JP2705634B2 - 液晶表示パネル及びその製造方法 - Google Patents

液晶表示パネル及びその製造方法

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JP2705634B2
JP2705634B2 JP7111046A JP11104695A JP2705634B2 JP 2705634 B2 JP2705634 B2 JP 2705634B2 JP 7111046 A JP7111046 A JP 7111046A JP 11104695 A JP11104695 A JP 11104695A JP 2705634 B2 JP2705634 B2 JP 2705634B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は視覚特性を改善した液晶
表示パネルに関し、特に液晶の配向状態が微小な領域毎
に異なる面を有する液晶表示パネル及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ツイステッドネマチック型の液晶表示パ
ネルでは、液晶が一方の基板から他方の基板に向かうに
つれて螺旋状にツイストして配向しており、両基板の配
向膜表面付近での液晶分子の配向は相互にほぼ直角にな
っている。また、配向膜表面付近の液晶分子はそれぞれ
の基板に対しプレチルトしている。このような、基板表
面付近での液晶分子の配向方向及びプレチルト方向は、
両基板の配向膜に対するラビングの方向に従って決定さ
れる。液晶の配向方向は、配向膜の斜方蒸着によっても
制御することができる。
【0003】このようなツイステッドネマチック型の液
晶表示パネルでは、液晶に印加する電圧を制御すること
により、入射光の透過率を制御し、明状態から暗状態を
階調表示することができる。しかしながら、画面を見る
方向により各階調の輝度が変化するために、表示を正確
に認知できる視角範囲が狭いという問題がある。すなわ
ち、ある方向から見た場合に表示が全体に白っぽくなっ
たり、その逆方向から見た場合に全体に表示が黒くつぶ
れたり、階調の反転が生じたりする。
【0004】このことは、液晶の配向状態の非対称性に
起因するものである。液晶に電圧を印加した時の液晶分
子の立ち上がる方向はプレチルトの方向によって決定さ
れる。また、立ち上がる角度は印加された電圧の大きさ
に従い、この電圧の大きさを制御することにより階調表
示をすることができる。印加電圧による液晶分子の動き
は、両基板の表面付近では小さく、両基板の中間領域で
は大きい。したがって、主に両基板の中間領域に存在す
る液晶分子の、基板に対する立ち上がりの角度が表示の
明暗に寄与する。この領域の液晶分子が基板である程度
の角度をもって立ち上がっている状態、すなわち中間調
表示状態では、液晶分子の立ち上がっている方向から液
晶表示パネルを観察した場合に、画面が白っぽく見え、
逆の方向から観察した場合には黒く見えるのである。
【0005】このような視角特性の問題を解決するため
に、特公昭58−43723号公報は、配向膜の配向処
理方向が相互に異なる領域を微細なピッチで形成した構
造を提案している。図5に前記公報に基づく液晶パネル
200Aの断面の構造を示す。同図において、11,1
2はそれぞれ画素電極71,共通電極72を有する基板
であり、両者間に液晶20が充填される。また、各基板
11,12にはそれぞれ配向膜31,32が形成され
る。この構成においては、微小な領域A,B毎に異なる
配向膜31,32の配向処理方向をもつ構造になってい
るため、微小な領域A,Bで電圧印加時の液晶分子の立
ち上がり方向が異なり、観察者にはそれぞれの微小な領
域の視角特性が平均化されて認識される。結果として、
視角特性の向上が得られるのである。
【0006】このような、配向処理方向の異なる領域を
同一基板上に形成するには、例えば1方向にラビング処
理を施した配向膜上にレジストを塗布し、フォトリソグ
ラフィー技術により所定の形状にパターニングし、これ
