JP2720610B2 - 無線選択呼出受信機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は水晶振動子を用いた局部
発振器を有する無線選択呼出受信機に関し、特に水晶振
動子を収納するための筐体構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の無線選択呼出受信機では、無線部
の受信回路方式はスーパヘテロダイン方式が用いられて
おり、受信周波数に固有な発振周波数をもつ局部発振器
を有している。更に、その局部発振器の発振周波数の高
い精度を実現するためには発振周波数に固有な水晶発振
子が用いられている。従来の無線選択呼出受信機の一例
を図４の断面図に示す。筐体４０１の中にはプリント基
板４０２が収められ、そのプリント基板上には回路部品
４１０や水晶振動子４０３が実装されている。水晶振動
子４０３の実装はプリント基板４０２上の配線と水晶振
動子４０３の端子電極４０４，４０５とを半田４０６，
４０７で接続することにより行われている。尚、この受
信機は比較的薄型なのでコイン型電池４０９を使用して
おり、筐体４０１に設けた開口部４０１ｂを通して電池
４０９の着脱を行っており、通常では電池蓋４０８で開
口部を塞ぐようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の受信
機では、受信周波数を変更するために水晶振動子４０３
を他の周波数対応のものに交換しようとする場合には、
筐体４０１からプリント基板４０２を取り出した上で、
水晶振動子４０３を取り換える必要がある。しかしなが
ら、近年の無線選択呼出受信機では、受信機の著しい小
型化、薄型化を達成させて筐体に所定の強度を保持させ
るために筐体を多数のネジ等で組み立てる構造とするこ
とが必要とされている。このため、筐体内からプリント
基板を容易に取り出し得るような筐体の設計や、交換部
品のためののソケットを設けたような筐体設計等は極め
て困難であり、したがって水晶振動子の交換のためにプ
リント基板を筐体から取り出すためにはかなり多大な工
数を必要とするという問題がある。本発明の目的は水晶
振動子を容易に交換することを可能にした無線選択呼出
受信機を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の無線選択呼出受
信機は、筐体には水晶振動子とこれを実装するプリント
基板との接続及び離脱を行うための第１の開口部と、筐
体から水晶振動子の取り出し及び挿入を行うための第２
の開口部を備えている。第２の開口部は筐体内に内装す
る電池を出し入れする開口部を兼ねることができる。
又、第１の開口部はプリント基板に半田付けする水晶振
動子の端子電極に対向する位置に開設され、この第１の
開口部を通して水晶振動子の端子電極にまで半田鏝を差
し入れることができるように構成する。

【０００５】

【作用】本発明によれば、第１の開口部を利用して水晶
振動子をプリント基板に対して着脱可能とし、かつ第２
の開口部を利用して水晶振動子を筐体内に出し入れする
ことができ、これにより水晶振動子の交換を容易なもの
とする。

【０００６】

【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。図１及び図２は本発明の無線選択呼出受信機の断面
図であり、図１はその縦断面図、図２はその底面図であ
る。又、図３は無線選択呼出受信機のブロック回路図で
ある。先ず、無線選択呼出受信機の回路構成を図３を用
いて説明する。同図において、アンテナ３０１により受
信された無線信号はＲＦアンプ３０２で増幅された後、
ミキサ３０３で局部発振器３０４の出力と混合され、Ｉ
Ｆ周波数に周波数変換される。帯域フィルタ３１２は必
要なＩＦ周波数成分だけを取り出すフィルタである。Ｉ
Ｆ周波数に変換された信号はＩＦアンプ３０６で増幅
後、復調器３０７で復調され、更に波形整形後、ディジ
タル信号に変換され、デコーダ３０８にてＩＤメモリ３
０９に記憶されている自己の選択呼出信号と照合した
後、自己の選択呼出信号を受信した場合にはデコーダ３
０８より制御信号を出力し、スピーカ３１１による報知
を行う。電池３１０は受信機の電源である。ここで、受
信機の受信周波数に適合した局部発振器３０４の周波数
は、受信周波数との差がＩＦ周波数にならなければいけ
ないから、受信周波数に対して固有となり、局部発振器
の周波数を決める水晶振動子３０５の共振周波数も固有
となるため、受信周波数を変更するためには水晶振動子
３０５の交換が必要となる。

