JP2697863B2 - 防振ゴム組成物 - Google Patents

防振ゴム組成物

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JP2697863B2 JP63173729A JP17372988A JP2697863B2 JP 2697863 B2 JP2697863 B2 JP 2697863B2 JP 63173729 A JP63173729 A JP 63173729A JP 17372988 A JP17372988 A JP 17372988A JP 2697863 B2 JP2697863 B2 JP 2697863B2
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章 斉藤
満弘 田中
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は良好な防振ゴム性能と改良された耐久性を有
する防振ゴム組成物に関する。詳しくは、本発明は、改
良されたスチレン−ブタジエンランダム共重合体と天然
ゴムとを原料ゴムとして用い、カーボンブラツクを配合
した加硫ゴム組成物とすることにより、防振ゴムとして
必要な防振性能、防音性能が良好であり、長期の使用に
おける耐久性が改良された防振ゴム組成物に関する。
〔従来の技術〕
自動車のエンジン、動力伝達部、足回りの回転および
駆動各部分から発生する各種振動及び音を吸収又は低減
して各部を所定の位置に保持し、それらの機能を十分に
発現させるとともに、不快な振動及び騒音を除去して自
動車の乗り心地を良くするために、自動車の各部には色
々な形状および性能の防振ゴムが使用されている。これ
らの防振ゴムには、従来より天然ゴムまたは天然ゴムと
他のジエン系ゴムを原料ゴムとした加硫ゴム組成物がお
もに用いられている。
近年、自動車の高出力化、高速化、空気抵抗低減のた
めのエンジンルーム内への空気流入の制限などの動向に
よつてエンジンルーム内の温度が上昇して、エンジンマ
ウント等の防振ゴムは、従来以上に高い温度下で使用さ
れ、また省スペースおよびエンジン回りの各種部品の増
加によつて、防振ゴムは従来よりも小さな形状で、従来
と同等以上の荷重を負担せねばならぬ状況となりつつあ
りエンジンマウント等の防振ゴムには厳しい条件下にお
ける耐熱耐久性が要求されるに至つている。
このような、厳しい条件下においては、従来使用され
ていた天然ゴム単独ないしは天然ゴムと既存のジエン系
ゴムとを原料ゴムとした加硫ゴム組成物では、必ずしも
十分な耐熱耐久性を有していなかつた。
さらに、特開昭61−225230号公報に示される、末端に
アミノ基を含む溶液重合ポリマーを使用した防振ゴム組
成物や、特開昭61−225226号公報に示されるビニル結合
の高い溶液重合ポリマーとビニル結合が低い溶液重合ポ
リマーとを天然ゴムらなる原料ゴムを使用した防振ゴム
組成物でも、前記の耐熱耐久性は必ずしも十分ではなか
つた。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、前述した従来の方法では解決できなかつた
強度、耐熱耐久性、防音防振性能等が良好な防振ゴム組
成物をもたらそうとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記課題を解決すべくゴム組成物に使用
するポリマーについて鋭意検討を行つた結果、特定の構
造のポリマーを使用することによつて目的が達成できる
ことを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は 下記(I)、(II)および(III)成分を有する防振
ゴム組成物を提供するものである。
(I) 成分; 下記(A)成分及び(B)成分からなりそれらの合計
量が100重量部である原料ゴム成分。
(A) 成分; (a) ムーニー粘度(ML1+4、100℃)が80以上 (b) スチレン含有量が25〜35重量% (c) ブタジエン部分のミクロ構造のビニル結合量が
