JP2718660B2 - 製紐糸 - Google Patents

製紐糸

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JP2718660B2
JP2718660B2 JP15644296A JP15644296A JP2718660B2 JP 2718660 B2 JP2718660 B2 JP 2718660B2 JP 15644296 A JP15644296 A JP 15644296A JP 15644296 A JP15644296 A JP 15644296A JP 2718660 B2 JP2718660 B2 JP 2718660B2
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滋 中西
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有限会社よつあみ
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は製紐糸、詳しくは製
紐糸の端部に結び目のないループ部を容易に作成でき、
美麗且つ機能性に優れ、作業性に富んだ製紐糸に関し、
飾り紐、コード類、各種の産業用紐類およびロープ、釣
糸、漁業用の枝縄仕掛け部、延縄ロープ類、スリングベ
ルトなどの端末加工を必要とされる分野に利用される。
【0002】
【従来の技術】従来、製紐からなる各種の釣糸、紐、ロ
ープまたはスリングベルトの端部に、リング、ナスカ
ン、サルカンなどの環状部材に対する結束用のループ部
を作成する場合に、結び止め、金具によるロック止め、
もしくはさつま止めによる方法が用いられてきた。
【0003】しかしながら、結び止めの場合には、外観
が悪いのは勿論であるが、端部が固定されるために、ル
ープの大きさや位置を自由に変えることができず、機能
性が著しく低下する。さらには結節強力も著しく低下す
る欠点があった。
【0004】また、金具によるロック止めの場合には、
ループ部を形成する部分での金具によるロック切れが非
常に多く発生する欠点があり、この場合にも強力が大き
く低下する欠点があった。さらに、さつま加工によるさ
つま止めの場合には、撚糸のループ加工には利用できる
が、製紐糸に適用するには製紐糸を構成する糸条本数が
多いため、作業が大変困難で実質的には不可能である。
【0005】また、本発明者らは既にこの出願より以前
に端末部にループ部を容易に加工できる製紐糸を提案し
ている。即ち、この製紐糸は端末部に袋状スリーブもし
くはチューブ、ホットメルト接着剤および、それらから
なる糸条またはテープ類を加熱溶融接着せしめて、製紐
糸の端末部のばらけを防止し、次いで、被覆されていな
い部分を折り曲げて前記被覆されている端末部を被覆さ
れていない部分の内側の空洞部に差し込み、製紐糸の端
部に任意の大きさのループを形成せしめてなる構成であ
るが、この製紐糸は長さ方向に何も樹脂加工されていな
いので任意の長さで切断して使用する場合に、切断の端
部がばらけやすく、製紐糸の端末部に袋状スリーブもし
くはチューブ、ホットメルト接着剤および、それらから
なる糸条またはテープ類を加熱溶融接着せしめる作業を
迅速にしなければ、ばらける部分が大きくなり端末部に
被覆する作業が困難であるという問題がある。
【0006】また、長さ方向の表面に何も樹脂加工され
ていないので、戸外で使用する産業用の場合、特に漁業
用として使用する場合、製紐糸の編み組織間に水分が入
り込み、その結果、水切れが悪いために、水分含有率が
大きくなり、巻き上げ作業が非常に困難である。また、
前述のように表面に何も樹脂加工されていないので、擦
れに対して弱く、耐摩耗性が低下し耐久性が悪く、早期
に取り替えなくてはならず経済的に大きな負担となるな
どの問題がある。さらに、この製紐糸は各糸条にモノフ
ィラメント糸を使用しているが、モノフィラメント糸を
使用すればマルチフィラメント糸よりも水切れが良く、
且つ水流抵抗も小さくなるが、モノフィラメント糸を用
いた製紐糸でも、やはり凹凸が存在するために、例え
ば、漁業資材として使用する延縄に1本の太いモノフィ