【０００７】このような回路構成の受信機の筐体構造を
図１及び図２を用いて説明する。これらの図において、
筐体１の中にはプリント基板２が収められ、そのプリン
ト基板上には回路部品１０や水晶振動子３が実装されて
いる。水晶振動子３の実装はプリント基板２に設けられ
た取付孔２ａの上に位置し、プリント基板２の取付孔２
ａ側断面に形成されたスルーホール状端子１１，１２
と、水晶振動子３のプリント基板２側の面に設けられた
端子電極４，５を半田６，７によって接続し、これで水
晶振動子３がプリント基板２上に固定及び電気接続され
る。又、プリント基板２は筐体１の内側に固定されてい
るが、筐体１はプリント基板２に設けられた取付孔２ａ
と同じ位置に筐体外部から水晶振動子３の取付、取外し
作業をするための半田鏝を挿入する第１の開口部１ａを
有している。

【０００８】又、この受信機では、コイン型電池９を筐
体１に設けた第２の開口部１ｂを利用して筐体１の内部
に設けた電池室１３に電池を着脱できるように構成して
おり、この第２の開口部１ｂは電池蓋８で塞ぐようにな
っている。更に、前記プリント基板２の一部はこの電池
室１３内に延在されており、この電池室１３内に位置す
るプリント基板２上に前記水晶振動子３を実装してい
る。この水晶振動子３は電池室１３を通して前記第２の
開口部１ｂから筐体１の外部に出し入れできるようにな
っている。

【０００９】したがって、受信機の受信周波数を変更す
るために水晶振動子３を交換する場合には、筐体１に設
けた第１の開口部１ａを利用して半田鏝を差し入れて半
田６，７を溶融させ、プリント基板２と水晶振動子３の
端子接続を外す。そして、電池蓋８を外して第２の開口
部１ｂから電池９を筐体１外に取り出した後、続いて端
子接続が外された水晶振動子３を取り出す。次いで、交
換すべき水晶振動子３を第２の開口部１ｂより電池室１
３内に挿入し、更に電池９を入れた後に電池蓋８で第２
の開口部１ｂを塞いだ上で、第１の開口部１ａから半田
鏝を差し入れて再び半田６，７を溶融させ、プリント基
板２と水晶振動子３を半田付けすることで両者を電気接
続することができ、これで水晶振動子の交換が完了され
る。尚、通常使用時には、第１の開口部１ａはロゴラベ
ル等を筐体１の外面に貼ることで塞ぐことができる。

【００１０】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、水晶振動
子とこれを実装するプリント基板との接続及び離脱を行
うための第１の開口部と、筐体から水晶振動子の取り出
し及び挿入を行うための第２の開口部が夫々筐体に設け
られているので、第１の開口部を利用して水晶振動子を
プリント基板に対して一体化あるいはこれを分離し、第
２の開口部を利用することで水晶振動子のみを筐体に対
して出し入れすることができ、小型で薄型の受信機であ
っても、筐体からプリント基板を取り出したり部品交換
用の大きな開口部を設ける必要がなく、小型でかつ薄型
の受信機が実現できる。又、ネジ等を用いて筐体を構成
しても水晶振動子の交換に際してはネジの着脱が不要で
あるため、筐体の強度を高め、かつシンプルなデザイン
の受信機が実現できる。更に、水晶振動子の大きさより
も小さな面積の開口部で水晶振動子の固定、電気的接続
が可能となり、筐体の強度が向上でき、デザインの自由
度が実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の無線選択呼出受信機の一実施例の縦断
面図である。

【図２】図１の受信機の底面図である。

【図３】本発明の無線選択呼出受信機の一実施例のブロ
ック回路図である。

【図４】従来の無線選択呼出受信機の縦断面図である。

【符号の説明】

１ 筐体 １ａ 第１の開口部 １ｂ 第２の開口
部 ２ プリント基板 ３ 水晶振動子 ４，５ 端子電極 ６，７ 半田 ８ 電池蓋 ９ コイン型電池 １０ 回路部品 １３ 電池室

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 筐体内に内装したプリント基板に局部発
   振器を構成する水晶振動子を実装してなる無線選択呼出
   受信機において、前記筐体には、前記水晶振動子を前記
   プリント基板に対して接続及び離脱を行うための第１の
   開口部と、前記筐体に対して前記水晶振動子の取り出し
   及び挿入を行うための２の開口部とを備えることを特徴
   とする無線選択呼出受信機。
2. 【請求項２】 前記第２の開口部は前記筐体内に内装す
   る電池を出し入れする開口部を兼ねている請求項１に記
   載の無線選択呼出受信機。
3. 【請求項３】 前記第１の開口部は前記プリント基板に
   半田付けする前記水晶振動子の端子電極に対向する位置
   に開設され、この第１の開口部を通して前記端子電極に
   まで半田鏝を差し入れることができるように構成してな
   る請求項１又は請求項２に記載の無線選択呼出受信機。