10〜50% (d) スチレン単位が1個のスチレン単連鎖がスチレ
ン含有量の50重量%以上、スチレン単位が8個以上連な
るスチレン長連鎖がスチレン含有量の0重量% である、リチウム系触媒によつて重合されたスチレン−
ブタジエンランダム共重合体20〜80重量%。
(B成分); 天然ゴムまたはシス結合量90%以上のポリイソプレン
ゴム20〜80重量%。
(II) 成分; 補強性カーボンブラツクを(I)成分100重量部に対
し25〜100重量部。
(III) 成分; 加硫剤を(I)成分100重量部に対し0.5〜3.0重量
部。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明のゴム組成物の原料ゴム成分は、(A)成分、
特定の構造の高分子量スチレン−ブタジエンランダム共
重合体ゴム、および(B)成分、天然ゴム系ポリマーか
らなる。
(A)成分の特定の構造のスチレン−ブタジエンラン
ダム共重合体ゴムは、炭化水素溶剤中においてリチウム
系触媒によりスチレンとブタジエンをランダムに共重合
させてえられる溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体
ゴムである。
このゴム状重合体のムーニー粘度(ML1+4、100℃)
は、80以上であり、100〜160の範囲が好ましい。ゴム状
重合体のムーニー粘度は、ゴムの分子量を表す尺度とな
るものであり、本発明で原料ゴムの(A)成分として使
用する特定のゴムは、これまで防振ゴム用途で一般的に
使用されていたゴム状重合体よりはムーニー粘度が高
く、従つて分子量の高い重合体であることが特徴であ
る。
(A)成分のゴム状重合体のムーニー粘度が80未満で
は機械的強度および耐発熱性が劣りまた耐熱耐久性も劣
る。ムーニー粘度が高くなると一般的な傾向としては加
工性が悪くなる方向であるが、成形、加工ができる範囲
においては、高い分子量の重合体が好ましい。しかし、
分子量が高くムーニー粘度が高くなりすぎると、ポリマ
ーと配合剤との混練、成形が十分にできずに配合剤の分
散等が悪くなり、重合体が本来有している性能を、加工
性が悪いがために発揮出来ない場合もあるので、ゴム状
重合体のムーニー粘度は160程度以下であることが好ま
しい。
このゴム状重合体の分子量は、重量平均分子量で25〜
60万の範囲が好ましく、また分子量分布は、Mw/Mnが1.0
5〜3.0の範囲が好ましい。
このゴム状重合体としては、前記の加工性を改良する
目的で防振ゴム組成物の成分として使用されるゴム用伸
展油を、あらかじめゴム状重合体に5〜40部添加した油
展のゴム状重合体として使用することも可能である。
(A)成分のゴム状重合体のスチレン含有量は25〜35
重量%の範囲である。スチレン含有量が25重量%未満で
は機械的強度が劣り、35重量%を超えると低温性能が低
下する。スチレン含有量は25〜30%の範囲が更に好まし
い。
また、(A)成分のゴム状重合体のブタジエン部分の
ミクロ構造のビニル結合量は、10〜50%の範囲である。
ビニル結合量が10%未満では(B)成分として用いる天
然ゴム等との相溶性が悪く、一方ビニル結合量が50%を
超えると、機械的強度、耐摩耗性が低下する。ビニル結
合量は、15〜45%の範囲が好ましく、20〜40%の範囲が
特に好ましい。また、ブタジエン部分の他のミクロ構造
であるトランス−1,4結合量は30〜55%、シス−1,4結合
量は20〜35%の範囲が好ましい。
スチレン−ブタジエン共重合体ゴムのブタジエン部分
のミクロ構造は、ポリマーを合成において、ビニル結合
量を増加させるエーテル類、アミン類等の極性溶剤を重
合系に添加することで調整できる。
(A)成分のゴム状重合体はそのスチレン単位が1個
のスチレン単連鎖がスチレン含有量の50重量%以上、ス
チレン単位が8個以上連なったスチレン長連鎖がスチレ
ン含有量の0重量%である。かかるスチレン−ブタジエ
ン共重合体のスチレン連鎖は、ポリマーのブタジエン部
分の二重結合をオゾンによつて切断し、生成したスチレ
ン単位を有する成分をGPCによつて1個〜多数個のスチ
