JP2706727B2 - 土壌保水剤および保水方法 - Google Patents

土壌保水剤および保水方法

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JP2706727B2 JP63114402A JP11440288A JP2706727B2 JP 2706727 B2 JP2706727 B2 JP 2706727B2 JP 63114402 A JP63114402 A JP 63114402A JP 11440288 A JP11440288 A JP 11440288A JP 2706727 B2 JP2706727 B2 JP 2706727B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、土壌保水剤および保水方法に関する。さら
に詳しくは、日光に対する吸水ゲルの安定性に優れた土
壌保水剤およびこの保水剤を植物培土および乾燥土壌に
施用して保水性を向上させる方法に関するものである。
[従来の技術] 従来から各種の吸水性樹脂が土壌保水剤として使用で
きることが知られている。しかしながら、紙おむつ・生
理用品などの衛生材料に使用されている吸水・保水剤を
単に土壌の保水剤として転用したにすぎないことから、
衛生材料に使用した時の安全性の観点からPHが中性にな
るように、中和度は60〜80モル%に調節されていた。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、上記のような従来の保水剤は、日光や
紫外線に対する吸水ゲルの安定性に劣る、すなわち吸水
ゲルが日光や紫外線に暴露されるとポリマーの主鎖が分
解されて吸水力を極端に損なうという問題点がある。し
たがって日光に暴露されることが避けられない、植物培
土あるいは乾燥土壌の保水剤として使用することには充
分満足のいくものではなかった。
この点を改善する目的で、カルボキシル基の含有量を
低下せしめた吸水性樹脂(例えば、イソブチレン−無水
マレイン酸共重合体架橋物)やカルボキシル基を含有し
ない吸水性樹脂(例えば、架橋ポリエチレンオキシド、
変性ポリビニルアルコール架橋物)を土壌保水剤として
使用することが提案されている。しかしながらこれらの
吸水性樹脂は親水性が乏しいために吸水力が低く、植物
に有効な保水性を確保するためには土壌に多量に施用し
なければならないという問題点がある。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、日光に対する吸水ゲルの安定性に優
れ、かつ吸水力の大きな土壌保水剤を得るべく鋭意検討
した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、カルボキシル基を有する重合性単
量体(A)を85モル%以上含有する重合性単量体または
該重合性単量体と多糖類(B)および/もしくは共重合
性架橋剤(C)からの重合体、あるいはその中和物から
なる吸水性重合体を主体とし、かつ該重合体中のカルボ
キシル基の96モル%以上がアルカリ性物質との塩となっ
ていることを特徴とする日光に対する吸水ゲルの安定性
に優れた土壌保水剤;請求項1または2記載の土壌保水
剤を土壌に対し0.01〜10重量%の割合で施用することを
特徴とする保水方法である。
本発明において、カルボキシル基を有する重合性単量
体(A)としては、不飽和モノまたはポリカルボン酸
[(メタ)アクリル酸(アクリル酸および/またはメタ
クリル酸をいう。以下同様の記載を用いる。)、エタア
クリル酸、クロトン酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタ
コン酸、ケイ皮酸]、およびこれらの無水物[無水マレ
イン酸など]などがあげられ、これらは2種以上併用し
てもよい。
また上記重合性単体量の塩を使用してもよく、これら
の塩としては、アルカリ金属塩(ナトリウム、カリウ
ム、リチウムなどの塩),アルカリ土類金属塩(カルシ
ウム、マグネシウムなどの塩)、アンモニウム塩および
アミン塩(メチルアミン、トリメチルアミンなどのアル
キルアミン塩;トリエタノールアミン、ジエタノールア
ミンなどのアルカノールアミンの塩など)、およびこれ
らの2種類以上が挙げられる。これらの内で好ましいも
