JP2692767B2 - キナクリドンの製造方法 - Google Patents

キナクリドンの製造方法

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JP2692767B2 JP2311087A JP31108790A JP2692767B2 JP 2692767 B2 JP2692767 B2 JP 2692767B2 JP 2311087 A JP2311087 A JP 2311087A JP 31108790 A JP31108790 A JP 31108790A JP 2692767 B2 JP2692767 B2 JP 2692767B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、キナクリドンの製造法に関する。
(従来の技術) 6,13−ジヒドロキナクリドン類は赤色系顔料のキナク
リドンの中間原料として公知である。
米国特許第2821541号公報には、サクシニルコハク酸
ジアルキルエステルと芳香族アミン類とを縮合させて得
られる2,5−ジ(アリルアニリノ)−3,6−ジヒドロテレ
フタル酸ジアルキルエステル類を「ダウサームA」の商
標(ダウケミカル社製)のもとに販売されている共融混
合物の不活性高沸点溶媒中で合成し、この後加熱し閉環
させることにより6,13−ジヒドロキナクリドン類を製造
する方法が記載されている。しかしながら、この方法が
収率が低いのみならず、縮合を減圧下で脱水しながら実
施する必要があり、工業的に極めて不利である。
他の方法として、不活性高沸点溶媒の不存在下で縮合
反応を実施する方法が知られている。しかしながらこの
方法は、2,5−ジ(アリルアミノ)−3,6−ジヒドロテレ
フタル酸ジアルキルエステル類と共存する未反応芳香族
アミン類が6,13−ジイドロキナクリドン類の製造に悪影
響を及ぼすため、可能な限りこの未反応芳香族アミン類
を除去せねばならないと云う問題点がある。もちろん、
芳香族アミン類は減圧下で留去する事ができるが、2,5
−ジ(アリルアミノ)−3,6−ジヒドロテレフタル酸ジ
アルキルエステル類は固体として得られるので次の環化
工程に供する前に濾過、洗浄等の煩雑な操作を施さなけ
ればならない。しかも、この様な2,5−ジ(アリルアミ
ノ)−3,6−ジヒドロテレフタル酸ジアルキルエステル
類を不活性高沸点溶媒に溶解し高温に加熱し環化を行な
っても、高収率で6,13−ジヒドロキナクリドン類を得る
ことはできない。しかしながら、特開昭53−26823号公
報によれば、2,5−ジ(アリルアミノ)−3,6−ジヒドロ
テレフタル酸ジアルキルエステル類の合成を不活性高沸
点溶媒の非存在下で合成し、芳香族アミン類の減圧下留
去の際に不活性高沸点溶媒を存在させておくことによ
り、2,5−ジ(アリルアミノ)−3,6−ジヒドロテレフタ
ル酸ジアルキルエステル類が、溶液ないしはスラリーと
して得られるので扱い易く更にこのまま予め加熱した高
沸点溶媒中に供給し閉環反応を実施することで、高収率
で高純度の6,13−ジヒドロキナクリドン類が得られると
記載されている。しかしながら、ここに用いた2,5−ジ
(アリルアミノ)−3,6−ジヒドロテレフタル酸ジアル
キルエステル類は基本的に芳香族アミン類を洗浄してい
ないため、6,13−ジヒドロキナクリドンの生成に悪影響
を与えることに何等変わりはない。更に用いた不活性高
沸点溶媒は「ダウサームA」(ダウケミカル社)及びジ
フェニルメタン、1,1−ジフェニルエタン、などが挙げ
られているが、これらは融点温度が室温に近く場合によ
っては固体であるため取扱が容易でない欠点がある。
特開昭54−119532号公報によれば、用いる不活性高沸
点溶媒にtert−アミルベンゼン、tert−ヘキシルベンゼ
ン、tert−ヘプチルベンゼンなどが挙げられているが、
窒素圧20気圧に加圧して所定の温度まで加熱しており、
工業的に有利でない。
特公昭55−47626号公報および米国特許第28241541号
公報ではメチルナフタレン類、ビフェニル、ジフェニル
オキサイド等を用いる記載があるが、これらは「ダウサ
