JP2694209B2 - 高誘電率磁器組成物 - Google Patents
高誘電率磁器組成物Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁器コンデンサ等に使用されるBaTiO3−Nb
2O5−Y2O3系高誘電率磁器組成物に関するものである。
2O5−Y2O3系高誘電率磁器組成物に関するものである。
従来の誘電体磁器組成物として、例えばBaTiO3−BaZr
O3−BaSnO3−CaTiO3系の組成物がJIS・F特性用として
実用化されている。
O3−BaSnO3−CaTiO3系の組成物がJIS・F特性用として
実用化されている。
上記組成物は誘電率が高く、温度特性も良好であると
いう長所を有しているものの、結晶粒径が10〜20μmと
大きく、積層コンデンサを作成した場合にデラミネーシ
ョンを起こすためその歩留りが悪く、また破壊電圧も低
いため薄層化が困難であるという欠点があった。
いう長所を有しているものの、結晶粒径が10〜20μmと
大きく、積層コンデンサを作成した場合にデラミネーシ
ョンを起こすためその歩留りが悪く、また破壊電圧も低
いため薄層化が困難であるという欠点があった。
本発明者らは、上記欠点のない誘電体磁器組成物を得
るため鋭意研究を行った結果、BaTiO3−Nb2O5−Y2O3の
混合組成物に酸化セリウム(CeO2)及び酸化マンガン
(MnO)を添加することによって誘電率が高く、温度特
性も良好であり、しかも結晶粒径が5μm以下と微細化
した組成物が得られることを見い出し、本発明に到達し
たものである。
るため鋭意研究を行った結果、BaTiO3−Nb2O5−Y2O3の
混合組成物に酸化セリウム(CeO2)及び酸化マンガン
(MnO)を添加することによって誘電率が高く、温度特
性も良好であり、しかも結晶粒径が5μm以下と微細化
した組成物が得られることを見い出し、本発明に到達し
たものである。
〔課題を解決するための手段〕 本発明は、チタン酸バリウムBaTiO397.0〜98.25モル
%、五酸化ニオブNb2O50.75〜1.50モル%及び酸化イッ
トリウムY2O30.50〜2.00モル%を主成分としてなる組成
物100モル%に対して副成分として酸化セリウムCeO20.2
〜0.8重量%及び酸化マンガンMnO0.01〜0.3重量%を添
加含有したことを特徴とするBaTiO3−Nb2O5−Y2O3系高
誘電率磁器組成物である。
%、五酸化ニオブNb2O50.75〜1.50モル%及び酸化イッ
トリウムY2O30.50〜2.00モル%を主成分としてなる組成
物100モル%に対して副成分として酸化セリウムCeO20.2
〜0.8重量%及び酸化マンガンMnO0.01〜0.3重量%を添
加含有したことを特徴とするBaTiO3−Nb2O5−Y2O3系高
誘電率磁器組成物である。
出発原料として炭酸バリウム(BaCO3)、酸化チタン
(TiO2)、五酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化イットリウム
(Y2O3)、酸化セリウム(CeO2)及び炭酸マンガン(Mn
CO3)を用い、まず等モル比のBaCO3とTiO2にMnCO3を添
加して混合し、これを仮プレス後1100℃〜1200℃で2時
間安定で仮焼してBaTiO3を作成した。
(TiO2)、五酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化イットリウム
(Y2O3)、酸化セリウム(CeO2)及び炭酸マンガン(Mn
CO3)を用い、まず等モル比のBaCO3とTiO2にMnCO3を添
加して混合し、これを仮プレス後1100℃〜1200℃で2時
間安定で仮焼してBaTiO3を作成した。
次いで、このBaTiO3を粉砕して微粉末とし第1表に示
す組成比で秤量後、ポットミル中で湿式混合し、脱水・
乾燥したのちポリビニルアルコール(PVA)をバインダ
ーとして加えて顆粒にし、これを約3ton/cm2の成形圧力
で直径16.5φmm、厚さ0.6mmの円板状成形物を作成し
た。さらに、この成形物を空気中で1280℃〜1360℃で2
時間安定して焼成した。
す組成比で秤量後、ポットミル中で湿式混合し、脱水・
乾燥したのちポリビニルアルコール(PVA)をバインダ
ーとして加えて顆粒にし、これを約3ton/cm2の成形圧力
で直径16.5φmm、厚さ0.6mmの円板状成形物を作成し
た。さらに、この成形物を空気中で1280℃〜1360℃で2
時間安定して焼成した。
このようにして得られた磁器素体に銀電極を焼付けて
試料とし、この試料について電気特性を測定した。結果
は第1表に示したとおりである。
試料とし、この試料について電気特性を測定した。結果
は第1表に示したとおりである。
ここで誘電率εsおよび誘電体損失tanδ(%)は室
温20℃、周波数1kHzで測定した。また、温度特性すなわ
ち温度変化率(T.C)は+20℃を基準とし、−25℃〜+8
5℃の誘電率温度変化率(%)として求めた。