のは、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩およ
びアミン塩である。更に好ましいものは、土壌中で分解
した後に植物の栄養分(加里または窒素肥料)になると
いう点からカリウム塩およびアンモニウム塩である。
上記カルボキシル基を有する重合性単量体の量は、重
合性単量体の合計重量に対して85モル%以上である。85
モル%未満の場合、得られた吸水性重合体の吸水量が低
いものとなる。
上記のカルボキシル基を有する重合性単量体ととも
に、必要によりその他の重合性単量体を、重合性単量体
の合計重量に対して15モル%以下の範囲で使用すること
ができ、例えばスルホン酸基あるいはスルホン酸塩基を
有する重合性単量体[ビニルスルホン酸、アリルスルホ
ン酸、ビニルトルエンスルホン酸、スチレンスルホン
酸、スルホアルキル(メタ)アクリレート、2−(メ
タ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸お
よびこれらのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩な
ど]、リン酸基を含有する重合性単量体[2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、フェニル
−2−アクリロイロキシエチルホスフェートなど]、不
飽和カルボン酸のアルキル(C1〜C10)エステル[メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート
など]、芳香族ビニル炭化水素[スチレンなど]、脂肪
族ビニル炭化水素[エチレン、プロピレン、ブテンな
ど]、不飽和ニトリル類[(メタ)アクリロニトリルな
ど]、(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、ビニルピロリドン
などが挙げられる。
これらの内で好ましいものは、2−(メタ)アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびこのアル
カリ金属塩、(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレートおよび酢酸ビニルである。
その他の重合性単量体は単独で使用してもよく、また
2種以上併用してもよい。
本発明において、必要により使用される多糖類(B)
としてはデンプン、セルロースやその他の天然および合
成多糖類等が挙げられる。デンプンとしては、例えばジ
ャガイモデンプン、小麦デンプン、トウモロコシデンプ
ンなどの生デンプン;酸化デンプン、カルボキシメチル
化デンプン、ジアルデヒドデンプン、アルキルエーテル
化デンプン、アリールエーテル化デンプン、オキシアル
キル化デンプン、アミノエチルエーテル化デンプン、α
化デンプンなどの加工デンプンが挙げられる。
セルロースとしては、例えば木材、葉、茎、ジン皮、
種子などから得られるセルロース;カルボキシメチル化
セルロース、アルキルエーテル化セルロース、酢酸セル
ロース、ヒドロキシアルキルエーテル化セルロースなど
の加工セルロースが挙げられる。
多糖類の使用量は、好ましくは重合体中の30重量%以
下である。30重量%を越えると得られた吸水性重合体の
吸水量が低いものとなる。
重合性架橋剤(C)としては、(1)2個以上の重合
性二重結合を有する化合物および(2)少なくとも1個
の重合性二重結合を有しかつ単量体と反応性の官能基を
少なくとも1個有する化合物が挙げられる。
(1)の化合物としては下記のものが挙げられる。
N,N′−アルキレン(C1〜C6)ビス(メタ)アクリル
アミド: N,N′−メチレンビスアクリルアミドなど。
ポリオール類と不飽和モノまたはポリカルボン酸との
ジまたはポリエステル: ポリオール類[エチレングリコール、トリメチロール
プロパン、グリセリン、ポリオキシエチレングリコー
ル、ポリオキシプロピレングリコールなど]のジ−また
はトリ−(メタ)アクリル酸エステル:不飽和ポリエス
テル[上記ポリオール類とマレイン酸などの不飽和酸と
の反応によって得られる]およびジ−またトリ−(メ
タ)アクリル酸エステル[ポリエポキシドと(メタ)ア
クリル酸との反応によって得られる」など。
