.80重量%のNi、0.
    01乃至0.70重量%のCr、0.01乃至0.65
    重量%のMo、0.01乃至0.50重量%のAl並び
    に総重量が0.01乃至0.30重量%のTi及び/又
    はZrからなる群から選択された少なくとも1種を含有
    し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる組成を有する
    ソリッドワイヤであることを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれか1項に記載のガスシールドアーク溶接用ワイ
    ヤ。
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