JP2686537B2 - 永久磁石およびその製造方法 - Google Patents

永久磁石およびその製造方法

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JP2686537B2 JP63154299A JP15429988A JP2686537B2 JP 2686537 B2 JP2686537 B2 JP 2686537B2 JP 63154299 A JP63154299 A JP 63154299A JP 15429988 A JP15429988 A JP 15429988A JP 2686537 B2 JP2686537 B2 JP 2686537B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、R(ただし、RはYを含む希土類元素の1
種以上)、FeおよびBを含有し、特に耐食性にすぐれた
永久磁石およびその製造方法に関する。
<従来の技術> 高性能を有する希土類磁石としては、粉末冶金法によ
るSm−Co系磁石でエネルギー積として、32MGOeのものが
量産されている。
しかし、このものは、Sm、Coの原料価格が高いという
欠点を有する。希土類の中では原子量の小さい希土類元
素、たとえばセリウムやプラセオジム、ネオジムは、サ
マリウムよりも豊富にあり価格が安い。また、Feは安価
である。
そこで、近年Nd−Fe−B系磁石が開発され、特開昭59
−456008号公報では、焼結磁石が、また特開昭60−9852
号公報では、高速急冷法によるものが開示されている。
このものは、25MGOe以上の高エネルギー積を示す高性
能磁石であるが、主成分として酸化され易い希土類元素
と鉄とを含有するため、耐食性が低く、性能の劣化、バ
ラつき等が問題となっている。
このようなR−Fe−B系磁石の耐食性の低さを改善す
ることを目的として、種々の耐食性膜を表面に有する永
久磁石あるいはその製造方法が提案されている(特開昭
60−54406号公報、同60−63901号公報、同60−63902号
公報、同61−130453号公報、同61−150201号公報、同61
−166115号公報、同61−166116号公報、同61−166117号
公報、同61−185910号公報、同61−270308号公報等)。
<発明が解決しようとする課題> しかし、これらの耐食性膜によっても、R−Fe−B系
磁石の耐食性は十分とはいえない。
特に、特開昭60−54406号公報に開示されている金属
または合金の耐食性膜はメッキによって成膜されるた
め、成膜時にピンホール、スルーホール等が発生し易
く、耐食性が不十分である。
本発明の目的は、これらの問題を解決し、耐食性にす
ぐれたR−Fe−B系永久磁石およびその製造方法を提供
することにある。
<課題を解決するための手段> このような目的は、下記の本発明によって達成され
る。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(10)である。
(1)R(ただし、RはYを含む希土類元素の1種以
上)、FeおよびBを含有し、実質的に正方晶系の主相を
有する永久磁石体表面に保護層を有し、 前記保護層が前記永久磁石体表面に設層された第1の
保護層と、この第1の保護層上に設層された第2の保護
層とから構成され、 前記第2の保護層を形成する金属が前記第1の保護層
を形成する金属より軟質である永久磁石を製造するに際
し、 前記永久磁石体の表面に前記第1の保護層をめっきに
より積層し、この第1の保護層上に前記第2の保護層を
めっきにより設層した後、この第2の保護層表面に圧力
を印加する永久磁石の製造方法。
(2)R(ただし、RはYを含む希土類元素の1種以
上)、FeおよびBを含有し、実質的に正方晶系の主相を
有する永久磁石体表面に保護層を有し、 前記保護層が前記永久磁石体表面に設層された第1の
保護層と、この第1の保護層上に設層された第2の保護
層と、この第2の保護層上に設層された第3の保護層と
から構成され、 前記第2の保護層を形成する金属が前記第1の保護層
を形成する金属より軟質であり、 前記第3の保護層を形成する金属が、前記第2の保護
層を形成する金属より硬質である永久磁石を製造するに
際し、 前記永久磁石体の表面に前記第1の保護層をめっきに
より設層し、この第1の保護層上に前記第2の保護層を
めっきにより設層した後、この第2の保護層表面に圧力