カルバミルエステル: ポリイソシアネート[トリレンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、4,4′−ジフエニルメ
タンジイソシアネートおよびNCO基含有プレポリマー
(上記ポリイソシアネートと活性水素原子含有化合物と
の反応によって得られる)など]とヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートとの反応によって得られるカルバ
ミルエステル。
ジまたはポリビニル化合物: ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシ
レン、ジビニルエーテルなど。
ポリオール類のジ−またはポリ−(メタ)アリルエー
テル: ポリオール類[アルキレングリコール、グリセリン、
ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンポリオー
ル、セルロースなど]のジ−またはポリ−(メタ)アリ
ルエーテル。たとえばポリエチレングリコールジアリル
エーテルおよびジアリルデンプン、ジアリルセルロース
など。
ポリカルボン酸のジ−アリルエステル: ジアリルフタレート、ジアリルアジペートなど。
不飽和モノ−またはポリ−カルボン酸とポリオールの
モノ(メタ)アリルエーテルとのエステル: ポリエチレングリコールモノアリルエーテルの(メ
タ)アクリル酸エステルなど。
ポリアリロキシアルカン類: テトラアリロキシエタンなど。
化合物(2)の例としては、カルボン酸基、カルボン
酸塩、カルボン酸無水物基と反応性の基(ヒドロキシル
基、エポキシ基、カチオン性基など)を含むエチレン性
不飽和化合物があげられる。例えばヒドロキシル基含有
不飽和化合物[N−メチロール(メタ)アクリルアミド
など]、エポキシ基含有不飽和化合物[グリシジル(メ
タ)アクリレートなど]、4級アンモニウム塩基含有不
飽和化合物[N,N,N−トリメチル−N−(メタ)アクリ
ロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、
N,N,N−トリエチル−N−(メタ)アクリロイロキシエ
チルアンモニウムクロライドなど]および3級アミノ基
含有不飽和化合物[(メタ)アクリル酸ジメチルアミノ
エチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルな
ど]等があげられる。
重合性架橋剤の内で好ましいものは、ビス(メタ)ア
クリルアミド、ポリオール類と不飽和モノカルボン酸と
のジ−またはポリ−エステルおよびアリロキシアルカン
であり、特に好ましいもはN,N′−メチレンビスアクリ
ルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート
およびテトラアリロキシエタンである。
重合性架橋剤の量は、重合性単量体混合物に対して通
常0.001〜5重量%である。5重量%を越える量では、
得られる吸水性重合体の日光に対する安定性は良好であ
るが、架橋度が大きくなりすぎて吸水量が低下する傾向
にある。一方0.001未満の少量では、架橋度が小さすぎ
て吸水ゲルにべとつきが生じ、かつ日光に対する安定性
も不十分なものとなる。ただし重合時に自己架橋を生じ
させる重合法(たとえば特開昭53−46389号公報)を採
用した場合には、重合性架橋剤を使用しないか、あるい
は上記よりもっと少ない量とすることができる。
カルボキシル基を有する重合性単量体(A)を85モル
%以上含有する重合性単量体、および必要により多糖類
(B)および/または共重合性架橋剤(C)を重合する
方法は従来から知られている方法でよく、例えばこれら
の水溶液または水分散液をラジカル重合開始剤を用いて
重合する方法、有機溶媒を使用した逆相懸濁重合による
方法および放射線、電子線、紫外線などを照射する通常
の方法などが挙げられる。
本発明において、吸水性重合体中のカルボキシル基の
96モル%以上がアルカリ性物質で中和されている必要が
ある。この中和の方法としては(1)あらかじめアルカ
リ性物質で中和された重合性単量体を含む混合物を重合
する方法、(2)カルボン酸基の状態で重合し、重合後
にアルカリ性物質で中和する方法、(3)上記(1)と
(2)を併用する方法の何れであってもよい。好ましく
は分子量の大きな重合体が得られ、その結果吸水量が大
きくなるという点から(2)の方法である。