ームA」より沸点が低いので収率や生成物の純度が「ダ
ウサームA」で合成した生成物よりも劣る。不活性高沸
点溶媒の沸点が低い場合、例えば特開昭57−40562号公
報によれば240℃で2,5−ジ(アリルアニリノ)−3,6−
ジアルキルエステル類を加熱した場合、望ましくない閉
環生成部が得られる。
更に特開昭57−57749号公報ではジベンジルエーテル
を用いて、また特開昭62−205163号公報ではジメチルジ
フェニールエーテル異性体混合物を用いて6,13−ジヒド
ロキナクリドン類の製造する方法が挙げられているが、
何れも収率及び品質、反応時間において満足することが
できない。
(発明が解決しようとする課題) 2,5−ジ(アリルアミノ)3,6−テレフタル酸ジアルキ
ルエステル類から高収率で高純度が6,13−ジヒドロキナ
クリドン類を短時間に製造する工業的に有利な方法を提
供する。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明は、2,5−(ジアリルアミノ)−3,6−ジヒドロ
テレフタル酸ジアルキルエステル類を、式(I)で示さ
れるナフタレン誘導体の単体あるいは混合物中で本質的
に酸素を含まない雰囲気中で250℃〜330℃に加熱するこ
とを特徴とする6,13−ジヒドロキナクリドン類を得る工
程と、該6,13−ジヒドロキナクリドン類を酸化する工程
とからなることを特徴とするキナクリドンの製造方法に
関する。
(式中、R1は、C1〜C4のアルキル基を示し、nは1、
2、3、4である(但し、n=1の時のC1を除
く。)。) 本発明で使用されるナフタレン誘導体(I)として
は、好ましくは、エチルナフタレン異性体混合物、プロ
ピルナフタレン異性体混合物、ブチルナフタレン異性体
混合物、ジメチルナフタレン異性体混合物、ジエチルナ
フタレン異性体混合物、ジプロピルナフタレン異性体混
合物、ジブチルナフタレン異性体混合物、トリメチルナ
フタレン異性体混合物、トリエチルナフタレン異性体混
合物、トリブチルナフタレン異性体混合物、テトラメチ
ルナフタレン異性体混合物、テトラエチルナフタレン異
性体混合物、テトラプロピルナフタレン異性体混合物、
テトラブチルナフタレン異性体混合物がある。上記アル
キルナフタレン異性体混合物どうしの適宜比率で混合し
た物であっても良い。
2,5−ジ(アリルアミノ)−3,6−テレフタル酸ジアル
キルエステル類は、下記一般式(II)で表される。
(式中、R2、R3はメチル、エチルなどの低級アルキル基
を示し、Xは水素と置換されたF、Cl、Br、I、−OH、
−NO2、−CF3、適宜置換したC1〜C4アルキル基、適宜置
換したC1〜C4アルコキシ基、フェニル、シクロヘキシ
ル、フェノキシ、−COOH、−COO−C1〜C4アルキル、−S
O3H、フエニルアミノ、ベンジルアミノ、−N(C
H3、−SO2NH2、−SO2N(CH3、ピリジル、−CON
H2または−CON(CH3を示し(ただし、−NH−基に対
し少なくとも1個のオルト位置が水素である)、nは
0、1、2の整数を示す。) 2,5−ジ(アリルアミノ)−3,6−テレフタル酸ジアル
キルエステル類は、ナフタレン誘導体(I)を溶媒とし
ても合成可能であるが、この様な不活性高沸点溶媒の不
存在下でメタノールまたはエタノール、トルエン、キシ
レンを溶媒とし、ジアルキルサクシニルサクシネートと
芳香族アミンを塩酸、硫酸、酢酸などの酸を触媒として
用い60〜120℃の温度で縮合し、生成物を一旦濾過して
縮合に用いた溶媒で芳香族アミンを良く洗浄した物を用
いるのが好ましい。
2,5−ジ(アリルアミノ)−3,6−ジヒドロテレフタル
酸ジアルキルエステルは洗浄後の縮合溶媒を含んだペー
スト状態でも乾燥した状態でもよく、乾燥重量の5〜20
重量倍のナフタレン誘導体(I)を溶媒として使用し
て、不活性ガス、例えば窒素、アルゴン、炭酸ガスなど
の雰囲気下で250〜320℃に加熱を30〜90分間行なう。あ
るいは、2,5−ジ(アルリアミノ)−3,6−ジヒドロテレ
フタル酸ジアルキルエステルとナフタレン誘導体(I)
の混合物を不活性ガスの雰囲気下で100〜170℃に予熱