温20℃、周波数1kHzで測定した。また、温度特性すなわ
ち温度変化率(T.C)は+20℃を基準とし、−25℃〜+8
5℃の誘電率温度変化率(%)として求めた。
第1表において○印を付した試料番号は本発明の範囲
内のものであり、試料番号1,2,5,8,10,13,14,15,19,20,
21及び24は本発明の範囲外である。
内のものであり、試料番号1,2,5,8,10,13,14,15,19,20,
21及び24は本発明の範囲外である。
次に、本発明の高誘電率磁器組成物における各成分の
モル%または重量%の限定理由を説明する。
モル%または重量%の限定理由を説明する。
BaTiO3が97.0モル%未満では誘電率εsが小さくなり
(試料番号13)、98.25モル%を超えると焼結性が悪く
(×印)なる(試料番号1)。
(試料番号13)、98.25モル%を超えると焼結性が悪く
(×印)なる(試料番号1)。
Nb2O5が0.75モル%未満では焼結性が悪く(試料番号
5,10)、1.5モル%を超えると誘電率εsが小さくなる
(試料番号8)。
5,10)、1.5モル%を超えると誘電率εsが小さくなる
(試料番号8)。
Y2O3が0.5モル%未満では誘電率εsが小さく、誘電
体損失tanδが大きくなり、焼結性も悪く、絶縁抵抗も
低くなり(試料番号2)、2.0モル%を超えると誘電率
εsが小さくなり、温度85℃における誘電率の温度変化
率T.Cが大きくなる(試料番号10)。
体損失tanδが大きくなり、焼結性も悪く、絶縁抵抗も
低くなり(試料番号2)、2.0モル%を超えると誘電率
εsが小さくなり、温度85℃における誘電率の温度変化
率T.Cが大きくなる(試料番号10)。
CeO2はキュリーポイントC.Pをマイナス側へ移動させ
る働き、すなわちシフターの役割を果しており、0.2重
量%未満ではキュリーポイントC.Pが常温以上となり、
誘電体損失tanδが大きく、誘電率εsも小さい(試料
番号14,15)。0.8重量%を超えるとキュリーポイントC.
Pが常温以下となり、誘電率が低くなり、誘電率の温度
変化率T.Cが温度85℃でJISのF特性規格から外れ、実用
的でない(試料番号19)。
る働き、すなわちシフターの役割を果しており、0.2重
量%未満ではキュリーポイントC.Pが常温以上となり、
誘電体損失tanδが大きく、誘電率εsも小さい(試料
番号14,15)。0.8重量%を超えるとキュリーポイントC.
Pが常温以下となり、誘電率が低くなり、誘電率の温度
変化率T.Cが温度85℃でJISのF特性規格から外れ、実用
的でない(試料番号19)。
MnOが0.01重量%未満では焼成温度が高くなるうえ焼
結性が悪く、誘電率が小、tanδが大となり、絶縁抵抗
も低くなり(試料番号20,21)、0.3重量%を超えると誘
電率が小さくなり、焼結性も悪く実用的でない(試料番
号24)。
結性が悪く、誘電率が小、tanδが大となり、絶縁抵抗
も低くなり(試料番号20,21)、0.3重量%を超えると誘
電率が小さくなり、焼結性も悪く実用的でない(試料番
号24)。
更に、本発明組成物にSiO2,Al2O3と少なくとも一方を
微量添加することにより、当該組成物の焼結性を更に向
上させることができる。
微量添加することにより、当該組成物の焼結性を更に向
上させることができる。
なお、前記焼成により得られた焼結体試料のうち本発
明組成物の自由表面の顕微鏡写真を第2図に示す。ま
た、比較のため従来のBaTiO3−BaZrO3− BaSnO3−CaTi
O3系の自由表面の顕微鏡写真を第3図に示す。これらの
写真を比較して明らかなように本発明に係る焼結体で
は、従来のものに比べ結晶粒径が著しく小さくなってい
ることが判る。
明組成物の自由表面の顕微鏡写真を第2図に示す。ま
た、比較のため従来のBaTiO3−BaZrO3− BaSnO3−CaTi
O3系の自由表面の顕微鏡写真を第3図に示す。これらの
写真を比較して明らかなように本発明に係る焼結体で
は、従来のものに比べ結晶粒径が著しく小さくなってい
ることが判る。
第1表から明らかなように、本発明の高誘電率磁器組
成物は誘電率が約8000〜13000で、温度特性すなわち誘
電率の温度変化率T.CはJIS・F特性規格−25℃〜+85℃
の温度範囲内で20℃を基準温度として+30%〜−80%以
内であり、また第2図から明らかなように結晶粒径の平
均値は5μm以下と小さく、優れた性質を有するもので
ある。
成物は誘電率が約8000〜13000で、温度特性すなわち誘
電率の温度変化率T.CはJIS・F特性規格−25℃〜+85℃
の温度範囲内で20℃を基準温度として+30%〜−80%以
内であり、また第2図から明らかなように結晶粒径の平
均値は5μm以下と小さく、優れた性質を有するもので
ある。
なお、本発明のBaTiO3−Nb2O5−Y2O3系組成物に係る
主成分の組成範囲を三元図で示すと第1図のとおりであ
る。この図において、六角形内及びこの六角形を形成す
る各線分上にある組成物(黒点は実施例の組成物を、又
( )内の数字は試料番号を示す)が本発明の範囲内に
