JP2705319B2 - 炭素繊維強化複合材料の作製方法 - Google Patents
炭素繊維強化複合材料の作製方法Info
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- JP2705319B2 JP2705319B2 JP3008206A JP820691A JP2705319B2 JP 2705319 B2 JP2705319 B2 JP 2705319B2 JP 3008206 A JP3008206 A JP 3008206A JP 820691 A JP820691 A JP 820691A JP 2705319 B2 JP2705319 B2 JP 2705319B2
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- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に宇宙構造物,航空
機,自動車,レジャー用品などの構造体に有用な制振性
を有する炭素繊維強化複合材料の作製方法に関する。
機,自動車,レジャー用品などの構造体に有用な制振性
を有する炭素繊維強化複合材料の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維をベースにした繊維強化複合材
料(CFRP)は、比強度や、比弾性率の点で、他の強
化繊維であるガラス,アラミド,ボロン繊維などを用い
た繊維強化複合材料より優れており、航空,宇宙,自動
車,レジャー用品などの構造材料として幅広く用いられ
るようになってきている。
料(CFRP)は、比強度や、比弾性率の点で、他の強
化繊維であるガラス,アラミド,ボロン繊維などを用い
た繊維強化複合材料より優れており、航空,宇宙,自動
車,レジャー用品などの構造材料として幅広く用いられ
るようになってきている。
【0003】CFRPの主な作製方法は、一方向、また
はクロスにした炭素繊維をエポキシ樹脂で固化して形成
される。エポキシ樹脂を用いたCFRPは、フレキシブ
ルな半硬化状態で積層して樹脂を硬化させるもので、複
雑な形状の一体成形が可能であるなどの特徴を有する。
はクロスにした炭素繊維をエポキシ樹脂で固化して形成
される。エポキシ樹脂を用いたCFRPは、フレキシブ
ルな半硬化状態で積層して樹脂を硬化させるもので、複
雑な形状の一体成形が可能であるなどの特徴を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】炭素繊維自体の性能が
高まるにつれてエポキシ樹脂の脆性的特性が問題になっ
て来る。従来、CFRPに用いられていたエポキシ樹脂
は、脆性的であるため、引っ張り,繰り返し,圧縮荷重
が加わった場合、強化繊維よりも先に破壊を生じる。C
FRP全体の破壊は、前記破壊が引き金となり、繊維が
破壊することにより生じていた。
高まるにつれてエポキシ樹脂の脆性的特性が問題になっ
て来る。従来、CFRPに用いられていたエポキシ樹脂
は、脆性的であるため、引っ張り,繰り返し,圧縮荷重
が加わった場合、強化繊維よりも先に破壊を生じる。C
FRP全体の破壊は、前記破壊が引き金となり、繊維が
破壊することにより生じていた。
【0005】また、エポキシ樹脂の脆性的特性は、CF
RPの強度特性のばらつきを大きくするため、構造物を
設計する際に安全率が大きくなる欠点もあった。そこで
樹脂の靱性を変えるものとして、ポリエーテルエーテル
ケトン(PEEK)などの熱可塑性樹脂が期待されてい
る。しかしエポキシ樹脂に比べ成形温度が非常に高くな
り現有の設備では作製できないという欠点を有する。
RPの強度特性のばらつきを大きくするため、構造物を
設計する際に安全率が大きくなる欠点もあった。そこで
樹脂の靱性を変えるものとして、ポリエーテルエーテル
ケトン(PEEK)などの熱可塑性樹脂が期待されてい
る。しかしエポキシ樹脂に比べ成形温度が非常に高くな
り現有の設備では作製できないという欠点を有する。
【0006】本発明は、かかる従来技術によって製造さ
れた炭素繊維強化複合材料の問題を解決し、優れた機械
的強度を付与する技術を提供することを目的とする。
れた炭素繊維強化複合材料の問題を解決し、優れた機械
的強度を付与する技術を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の炭素繊維強化複
合材料の作製方法は、炭素繊維にエポキシ樹脂を含浸し
半硬化処理した複合シート(プリプレグシート)と、ポ
リエチレングリコール,ポリプロピレングリコール,液
状ゴムなどの可とう性付与剤を添加したエポキシ樹脂硬
化物層(変性エポキシ樹脂シート)とを積層し、加熱・
加圧して硬化させるものである。
合材料の作製方法は、炭素繊維にエポキシ樹脂を含浸し
半硬化処理した複合シート(プリプレグシート)と、ポ