をマスクとして1回目のラビング方向と逆の方向に再度
ラビングを行い、その後レジストを除去するという工程
を行うことになる。このため、この構成を製造するため
には1つの基板に付き2回のラビング処理が必要とな
り、製造工程が複雑化するという問題が生じる。
【0007】このため、ラビング工程が1つの基板に付
き1回で済む提案がなされている。例えば、特開平5−
210099号公報では、配向膜を所定のパターンに従
い部分的に2層構造とすることにより、同一基板上にプ
レチルト角の大きさの相互に異なる微小な領域A,Bを
形成することを提案している。この提案によれば、配向
処理方向の分割の必要がなく、1つの基板に付き1回の
ラビングで同様の視角特性改善の効果を得ることができ
る。
【0008】すなわち、図6にその液晶パネル200B
の断面の構造を示す。同図において、両基板11,12
の配向膜31,32は第1層の配向剤層51及び第2層
の配向剤層52の2層構造になっている。下側の基板1
1の配向膜31は、微小な領域Bにおいて、第2層の配
向剤層52が開口しており、第1層の配向剤層51が露
出しており、微小な領域Aにおいては、第2層の配向剤
層52が露出している。一方、上側の基板12の配向膜
32は、微小な領域Aにおいて、第2層の配向剤層52
が開口しており、第1層の配向剤層51が露出してい
る。微小な領域Bにおいては、第2層の配向剤層が露出
している。
【0009】このため、微小な領域A,Bでは同じ配向
方向とプレチルト方向を持つが、第1層の配向剤層51
と第2層の配向剤層52は、それぞれ異なる大きさのプ
レチルト角α°およびβ°(<α°)を与える。したが
って、下側基板11の配向膜31の表面付近では、微小
な領域Aでのプレチルト角がα°であり、微小な領域B
でのプレチルト角がβ°となる。また、上側基板12の
配向膜32の表面付近では、微小な領域Aでのプレチル
ト角はβ°であり、微小な領域Bでのプレチルト角はα
°となっている。
【0010】この構造においては、微小な領域A,Bと
もに、下側基板の配向膜31の表面付近から上側基板の
配向膜32の表面付近に行くに従って、液晶20の配向
方向がねじれている。また、両基板表面付近でのプレチ
ルト方向が互いに逆向きになっており、その間で、基板
表面に平行な平面に対する角度が徐々に変化するように
スプレイ変形している。すなわち、全体として、スプレ
イ型のねじれネマチック型の配向状態にある。そして、
微小な領域A,Bそれぞれに注目すると、上下基板の配
向膜31,32表面付近での液晶分子のプレチルト角の
大きさが異なっているため、電圧印加時に、プレチルト
角の大きい方のプレチルト方向に従って液晶が立ち上が
る。すなわち、微小な領域Aでは、下側の基板の配向膜
31付近でのプレチルト方向に従って、微小な領域Bで
は、上側の基板の配向膜32表面付近でのプレチルト方
向に従って、それぞれ立ち上がる。このように、微小な
領域A,Bで電圧印加時の液晶分子の立ち上がり方向が
異なり、観察者にはそれぞれの微小な領域の視角特性が
平均化されて認識され、視覚特性を改善することが可能
となる。
【0011】このような微小な領域ごとにプレチルト角
の大きさが異なる構造は、図4に示す一連の配向処理方
法によって形成することができる。図7(a)におい
て、例えば下側基板11の表面に透明電極71を形成
し、その上に第1層の配向剤層51を形成し、さらにそ
の上に第2層の配向剤層52を形成する。そして、図7
(b)においてレジスト40を塗布し、所定のパターン
のマスク90を介して露光し、現像液によりレジスト4
0の感光部を除去し、これをマスクとして第2層の配向
剤層52を微小な領域単位で部分的に除去する。しかる
後、図7(c)のように、レジストパターンを剥離し、
その上で図7(d)のように全面に対してラビング処理
を行っている。
【0012】したがって、この製造方法は1つの基板に
対して1回のラビング工程で形成できるため、製造工程
を簡略化する上では有効である。
【0013】なお、同様の趣旨に基づくものとして、特
開平6−148641号公報に記載の技術もある。この