重合後にアルカリ性物質で中和する方法としては、従
来から知られている方法でよい。
吸水性重合体中のカルボキシル基は、96モル%以上が
アルカリ性物質で中和されていなければならない。中和
度が96モル%未満の場合、日光や紫外線により容易に主
鎖が分解されて、吸水ゲルの耐光性が不十分となる。
アルカリ性物質としては、アルカリ金属水酸化物(水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムな
ど)、アルカリ金属炭酸塩(炭酸ナトリウム、重炭酸ナ
トリウムなど)、アミン化合物(メチルアミン、トリメ
チルアミンなどのアルキルアミン;トリエタノールアミ
ン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミンな
ど)、アンモニウム化合物(アンモニアなど)よびこれ
らの2種以上が挙げられる。これらの内で好ましいもの
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミン化合物
およびアンモニアである。更に好ましくは土壌中で分解
した後に植物の栄養分(加里または窒素肥料)になると
いう点から、水酸化カリウムおよびアンモニアである。
また上記の吸水性重合体を、該重合体中の官能基と反
応しうる基を少なくとも2個有する化合物でさらに架橋
せしめることにより、より高いゲル強度と日光に対する
安定性に優れた吸水性重合体を製造することができる。
この化合物としては、エポキシ基、水酸基、イソシア
ナート基、第4級アンモニウム基などのカルボキシル基
と反応性の基を少なくとも2個有する化合物およびイオ
ン架橋を形成し得る多価金属化合物が挙げられる。
次いで重合体を通常の方法で乾燥し、必要により粉砕
して希望の形状に調整し、土壌保水剤を得る。
土壌保水剤の形状については特に制限はなく、粉粒
状、フレーク状、繊維状などのいすれの形状であっても
よい。好ましいのは、土壌との混合性の点から粉粒状お
よびフレーク状であり、特に好ましくは粒径25〜100メ
ッシュの粉粒状である。
上記吸水性重合体は吸水性能として少なくとも50ml/g
であり、好ましくは100〜1,000ml/gのものである。
本発明において、吸水性重合体に増量剤・添加剤また
は支持材として有機性物質[例えばパルプ、紙、不織
布、布、ピートモス、オガクズ、フミン酸、リグニンス
ルホン酸、PVAなど]無機物質[例えばバーミキュライ
ト、パーライト、シリカ、ベントナイト、タルク、クレ
イ、粘土、鉱石、砂、苦土石灰など]等を混合・造粒・
成形・積層・接着などの方法により併用して土壌保水剤
とすることができる。例えば、(イ)バーミキュライ
ト、ベントナイト、クレイ、粘土、鉱石、砂などと混合
または造粒した土壌保水剤コンポジット、(ロ)パル
プ、ベントナイト、タルク、クレイ、粘土などと加圧成
形または押出成形した土壌保水剤、(ハ)2枚以上の紙
および/または不織布でサンドイッチしたシート状土壌
保水剤などが挙げられる。
また肥料、植物栄養素、農薬(殺菌剤、、殺虫剤、除
草剤など)、酸素発生剤、樹脂エマルジョン、界面活性
剤なども必要により保水剤に添加または保水剤と併用し
て土壌に施用することができ、これらの使用量は通常使
用されている量でよい。
本発明において土壌としては、水の存在する条件下で
植物が生育しうる土壌であれば特に限定はなく、例えば
沖積土壌、砂質土壌、洪積土壌、火山灰土壌などが挙げ
られる。また育苗用や園芸用のなどに使用される天然お
よび人工の培土なども土壌の範囲内に含まれる。好まし
くは透水係数(通常0.5cm/sec〜0.2×10-5cm/sec)の大
きい乾燥土壌であり、砂質土壌、砂漠土壌などが挙げら
れる。
本発明の保水剤を土壌に施用する方法としては特に限
定はなく、例えば(1)土壌表面に施用した後に土壌表
面から約50cm深さまでの土壌と一緒に耕転する方法、
(2)保水剤と土壌とをあらかじめ混合したものを土壌
に敷設する方法、(3)保水剤を施用した後、覆土する
方法、(4)土壌に穴を掘って保水剤を埋め込む方法、
(5)単に土壌表面に敷くまたは散布する方法、などが
挙げられる。保水剤は播種前、播種後あるいは植物の生
育途中、生育後のいずれの段階で施用してもよく、また
植物の生育状況に応じて2回以上にわたって施用しても
よい。
保水剤は乾燥物の状態で施用してもよく、あらかじめ