リエチレングリコール,ポリプロピレングリコール,液
状ゴムなどの可とう性付与剤を添加したエポキシ樹脂硬
化物層(変性エポキシ樹脂シート)とを積層し、加熱・
加圧して硬化させるものである。
【0008】
【作用】本発明の作製方法では、ポリエチレングリコー
ル,ポリプロピレングリコール,液状ゴムなどの可とう
性付与剤を添加した変性エポキシ樹脂シートと、プリプ
レグシートとを積層し、加熱・加圧して硬化させるた
め、プリプレグシートと変性エポキシ樹脂シートが積層
一体化された、炭素繊維強化複合材料を実現できる。前
記エポキシ樹脂は、可とう性付与剤の添加により、マト
リクス樹脂に用いているエポキシ樹脂よりも大きな破断
伸びを示す。このため、層間破壊靱性を高めることが可
能となり、層間はく離などの損傷の進展が抑制され、引
張強度,疲労強度などの機械特性の改善を実現できる。
ル,ポリプロピレングリコール,液状ゴムなどの可とう
性付与剤を添加した変性エポキシ樹脂シートと、プリプ
レグシートとを積層し、加熱・加圧して硬化させるた
め、プリプレグシートと変性エポキシ樹脂シートが積層
一体化された、炭素繊維強化複合材料を実現できる。前
記エポキシ樹脂は、可とう性付与剤の添加により、マト
リクス樹脂に用いているエポキシ樹脂よりも大きな破断
伸びを示す。このため、層間破壊靱性を高めることが可
能となり、層間はく離などの損傷の進展が抑制され、引
張強度,疲労強度などの機械特性の改善を実現できる。
【0009】また、本発明で用いる可とう性付与剤を添
加されたエポキシ樹脂シートは、プリプレグシートと接
着性がよくて靱性の高いものであればよい。成形は、プ
リプレグシートと上記のエポキシ樹脂シートを積層し、
加熱・加圧成形することが望ましい。
加されたエポキシ樹脂シートは、プリプレグシートと接
着性がよくて靱性の高いものであればよい。成形は、プ
リプレグシートと上記のエポキシ樹脂シートを積層し、
加熱・加圧成形することが望ましい。
【0010】
【実施例】以下に本発明の実施例としてオートクレーブ
で加熱・加圧して硬化を行った場合を説明する。図1は
本発明の一実施例を説明するための工程図である。
で加熱・加圧して硬化を行った場合を説明する。図1は
本発明の一実施例を説明するための工程図である。
【0011】作製する部材の大きさや、形状,積層枚数
などを考慮して、プリプレグシート2を切断する。この
プリプレグシートと変性エポキシ樹脂シート1を要求さ
れる積層順序及び繊維方向に従って積層する。そしてバ
ギング工程でこれらの積層物に離型フィルムや加圧シー
トなどを載せ真空バッグで覆う。次にこの構成物をオー
トクレーブの中にいれ、圧力を加えた状態で加熱硬化さ
せる。本実施例では、加熱加圧硬化をオートクレーブで
行ったが、プレス成形などの手法も同様に使用できる。
などを考慮して、プリプレグシート2を切断する。この
プリプレグシートと変性エポキシ樹脂シート1を要求さ
れる積層順序及び繊維方向に従って積層する。そしてバ
ギング工程でこれらの積層物に離型フィルムや加圧シー
トなどを載せ真空バッグで覆う。次にこの構成物をオー
トクレーブの中にいれ、圧力を加えた状態で加熱硬化さ
せる。本実施例では、加熱加圧硬化をオートクレーブで
行ったが、プレス成形などの手法も同様に使用できる。
【0012】ここで用いた変性エポキシ樹脂シート1
は、#2500エポキシ樹脂(東レ株式会社)に可とう
性付与剤としてポリエチレングリコールを60重量部充
填したものである。以下引張力の加わる方向に炭素繊維
の長さ方向を合わせた場合を0°として説明する。
は、#2500エポキシ樹脂(東レ株式会社)に可とう
性付与剤としてポリエチレングリコールを60重量部充
填したものである。以下引張力の加わる方向に炭素繊維
の長さ方向を合わせた場合を0°として説明する。
【0013】図2に図1に示した実施例の作製方法を用
いて作製した炭素繊維強化複合材料の断面図を示す。こ
の例では、プリプレグシートが硬化した複合材料層3の
0°と45°層3A,3B間に変性エポキシ樹脂シート
1を挟んで積層し一体化した構造を持つものである。同
様に図3に−45°と90°層3C,3D間に、図4に
90°層3D間、図5に全層間にそれぞれ変性エポキシ
樹脂シート1を挟んだ炭素繊維強化複合材料の断面図を
示す。図2〜図5に示した炭素繊維複合材料と変性エポ
キシ樹脂シートを持たない従来の複合材料の引張破断荷
重を表1に示す。試験片は、全て25mm幅の短冊状と
した。
いて作製した炭素繊維強化複合材料の断面図を示す。こ
の例では、プリプレグシートが硬化した複合材料層3の
0°と45°層3A,3B間に変性エポキシ樹脂シート
1を挟んで積層し一体化した構造を持つものである。同
様に図3に−45°と90°層3C,3D間に、図4に
90°層3D間、図5に全層間にそれぞれ変性エポキシ
樹脂シート1を挟んだ炭素繊維強化複合材料の断面図を
示す。図2〜図5に示した炭素繊維複合材料と変性エポ