公報のものでは、一方の基板の配向膜のみを所定のパタ
ーンに従い部分的に2層構造として微小な領域A,Bご
とにプレチルト角の大きさが相互に異なるように配向処
理し、もう一方の基板の配向膜を単一の層からなる構造
として一様にプレチルトするように配向処理することを
提案している。
【0014】図8はこの公報に基づく液晶表示パネル2
00Cの断面の構造を示す。同図において、下側の基板
11の配向膜31は、図6に示した液晶表示パネルの場
合と同様に、微小な領域単位で第1層の配向膜と第2層
の配向膜が配置された構成とされ、配向処理されてい
る。よって、下側基板の配向膜31の表面付近では、微
小な領域Aでのプレチルト角がα°であり、微小な領域
Bでのプレチルト角がβ°となっている。一方、上側の
基板12の配向膜32は、単一の層からなり、一様に配
向処理されている。上側基板の配向膜32の表面付近で
は、プレチルト角はγ°(α°>γ°>β°)となって
いる。
【0015】この構造においても、図6に示した液晶パ
ネルの場合と同様に、液晶20は全体として、スプレイ
型のねじれネマチック型の配向状態にある。そして、微
小な領域A,Bそれぞれに注目すると、上下基板の配向
膜31の表面付近での液晶分子のプレチルト角の大きさ
が異なっているため、微小な領域Aでは下側の基板の配
向膜31の表面付近でのプレチルト方向に従って、微小
な領域Bでは上側の基板の配向膜32の表面付近でのプ
レチルト方向に従って、それぞれ立ち上がる。
【0016】したがって、微小な領域A,Bで電圧印加
時の液晶分子の立ち上がり方向が異なり、観察者にはそ
れぞれの微小な領域の視角特性が平均化されて認識され
るため、視覚特性を改善することができる。また、この
構造においても、1つの基板に対して1回のラビング工
程で済むため、製造工程を低減することができる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この改
善された液晶パネルにおいても、微細にパターニングさ
れた2層構造の配向膜を形成する必要があるため、第1
層の配向膜材料を塗布、第2層の配向膜材料を塗布、フ
ォトリソグラフィー技術により所定のレジストパターン
形成、第2層の配向剤層をレジストパターンに従い部分
的に除去、レジスト剥離という一連の工程が必要であ
り、製造工程を十分簡略化する上での問題が生じてい
る。
【0018】
【発明の目的】本発明の目的は、視覚特性を改善する一
方で、配向膜の形成工程を削減することを可能とし、こ
れにより製造工程の簡略化を可能にした液晶パネルとそ
の製造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示パネル
は、それぞれに配向膜が設けられた第1及び第2の対向
する基板と、前記各基板間に挿入された液晶よりな
晶表示パネルであって、少なくとも一方の基板に設けら
れた配向膜が単一の層からなり、かつ微小な領域毎に膜
厚が異なるとともに、前記少なくとも一方の基板の配向
膜が微小な領域毎に配向膜表面近傍での液晶のプレチル
ト角の大きさが異なるように配向処理されていることを
特徴とする。
【0020】例えば、本発明の液晶表示パネルでは、第
1及び第2の両基板の配向膜は、第1の微小領域では第
1の基板の配向膜の膜厚が第2の微小領域の膜厚よりも
大きく、かつ第2の基板の配向膜の膜厚が第2の微小領
域の膜厚よりも小さくされ、第2の微小領域では第1の
基板の配向膜の膜厚が第1の微小領域の膜厚よりも小さ
く、第2の基板の配向膜の膜厚が第1の微小領域の膜厚
よりも大きくされる。
【0021】あるいは、第1及び第2の一方の基板の配
向膜は、第1の微小領域の膜厚が第2の微小領域の膜厚
と相違され、他方の基板の配向膜は第1及び第2の微小
領域にわたって均一な膜厚とされる。
【0022】また、本発明における液晶表示パネルの製
造方法は、対向される基板のそれぞれに配向膜を形成す
る工程と、少なくとも一方の配向膜にフォトリソグラフ
ィ技術により微小な領域に対応するレジストパターンを