ラメント糸を使用する場合に比較して、水流抵抗がはる
かに大きくなる問題がある。そのために、延縄に使用す
る糸条として、1本の太いモノフィラメント糸を幹縄、
枝縄に用いて、端末にループ加工する場合に、金具によ
るロック加工しかできず、金具によるロック切れが発生
しやすくなり、強力低下を避けることはできない。ま
た、ロック加工をしているため操業時に手、顔などに当
たり切創事故が起こるという問題がある。さらに、延縄
に1本の太いモノフィラメント糸を使用すると剛性が強
すぎて操業性が悪いという問題もある。
【0007】一般的には、紐類は端末加工処理して使用
される場合が殆どであるため、作成するループ部には、
ループの内側に摩耗切断を防止する目的で金具あるいは
プラスチックからなるアーマーと言われる保護具を付け
るのが一般的である。目的によりいろいろな太さの製紐
糸を前述の硬い金具やプラスチック製品で繋いだりする
ので、特に漁業の中でもマグロなどの大型の魚をとる延
縄漁の場合に、延縄を高速で巻き上げるために、これら
が作業者の手、顔、頭などに当たって大変危険であり、
現場の作業者から改良された安全な資材の出現が強く待
ち望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような課
題を解決するもので、美麗且つ機能性に優れ、作業性に
富み、端末が解除することの無い製紐糸を提供すること
を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
に鑑み鋭意研究した結果、従来の多くの問題を著しく改
善した製紐糸を発明するに至った。
【0010】即ち本発明は、天然繊維、合成繊維または
金属繊維からなる製紐糸、もしくは前記天然繊維、合成
繊維および金属繊維の単独もしくは任意の割合で複合化
された糸条の任意の本数割合で組み合わされてなる製紐
糸の長さ方向全長に亘って熱可塑性の樹脂で被覆し、こ
の製紐糸の端末部から、任意の長さだけ離れた部分で、
この製紐糸に被覆された前記熱可塑性樹脂の被覆層を剥
離切除して、熱可塑性の樹脂でもって被覆された製紐糸
の端末部を折り曲げて、前記被覆層が剥離切除された部
分の内側の空洞部に差し込み、端部に任意の大きさのル
ープを形成せしめてなることを要旨とするものである。
【0011】以下に、本発明を詳細に説明すると、本発
明の製紐糸に用いる繊維としては、天然繊維、合成繊維
または金属繊維からなる糸条であれば、何れの繊維でも
良いが、実用的な強力と取り扱い易さを考慮すれば、合
成繊維が最も相応しく、例えば、ナイロン、ポリエステ
ル、ポリオレフィン、ポリアリレートなどの合成樹脂か
ら生産されるマルチフィラメント糸、モノフィラメント
糸または適度な太さの集合体であるモノマルチフィラメ
ント糸(使用目的の剛性を考慮して、モノフィラメント
糸を複数本集合した糸条を言う)である。
【0012】金属繊維としてはステンレスおよび、各種
合金からなる金属繊維が挙げられる。これらの繊維を単
独で用いるか、または任意の組み合わせで用いて製紐し
ても良い。
【0013】さらには、高強力の合成繊維または金属繊
維からなる長繊維糸条で製紐する場合は製紐糸間に樹脂
が流れ込むために十分な接着効果が得られるが、太いモ
ノフィラメント糸を用いる場合には、使用する本数が少
なくなり且つ長繊維糸条の表面が滑らかであるため、そ
の表面に後で熱可塑性の樹脂で被覆する場合に、繊維と
樹脂の接着性が必ずしも良好とは言えない場合がある、
このような場合には、接着性を向上させるために天然繊
維もしくは合成繊維からなる紡績糸を併用すると製紐糸
の表面に生じる短繊維でアンカー効果が発現し、一層の
接着強力が得られる。
【0014】勿論のことであるが、これらの場合に、タ
スラン加工を初めとするいろいろな長繊維加工糸を用い
ても同様の効果が得られる。一般的には製紐糸の種類に
はシングルブレードとダブルブレードの2タイプがあ
り、打ち方本数では8本打ち、12本打ち、16本打ち
などの角打ち、丸打ちで製紐糸を作成できる。本発明の
製紐糸には、表面に樹脂加工を施した後、剥離切除し
て、長さ方向に圧縮応力を加えて収縮させて、製紐糸の