し、これを不活性ガスの雰囲気下で250〜320℃で沸騰し
たナフタレン誘導体(I)中に15〜120分で計り入れ、
更に15〜30分間還流するよう加熱し、メタノール、エタ
ノール等のアルキルアルコールを留去させることにより
環化を完結させる。ナフタレン誘導体(I)の不活性高
沸点溶媒中での環化の後、適宜置換した6,13−ジヒドロ
キナクリドン類の懸濁液が得られ、常法で処理する。例
えば、生成物は170℃以下の温度で吸引濾別する事がで
き、得られた吸引濾過ケーキはアルコール、好ましくは
メタノールで洗うことにより付着した溶媒と副生成物を
除くことができ、もし必要ならば次にナフタレン誘導体
(I)の不活性高沸点溶媒の残渣を取り除くために熱メ
タノール中で再びかき混ぜることにより抽出できる。環
化プロセスで得られる全ての廃棄物(母液、洗浄液)は
問題なく蒸留によって処理し、ナフタレン誘導体(I)
の高沸点溶媒とメタノールを高収率で回収でき、また残
渣は液体の形で燃焼処理することが出来る。
本発明の2,5−時(アリルアニリノ)−3,6−ジヒドロ
テレフタル酸ジアルキルエステル類のナフタレン誘導体
(I)の不活性高沸点溶媒中での6,13−ジヒドロキナク
リドン類の製造は、従来から行なわれている方法に比べ
閉環反応に係る脱エステル化反応が非常に速やかに起こ
るため、副生成物の生成を限りなく減少させることがで
き、しかも反応が非常に速やかに起こることから、全体
の製造にかかる時間が短縮できる。
本発明のナフタレン誘導体(I)は、アルコール類、
特にメタノールの溶解度が従来から公知の「ダウサーム
A」、メチルナフタレン、ジフェニルメタン、1,1−ジ
フェニルエタン等に比べて低いためアルコール類が溶媒
中に存在した場合に沸点温度で留去され易く、2,5−ジ
(アリルアミノ)−3,6−ジヒドロテレフタル酸ジアル
キルエステル類の脱エステル反応によって生成するアル
コール類の溶媒への溶存量が少なくなり、主反応が早く
完結するのみならず副生成物の生成を減少することがで
きる。
本発明のナフタレン誘導体(I)の不活性高沸点溶媒
中で環化反応によって2,5−ジ(アリルアミノ)−3,6−
ジヒドロテレフタル酸ジアルキルエステル類から出発す
る適宜置換した6,13−ジヒドロキナクリドン類の合成は
高収率で進行する。
本発明により合成した生成物はIRとUV分光学のデータ
によって示されるように、非常に純粋な形で得られる。
それらは更にメタノールを含んでいるか水性のペースト
の状態または乾燥した形で加工することができる。
6,13−ジヒドロキナクリドン類の酸化は原則において
公知である。(例えば、米国特許第2821529号公報実施
例9〜15、英国特許第909602号公報実施例1〜6、英国
特許第911477号実施例1〜11など。) 本発明によって製造された6,13−ジヒドロキナクリド
ン類は、例えば、m−ニトロベンゼンスルホン酸ソー
ダ、ニトロベンゼン、ニトロナフタレン、ニトロベンゼ
ンスルホン酸及びニトロベンゼンカルボン酸、ニトロフ
ェノール、酸素または空気によるメタノール、エタノー
ル、アセトンまたはエチレングリコールまたはグリコー
ルエーテルと水との溶媒混合物中でアルカリの存在で高
温において、もしも必要ならば加圧下、また必要ならば
分散剤および反応促進剤の存在で酸化によって対応する
キナクリドンに変えることが出来る。酸化は分散剤、好
ましくはアニオン分散剤、例えば芳香族スルホン酸とホ
ルムアルデヒドの縮合生成物の存在で空気によって行な
うのが好ましい。
本発明によって、例えば次のキナクリドンを合成する
ことができる。キナクリドン、2,9−ジクロロキナクリ
ドン、3,10−ジクロロキナクリドン、4,11−ジクロロキ
ナクリドン、2,9−ジメチルキナクリドン、3,10−ジメ
チルキナクリドン、4,11−ジメチルキナクリドン、2,9
−ジメトキシキナクリドン、2,9−ジエトキシキナクリ
ドン、2,4,9,11−テトラクロロキナクリドン、2,9−ジ
シクロヘキシルキナクリドン、2,9−ジフェニルキナク
リドン、3,10−ジニトロキナクリドン、1,2,8,9−テト
ラクロロキナクリドン、2,9−ジフルオロキナクリドン
及び2,9−ジブロモキナクリドン。
