JP2694276B2

JP2694276B2 - 燃料供給装置

Info

Publication number: JP2694276B2
Application number: JP63095024A
Authority: JP
Inventors: 光彦徳田; 康二石原; 政彦丸山; 学和田
Original assignee: Suzuki Motor Co Ltd
Current assignee: Suzuki Motor Co Ltd
Priority date: 1988-04-18
Filing date: 1988-04-18
Publication date: 1997-12-24
Anticipated expiration: 2012-12-24
Also published as: US4955409A; CA1325144C; JPH01267354A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、電子制御燃料噴射装置用の燃料供給装置に
関するもので、特に内部にインナーパイプを配設して燃
料流路を形成したフューエルデリバリパイプを備えた燃
焼供給装置に関するものである。

（従来の技術）従来、燃料ポンプより送られてきた燃料を各燃料噴射
路に設けられ各気筒に対応するインジェクタに分配する
フューエルデリバリパイプ（以下、単にデリバリパイプ
という）は、一般に第２図に示すように燃料をデリバリ
パイプ１の一端1aより導入し、他端1bより燃料タンク
（図示せず）に戻す方式がとられている。これは燃料噴
射路９を有するデリバリパイプ１内に燃料を滑らかに流
すためである。

一方、このデリバリパイプ１に接続される燃料タンク
（図示せず）からの燃料配管２すなわち燃料送り管３と
燃料戻り管４の端部は、車体５側の一箇所に並んで固設
されている。

したがって、デリバリパイプ１と燃料配管２とを高圧
用燃料ホースなどの接続ホース6,7で繋げると、一方側
の接続ホース、例えばデリバリパイプ１の他端1bの燃料
戻り口８と、車体５側の燃料戻り管４とを接続する接続
ホース７を、デリバリパイプ１の回りに引き伸ばして接
続しなければならず長い経路が必要であった。

このためエンジン9Aの回り、特にデリバリパイプ１の
回りが雑然とし、他のホースと接触する問題点があっ
た。また、接続ホース6,7に高圧用フューエルホースを
使用すると、高圧用フューエルホースが高価のためコス
ト高になる問題点もあった。

そこで、第３図に示すように、デリバリパイプ10のい
ずれか一方の端部10aに、燃料導入口11と燃料戻り口12
とを近接させて設けたものが案出されている。

この場合のデリバリパイプ10の燃料導入口11及び燃料
戻り口12と、燃料配管13の燃料送り管14及び燃料戻り管
15とを接続ホース16,17、例えば、高圧用燃料ホースを
用いて接続すれば、接続ホース16,17の引き伸ばしが簡
素化すると共に、コストが低減化される。

なお、燃料供給管内に存在する気泡及び燃料の蒸気が
燃料噴射弁への燃料に混入するのを防止して運転性能を
良好に維持するものとして、燃料噴射装置用のデリバリ
パイプを上下のケーシングに分けて、これを一体的に構
成したもの（実開昭62−57770号公報）があり、また、
燃料供給装置の気泡の混合比のばらつきを改良するもの
として、燃料噴射弁に改良を加え各気筒における安定し
た燃焼状態を得るようにしたもの（実開昭62−29469号
公報）がある。

（発明が解決しようとする課題）しかしながら、上記従来のデリバリパイプ10は一端側
に燃料導入口11と燃料戻り口12とを近接させて取付けた
構造となっており、内部には燃料をガイドする特別な通
路を設けていなかったため、接続ホース16,17を用いて
燃料導入口11及び燃料戻り口12と、燃料配管13とを接続
し、デリバリパイプ10内に燃料を供給すると、燃料は燃
料導入口11から離れたところ（燃料噴射路）に到達しに
くくなる問題があった。また、燃料の流れに支障がある
と、デリバリパイプ10内に澱みができて燃料に温度差が
生じる問題もあった。