設ける工程と、このレジストパターンを用いて前記配向
膜を選択エッチングし、前記微小領域に対応して配向膜
の膜厚がそれぞれ異なるように形成する工程と、前記レ
ジストパターンを除去した後に前記配向膜をラビング
し、この配向膜が前記微小な領域毎に配向膜表面近傍で
の液晶のプレチルト角の大きさが異なるように配向処理
する工程とを含むことを特徴とする。
【0023】
【作用】本発明が特徴とする、配向膜の膜厚とプレチル
ト角の大きさの関係を確認するための測定を行った結果
を示す。先ず、プレチルト角の大きさを測定するための
試料は、以下の工程により製作した。すなわち、日産化
学工業(株)製の配向剤ポリイミド材料SE−7210
(0621)を一対のガラス基板表面に塗布し、これら
の配向膜の表面をラビングし、各々の基板に対するラビ
ング方向が互いに反平行になるように重ね合わせ、基板
間にネマチック液晶(メルク社製ZLI−4792)を
注入することにより作成した。配向膜塗布工程において
は、転写型の配向膜印刷機を用い、重ねぬり回数を1〜
3回とすることにより、配向膜の厚さが異なる3種類の
試料を用意した。
【0024】配向膜の膜厚とプレチルト角の測定結果は
以下の通りであった。なお、膜厚は配向膜を一部剥がし
て段差計により測定し、プレチルト角はクリスタルロー
テーション法により測定した。 これから、配向膜の膜厚によってプレチルト角が相違さ
れていることが確認された。
【0025】したがって、配向膜を微小な領域毎に膜厚
を相違させることで、各微小領域における配向膜の表面
近傍でのプレチルト角が相違され、電圧印加時には、微
小な領域毎に、両基板表面でのプレチルト角の大きい方
のプレチルト方向に従って液晶が立ち上がる。このた
め、微小な領域で電圧印加時の液晶分子の立ち上がり方
向が異なるため、観察者にはそれぞれの微小な領域の非
対称な視角特性が平均化されて認識され、全体として対
称で、従来と比較してより広い視角範囲から表示を認知
できる視角特性を得ることが可能となる。
【0026】また、製造工程における配向処理において
は、1つの基板に対して、1層の配向膜を形成する工程
と、1回のフォトリソグラフィ工程と、1回のラビング
処理によって完成されるため、前記した改善案のものよ
りも更に工程数を削減でき、製造の簡略化を達成するこ
とが可能となる。
【0027】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は本発明による実施例の液晶パネル100の
断面構造を示している。液晶パネル100は、一対の透
明な基板11,12の間に液晶20を封入したものであ
り、この液晶パネル100の両側には偏光板(図示せ
ず)が配置される。透明ガラス等からなる下基板11の
内面には透明な画素電極71が所要のパターンに形成さ
れ、アクティブマトリクス回路(図示せず)に接続され
る。この画素電極71の上には全面にわたって配向膜3
1が設けられる。一方、上側の基板の内側にはITOの
共通電極72が設けられ、この共通電極72の上には配
向膜32が設けられる。
【0028】そして、前記配向膜31は微小な領域A,
B毎にその膜厚が相違されている。同様に、配向膜32
も微小な領域A,B毎にその膜厚が相違されている。た
だし、この場合、下側の配向膜31では、領域Aでは膜
厚を大きくし、領域Bでは膜厚を小さくしているのに対
し、上側の配向膜32では、領域Aでは膜厚を小さく
し、領域Bでは膜厚を大きくしている。このため、同図
に示すように、いずれの配向膜31,32においても、
その膜厚の相違により、領域A,Bではプレチルト角が
相違されることになる。すなわち、微小な領域Aでは下
側の基板11の表面付近でのプレチルト角の方が上側の
基板12の表面付近でのプレチルト角よりも大きく、微
小な領域Bでは上側の基板12の表面付近でのプレチル
ト角の方下側の基板11の表面付近でのプレチルト角よ
りも大きくなっている。
【0029】このような構造の液晶パネルを製造する工
程における、特に配向処理工程を図に示す。なお、同図
は下側の基板11についてのみ示しているが、上側の基