を印加し、 この上に、前記第3の保護層をめっきにより設層する
永久磁石の製造方法。
(3)前記第2の保護層を形成する金属がCuまたはSnで
あり、前記第1の保護層を形成する金属がNiである上記
(1)または(2)に記載の永久磁石の製造方法。
(4)前記第3の保護層を形成する金属が、Niである上
記(2)に記載の永久磁石の製造方法。
(5)前記圧力が、非静的に印加されるものである上記
(1)〜(4)のいずれかに記載の永久磁石の製造方
法。
(6)R(ただし、RはYを含む希土類元素の1種以
上)、FeおよびBを含有し、実質的に正方晶系の主相を
有する永久磁石体表面に保護層を有する永久磁石であっ
て、 前記保護層が前記永久磁石体表面に直接設層された第
1の保護層と、この第1の保護層上に設層された第2の
保護層とから構成され、 前記第1の保護層を形成する金属がNiであり、前記第
2の保護層を形成する金属がSnである永久磁石。
(7)R(ただし、RはYを含む希土類元素の1種以
上)、FeおよびBを含有し、実質的に正方晶系の主相を
有する永久磁石体表面に保護層を有する永久磁石であっ
て、 前記保護層が前記永久磁石体表面に設層された第1の
保護層と、この第1の保護層上に設層された第2の保護
層と、この第2の保護層上に設層された第3の保護層と
から構成され、 前記第2の保護層を形成する金属が前記第1の保護層
を形成する金属より軟質であり、 前記第3の保護層を形成する金属が、前記第2の保護
層を形成する金属より硬質である永久磁石。
(8)前記第2の保護層を形成する金属がCuまたはSnで
あり、前記第1の保護層を形成する金属がNiである上記
(7)に記載の永久磁石。
(9)前記第3の保護層を形成する金属が、Niである上
記(7)または(8)に記載の永久磁石。
(10)前記第1〜第3の保護層のすべてがめっき膜であ
る上記(6)〜(9)のいずれかに記載の永久磁石。
なお、本発明において、第1の保護層、第2の保護層
および第3の保護層を形成する金属は、相対的に硬質あ
るいは軟質であればよいが、好ましくは、下記の性質を
有することが好ましい。
すなわち、本発明においてより硬質な金属とは、後述
するような圧力印加方法(バレル研摩、バフ研摩、ショ
ットピーニング等)によってもほとんど変形を生じない
ことが好ましく、また、より軟質な金属とは、このよう
な圧力印加方法により変形を生じることが好ましい。
さらに具体的には、めっきにより成膜された金属膜の
表面にはピンホール、スルーホール等が存在するが、上
記圧力印加方法により印加された圧力によりピンホー
ル、スルーホール等を閉塞することができる程度の硬度
を有する金属を、より軟質な金属として用いることが好
ましい。
以下、本発明の具体的構成を、詳細に説明する。
上記した組成の永久磁石体表面に設層される保護層
は、永久磁石体に耐食性を付与する機能を有する。
第1の保護層を形成する金属は、第2の保護層を形成
する金属よりも硬質であればよく、その組成に特に制限
はない。
このような金属としては、第2の保護層を形成する金
属にもよるが、Ni、Co、Cr、Fe等が好ましく、これらの
うち耐食性の高さから、Ni、Co、特にNiを用いることが
好ましい。第1の保護層は、これらの金属単体から構成
されてもよく、また、これらの金属の2種以上を含む合
金であってもよい。
用いる合金としては、Ni−Co、Ni−Zn、Fe−Zn,Ni−
P、Ni−B等が好ましく、特にNi合金が好ましい。
第1の保護層の厚さは、3〜30μm、より好ましくは
5〜10μm程度であることが好ましい。厚さが3μm未
満であると保護層としての機能が不十分であり、また、
30μmを超えると、第1の保護層が強磁性材料から形成
される場合フラックスロスが大きくなり、その他の場
合、ヨークとのギャップ増大による磁力低下が生じる。
このような第1の保護層は、めっきにより設層され
る。めっきとしては、液相めっきまたは気相めっきを用
いることが好ましい。
液相めっきとしては、無電解めっきまたは電解めっき
を用いることが好ましい。無電解めっきまたは電解めっ
きは、通常のめっき法に従えばよい。
なお、第1の保護層設層前に、永久磁石体表面には前
処理を施すことが好ましい。
前処理は通常のめっきと同様に有機溶剤による脱脂を
行い、次いで、酸処理(活性化)を行うことが好まし
い。
気相めっきとしては、スパッタ、イオンプレーティン
グ、真空蒸着等の公知の通常の方法を用いることができ
る。
第2の保護層を形成する金属は、前記第1の保護層を