水または肥料水を吸収させてゲル状物としてから上記
(1)〜(5)の方法で施用してもよい。
なお施用に当たっては、手作業で行ってもよく、散布
機、耕運機などの機械を使用してもよい。
保水剤の土壌に対する施用量は、0.01〜10重量%であ
る。保水剤の施用量が10重量%を越えると、土壌が長期
間にわたって過湿になりすぎ、植物の根腐れや土壌通気
性の低下を生じる原因となる。一方施用量が0.01未満の
場合、植物の生育に有効な保水性が得られない。好まし
くは0.01〜5重量%であり、更に好ましくは植物の根が
多く存在する地表から約20cm以内の土壌に対し0.01〜5
重量%である。
このように実施することにより、土壌の保水性向上、
植物の栽培、乾燥土壌の緑化を行うことができる。
[実施例] 以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明
はこれに限定されるものではない。以下において、部お
よび%はそれぞれ重量部および重量%を示す。
実施例1 内容量11の開閉可能な密閉容器にアクリル酸ナトリウ
ム100部、N,N′−メチレンビスアクリルアミド0.2部お
よび水300部を仕込み、攪拌しながらフラスコの外部よ
り加温し内容物の温度を40℃に保った。系内を窒素置換
した後、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハ
イドロクロライド0.1部を添加して重合を開始させた。
約3時間で重合は完結し、ゲル状架橋重合体を得た。密
閉容器よりゲル状重合体を取り出し、ニーダーで細断し
た後、150℃に加熱されたドラムドライヤー上に延伸し
て乾燥した後、28〜100メッシュの粒度に粉砕して吸水
性重合体を得た。これを本発明の土壌保水剤(イ)とし
た。
実施例2 アクリル酸100部、N,N′−メチレンビスアクリルアミ
ド0.2部および水300部を開閉可能な密閉容器に仕込み、
窒素雰囲気下で液温を10℃とした後、0.5%の過硫酸ア
ンモニウム水溶液1部および0.5%の亜硫酸水素ナトリ
ウム水溶液1部を添加して重合させたところ発熱ととも
にゲル状となった。重合開始から6時間後に密閉反応容
器を開き、生成したゲル状架橋重合体を取り出した。こ
のゲル400部を細断した後、50%の水酸化ナトリウム水
溶液152.5部を加え、均一に混練して中和し、重合体中
のポリアクリル酸部分の約98%をポリアクリル酸カリウ
ムに変換した。
この中和されたゲルを150℃に加熱されたドラムドラ
イヤーで乾燥した後、28〜100メッシュの粒度に粉砕し
て吸水性重合体を得た。これを本発明の土壌保水剤
(ロ)とした。
実施例3 実施例1において、アクリル酸ナトリウム100部に代
えてアクリル酸ナトリウム80部(0.85モル%)および2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナト
リウム34.5部(0.15モル%)を使用する以外は全く同様
の方法で吸水性重合体を得た。これを本発明の土壌保水
剤(ハ)とした。
実施例4 実施例3で得られた吸水性重合体10部およびクレイ90
部とを均一に混合し、さらに微量の水を添加して2〜5m
mの大きさに加圧成形して粒状物を得た。これを本発明
の土壌保水剤(ニ)とした。
比較例1〜3 実施例2において、重合体中のポリアクリル酸の90モ
ル%、80モル%または70モル%をポリアクリル酸カリウ
ムに変換する以外は同様にして吸水性重合体(a)、
(b)および(c)を得た。
実施例5 実施例1〜3で得た土壌保水剤(イ)、(ロ)および
(ハ)、比較例1〜3で得た吸水性重合体(a)、
(b)および(c)の各5gを、砂質土壌を満たした1/20
00アールポットの表面に散布し、表層より10cmの深さま
でを耕転して均一に混和した(土壌に対する混和量:0.1
%)。その後毎朝十分な灌水を行い、日光にあたる土壌
表層のゲルの状態を下記の4段階の基準で評価した。評
価結果を第1表に示した。
また市販吸水性樹脂「アクアキープ10SH」(製鉄化学
工業(株)製、架橋ポリアクリル酸の部分中和物)を用
いて同様の評価を行い、結果を比較例4として第1表に
併記した。
耐光性 評価基準 良 A:硬いゲル状。保水力良好。
B:柔らかいゲル状。保水力有り。
C:糊状化。保水力乏しい。
不良 D:液状化。保水力消滅。