レン連鎖に分別することで測定する。
スチレン単位が1個のスチレン単連鎖がスチレン含有
量の50重量%未満では耐発熱性、防音特性が好ましくな
く、スチレン単位が8個以上連なつたスチレン長連鎖が
スチレン含有量の0重量%でないと、機械的強度、耐発
熱性、耐熱耐久性が劣る。
スチレン単位の量は、スチレンとブタジエンの供給速
度の調整、反応率の調整、重合温度の調整、極性溶剤の
量の調整およびこれらの組み合わせによつて目標のスチ
レン単位のを有する重合体とすることが可能となる。
また、本発明のスチレン−ブタジエン共重合体のスチ
レン単位は、前記の連鎖に関しての限定の範囲であれ
ば、分子鎖において均一に存在してもよいし、また分子
鎖に沿つてスチレンの量が徐々に増加又は減少するもの
や、スチレン量の多い部分とスチレン量の少ない部分が
ブロツクとして存在するような重合体であつてもよい。
さらに、本発明の(A)成分として使用するスチレン
−ブタジエン共重合体ゴムは、前記の(a)〜(d)の
限定の外に、分岐構造を有した重合体であることが十分
な性能を有し同時に優れた加工性を有したゴム組成物を
もたらすために好ましい。分岐構造を有したスチレン−
ブタジエン共重合体ゴムは、例えば一般的な溶液重合法
で合成したリチウム活性末端を有するスチレン−ブタジ
エン共重合体と、多官能性カツプリング剤とを反応し、
重合体の一部を分岐重合体とする方法で得られる。多官
能性カツプリング剤としては、ポリハロゲン化合物、ポ
リエポキシ化合物、ポリエステル化合物などが好ましい
ものである。本発明で(A)成分として使用する重合体
としては、四塩化ケイ素、四塩化スズ等の四ハロゲン化
物、アジピン酸のような四官能エステル化合物、テトラ
グリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等
の四官能エポキシ化合物を代表的なものとする四官能性
化合物でカツプリングされた分岐状重合体を含むゴム状
重合体が好ましいものとしてあげられる。
(A)成分の量は、原料ゴム成分の20〜80重量%であ
る。(A)成分の量が20重量%未満では、耐熱耐久性が
十分ではなく、一方(A)成分の量が80重量%を超える
と、加工法、成形性に問題が生じ好ましくない。
(A)成分の量は、原料ゴム成分の30〜70重量%が好
ましい。
本発明の(A)成分の一例として本願出願人に係る特
開昭61−255908号公報、国際公開WO87/05610号公報など
に記載された共重合ゴムが用いられる。
つぎに、原料ゴム成分の(B)成分は、天然ゴムまた
はシステム結合量が90%以上のポリイソプレンゴムであ
る。この原料ゴム成分は本発明の防振ゴム組成物の強
度、常温での耐久性、耐発熱性を優れたものとするため
に必要な成分である。天然ゴムとしては、世界各国で生
産されるクラムゴム、シートゴムが使用される。シス含
有量が90%以上のポリイソプレンゴムはZeigler−Natta
系触媒や、Li系触媒によつて重合された合成ゴムであ
る。これら(B)成分のゴムの量は、原料ゴムの20〜80
重量%である。(B)成分が20重量%未満では、機械的
強度、耐発熱性が十分でなく、80重量%を超えると耐熱
耐久性が劣る。(B)成分の量は原料ゴムの30〜70重量
%が更に好ましい。
つぎに、本発明の(II)成分として、補強性カーボン
ブラツクを(I)成分の原料ゴム100重量部に対して25
〜100重量部配合する。
カーボンブラツクとしては、ISAF、HAF、FEF、SRF等
のものが防振ゴムの使用用途に応じて選択されて使用さ
れ、2種以上を併用することも可能である。
カーボンブラツクは、防振ゴム組成物に強度、耐摩耗
性等を付与するとともに、防振ゴム組成物の硬度および
弾性率を、後述するゴム用伸展油とともに調整する。
カーボンブラツクの量が、原料ゴム100重量部あたり2
5部未満では、機械的強度、耐摩耗性が十分ではなく、
また100重量部を超えると、発熱性、防音性能が悪化す
る。
カーボンブラツクの量は原料ゴム100重量部あたり30
〜80重量部の範囲が更に好ましい。
さらに、カーボンブラツク以外の充填材としてシリ