板12についても同様に配向処理できる。先ず、図2
(a)に示すように、基板11の上に、配向膜31を形
成する。ここで、配向剤として日産化学工業製のSE−
7210を用いている。また、このとき配向膜の膜厚が
0.21μmになるようにした。次に、図2(b)に示
すように、配向膜31上にレジスト40を塗布し、所定
のパターンのマスク90を介して露光する。レジストと
して東京応化製のOFPR−800Cを用いた。
【0030】そして、図2(c)に示すように、現像液
によりレジスト40の感光部を除去する。現像液として
東京応化製のNMD−3を用いた。この時、配向膜31
もレジスト40の感光部に対応する領域が現像液により
エッチングされる。エッチングは配向膜の膜厚が0.0
7μmになるように実施した。次に、有機溶剤を用いて
レジストを除去する。レジストの除去には乳酸エチルを
用いた。しかる上で図2(d)に示すように、一定の方
向にラビング処理した。ラビングはレーヨンのバフ布を
巻き付けたラビングローラ80を配向膜31上で回転さ
せながら進めることにより行った。
【0031】このようにして、配向処理した基板を、図
3に示すように、各々の基板に対するラビング処理方向
が相互にほぼ直角となるように、所定の間隔をもって重
ね合わせ、かつ基板間に左回りのカイラル剤を添加した
ネマチック型の液晶20を挿入した。このとき、配向膜
31の膜厚の大きい方の領域と、配向膜32の膜厚の小
さい方の領域とが向かい合い、配向膜31の膜厚の小さ
い方の領域と、配向膜32の膜厚の大きい方の領域とが
向かい合うように両基板を重ね合わせてある。
【0032】したがって、このように構成された液晶パ
ネルでは、液晶20は前記した配向処理に従って、基板
11,12の間でほぼ90度ねじれて配向している。ま
た、一方の基板から他方の基板に向かうにつれて、基板
表面に平行な平面に対するプレチルト方向が徐々に変化
し、両基板表面付近でのプレチルト方向が互いに逆向き
になるように、スプレイ変形している。すなわち、全体
として、スプレイ型のねじれネマチック型の配向状態に
ある。また、各々の基板の表面の各微小領域におけるプ
レチルト角は、配向膜の膜厚に対応して異なっている。
すなわち、配向膜の膜厚が0.21μmの領域では8
度、0.07μmの領域では4度である。
【0033】したがって、この液晶パネルにおいては、
微小領域A,B毎に液晶20の配向状態が異なっている
ために、電圧印加時には、微小な領域A,B毎に、両基
板表面でのプレチルト角の大きい方のプレチルト方向に
従って、液晶が立ち上がることになる。すなわち、微小
な領域Aでは下側の基板11表面付近でのプレチルト方
向に従って、微小な領域Bでは上側の基板12の表面付
近でのプレチルト方向に従って、それぞれ立ち上がる。
このように、微小な領域A,Bで電圧印加時の液晶分子
の立ち上がり方向が異なるため、観察者にはそれぞれの
微小な領域の非対称な視角特性が平均化されて認識さ
れ、全体として対称で、従来と比較してより広い視角範
囲から表示を認知できる視角特性を得ることが可能とな
る。
【0034】また、その一方で、製造工程における配向
処理においては、1つの基板に対して、1層の配向膜を
形成する工程と、1回のフォトリソグラフィ工程と、1
回のラビング処理によって完成されるため、前記した改
善案のものよりも更に工程数を削減でき、製造の簡略化
を達成することが可能となる。
【0035】図4は本発明の第2実施例の液晶表示パネ
ル100Aを示している。この液晶表示パネル100A
は、下側基板11に形成される配向膜31は前記第1実
施例と同様に構成されるが、上側基板12に形成される
配向膜32は均一な厚さに形成されている。すなわち、
下側の配向膜31は図2に示した処理工程によって配向
処理されるが、上側の基板12の配向膜32の配向処理
方法においては、単に配向膜32をその膜厚が0.14
μmになるように形成し、その後に一定の方向にラビン
グ処理した工程でよい。なお、配向剤として日産化学工
業製のSE−7210を用いた。