直径を太くして、中にできる空洞部分に、同じ樹脂で被
覆されている端末部を挿入するためシングルブレードタ
イプの製紐糸が特に好ましい。
【0015】本発明で使用する熱可塑性の樹脂とは塩化
ビニル、塩化ビニリデン、ウレタン、アクリル、エチレ
ン酢ビ共重合体、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、およびこれらの樹脂の共重合体な
どが挙げられる。
【0016】次いで、図1に示すように長さ方向の全長
に熱可塑性樹脂の被覆層1を設けた製紐糸2の端末部3
を任意の長さに亘って剥離切除して製紐糸2を任意の長
さに亘って露出させた後(図2参照)、端末部3を折り
曲げて、圧縮応力を加えて収縮して直径を大きくして、
編み目のピッチが緩んだ部分A点からB点までの被覆層
1が剥離切除された部分4の内側の空洞部に差し込み挿
入する(図3参照)。図3において、5は本発明の製紐
糸1の端部に形成されたループ部である。差し込む長さ
は端末部が抜けない程度であれば良いが、収縮と圧縮が
繰り返されても抜けない長さを十分得るには数cm程度
は必要である。
【0017】ところで、端末部を製紐糸の前記熱可塑性
樹脂の被覆層が剥離切除された部分に差し込む場合に、
図4に示したように、本体側製紐糸に2箇所以上の差し
込みをしても良い。この場合、差し込む端末部の熱可塑
性樹脂の被覆層は複数箇所に分割されていても良く、何
ら本発明を制限するものではない。
【0018】本発明製紐糸の端末部は熱可塑性樹脂で被
覆されていて、本体側製紐糸の内側に接するため摩擦係
数が非常に大きくなり、その結果滑りにくくなるので、
本体側製紐糸の長さ方向に圧縮応力が加わり、収縮して
直径が大きくなり、編み目のピッチが緩んでも差し込ま
れた端末部は抜け出ることはなく、安心して種々の分野
で使用できる。
【0019】さらに、本発明において、図3および図4
に示す差し込み挿入部CおよびDに袋状スリーブまたは
チューブを被覆、収縮させて設けても良い。本発明の製
紐糸は長さ方向の全長が熱可塑性樹脂で被覆されること
になるので、あたかも1本のモノフィラメント状となり
水流抵抗、水切れ良さ、耐摩耗性が一段と向上すること
になる。例えば、延縄として用いる場合、長距離に亘っ
て製紐しただけで張設すると一般的に製紐糸の表面が凹
凸になっているため、水流抵抗が大きくなり、海流に流
されて、目的とする位置から大きくずれてしまう。その
ため、製紐糸の長さ方向の全長を樹脂で被覆し、あたか
も1本のモノフィラメント糸の如く加工し、水流抵抗を
小さくすることが肝要である。
【0020】また、ラインホーラーで巻き上げるとき延
縄を保持する接圧が、一般的に各糸条がマルチフィラメ
ント糸からなる延縄では120〜130kg/cm2
モノフィラメント糸からなる延縄では80〜90kg/
cm2 である。それに比較して、本発明による延縄では
50〜60kg/cm2 であり、巻き上げ動力が小さく
て良く、作業性が大いに改善される。
【0021】さらに、本発明は合成繊維としてモノフィ
ラメント糸からなる製紐糸を要旨としている。これは一
定の太さの製紐糸を作成する場合、マルチフィラメント
糸だけで組み合わせて、熱可塑性の樹脂で被覆しても、
作成した製紐糸は柔らかいものである。本発明の製紐糸
は使用目的が多岐に亘っているので、例えばこの製紐糸
を延縄漁業で枝ハリスとして使用する場合、本発明の製
紐糸を構成する主要な芯材の繊維がマルチフィラメント
糸だけで製紐されていれば、柔軟性が勝ってしまうた
め、延縄本体の幹縄からの枝別れが迅速にできず、目的
とする水深に速やかに付設することが困難であり、適切
な漁期を逸してしまうので、枝ハリスには適度な剛性が
不可欠である。さらに、太い製紐糸を作成する場合に
は、前述したとおり、8本打ち、16本打ちなどのよう
に製紐機で使用できる本数が限られているので、1本当
たりの糸状の太さが太くなってしまう。このため、目的
とする剛性が得られにくい。本発明者らは特にこれらの
点にも留意して、本発明を完成なし得たものであり、そ
の結果、水切れや耐摩耗性が一段と改良された。
【0022】要約すれば、本発明は、この出願より以前
に提案した前述の製紐糸の端末部を製紐後に袋状スリー