キシ樹脂シートを持たない従来の複合材料の引張破断荷
重を表1に示す。試験片は、全て25mm幅の短冊状と
した。
【0014】表1に示したように、本実施例で作製した
炭素繊維複合材料は、従来のものに比較して大きな破断
強度が得られている。また強度のばらつきを表す変動係
数も小さくなっており、信頼性が向上していることが分
かる。
炭素繊維複合材料は、従来のものに比較して大きな破断
強度が得られている。また強度のばらつきを表す変動係
数も小さくなっており、信頼性が向上していることが分
かる。
【0015】
【0016】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、機械的強
度に優れた炭素繊維強化複合材料を実現すること可能と
なり、強度のばらつきも小さくできるため、宇宙・航空
関連の構造体の信頼性を向上させることができるという
効果を有する。
度に優れた炭素繊維強化複合材料を実現すること可能と
なり、強度のばらつきも小さくできるため、宇宙・航空
関連の構造体の信頼性を向上させることができるという
効果を有する。
【図1】本発明の一実施例を説明するための工程図であ
る。
る。
【図2】実施例により作製した複合材料の断面図であ
る。
る。
【図3】実施例により作製した複合材料の断面図であ
る。
る。
【図4】実施例により作製した複合材料の断面図であ
る。
る。
【図5】実施例により作製した複合材料の断面図であ
る。
る。
1 変性エポキシ樹脂シート 2 プリプレグシート 3 複合材料層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 63:00
Claims (1)
- 【請求項1】 炭素繊維に半硬化状態の熱硬化性樹脂を
含浸した複合シートと、可とう性付与剤を添加したエポ
キシ樹脂硬化物層とを積層し、加熱・加圧して硬化させ
ることを特徴とする炭素繊維強化複合材料の作製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3008206A JP2705319B2 (ja) | 1991-01-28 | 1991-01-28 | 炭素繊維強化複合材料の作製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3008206A JP2705319B2 (ja) | 1991-01-28 | 1991-01-28 | 炭素繊維強化複合材料の作製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04251715A JPH04251715A (ja) | 1992-09-08 |
JP2705319B2 true JP2705319B2 (ja) | 1998-01-28 |
Family
ID=11686775
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3008206A Expired - Fee Related JP2705319B2 (ja) | 1991-01-28 | 1991-01-28 | 炭素繊維強化複合材料の作製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2705319B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA2332341C (en) | 1998-05-20 | 2005-11-29 | Cytec Technology Corp. | Manufacture of void-free laminates and use thereof |
CN103437158B (zh) * | 2013-09-11 | 2016-06-01 | 常州第六元素材料科技股份有限公司 | 一种碳纤维复合材料及其制备方法 |
CN103965582B (zh) * | 2014-04-24 | 2016-04-27 | 山东省阳信丰源科技有限公司 | 用于拉挤成型工艺的碳纳米双固化树脂基体及复合材料 |
JP6222370B2 (ja) * | 2015-07-08 | 2017-11-01 | 三菱ケミカル株式会社 | 繊維強化複合材料の製造方法 |
-
1991
- 1991-01-28 JP JP3008206A patent/JP2705319B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04251715A (ja) | 1992-09-08 |
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Legal Events
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