【0036】このようにして、配向処理した基板11,
12を、前記第1実施例の場合と同様に重ね合わせ、基
板間に左回りのカイラル剤を添加したネマチック型の液
晶20を挿入した。液晶20は、全体として、スプレイ
型のねじれネマチック型の配向状態にある。また、第1
の基板11の表面の各微小領域A,Bにおけるプレチル
ト角は、配向膜31の膜厚に対応して異なっている。す
なわち、配向膜31の膜厚が厚い0・21μmの領域A
では8度、薄い0・07μmの領域Bでは4度である。
第2の基板12の表面でのプレチルト角は配向膜32の
膜厚(0・14μm)に対応して6度である。
【0037】このように、第2実施例においては、下側
の配向膜31の膜厚が微小な領域A,B毎に相違されて
おり、かつこれに伴う各領域A,Bのプレチルト角を上
側の配向膜32のプレチルト角よりも一方では大きく、
一方では小さくしていることで、各領域A,Bにおいて
は液晶20の配向状態が相違される。すなわち、微小な
領域Aでは下側の基板11の表面付近でのプレチルト角
の方が上側の基板12の表面付近でのプレチルト角より
も大きく、微小な領域Bでは上側の基板12の表面付近
でのプレチルト角の方下側の基板11の表面付近でのプ
レチルト角よりも大きくなっている。
【0038】このため、電圧印加時には、微小な領域
A,B毎に、両基板表面でのプレチルト角の大きい方の
プレチルト方向に従って、液晶が立ち上がる。すなわ
ち、微小な領域Aでは下側の基板11表面付近でのプレ
チルト方向に従って、微小な領域Bでは上側の基板12
の表面付近でのプレチルト方向に従って、それぞれ立ち
上がる。このように、微小な領域A,Bで電圧印加時の
液晶分子の立ち上がり方向が異なるため、観察者にはそ
れぞれの微小な領域の非対称な視角特性が平均化されて
認識され、全体として対称で、従来と比較してより広い
視角範囲から表示を認知できる視角特性が得られた。
【0039】また、この第2実施例では、下側の配向膜
31に対してのみフォトリソグラフィ工程が必要とされ
るため、上側の配向膜32の配向処理工程を極めて簡単
なものにできる。したがって、下側の配向膜31の配向
処理が従来方法よりも簡略化されたことと併せて、液晶
パネル全体における配向処理ないし製造工程の簡略化を
図ることが可能となる。
【0040】なお、前記の説明では、便宜的に上側基
板、下側基板として説明しているが、その上下方向が特
に限定されるものでないことは言うまでもない。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、それぞ
れに配向膜が設けられた第1及び第2の対向する基板間
に液晶を挿入し液晶表示パネルにおいて、少なくとも
一方の基板に設けられた配向膜が単一の層からなり、か
つ微小な領域毎に膜厚が異なるように構成され、かつそ
の微小な領域毎に配向膜表面近傍での液晶のプレチルト
角の大きさが異なるように配向処理されているので、各
微小領域における配向膜の表面近傍でのプレチルト角が
相違され、電圧印加時には、微小な領域毎に液晶分子の
立ち上がり方向が相違され、観察者にはそれぞれの微小
な領域の非対称な視角特性が平均化されて認識され、全
体として対称で、従来と比較してより広い視角範囲から
表示を認知できる視角特性を得ることが可能となる。
【0042】また、本発明における液晶表示パネルの製
造方法は、対向される基板の少なくとも一方の基板に配
向膜を形成し、フォトリソグラフィ技術により微小な領
域に対応するレジストパターンを設けた上で配向膜を選
択エッチングし、微小領域に対応して配向膜の膜厚がそ
れぞれ異なるように形成し、かつこの配向膜をラビング
、この配向膜が前記微小な領域毎に配向膜表面近傍で
の液晶のプレチルト角の大きさが異なるように配向処理
ているので、配向膜を微小な領域に対応して部分的に
2層構造とする必要はなく、1つの基板について1回だ
けのフォトリソグラフィ工程とラビング処理とで製造す
ることができ、工程を簡略化するとともに、コスト低減
が達成できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示パネルの一実施例の断面図で