ブ、チューブまたはホットメルト接着剤および、それら
からなる糸条またはテープ類を被覆処理してなるものに
さらに改良を進めたものである。即ち、製紐後引き続い
て製紐糸の長さ方向の全長に熱可塑性樹脂で被覆してあ
り、任意の位置でループ部を作成する場合に、端末部を
差し込む部分の樹脂を剥離除去すれば良く、他の部材を
全く必要とせず、如何なる場所であっても容易に作業で
き、大幅な作業性の向上が認められるものであり、製紐
品を使用する産業界に大いに貢献するものである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。 実施の形態1 本発明の製紐糸を作成するにあたり、先ずナイロン繊維
4200d/700fマルチフィラメント糸の12本を
用いて製紐して、この製紐糸の長さ方向の全長に亘って
熱可塑性樹脂である塩化ビニル樹脂を、ダイス型コーテ
ィング機を用いて被覆コーティングした。この製紐糸の
一方の端末部から16cmの長さのところから8cmの
長さのところの間の部分において被覆されている塩化ビ
ニル樹脂を剥離切除した。次いで、塩化ビニル樹脂で被
覆コーティングされたままの端末部を、前記塩化ビニル
樹脂を剥離切除した部分に差し込み、ループ部を形成す
る。本体側製紐糸の他方の端末部にも同様にしてループ
部を形成する。ループの直径は4cmの大きさとした。
また、両端のループ部からループ部までの長さを20c
mとし、両端のループ部を(株)島津製作所製のオート
グラフ試験器にセットし、引張強力を測定して、その数
値で評価した。
【0024】比較例1 比較例1として、本発明の実施の形態1と同じナイロン
繊維4200d/700fマルチフィラメント糸を12
本用いて製紐して、この製紐糸には何も樹脂を被覆する
ことなく本体側製紐糸の空洞部に差し込み、本発明の実
施の形態1と同じ長さのものを作成し、同試験に供し
た。
【0025】実施の形態2 ナイロン樹脂からなる4400dのモノフィラメント糸
を12本用いて製紐して、この製紐糸の長さ方向の全長
に熱可塑性樹脂である塩化ビニル樹脂を、ダイス型コー
ティング機を用いて被覆コーティングした。この製紐糸
の一方の端末部から16cmの長さのところから8cm
の長さのところの間の部分において被覆されている塩化
ビニル樹脂を剥離切除した。次いで、塩化ビニル樹脂で
被覆コーティングされたままの端末部を、前記塩化ビニ
ル樹脂を剥離切除した部分に差し込み、ループ部を形成
する。本体側製紐糸の他方の端末部にも同様にしてルー
プ部を形成する。ループの直径は4cmの大きさとし
た。また、両端のループ部からループ部までの長さを2
0cmとし、両端のループ部を(株)島津製作所製のオ
ートグラフ試験器にセットし、引張強力を測定して、そ
の数値で評価した。
【0026】比較例2 比較例2として、本発明の実施の形態2と同じナイロン
樹脂からなる4400dのモノフィラメント糸を12本
用いて製紐して、この製紐糸には何も樹脂を被覆するこ
となく本体側製紐糸の空洞部に差し込み、本発明の実施
の形態2と同じ長さのものを作成し、同試験に供した。
本体側製紐糸の空洞部に差し込まれた端末部はモノフィ
ラメントの剛性のため、製紐がばらけて本体側製紐糸の
外側に突出した。
【0027】実施の形態3 ポリエステル樹脂からなる5500dのモノフィラメン
ト糸を12本用いて製紐して、この製紐糸の長さ方向の
全長に熱可塑性樹脂であるウレタン樹脂を、ダイス型コ
ーティング機を用いて被覆コーティングした。この製紐
糸の一方の端末部から18cmの長さのところから10
cmの長さのところの間の部分において被覆されている
ウレタン樹脂を剥離切除した。次いで、ウレタン樹脂で
被覆コーティングされたままの端末部を、前記ウレタン
樹脂を剥離切除した部分に差し込み、ループ部を形成す
る。本体側製紐糸の他方の端末部にも同様にしてループ
部を形成する。ループの直径は4cmの大きさとした。
また、両端のループ部からループ部までの長さを40c
mとし、両端のループ部を(株)島津製作所製のオート
グラフ試験器にセットし、引張強力を測定して、その数
値で評価した。