あるものである。
主成分の組成範囲を三元図で示すと第1図のとおりであ
る。この図において、六角形内及びこの六角形を形成す
る各線分上にある組成物(黒点は実施例の組成物を、又
( )内の数字は試料番号を示す)が本発明の範囲内に
あるものである。
以上述べたように、本発明の高誘電率磁器組成物は、
チタン酸バリウムBaTiO397.0〜98.25モル%、五酸化ニ
オブNb2O50.75〜1.50モル%及び酸化イットリウムY2O
30.50〜2.00モル%を主成分としてなる組成物100モル%
に対して副成分として酸化セリウムCeO20.2〜0.8重量%
及び酸化マンガンMnO0.01〜0.3重量%を添加含有せしめ
たことにより、誘電率εsが高く、誘電率の温度変化率
T.CがJIS・F特性を満足しているうえ、結晶粒径が従来
のものに比べ著しく微細化しているものであり、したが
って本発明組成物を積層チップコンデンサに応用した場
合、デラミネーションを起こさず、また破壊電圧の向
上、薄層上による容量取得範囲の拡大等、従来のBaTiO3
−BaZrO3−BaSnO3−CaTiO3系組成物では得られなかった
利点を有するものであり、実用的価値が大きいものであ
る。
チタン酸バリウムBaTiO397.0〜98.25モル%、五酸化ニ
オブNb2O50.75〜1.50モル%及び酸化イットリウムY2O
30.50〜2.00モル%を主成分としてなる組成物100モル%
に対して副成分として酸化セリウムCeO20.2〜0.8重量%
及び酸化マンガンMnO0.01〜0.3重量%を添加含有せしめ
たことにより、誘電率εsが高く、誘電率の温度変化率
T.CがJIS・F特性を満足しているうえ、結晶粒径が従来
のものに比べ著しく微細化しているものであり、したが
って本発明組成物を積層チップコンデンサに応用した場
合、デラミネーションを起こさず、また破壊電圧の向
上、薄層上による容量取得範囲の拡大等、従来のBaTiO3
−BaZrO3−BaSnO3−CaTiO3系組成物では得られなかった
利点を有するものであり、実用的価値が大きいものであ
る。
第1図は本発明組成物に係る主成分の組成範囲を示す三
元図、第2図は本発明の実施例組成物の結晶構造を示す
顕微鏡写真(倍率3500)、第3図は従来の誘電体磁器組
成物の結晶構造を示す顕微鏡写真(倍率3500)である。
元図、第2図は本発明の実施例組成物の結晶構造を示す
顕微鏡写真(倍率3500)、第3図は従来の誘電体磁器組
成物の結晶構造を示す顕微鏡写真(倍率3500)である。
Claims (1)
- 【請求項1】チタン酸バリウムBaTiO397.0〜98.25モル
%、五酸化ニオブNb2O50.75〜1.50モル%及び酸化イッ
トリウムY2O30.50〜2.00モル%を主成分としてなる組成
物100モル%に対して副成分として酸化セリウムCeO20.2
〜0.8重量%及び酸化マンガンMnO0.01〜0.3重量%を添
加含有したことを特徴とするBaTiO3−Nb2O5−Y2O3系高
誘電率磁器組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63159251A JP2694209B2 (ja) | 1988-06-29 | 1988-06-29 | 高誘電率磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63159251A JP2694209B2 (ja) | 1988-06-29 | 1988-06-29 | 高誘電率磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0210711A JPH0210711A (ja) | 1990-01-16 |
JP2694209B2 true JP2694209B2 (ja) | 1997-12-24 |
Family
ID=15689664
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63159251A Expired - Lifetime JP2694209B2 (ja) | 1988-06-29 | 1988-06-29 | 高誘電率磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2694209B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108640679B (zh) * | 2018-07-24 | 2022-02-11 | 江苏科技大学 | 一种锆钛酸钡基电容器瓷料及其制备方法 |
-
1988
- 1988-06-29 JP JP63159251A patent/JP2694209B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0210711A (ja) | 1990-01-16 |
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