本発明は更に無置換γ型リニアトランスキナクリドン
の製造において、特に常圧あるいは加圧状態で環化反応
を300℃以上の温度で行なって得られた6,13−ジヒドロ
キナクリドンについてはβ型結晶であることが分かっ
た。従って、米国特許第3352867号公報に記載があるよ
うにγ型キナクリドンを合成するにはα型6,13−ジヒド
ロキナクリドンをβ型6,13−ジヒドロキナクリドンへ転
移を行なった後、一般的な方法で酸化することで得られ
るが、本発明によってβ型6,13−ジヒドロキナクリドン
が得られることから転移工程を省略して酸化反応のみに
よって得られ、大幅に製造にかかる時間を短縮できるこ
とが分かった。また本発明によって得られたα型6,13−
ジヒドロキナクリドンのβ型6,13−ジヒドロキナクリド
ンへの転移には一般にC1〜C4アルコールとアルカリの実
質的に無水の混合物で処理する。
本発明の方法によって得られた無置換γ型リニアトラ
ンスキナクリドンは高純度、高隠ぺい力、高光沢及び他
の顕著な着色性を特徴とする。
本発明による方法を、次の実施例によってより詳細に
説明する。
(実施例) 以下、実施例により本発明を説明する。例中、部とは
重量部を、%とは重量%をそれぞれ表わす。
実施例1. よく乾燥した2,5−ジアニリノ−3,6−ジヒドロテレフ
タル酸ジメチルエステル30部に対し、ジメチルナフタレ
ン異性体混合物150部を200mlの底部に出口バルブを有す
るフラスコ中に窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら120〜1
70℃に加熱する。次にこの熱混合液を500mlフラスコ中
で窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら258℃で沸騰してい
る150部の前述のジメチルナフタレン異性体混合物中に2
0〜40分掛けて計り入れ、続いて混合物を258〜262℃
(還流)に更に30分保つ。
258℃の沸騰したジメチルナフタレン異性体混合物に1
20〜170℃の2,5−ジアニリノ−3,6−ジヒドロテレフタ
ル酸ジメチルエステルとジメチルナフタレン異性体混合
物を計り入れた瞬間からメタノールの発生を伴って6,13
−ジヒドロキナクリドンの生成反応が開始し、メタノー
ルの発生は258℃での還流開始直後には殆どなくなる。
100℃に冷却後窒素ガス雰囲気を解除し、内容物を濾
過し、熱メタノール500mlで洗浄し、乾燥してα型6,13
−ジヒドロキナクリドン24.47部(論理量の98.10%)を
得た。IRおよびUVスペクトルにより純度は98%以上であ
った。
比較例1. よく乾燥した2,5−ジアニリノ−3,6−ジヒドロテレフ
タル酸ジメチルエステル30部に対し、メチルナフタレン
異性体混合物150部を200mlの実施例1.と同様の反応容器
中で窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら120℃〜170℃に加
熱する。次にこの熱混合液を500mlフラスコ中で窒素ガ
ス雰囲気下で撹拌しながら244℃で沸騰している150部の
前述のメチルナフタレン異性体混合物中に20〜40分掛け
て計り入れ、続いて混合物を241〜244℃(還流)に更に
30分保つ。
244℃の沸騰したジメチルナフタレン異性体混合物に1
20〜170℃の2,5−ジアニリノ−3,6−ジヒドロテレフタ
ル酸ジメチルエステルとジメチルナフタレン異性体混合
物を計り入れた瞬間からメタノールを発生を伴って6,13
−ジヒドロキナクリドンの生成反応が開始し、メタノー
ルの発生は244℃での還流開始直後には殆どなくなる。
100℃に冷却後窒素ガス雰囲気を解除し、内容物を濾
過し、熱メタノール500mlで洗浄し、乾燥してα型6,13
−ジヒドロキナクリドン20.21部(理論量の81.10%)を
得た。IRおよびUVスペクトルにより純度は96%であっ
た。
比較例2. 比較例1.で使用したメチルナフタレンの替わりに「ダ
ウサームA」を用いて同様の実験を行った。その結果、
α型6,13−ジヒドロキナクリドン23.85部(理論量の95.
