JP2704640B2 - 昇華型熱転写記録媒体 - Google Patents

昇華型熱転写記録媒体

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JP2704640B2
JP2704640B2 JP63240215A JP24021588A JP2704640B2 JP 2704640 B2 JP2704640 B2 JP 2704640B2 JP 63240215 A JP63240215 A JP 63240215A JP 24021588 A JP24021588 A JP 24021588A JP 2704640 B2 JP2704640 B2 JP 2704640B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は熱昇華性染料を含有する転写層を有する熱転
写記録媒体に関する。
[従来の技術] 従来、昇華型熱転写記録シートは第2図に示したよう
に支持体1に染料,バインダーからなるインク層2を設
け、さらに耐熱滑性層3を設けることにより構成されて
いる。
ここで支持体1としては主にポリイミド、ポリアミ
ド、ポリエチレンテレフタレート等のフィルムが使われ
ている。
またインク層2はポリビニルブチラール、セルロース
アセテートブチレート、ポリカーボネート、ポリスルホ
ンなどの樹脂に染料を分散または溶解して支持体に塗布
して形成される。耐熱滑性層3は、主にシリコーン系樹
脂や界面活性剤、液体あるいは固体滑剤を含む樹脂より
構成される。
[発明が解決しようとする課題] しかし、このような構成では、長期保存中に、インク
層中の染料が支持体中へ拡散してしまい、インク層中の
染料濃度が低下してしまう。
また、このような熱転写記録シートを用いて、染料に
染着される受容層を持つ受像体に染料転写橡を形成させ
ると、目的とする画像濃度を得ることができないという
問題がある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、保存中に
インク層中の染料が支持体へ拡散するのを防ぎ、転写画
像濃度の低下を防ぐことを解決すべき課題とするもので
ある。
[課題を解決するための手段] 本発明はインク層中の染料が支持体へ拡散するのを防
ぐためにインク層と支持体の間に染料拡散防止層を設け
たことを特徴とし、この染料拡散防止層がスチレン−マ
レイン酸共重合体をエステル化した樹脂よりなることを
特徴とするものである。
本発明の昇華型熱転写記録媒体の一例を第1図に示
す。第1図において1は支持体、2はインク層、3は耐
熱滑性層、4は染料拡散防止層である。
染料拡散防止層として望まれる特性は熱転写記録媒体
を長期保存中あるいは熱などによりインク層中の染料を
支持体へ拡散してはならないことはもちろんであるが、
インク層あるいは支持体との接着性がよいこと、また熱
によりインク層あるいは支持体と溶融しないことなどが
必要である。染料拡散防止層として本発明で用いられる
スチレン−マレイン酸エステル樹脂は熱によっても染料
により全く染着されることはなく、またインク層や支持
体に用いられる樹脂との接着性にもすぐれている。
このスチレン−マレイン酸共重合体のエステルとして
はメチルエステル、エチルエステル、n−プロプルエス
テル、iso−プロピルエステル、n−ブチルエステル、i
so−ブチルエステル、sec−ブチルエステル、tert−ブ
チルエステル、n−アミルエステル、n−ヘキシルエス
テル、シクロヘキシルエステル、ベンジルエステル、フ
ェニルエステルなどがあげられる。
このようなスチレン−マレイン酸エステル樹脂はスチ
レン−無水マレイン酸共重合体と約10〜20倍量のアルコ
ールを混合加熱するだけで容易に得ることができ、その
まま支持体に塗布して染料拡散防止層を形成することが
できる。また反応物を大量のn−ヘキサン中に加えて粉
末化した後、他の溶剤、例えばテトラヒドロフランやメ
チルエチルケトンなどに溶かして塗布し層を形成するこ
ともできる。
又、支持体としてはコンデンサーペーパー、ポリエス
テルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリサルホンフ
ィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム等の
フィルムが使用される。また、支持体の裏面には第1図
に示したように必要に応じて従来慣用の耐熱滑性層を設
けても良い。
支持体とインク層との間にスチレン−マレイン酸共重
合体をエステル化した樹脂よりなる染料拡散防止層を設
ける本発明の技術は、すでに出願出願人が出願している
特願昭63−67866号に記載された積層構造の昇華型感熱
転写記録媒体に対して適用できることは言をまたない。
すなわち、支持体上に、該支持体側から順にそれぞれ
昇華性染料を有機結着剤中に分散させてなる染料供給層
及び転写寄与層を積層させてなり、前記染料供給層及び
前記転写寄与層は、その各処方にて同一付着量を支持体
上にそれぞれ単独層として形成し、その各々を別々の受
像層と重ね合せ、両者に同一の熱エネルギーを印加した
とき、それぞれの受像層への染料転写量が、 染料供給量>転写寄与層 の関係にある昇華型熱転写媒体の支持体と染料供給層と
の間にスチレン−マレイン酸共重合体をエステル化した
樹脂よりなる染料拡散防止層を設けるものである。
[実施例] 次に実施例を挙げて本発明を説明する。
実施例1 スチレン−無水マレイン酸共重合体5gをエタノール10
0mlに加え、70℃で1時間撹拌し無色透明なスチレン−
マレイン酸エチルエステル共重合体溶液を得た。この溶
液を8.5μmポリイミドフィルム(東レ デュポン製)
にワイヤバーを用いて膜厚0.8μmになるように塗布、
乾燥して染料拡散防止層を設けた。この上に下記処方の
組成物を24時間ボールミルにて分散後、ワイヤバーを用
いて膜厚0.6μmになるように塗布、乾燥して染料拡散
防止層を持つ昇華型熱転写記録媒体を得た。
(インク層組成) ポリビニルブチラール BX−1 10重量部 積水化学工業(株)製 染料 KAYASET Blue 714 10重量部 トルエン 100重量部 メチルエチルケトン 100重量部 この熱転写記録媒体はインクシートを60℃恒温槽で72
時間保存して促進テストを行い、受像紙(日立ビデオプ
リンターVY−50用サプライVY−S100)に下記の条件で印
字し、保存前のインクシートを用いたものと画像濃度を
比較した。結果を表−1に示す。(印字条件) サーマルヘッド 6ドット/mm 印加電力 442mW/ドット 印加時間 0〜8mmsec 印加エネルギー 0〜3.54mJ/ドット 比較例1 染料拡散防止層を設けなかった以外は実施例1と全く
同じようにして昇華型熱転写記録媒体を得、同様のテス
トを行った。
実施例2〜5,比較例2〜5 支持体樹脂、染料拡散防止層樹脂を表−1のようにか
えて実施例1と同様にして転写インクシートを作成し、
同じテストを行った。結果を表−1に示す。
[発明の効果] 以上の説明で明らかなように、本発明の昇華型熱転写
記録媒体にあっては支持体とインク層との間にスチレン
−マレイン酸共重合体をエステル化した樹脂よりなる染
料拡散防止層を設けてたために、保存中にインク層中の
染料が支持体へ拡散するのが防止され、保存後において
も画像濃度が低下することがない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の昇華型熱転写記録媒体の一例を示す概
略断面図、第2図は従来の昇華型熱転写記録媒体を示す
概略断面図である。 1……支持体、2……インク層 3……耐熱滑性層、4……染料拡散防止層
フロントページの続き (72)発明者 上村 浩之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 昭60−232996(JP,A) 特開 平2−24192(JP,A) 特開 昭62−128792(JP,A) 特開 昭63−281888(JP,A) 特開 昭51−66012(JP,A) 特開 昭61−169287(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に染料拡散防止層、インク層を順
    次設けてなり、該染料拡散防止層がスチレン−マレイン
    酸共重合体をエステル化した樹脂よりなることを特徴と
    する昇華型熱転写記録シート。
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