カ、炭酸カルシウム、タルク、クレイ等の無機充填材、
繊維状の金属や樹脂等も使用可能である。
つぎに、本発明の防振ゴム組成物の(III)成分とし
て、加硫剤を(I)成分の原料ゴム100重量部に対し、
0.5〜3.0重量部配合する。
加硫剤としては、硫黄が代表的なものであつて好んで
使用され、そのほかに、テトラメチルチウラム・ジスル
フイドやモルホリン・ジスルフイド等の硫黄含有化合
物、オキシム類、パーオキサイド類が使用される。
さらに本発明のゴム組成物においては、必要に応じ
て、ゴム用伸展油、ゴム用薬品およびゴム用添加剤を配
合する。ゴム用伸展油は、配合物の加工性を改善し、さ
らに配合物の硬度および弾性率を調整するために使用さ
れ、アロマチツク系、ナフテン系、パラフイン系のゴム
用伸展油が代表的な好ましいものである。アロマチツク
系の伸展油は、強度、防振性能が良好となり、ナフテン
系やパラフイン系は低温性能、防音性能の改良に効果が
ある。これら伸展油の使用量は原料ゴム100重量部あた
り、0〜50重量部程度である。
本発明の組成物を防音性能が良好な防振ゴム組成物と
するためには、ゴム組成物の加工性、硬度、弾性率、機
械的強度が目標とする範囲内にある限り、カーボンブラ
ツクの量及び伸展性の量は少量であることが好ましい。
従つて、防音性能を良好にするためには伸展性の量は原
料ゴム100重量部に対して、0〜20重量部程度の範囲が
好ましい。
また、ゴム用薬品およびゴム用添加剤としては、亜鉛
華やステアリン酸等の加硫促進助剤、スルフエンアミド
系、チウラム系、チアゾール系、グアニジン系等の加硫
促進剤、アミン系、フエノール系、イオウ系、リン系の
老化防止剤または酸化防止剤、紫外線吸収剤、オゾン劣
化防止剤、粘着付与剤、可塑剤等が各々の防振ゴム組成
物の使用目的に応じて使用される。
本発明の防振ゴム組成物の硬度は、その使用用途に従
つてJIS−Aの硬度で45〜80の範囲の加硫ゴム組成物が
使用され、この硬度は配合するカーボンブラツクの種類
および量、伸展油の種類および量、加硫剤および加硫促
進剤の種類および量によつて調節する。
本発明の防振ゴム組成物は、前記の各成分を、ゴム用
混練ロール、インターナルミキサー、押出機などのゴム
用混合装置によつて配合混練したのち、常法によつて金
具等と組み立て、130〜200℃の温度において、加圧下に
おいて加硫され、使用に供される。
〔実施例〕
以下、実施例によつて本発明の組成物の特徴をさらに
詳しく説明する。
〔実施例で用いる本発明の原料ゴム〕
以下に示す製造方法で本発明で(A)成分の原料ゴム
として使用するスチレン−ブタジエンランダム共重合体
を合成した。
内容積10リツトルのステンレス鋼製で撹拌機、ジヤケ
ツト付き反応器を2基直列に接続し、単量体として1,3
−ブタジエンとスチレン(75/25重量比)、溶媒として
n−ヘキサン、触媒としてn−ブチルリチウムを単量体
100g当たり0.050gの割合(phm)、ビニル化剤としてエ
チレングリコールジブチルエーテルを0.60phm、アレン
化合物として1,2−ブタジエンを触媒1モルあたり0.02
モルを用いて連続重合を行わせた。1基目の反応器にお
いて内温を100℃になるようにコントロールし、上記の
単量体、溶媒などは平均滞留時間が45分間となるように
定量ポンプで供給した。1基目の出口の重合率をガスク
ロマトグラフイーで測定し、ブタジエン重合率97%、ス
チレン重合率94%を得た。ムーニー粘度(ML1+4、100
℃)を測定した結果は70であつた。
さらに、1基目から出た重合体溶液を2基目反応器の
に連続的に導入し、2基目においてカツプリング剤とし
て四塩化ケイ素を0.029phm連続的に添加し、内温を100
℃にコントロールした。以上の方法で重合反応およびカ
ツプリング反応を行わせ本発明でもちいるスチレン−ブ
タジエンランダム共重合体の試料A−1を得た。2基目
の出口の重合率をガスクロマトグラフイーで測定し、ブ
タジエンの重合率99.3%、スチレンの重合率98.0%を得
た。得られたカツプリング後の重合体のムーニー粘度は
128であつた。