70%)を得た。
実施例2. 実施例1.で使用した2,5−ジアニリノ−3,6−ジヒドロ
テレフタル酸ジメチルエステルの替わりに、2,5−ジ
(p−クロロアニリノ)−3,6−ジヒドロテレフタル酸
ジメチルエステル30部を用いて同様の反応を行なった。
その結果2,9−ジクロロ−6,13−ジヒドロキナクリドン2
4.68部(理論量の96.01%)を得た。
比較例3. 実施例1.で使用した2,5−ジアニリノ−3,6−ジヒドロ
テレフタル酸ジメチルエステルの替わりに、2,5−ジ
(p−クロロアニリノ)−3,6−ジヒドロテレフタル酸
ジメチルエステル30部を用い、ジメチルナフタレン異性
体混合物の替わりにメチルナフタレン異性体混合物を用
いて同様の反応を行った。その結果、2,9−ジクロロ−
6,13−ジヒドロキナクリドン19.63部(理論量の76.37
%)を得た。
実施例3. 実施例1.で使用した2,5−ジアニリノ−3,6−ジヒドロ
テレフタル酸ジメチルエステルの替わりに、2,5−ジ
(m−クロロアニリノ)−3,6−ジヒドロテレフタル酸
ジメチルエステル30部を用いて同様の反応を行なった。
その結果3,10−ジクロロ−6,13−ジヒドロキナクリドン
24.45部(論理量の95.12%)を得た。
実施例4. 実施例1.で使用した2,5−ジアニリノ−3,6−ジヒドロ
テレフタル酸ジメチルエステルの替わりに、2,5−ジ
(p−トルイジノ)−3,6−ジヒドロテレフタル酸ジメ
チルエステル30部を用いて同様の反応を行なった。その
結果、2,9−ジメチル−6.13−ジヒドロキナクリドン24.
44部(理論量の96.71%)を得た。
実施例4.の比較例 実施例1.で使用した2,5−ジアニリノ−3,6−ジヒドロ
テレフタル酸ジメチルエステルの替わりに、2,5−ジ
(p−トルイジノ)−3,6−ジヒドロテレフタル酸ジメ
チルエステル30部を用い、ジメチルナフタレン異性体混
合物の替わりにメチルナフタレン異性体混合物を用いて
同様の反応を行なった。その結果2,9−ジメチル−6,13
−ジヒドロキナクリドン19.78部(論理量の78.27%)を
得た。
実施例5.〜13. 実施例1.で使用した2,5−ジアニリノ−3,6−ジヒドロ
テレフタル酸ジメチルエステルの替わりに、以下の表に
示した2,5−ジ(アリルアニリノ)−3,6−ジヒドロテレ
フタル酸ジアルキルエステル類30部を用いて同様の反応
を行ない、その結果を示す。
実施例14. 実施例1.で使用したジメチルナフタレン異性体混合物
に替えて、エチルナフタレン異性体混合物を用いて、同
様の反応を行なった。沸点温度は259℃であった。その
結果、6,13−ジヒドロキナクリドン24.08部(理論量の9
6.43%)が得られた。
実施例15. 実施例1.と同様の反応を加圧反応容器で行ない反応温
度(還流温度)を310℃にして行なった結果、β型6,13
−ジヒドロキナクリドン24.32部(論理量の97.59%)を
得た。
実施例16.〜19. 実施例1.で使用したジメチルナフタレン異性体混合物
に替えて、以下の表に示した物を使用して同様の反応を
実施した結果を示す。
実施例20. 実施例1.で使用したジメチルナフタレン異性体混合物
に替えて、次に示す配合比でナフタレン誘導体を混合し
た不活性高沸点溶媒を用いて、同様の反応を行なった。
沸点温度は263℃であった。その結果、6,13−ジヒドロ
キナクリドン24.20部(理論量の97.11%)を得た。
ナフタレン誘導体名 重量比(部) エチルナフタレン異性体 25.65 ジメチルナフタレン異性体 270.30 ジエチルナフタレン異性体 4.05 実施例21. 実施例1.で使用したジメチルナフタレン異性体混合物
に替えて、次に示す配合比でナフタレン誘導体を混合し
た不活性高沸点溶媒を用いて、同様の反応を行なった。
その結果、6,13−ジヒドロキナクリドン23.86部(理論