第1表から明らかなように、本発明の土壌保水剤は優
れた耐光性と長期間にわたる保水性を有している。
実施例6 実施例1〜4で得た土壌保水剤(イ)、(ロ)、
(ハ)および(ニ)を、第2表に示した割合で砂質土壌
の表層より20cmの深さに均一に混和した。次いでキュウ
リの苗を定植して、育成し、35日後から100日後にわた
って収穫量を調査した。この結果を第2表に示した。本
栽培試験において、定植直後に充分灌水し、以後は対照
区(保水剤を施用しない区)の状態に応じて灌水した。
同様に、比較例3で得た吸水性重合体(c)を使用し
た結果についても比較区として第2表に併記した。尚、
試験時期は4月12日から7月20日である。
本発明の土壌保水剤を施用した区のキュウリの収穫量
は、対照区に比べて極めて良好であり、特に収穫後期に
おいても良好な保水性を維持しており、対照区および比
較区に比べて収穫量は増大した。
[発明の効果] 本発明の土壌保水剤および保水方法は、次のような効
果を奏する。
(1)良好な耐光性を有しているため、日光に暴露され
ても吸水ゲルが劣化して糊状を呈したり、液状化するこ
とがない。したがって土壌に施用することにより、長期
間にわたり保水性や保肥性を維持することができる。
(2)日光に暴露されても安定なゲル状態を維持して土
壌の通気性を確保できる。したがって市販の吸水性樹脂
のように日光により糊状化して通気性を損なうといった
心配がない。
(3)一般に葉菜類や果菜類などの有用植物の根は土壌
表層に多く分布している。本発明の保水剤は日光に暴露
される土壌表層で特に有効な保水性と保肥性を発揮する
ため、これら植物の成長を促進し、収穫量のアップが可
能となる。
(4)灌水量および灌水回数の低減が可能となる。
(5)肥料の施用量、施用回数の低減が可能となる。
(6)従来の吸水性樹脂の様に日光による劣化を見越し
て多めに施用する必要がないため、保水剤施用量が少な
くてすむ。
上記効果を奏することから本発明の土壌保水剤および
保水方法は、土壌の保水性改良、露地および施設内にお
ける植物の栽培、苗の育苗、苗の定植、山野の植樹、植
木鉢やプランターによる家庭園芸および菜園、公園・ゴ
ルフ場・道路緑地帯・海岸などにおける植樹や芝・草花
の育成、法面の緑化、砂丘地や砂漠地における緑化およ
び農産物の節水栽培や点滴栽培など、土壌や培土に施用
し、かつ日光に暴露されるあらゆる用途に有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 坂田 誠 (56)参考文献 特開 昭57−174028(JP,A) 特公 昭63−7203(JP,B2) 特公 昭61−50014(JP,B2)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルボキシル基を有する重合性単量体
    (A)を85モル%以上含有する重合性単量体または該重
    合性単量体と多糖類(B)および/もしくは共重合性架
    橋剤(C)からの重合体、あるいはその中和物からなる
    吸水性重合体を主体とし、かつ該重合体中のカルボキシ
    ル基の96モル%以上がアルカリ性物質との塩となってい
    ることを特徴とする日光に対する吸水ゲルの安定性に優
    れた土壌保水剤。
  2. 【請求項2】アルカリ性物質が、アルカリ金属化合物、
    アンモニウム化合物、アミン化合物からなる群より選ば
    れる物質である請求項1記載の土壌保水剤。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の土壌保水剤を土壌
    に対し0.01〜10重量%の割合で施用することを特徴とす
    る保水方法。
  4. 【請求項4】該保水剤を、地表から約20cm以内の土壌に
    対し0.01〜5重量%の割合で施用することを特徴とする
    請求項3記載の保水方法。
  5. 【請求項5】請求項1または2記載の保水剤を乾燥土壌
    に対し、0.01〜10重量%の割合で施用し緑化を行うこと
    を特徴とする乾燥土壌の緑化方法。
  6. 【請求項6】土壌の透水係数が0.5cm/sec〜0.2×10-5cm
    /secである請求項3〜5のいずれか記載の方法。
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