JP2701489B2 - ターボ分子ポンプ - Google Patents

ターボ分子ポンプ

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JP2701489B2
JP2701489B2 JP1310012A JP31001289A JP2701489B2 JP 2701489 B2 JP2701489 B2 JP 2701489B2 JP 1310012 A JP1310012 A JP 1310012A JP 31001289 A JP31001289 A JP 31001289A JP 2701489 B2 JP2701489 B2 JP 2701489B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、半導体製造装置を始めとする各種の製造分
野等に広く適用可能なターボ分子ポンプに関するもので
ある。
[従来の技術] ターボ分子ポンプ(以下、TMPと略称する)は、第5
図に概略図示されるように、外筒1内に回転可能にロー
タ2を配設し、該ロータ2外周に多数の回転翼3を一体
突設するとともに、これらの回転翼3間に、前記外筒1
内周にスペーサ4を介して挾着支持させた多数の固定翼
5を交互に差し込んでタービン6を形成し、吸気口7よ
り吸入したガスをタービン6で叩き飛ばし排気口8から
強制排気するものである。この種TMPは、排気能力にお
いて他の真空ポンプに抜きんでているため、半導体製造
装置その他の超高真空分野に広く利用されている。翼の
製造方法については、回転翼3は切削加工又は放電加工
でアルミ合金製のロータ2外周に一体的に作られ、固定
翼5はステンレス製(又はアルミ製)の半円環状ディス
ク所要位置にスリットを入れた後折曲げ加工を施して作
られる。加工後は、何れも超音波洗浄を施した程度でTM
P本体に組み付けられ、実用に供される。
[発明が解決しようとする課題] ところで、この種TMPの到達圧力は、ベーキング処理
後において10-10Torr台であり、磁気軸受形のTMPでさえ
10-11Torr台を達成することは至難とされている。
そこで、到達圧力を下げるため、本発明者が種々検討
した結果、次のようなことが次第に明らかとなった。す
なわち、翼加工の際に機械加工等を施すため、翼となる
母材表面の結晶が変型、破壊されるとともに、潤滑材、
研磨剤などが母材に食い込み、その結果、それらを吸蔵
物とする複雑な変質層が形成される。その吸蔵物は水素
ガス等であったり、反応性に富むガス放出物質であった
りする。しかも、その変質層は多孔性の酸化物質で覆わ
れ、ガス分子を吸着させ易い表面状態をとる。したがっ
て、TMPはこのような加工によりつくられた翼を使用す
るため、排気中に、吸蔵物の脱離、分解蒸発によるガス
放出や、新たに吸着したガス分子の脱離によるガス放出
を生じ、これが排気能力を低下させる主要因になってい
ると考えられる。
本発明は、このような考察によりなされたものであっ
て、ガス放出の問題に善処することにより、従来に比べ
て排気性能の向上されたTMPを提供することを目的とし
ている。
[課題を解決するための手段] 本発明は、かかる目的を達成するために、次のような
手段を講じたものである。
すなわち、本発明に係るTMPは、固定翼と回転翼の表
面を、ガス放出の原因となる吸蔵物が少なく新たなガス
分子の吸着も防止できる程度の鏡面に設けていることを
特徴とする。また、鏡面仕上げには、電解研磨と化学研
磨との複合研磨を施す手法を採用する。
[作用] 本発明のごとく、TMPの両翼表面にガス放出性物質を
吸蔵せず、それがガスの吸着も許容しない鏡面である
と、排気中にガス放出を生じることが極めて少なくな
る。このため、これが原因でTMPの排気性能を低下させ
ていた従来の不具合を有効に解消することができる。
また、その鏡面仕上げを複合研磨を通じて行うと、吸
蔵物を含んだ変質層を電解研磨により溶解・除去して光
沢面にできる上に、電解研磨により生じる電解生成物を
化学研磨を併用することによって消失させることができ