量の95.74%)を得た。
ナフタレン誘導体名 重量比(部) エチルナフタレン異性体 4.59 ジメチルナフタレン異性体 76.80 ジメチルナフタレン異性体 211.50 トリメチルナフタレン異性体 7.11 実施例22. ステンレスフラスコ中でメタノール79部、50%NaOH水
溶液12部を良く撹拌し、実施例1.で製造した6,13−ジヒ
ドロキナクリドン10部とm−ニトロベンゼンスルホン酸
ソーダ10部を徐々に混合し、70〜75℃で3〜5時間還流
する。この混合物を40℃以下になるまで冷却した後濾過
し、ケーキは留出液が無色透明になるまで熱水で洗浄し
乾燥する。その結果無置換リニアトランスキナクリドン
9.78部(理論量の98.4%)を得た。IRとUVスペクトルに
よる純度を求めた結果98.5%のキナクリドンと1.2%の
6,13−ジヒドロキナクリドンが検出できた。
実施例23. 実施例15.で得たβ型6,13−ジヒドロキナクリドン10
部を実施例22.と同様に酸化反応を行なった結果、無置
換γ型リニアトランスキナクリドン9.72部(理論量の9
7.82%)を得た。
実施例24. 実施例2で得た2,9−ジクロロ−6,13−ジヒドロキナ
クリドン10部を実施例22.のα型6,13−ジヒドロキナク
リドンに替えて同様に反応を行なった。但し、反応派加
圧反応容器で行ない、反応温度を100℃とした。その結
果、2,9−ジクロロキナクリドン9.68部(理論量の97.3
%)を得た。
実施例25. 実施例4で得た2,9−ジメチル−6,13−ジヒドロキナ
クリドン10部を実施例10.の2,9−ジクロロ−6,13−ジヒ
ドロキナクリドンに替えて同様に反応を行なった結果、
2,9−ジメチルキナクリドン9.53部(理論量の95.9%)
を得た。
(発明の効果) 本発明のナフタレン誘導体の不活性高沸点溶媒を用い
た2,5−ジ(アリルアニリノ)−3,6−ジヒドロテレフタ
ル酸ジアルキルエステル類から6,13−ジヒドロキナクリ
ドン類への環化反応は、環化にかかる脱エステル反応が
非常に速やかに進行することより、副生成物の生成を十
分に阻止できることから、短時間のうちに高収率で高純
度の適宜置換した6,13−ジヒドロキナクリドン類が得ら
れる。また、本発明により得られた6,13−ジヒドロキナ
クリドン類を公知の方法で酸化することによって、高収
率で高純度、高隠ぺい力、高光沢及び他の顕著な着色性
を有する適宜置換した該当するシナクリドン類を得るこ
とが出来る。また、無置換γ型リニアトランスキナクリ
ドンの製造においては、ナフタレン誘導体の不活性高沸
点溶媒を適宜選択し、常圧または必要ならば加圧状態で
反応温度を300℃以上に保つことで得られる6,13−ジヒ
ドロキナクリドンはβ型結晶を有するので、結晶転移を
行なう必要無く、このまま酸化することで無置換γ型リ
ニアトランスキナクリドンを得ることが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−205163(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2,5−(ジアリルアミノ)−3,6−ジヒドロ
    テレフタル酸ジアルキルエステル類を、式(I)で示さ
    れるナフタレン誘導体の単体あるいは混合物中で本質的
    に酸素を含まない雰囲気中で250℃〜330℃に加熱して6,
    13−ジヒドロキナクリドン類を得る工程と、該6,13−ジ
    ヒドロキナクリドン類を酸化する工程とからなることを
    特徴とするキナクリドンの製造方法。 (式中、R1は、C1〜C4のアルキル基を示し、nは1、
    2、3、4である(但し、n=1の時のC1を除
    く。)。)
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