なお、実開昭62−57770号公報の燃料噴射装置用のデ
リバリパイプは気泡の混入を回避するもので、従来の技
術問題を解決しているものではない。

また、実開昭62−29469号公報の技術は燃料噴射弁の
改良であり、デリバリパイプ内の燃料の流れを良くする
ものではない。

本発明は、上記問題を改良するためになされたもの
で、デリバリパイプ内に燃料流路を形成してその燃料流
路に燃料を強制的に流すことによって、燃料が澱まず、
温度差の生じないデリバリパイプを有する燃料供給装置
を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段）上記目的を達成する手段として、燃料を各気筒に対応
するインジェクタに分配するフューエルデリバリパイプ
を備えた燃焼供給装置において、前記フューエルデリバ
リパイプに近い長さを有し、かつ、細径のインナーパイ
プを前記フューエルデリバリパイプの内壁に挿入固定し
て、前記インナーパイプで燃料戻し用の燃料流路を形成
すると共に、燃料導入口と燃料戻り口とを、前記フュー
エルデリバリパイプとインナーパイプとからなる燃料流
路の基部に近接させて接続したことを特徴とするもので
ある。

（作用）このように燃料をインジェクタに分配するデリバリパ
イプの内壁に、デリバリパイプに近い長さで、かつ、細
径のインナーパイプを挿入固定し、このインナーパイプ
で、戻り燃料のみが通過する細径の燃料戻し用の燃料流
路を形成させる。

このようにデリバリパイプの内部に燃料戻し用の燃料
流路を形成したインナーパイプを配置して、デリバリパ
イプとインナーパイプの燃料流路の基部に燃料導入口と
燃料戻り口とを近接させて取り付けた場合の、デリバリ
パイプの内部にできる燃料の澱みを回避させる。

また、デリバリパイプとインナーパイプとからなる燃
料流路の基部に燃料導入口と燃料戻り口とを近接させて
接続し、燃料戻り口と燃料導入口に接続した接続ホース
と、他の接続ホースとの接触を回避させる。

（実施例）次に、本発明の実施例を第１図に基づいて説明する。
図において、符号31は本発明の燃焼供給装置であり、符
号32はデリバリパイプである。デリバリパイプ32は燃料
ポンプ（図示せず）より送られてくる燃料を燃料噴射路
33に設けられ、各気筒（図示せず）に対応したインジェ
クタ（図示せず、以下同じ）に分配するものである。

デリバリパイプ32の一端32a側（本図においては右側
で後述する燃料流路の基部）には燃料導入口36を形成す
るパイプ及び燃料戻り口37を形成するパイプが近接して
接続されている。燃料導入口36はデリバリパイプ32に直
接、接続されており、燃料戻り口37はコネクタ42に設け
た通路に接続されている。そして、燃料導入口36及び燃
料戻り口37は、各々接続ホース38及び接続ホース39Aを
介して燃料送り管34及び燃料戻り管35に接続している。

燃料送り管34は燃料タンク（図示せず、以下同じ）に
接続され、この燃料タンクの燃料を接続ホース38や燃料
導入口36を介してデリバリパイプ32に供給するものであ
り、燃料戻り管35はインジェクタで噴射されずに残った
燃料を、後述するプレッシャ・レギュレータ39等を介し
て燃料タンクに戻すためのものである。この燃料送り管
34と燃料戻り管35も車体40に近接して取り付けられてい
る。

また、デリバリパイプ32の内壁には、デリバリパイプ
32に近い長さで、かつ、デリバリパイプ32の径よりも細
径のインナーパイプ41が挿入固定されている。インナー
パイプ41の一端41a側（本図において右側で燃料流路の
基部）は、デリバリパイプ32の内壁及びコネクタ42に固
定されており、インナーパイプ41の他端41b側は、デリ
バリパイプ32の他端32b側の内壁に固定されている。

したがって、インナーパイプ41の他端41bの燃料戻り
孔46はデリバリパイプ32の他端32b側、すなわちデリバ
リパイプ32の下流端に開口しており、インナーパイプ41
の一端41a側はデリバリパイプ32の一端32a側に開口して
いる。これにより、燃料導入口36及び燃料戻り口37は、
デリバリパイプ32内の燃料流路45a及びインナーパイプ4
1内の燃料流路45を介して連通している。

インナーパイプ41は、インナーパイプ41を流量の少な
い、戻り燃料のみを通過させる燃料戻し用の燃料流路45
として使用しているため、その径はデリバリパイプ32に
比べてかなり細くしてある。

なお、プレッシャ・レギュレータ39はインジェクタに
かかる燃料の圧力が高くなったとき、ダイヤフラム43を
押して出口を開き、燃料を燃料タンクに戻し、燃料の圧
力を常に一定に保つようにしているものである。