ある。
【図2】図1の液晶表示パネルの配向膜の製造工程を示
す図である。
【図3】図1の液晶表示パネルの上下の配向膜のラビン
グ方向を示す図である。
【図4】本発明の液晶表示パネルの第2実施例の断面図
である。
【図5】従来の液晶表示パネルの断面図である。
【図6】従来の液晶表示パネルの他の例を示す断面図で
ある。
【図7】図6の液晶表示パネルの配向膜の製造工程を示
す図である。
【図8】従来の液晶表示パネルの更に他の例を示す断面
図である。
【符号の説明】
11,12 基板 20 液晶 31,32 配向膜 71 画素電極 72 共通電極 80 ラビングローラ 100,100A 液晶表示パネル A,B 微小領域

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれに配向膜が設けられた第1及び
    第2の対向する基板と、前記各基板間に挿入された液晶
    よりなる液晶表示パネルであって、少なくとも一方の基
    板に設けられた配向膜が単一の層からなるとともに、
    小な領域毎に膜厚が異なる構成とされ、しかも前記微小
    な領域毎に配向膜表面近傍での液晶のプレチルト角の大
    きさが異なるように配向処理されていることを特徴とす
    る液晶表示パネル。
  2. 【請求項2】 第1及び第2の両基板の配向膜は、第1
    の微小領域では第1の基板の配向膜の膜厚が第2の微小
    領域の膜厚よりも大きく、かつ第2の基板の配向膜の膜
    厚が第2の微小領域の膜厚よりも小さくされ、第2の微
    小領域では第1の基板の配向膜の膜厚が第1の微小領域
    の膜厚よりも小さく、第2の基板の配向膜の膜厚が第1
    の微小領域の膜厚よりも大きくされてなる請求項1の液
    晶表示パネル。
  3. 【請求項3】 第1及び第2の両基板の配向膜は、第1
    の微小領域では、第1基板の配向膜の表面近傍で大きい
    プレチルト角を持つ領域が第2の基板の配向膜の表面近
    傍で小さいプレチルト角を持つ領域と向かい合い、第1
    の基板の配向膜の表面近傍で小さいプレチルト角を持つ
    領域が第2の基板の配向膜の表面近傍で大きいプレチル
    ト角を持つ領域と向かい合うように構成される請求項2
    の液晶表示パネル。
  4. 【請求項4】 第1及び第2の一方の基板の配向膜は、
    第1の微小領域の膜厚が第2の微小領域の膜厚と相違さ
    れ、他方の基板の配向膜は第1及び第2の微小領域にわ
    たって均一な膜厚とされる請求項1の液晶表示パネル。
  5. 【請求項5】 一方の基板の配向膜における第1の微小
    領域と第2の微小領域の各配向膜の表面近傍のプレチル
    ト角は、他方の基板の配向膜の表面近傍のプレチルト角
    よりもそれぞれ大きく、または小さくされてなる請求項
    4の液晶表示パネル。
  6. 【請求項6】 第1及び第2の対向する基板のそれぞれ
    に配向膜が形成され、かつ前記両基板間に液晶が挿入さ
    れた液晶表示パネルの製造に際し、前記第1及び第2の
    各基板に配向膜を形成する工程と、フォトリソグラフィ
    技術により なくとも一方の前記基板の配向膜上に微小
    な領域毎にレジストパターンを設ける工程と、このレジ
    ストパターンを用いて前記配向膜を選択エッチングし、
    前記微小領域に対応して配向膜の膜厚がそれぞれ異なる
    ように形成する工程と、前記レジストパターンを除去し
    た後に前記一方の基板の配向膜をラビングし、この配向
    膜が前記微小な領域毎に配向膜表面近傍での液晶のプレ
    チルト角の大きさが異なるように配向処理する工程とを
    含むことを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
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