形成する金属よりも軟質であればよく、その組成に特に
制限はない。このような金属としては、第1の保護層を
形成する金属にもよるが、Cu、Sn等が好ましい。第2の
保護層は、これらの金属単体から構成されてもよく、ま
た、これらの金属の2種以上を含む合金であってもよ
い。
第2の保護層の厚さは、5〜50μm、より好ましくは
10〜30μm程度であることが好ましい。厚さが5μm未
満であると、後述する圧力印加の際に第2の保護層の脱
落や剥離が生じて被覆が不完全となり易い。また、50μ
mを超えると、第1の保護層の説明において述べたよう
に、磁力の低下が生じる。
このような第2の保護層はめっきにより設層される。
めっきとしては、第1の保護層の説明において述べたよ
うな液相めっき、あるいは気相めっきを用いることが好
ましい。
さらに詳述するならば、酸化防止の意味から、第1の
保護層を真空中にて行なう気相めっきにより設層し、第
2の保護層を液相めっきにより設層することが好まし
い。
本発明では、上記第1の保護層および第2の保護層を
設層した後、第2の保護層表面に圧力を印加する。
第1の保護層は、めっきにより設層されるため、その
表面にピンホール、スルーホールが存在するが、この圧
力の印加により、第1の保護層に存在するピンホール、
スルーホールが第2の保護層を形成する金属により閉塞
される。なお、第2の保護層も、めっきにより設層され
るためピンホール、スルーホールを有するが、この圧力
の印加により第2の保護層は変形し、第2の保護層に存
在するピンホール、スルーホールも閉塞される。
印加する圧力は、非静的な圧力であることが好まし
い。
非静的な圧力を印加する方法は、第1の保護層のピン
ホール、スルーホールを、第2の保護層を形成する金属
により閉塞することが可能であればよく、その他、特に
制限はないが、生産性が高く実用的であることから、バ
レル研摩、バフ研摩、ショットピーニングを用いること
が好ましい。
バレル研摩は、槽の中に被研摩物(本発明の場合、永
久磁石)を遊離または固定状態にして遊離研摩材ととも
に装入し、研摩材または被研摩物を運動させることによ
り発生する被研摩物と研摩材との間の相対運動により、
被研摩物の研摩を行なうものである。本発明では、通常
のバレル研摩を用いればよく、バレル研摩の方式、研摩
材の種類等は、保護層を形成する金属の種類あるいは研
摩される永久磁石の寸法、形状等により適当なものを選
択すればよいが、好適な方式としては、例えば、容器中
に永久磁石と研磨材とを入れて容器を回転する方法が挙
げられ、好適な研摩材としては、例えば、プラスチック
ボールが挙げられる。
バフ研摩は、研摩材の支持体または保持体として、
布、皮革等の柔軟性材料により構成されたバフを用い、
高速度で回転するバフと被研摩物との間に発生する圧力
によって、被研摩物の表面を研摩するものである。本発
明では、通常のバフ研摩を用いればよく、バフ研摩の方
式、研摩材の種類等は、保護層を形成する金属の種類あ
るいは研摩される永久磁石の寸法、形状等により適当な
ものを選択すればよい。
ショットピーニングは、吹付加工(ブラスティング)
法の1種であり、吹付ける砥粒としてほぼ球状のショッ
トを用いる金属表面加工法である。本発明では、ショッ
トピーニングを保護層表面への圧力印加に用いるが、本
発明では、通常のショットピーニングを用いればよい。
ショットの種類、ショットピーニング機械の種類等は、
保護層を形成する金属の種類あるいは研摩される永久磁
石の寸法、形状等により適当なものを選択すればよい
が、本発明に好適なショットとしては、例えば、帯電防
止処理を施した樹脂ビーズを用いればよい。
本発明では、以上のように形成された第1の保護層お
よび第2の保護層からなる保護層上に、第3の保護層を
有してもよい。
第3の保護層は、めっきにより形成され、第3の保護
層を形成する金属は、第2の保護層を形成する金属より
も、硬質なものとされる。
第3の保護層は、永久磁石のハンドリング時に第2の
保護層が損傷することを防ぐためと、永久磁石により高
い耐食性を付与するために設層されるものであり、その
材質および設層方法としては、第1の保護層の説明にお
いて前述したものを用いることが好ましい。
第3の保護層の層厚は、3〜10μm程度であることが
好ましい。
上記のようにして保護層が表面に設層される永久磁石
体は、R(ただし、RはYを含む希土類元素の1種以
上)、FeおよびBを含有するものである。