【0028】比較例3 比較例3として、本発明の実施の形態3と同じポリエス
テル樹脂からなる5500dのモノフィラメント糸を1
2本用いて製紐して、この製紐糸には何も樹脂を被覆す
ることなく本体側製紐糸の空洞部に差し込み、本発明の
実施の形態3と同じ長さのものを作成し、同試験に供し
た。本体側製紐糸の空洞部に差し込まれた端末部はモノ
フィラメントの剛性のため、製紐がばらけて本体側製紐
糸の外側に突出した。
【0029】実施の形態4 ポリエステル樹脂からなる8300dのモノフィラメン
ト糸を8本用いて製紐して、この製紐糸の長さ方向の全
長に熱可塑性樹脂であるウレタン樹脂を、ダイス型コー
ティング機を用いて被覆コーティングした。この製紐糸
の一方の端末部から18cmの長さのところから10c
mの長さのところの間の部分において被覆されているウ
レタン樹脂を剥離切除した。次いで、ウレタン樹脂で被
覆コーティングされたままの端末部を、前記ウレタン樹
脂を剥離切除した部分に差し込み、ループ部を形成す
る。本体側製紐糸の他方の端末部にも同様にしてループ
部を形成する。ループの直径は4cmの大きさとした。
また、両端のループ部からループ部までの長さを40c
mとし、両端のループ部を(株)島津製作所製のオート
グラフ試験器にセットし、引張強力を測定して、その数
値で評価した。
【0030】比較例4 比較例4として、本発明の実施の形態4と同じポリエス
テル樹脂からなる8300dのモノフィラメント糸を1
2本用いて製紐して、この製紐糸には何も樹脂を被覆す
ることなく本体側製紐糸の空洞部に差し込み、本発明の
実施の形態4と同じ長さのものを作成し、同試験に供し
た。本体側製紐糸の空洞部に差し込まれた端末部はモノ
フィラメントの剛性のため、製紐がばらけて本体側製紐
糸の外側に突出した。
【0031】実施の形態5 ナイロン繊維からなる4200d/700fマルチフィ
ラメント糸を6本と、ナイロン樹脂からなる4400d
のモノフィラメントを6本用いて、交互に配列して製紐
し、この製紐糸の長さ方向の全長に熱可塑性樹脂である
塩化ビニル樹脂を、ダイス型コーティング機を用いて被
覆コーティングした。この製紐糸の一方の端末部から1
8cmの長さのところから10cmの長さのところの間
の部分において被覆されている塩化ビニル樹脂を剥離切
除した。次いで、塩化ビニル樹脂で被覆コーティングさ
れたままの端末部を、前記塩化ビニル樹脂を剥離切除し
た部分に差し込み、ループ部を形成する。本体側製紐糸
の他方の端末部にも同様にしてループ部を形成する。ル
ープの直径は4cmの大きさとした。また、両端のルー
プ部からループ部までの長さを25cmとし、両端のル
ープ部を(株)島津製作所製のオートグラフ試験器にセ
ットし、引張強力を測定して、その数値で評価した。
【0032】比較例5 比較例5として、本発明の実施の形態5と同じナイロン
繊維からなる4200d/700fマルチフィラメント
糸を6本と、ナイロン樹脂からなる4400dのモノフ
ィラメントを6本用いて、交互に配列して製紐し、この
製紐糸には何も樹脂を被覆することなく本体側製紐糸の
空洞部に差し込み、本発明の実施の形態5と同じ長さの
ものを作成し、同試験に供した。本体側製紐糸の空洞部
に差し込まれた端末部はモノフィラメントの剛性のた
め、製紐がばらけて本体側製紐糸の外側に突出した。
【0033】実施の形態6 ナイロン樹脂からなる4400d/10f(440d/
fのモノフィラメント糸を10本集合した糸)のモノマ
ルチフィラメント糸を12本用いて製紐して、この製紐
糸の長さ方向の全長に熱可塑性樹脂である塩化ビニル樹
脂を、ダイス型コーティング機を用いて被覆コーティン
グした。この製紐糸の一方の端末部から16cmの長さ
のところから8cmの長さのところの間の部分において
被覆されている塩化ビニル樹脂を剥離切除した。次い
で、塩化ビニル樹脂で被覆コーティングされたままの端
末部を、前記塩化ビニル樹脂を剥離切除した部分に差し
込み、ループ部を形成する。本体側製紐糸の他方の端末
部にも同様にしてループ部を形成する。ループの直径は
4cmの大きさとした。また、両端のループ部からルー
プ部までの長さを20cmとし、両端のループ部を