るので、結果的に、両翼表面は緻密でクリーンな鏡面に
仕上げられることになる。
[実施例] 以下、本発明の一実施例を第1図〜第4図を参照して
説明する。なお、第5図と共通する部分には同一符号を
付している。
この実施例では、一般的な機械加工によってつくられ
た第1図図示のロータ2全体(但しシャフトとの嵌合部
2aを除く)と、第2図図示の固定翼5の全体とに、加工
後、複合研磨を施す。
複合研磨は、在来の電解研磨装置をベースとし、これ
に化学研磨の要素を取り入れるという形で実現する。す
なわち、一般的な電解研磨は、電解槽中に電解液を入
れ、その中に工作物を浸漬させて陽極とし、陰極に不溶
性の金属を用いて通電することで工作物の表面を溶解さ
せ陰極に金属を析出させるものである(図示省略)。こ
のため、ロータ2及び固定翼5に対して機械加工を施し
た部分に生じている目に見えない変質層を除去すること
ができ、同時に、凸部を凹部よりも優先的に溶解させて
平滑面を得ることができる。しかし、このままでは電解
生成物が表面を覆い、良質の鏡面が得られない。そこで
処理温度、処理液を化学研磨に近い領域に設定し、電流
の流し方に工夫を凝らすことで、上記の過程において電
解生成物が工作物の表面を覆わないようにする。これに
より、回転翼3や固定翼5の表面は金属結晶構造が破壊
されず、その上に緻密で安定した鏡面をなす酸化薄膜が
形成されることになる。このようにして得られる表面の
SEM観察状態は第3図の如く平滑なものとなり、これを
従来の切削加工又は放電加工による図(第4図)と比較
すると、その表面粗度に驚くほど顕著な相違があるのが
認められる。表面の凹凸に沿って幾何学的表面積を計算
した結果、本実施例によると従来の約1/20程度にまで平
滑化できることが確認された。
しかして、このような鏡面を有したロータ3及び固定
翼5をTMP本体に組み付け、吸気口7にチャンバ等の使
用目的を接続して稼動すると、排気中に回転翼3や固定
翼5の表面から実際の排気とは無関係な水素ガス等が放
出されることが殆どなくなり、また、排気しようとする
ガスや前回使用時の残留ガス等がそれらの表面に対する
吸着/脱離を繰り返す中で排気を妨げていた不具合も有
効に解決することができる。このため、図示TMPによる
と排気の立ち上げ時間を短縮し、これによって運転コス
トも低減できるとともに、最も重要なファクターである
到達圧力を10-11Torr台以下にまで伸ばすためにも極め
て有効なものとなり得る。
なお、翼以外の部品(例えばスペーサ4、外筒1など
の真空領域に臨む部品、或いは使用対象であるチャンバ
等)にも本発明に係る処理を施すことで更にガス放出の
少ないTMPを実現することができる。
[発明の効果] 本発明のTMPは、以上の如く固定翼と回転翼の表面を
緻密でクリーンな鏡面とすることにより、排気に有害な
ガス放出量を低減して排気を実効ならしめることができ
る。そして、これによりターボ分子ポンプの排気速度や
到達真空度などの諸特性を従来に比べて確実に向上させ
ることが可能になる。また、複合研磨法によるとそのよ
うな鏡面が比較的容易に実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は本発明の一実施例を示し、第1図はロ
ータを一部断面にして示す斜視図、第2図は固定翼の斜
視図、第3図は翼表面の断面図である。第4図は第3図
に対応して従来の翼表面を示す断面図、第5図は一般的
なTMPの縦断面図である。 3……回転翼、5……固定翼

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定翼と回転翼を具備してなるターボ分子
    ポンプであって、前記両翼の表面を、電解研磨と化学研
    磨との複合研磨を施すことによりガス放出の原因となる
    吸蔵物が少なく新たなガス分子の吸着も防止できる程度
    の鏡面に設けていることを特徴とするターボ分子ポン
    プ。
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