このように構成された燃料供給装置31のデリバリパイ
プ32内に、燃料タンクより燃料送り管34、接続ホース38
及び燃料導入口36を介して燃料を送り込めば、燃料はデ
リバリパイプ32内の燃料流路に流れ込む。

デリバリパイプ32に流れ込んだ燃料は、インナーパイ
プ41の燃料戻り孔46が燃料導入口36の接続位置より最も
遠い燃料噴射路33d近傍に設けられているので、燃料を
燃料導入口36の接続位置に最も近い燃料噴射路33aから
最も遠い燃料噴射路33dへと順次供給しながらデリバリ
パイプ32内を流れる。

そして、デリバリパイプ32内を折り返してインナーパ
イプ41の他端41bの燃料戻り孔46より燃料戻し用の燃料
流路45を一端41a側へと流れ、燃料の圧力が高いとき
は、プレッシャ・レギュレータ39を介して燃料戻り口3
7、接続ホース39Aそして燃料戻り管35へと流出される。

これによりデリバリパイプ32内に燃料の澱みが生じる
ことはない。したがって、燃料導入口36と燃料戻り口37
とを近接させて、デリバリパイプ32の一端32a側に取り
付けても、デリバリパイプ32内の流れに支障が生じるこ
ともなく、また、燃料導入口36と燃料戻り口37に接続し
た接続ホース38,39Aと、他の接続ホースとが接触するこ
ともない。

（発明の効果）以上説明したように、本発明は、デリバリパイプの内
壁に、デリバリパイプに近い長さを有し、かつ、細径の
インナーパイプを挿入固定して、デリバリパイプ内に燃
料戻し用の燃料流路を形成するようにしたので、従来に
比べてインナーパイプの取り付けを容易に行うことがで
きる。

また、燃料は燃料導入口よりデリバリパイプに流入
し、流量の少ない戻り燃料のみが燃料戻り孔より細径の
インナーパイプを通って燃料戻り口に戻るようになるた
め、燃料はデリバリパイプ内を澱むことなく流れ、燃料
の温度の変化をおさえることができる。

このように、デリバリパイプの内部にインナーパイプ
によって燃料戻し用の燃料流路を形成させたので、燃料
はデリバリパイプの端部から端部まで確実に流れるよう
になる。したがって、デリバリパイプの一側に燃料導入
口と燃料戻り口とを近接させて接続させても、デリバリ
パイプ内の燃料の澱みがなくなると共に、デリバリパイ
プの廻りの配管をも簡素化することができる。さらに、
燃料導入口及び燃料戻り口に接続させた燃料ホースと、
他のホースとの接触をなくすことができる。

さらに、接続用に使用していた高価な高圧用の燃料ホ
ースを短かくすることが可能となりコストの低減を図る
ことができる。また、燃料送り管を任意の位置に動かす
ことも可能となり設計上の自由度が広がる等多数の効果
がある。

また、戻り燃料のみが通過するため、流量の少ないイ
ンナーパイプを、デリバリパイプに比べてかなり細径に
できたので、デリバリパイプが大径になるのを回避する
ことができると共に、デリバリパイプをコンパクトに収
めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例を示す断面図、第２図は従
来の燃料供給装置のデリバリパイプの接続を示す模式
図、第３図は、従来の燃料供給装置の一部断面正面図で
ある。 31……燃焼供給装置 32……デリバリパイプ 36……燃料導入口 37……燃料戻り口 41……インナーパイプ 45,45a……燃料流路 46……燃料戻し口

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献実開昭55−142665（ＪＰ，Ｕ) 実開平１−114976（ＪＰ，Ｕ)

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】燃料を各気筒に対応するインジェクタに分
配するフューエルデリバリパイプを備えた燃焼供給装置
において、前記フューエルデリバリパイプに近い長さを
有し、かつ、細径のインナーパイプを前記フューエルデ
リバリパイプの内壁に挿入固定して、前記インナーパイ
プで燃料戻し用の燃料流路を形成すると共に、燃料導入
口と燃料戻り口とを、前記フューエルデリバリパイプと
インナーパイプとからなる燃料流路の基部に近接させて
接続したことを特徴とする燃焼供給装置。