(株)島津製作所製のオートグラフ試験器にセットし、
引張強力を測定して、その数値で評価した。
【0034】比較例6 比較例6として、本発明の実施の形態6と同じナイロン
樹脂からなる4400d/10f(440d/fのモノ
フィラメント糸を10本集合した糸)のモノマルチフィ
ラメント糸を12本用いて製紐して、この製紐糸には何
も樹脂を被覆することなく本体側製紐糸の空洞部に差し
込み、本発明の実施の形態6と同じ長さのものを作成
し、同試験に供した。
【0035】表1に本発明の実施の形態1〜6と比較例
1〜6までの引張試験の結果を示しており、この表から
も本発明の実施の形態の製紐糸は本来有している強力が
十分に発揮できるのに対し、比較例の製紐糸は本来有し
ている強力を発揮する前に差し込み端末部が抜け出てし
まい実用に供し得ないことが分かる。
【0036】なお、表中において、吸水率、耐摩耗性は
以下の試験方法により評価した。 吸水率 試験片を1mの長さに切断して、3分間水中に浸漬して
引き上げた後、1分間水切りをして、秤でその重量を測
定して、浸漬していないそれぞれの試験片に対して、増
えた重量を百分率で表示した。 耐摩耗性(エッジ法) 図5に示すように、試験用の製紐糸6の1端を30rp
mのストロークを有する機器7に取り付け、製紐糸6の
他端には2kgの荷重8をつけて、製紐糸6の摩耗性を
評価する部分は、エメリーペーパーCC−800CW番
9を巻いた支持棒10と直角に接触するようにして、1
0分間経過した後、(株)島津製作所製のオートグラフ
試験器にセットし、引張強力を測定して、ブランクの引
張強力に対する強力保持率で評価した。数値が大きいほ
ど強力低下が少なくて良い。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、端部に結
び目のないループ部を容易に作成でき、美麗且つ機能性
に優れ、作業性に富んだ製紐糸を提供することが可能で
あり、飾り紐、コード類、各種の産業用紐類およびロー
プ、釣り糸、漁業用の枝縄、仕掛け部、延縄ロープ類、
スリングベルトなどの端末加工を必要とされる分野に利
用できるものであり、以上に述べた如く、各利用分野で
有益な効果をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製紐糸に熱可塑性樹脂を被覆した状態
を示す要部拡大図
【図2】本発明の製紐糸の樹脂被膜部を剥離切除した状
態を示す要部拡大図
【図3】本発明の製紐糸の端末部にループ部を形成した
状態を示す要部拡大図
【図4】本発明の製紐糸の端末部に2箇所以上の差し込
みを行ないループ部を形成した状態を示す要部拡大図
【図5】耐摩耗性の試験方法を示す斜視図
【符号の説明】
1 熱可塑性樹脂の被覆層 2 製紐糸 3 端末部 4 被覆層が剥離切除された部分 5 ループ部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然繊維、合成繊維または金属繊維から
    なる製紐糸、もしくは前記天然繊維、合成繊維および金
    属繊維の単独もしくは任意の割合で複合化された糸条の
    任意の本数割合で組み合わされてなる製紐糸の長さ方向
    全長に亘って熱可塑性の樹脂で被覆し、この製紐糸の端
    末部から、任意の長さだけ離れた部分で、この製紐糸に
    被覆された前記熱可塑性樹脂の被覆層を剥離切除して、
    熱可塑性の樹脂でもって被覆された製紐糸の端末部を折
    り曲げて、前記被覆層が剥離切除された部分の内側の空
    洞部に差し込み、端部に任意の大きさのループを形成せ
    しめてなることを特徴とする製紐糸。
JP15644296A 1996-06-18 1996-06-18 製紐糸 Expired - Lifetime JP2718660B2 (ja)

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JP15644296A JP2718660B2 (ja) 1996-06-18 1996-06-18 製紐糸

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