また、赤外分光光度計を用いて赤外線吸収スペクトル
を測定し、ハンプトンの方法でスチレン含有量およびブ
タジエン部分のミクロ構造(シス、トランス、ビニル)
を計算し、スチレン含有量は25%、シス結合量は28%、
トランス結合量は39%、ビニル結合量は33%であつた。
スチレン連鎖分布の分析は、田中らによつて開発され
た方法で、具体的にはブタジエン単位の二重結合をすべ
てオゾン開裂して得られた分解物をゲルパーミユエーシ
ヨンクロマトグラフ(GPC)によつて分別定量する方法
である。(POLYMER、1981、Vol22、1721)。この方法に
したがつて、A−1のスチレン連鎖を分析した結果、ス
チレンが1個のスチレン単連鎖の量は、スチレン含有量
の72重量%、スチレンが8個以上連なつたスチレン長連
鎖の量は0であつた。
また、試料A−1のGPCを測定し、標準ポリスチレン
および標準ポリブタジエンを使用した検量線を用いて計
算した重量平均分子量(Mw)は32.4万、数平均分子量
(Mn)は13.8万、分子量分布(Mw/Mn)は2.34でGPC曲線
の形状はなだらかな1山形状であつた。
得られた、重合体溶液には、酸化防止剤として2,6−
ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加し、ナフテン
系伸展油を20phr添加し、スチームストリツピングによ
り脱溶媒し、熱ロールで乾燥した。油展した重合体の、
ムーニー粘度は72であつた。
さらに試料A−1を得たのと同様な方法で、重合条件
(スチレンとブタジエンの比、触媒の量、ビニル化剤の
種類および量、カツプリング剤の種類および量、重合温
度等)を変更して、表1に示す試料A−1〜A−11を得
た。
さらに、比較のために表2に示す、市販のスチレン−
ブタジエンランダム共重合体ゴムを用意した。
また、本発明の原料ゴムの(B)成分として使用する
天然ゴムとして、RSS1号(試料B−1)を使用した。
〔ゴム組成物の調整および測定〕 本発明においてゴム配合物は、表3に示す評価配合に
より、内容量1.71の試験用バンバリーミキサーおよび試
験用10インチミキシングロールを使用し、ASTM−D−34
03−75に示される標準混合手順の方法Bの混合手順に準
じて混練し、所定の形状に成形した後、145℃で35分間
化してゴム組成物の試料とし、各種物性を測定した。測
定は、以下に示す方法に従つて行つた。
(1) ロール加工性:10インチロールミルでの配合物
のロールへの巻き付き状態、分出しシートのエツジおよ
び表面肌で総合的に判定。数字が大きいほど良好。
(2) 硬さおよび引張試験:JIS−K−6301に従つて測
定。
(3) 動倍率および損失係数、JIS−K−6385およびJ
IS−K−6394に準じて測定。防振ゴム振動試験機を使用
し、15Hz振幅1%で損失係数(tanδ)、100Hz、振幅0.
1%で動的弾性率(Kd)を測定。動的弾性率と静的弾性
率(Ks)の比を動倍率とした。
動倍率は防音性能の尺度で値が小さいほうが、防音性
能が良好。損失係数(tanδ)は、防振性能の尺度で値
が大きいほうが防振性能は良好。
(4) 圧縮永久歪み:JIS−K−6301に従つて100℃、2
2時間後の歪みを測定。
圧縮永久歪みは静的な耐熱耐久性の尺度とし、歪み量
が少ないほうが良好。
(5) 耐熱耐久試験:グツドリツチ発熱試験機を使用
し、100℃、ストローク5.71mmで10万回繰り返し圧縮後
の歪み(元のサンプルの高さの減少量(%))を測定。
歪み量が少ないほうが良好。
(6) 低温硬度:硬度(JIS−A)を−20℃の恒温槽
中で測定。
表 3 評価用配合−1 原料ゴム(合計) 100 部 伸展油*1 15 部 N550カーボンブラツク*2 40 部 亜 鉛 華 5 部 ステアリン酸 2 部 老化防止剤810NA*3 1.5部 イ オ ウ 1.5部 加硫促進剤NS*4 1.0部 加硫促進剤TT*5 0.2部 *1 共同石油製ナフテン油 R−1000 *2 東海カーボン製 商品名シーストSO *3 N−イソプロピル−N′−フエニル−p−フエニ
レンジアミン *4 N−tet−ブチル−2−ベンゾチアジル・スルフ
エンアミド *5 テトラメチルチウラムジスルフイド 実施例1−1、比較例1−1〜1−13 表4に示す原料ゴムの組成で、表3の評価用配合−1
の配合組成の防振ゴム組成物を調整し、160℃で20分加
硫して試験片を用意し所定の試験を行つた。その結果を
表4に示した。表4の結果より、原料ゴムの(A)成分
として、本発明で限定したスチレン−ブタジエンランダ
ム共重合体をゴムを使用した実施例1−1の防振ゴム組
成物は、良好な加工性、引張強度、防振ゴム性能を有す
るのに対し、原料ゴムの(A)成分として本発明の限定
の範囲外のゴム状重合体を使用した比較例1−1〜1−
13の防振ゴム組成物は、加工性、引張強度、防音性能、
圧縮永久歪み、低温硬度のいずれか1種以上が劣る。
実施例2−1〜2−6、比較例2−1〜2−2 表7に示すごとく、原料ゴム成分として試料A−1と
試料B−1を使用し、カーボンブラツクと伸展油の種類
および量を変化させ、その他の配合剤は表5のごとく
し、実施例1と同様にしてゴム組成物を調整し、所定の
試験を実施した。結果を表6に示す。
表6の結果から明らかなごとく、本発明の(II)成分
のカーボンブラツクが本発明の限定内である実施例2−
1〜2−6の組成物は、防振ゴム性能のバランスが良好
であるのに対し、カーボンブラツクの量が本発明の限定
外である比較例のゴム組成物は、防振ゴム性能が劣る。
表 5 評価用配合−2 原料ゴム(合計) 100 部 伸展油*1 変量部 N550カーボンブラツク*2 変量部 亜 鉛 華 5 部 ステアリン酸 2 部 老化防止剤810NA*3 1.5部 イ オ ウ 1.6部 加硫促進剤NS*4 1.1部 加硫促進剤TT*5 0.2部 *1 共同石油製 ナフテン油R−1000 *2 東海カーボン製 商品名 シーストSO *3 N−イソプロピル−N′−フエニル−p−フエニ
レンジアミン *4 N−tet−ブチル−2−ベンゾチアジル・スルフ
エンアミド *5 テトラメチルチウラムジスルフイド 〔発明の効果〕 以上から明らかなように、本発明のスチレン−ブタジ
エンランダム共重合体ゴムと天然ゴム系ポリマーからな
る防振ゴム組成物は、加工性、強度、耐発耐久性、防音
性能等の防振ゴム性能が良好であり、これらの特徴を生
かして、乗用車、トラツク、バス、建設車両用、軽トラ
ツク等の自動車、鉄道用車輛等の各部に使用される防振
ゴムに好適なゴム組成物である。さらに前記の特徴を生
かして、ベルト、ベルトコンベア等の自動車部品、各種
工業用品の用途にも使用可能であり、多くの分野に有用
なゴム組成物である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 9:00)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(I)、(II)および(III)成分を
    有する防振ゴム組成物。 (I)成分; 下記(A)成分及び(B)成分からなる原料ゴム成分、
    100重量部 (A)成分; (a)ムーニー粘度(ML1+4、100℃)が80以上 (b)スチレン含有量が25〜35重量% (c)ブタジエン部分のミクロ構造のビニル結合量が10
    〜50% (d)スチレン単位が1個のスチレン単連鎖がスチレン
    含有量の50重量% 以上、スチレン単位が8個以上連なるスチレン長連鎖が
    スチレン含有量の0重量% である、リチウム系触媒によって重合されたスチレン−
    ブタジエンランダム共重合体20〜80重量% (B)成分; 天然ゴムまたはシス結合量90%以上のポリイソプレンゴ
    ム20〜80重量% (II)成分; 補強性カーボンブラック、25〜100重量部 (III)成分; 加硫剤、0.5〜3.0重量部。
JP63173729A 1988-07-14 1988-07-14 防振ゴム組成物 Expired - Fee Related JP2697863B2 (ja)

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