R、FeおよびBの含有量は、 5.5at%≦R≦30at% 42at%≦Fe≦90at% 2at%≦B≦28at% であることが好ましい。
特に、磁石を焼結法により製造する場合、下記の組成
であることが好ましい。
希土類元素Rとしては、Nd、Pr、Ho、Tbのうち少なく
とも1種、あるいはさらに、La、Sm、Ce、Gd、Er、Eu、
Pm、Tm、Yb、Yのうち1種以上を含むものが好ましい。
なお、Rとして2種以上の元素を用いる場合、原料と
してミッシュメタル等の混合物を用いることもできる。
Rの含有量は、8〜30at%であることが好ましい。
8at%未満では、結晶構造がα−鉄と同一構造の立方
晶組織となるため、高い保磁力(iHc)が得られず、30a
t%を超えると、Rリッチな非磁性相が多くなり、残留
磁束密度(Br)が低下する。
Feの含有量は42〜90at%であることが好ましい。
Feが42at%未満であるとBrが低下し、90at%を超える
とiHcが低下する。
Bの含有量は、2〜28at%であることが好ましい。
Bが2at%未満であると菱面体組織となるためiHcが不
十分であり、28at%を超えるとBリッチな非磁性相が多
くなるため、Brが低下する。
なお、Feの一部をCoで置換することにより、磁気特性
を損うことなく温度特性を改善することができる。この
場合、Co置換量がFeの50%を超えると磁気特性が劣化す
るため、Co置換量は50%以下とすることが好ましい。
また、R、FeおよびBの他、不可避的不純物としてN
i、Si、Al、Cu、Ca等が全体の3at%以下含有されていて
もよい。
さらに、Bの一部を、C、P、S、Cuのうちの1種以
上で置換することにより、生産性の向上および底コスト
化が実現できる。この場合、置換量は全体の4at%以下
であることが好ましい。
また、保磁力の向上、生産性の向上、低コスト化のた
めに、Al、Ti、V、Cr、Mn、Bi、Nb、Ta、Mo、W、Sb、
Ge、Sn、Zr、Ni、Si、Hf等の1種以上を添加してもよ
い。この場合、添加量は総計で10at%以下とすることが
好ましい。
本発明に用いるこのような永久磁石体は、実質的に正
方晶系の結晶構造の主相を有する。
この主相の粒径は、1〜100μm程度であることが好
ましい。
そして、通常、体積比で1〜50%の非磁性相を含むも
のである。
本発明に好適に用いられるこのような永久磁石体は、
前述した特開昭61−185910号公報等に開示されている。
上記のような永久磁石体は、以下に述べるような焼結
法により製造されることが好ましい。
まず、所望の組成の合金を鋳造し、インゴットを得
る。
得られたインゴットを、スタンプミル等により粒径10
〜100μm程度に粗粉砕し、次いで、ボールミル、スタ
ンプミル等により0.5〜5μm程度の粒径に微粉砕す
る。
得られた粉末を、好ましくは磁場中にて成形する。こ
の場合、磁場強度は10kOe以上、成形圧力は1〜5t/cm2
程度であることが好ましい。
得られた成形体を、1000〜1200℃で0.5〜5時間焼結
し、急冷する。なお、焼結雰囲気は、Arガス等の不活性
ガス雰囲気であることが好ましい。
この後、好ましくは不活性ガス雰囲気中で、500〜900
℃にて1〜5時間時効処理を行なう。
なお、本発明は、上記の焼結法により製造される永久
磁石体に限らず、いわゆる急冷法により製造されるバル
ク体磁石にも好適に適用することができる。
急冷法により製造されるバルク体磁石であって、特に
磁気特性に優れ、本発明に好適に用いられる永久磁石
は、特願昭62−90709号、同62−191380号、同62−25937
3号等に開示されている。
<実施例> 以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明をさらに
詳細に説明する。
[実施例1] 鋳造により14Nd−1Dy−7B−78Fe(数字は原子比)の
組成のインゴットを得た。
このインゴットをスタンプミルにより粗粉砕後、ボー
ルミルにより微粉砕し、平均粒径3.5μmの合金粉末を
得た。
この合金粉末を12kOeの磁場中にて1.5t/cm2の圧力で
成形し、成形体を得た。
この成形体を、Ar雰囲気中で1100℃、1時間加熱後、
急冷し、焼結体を得た。
得られた焼結体を、Ar雰囲気中で600℃にて2時間時
効処理を施し、永久磁石を得た。
この永久磁石から10×10×20mmの磁石片を切り出し、
永久磁石体とした。
この永久磁石体の表面に、第1の保護層としてNiを、
第2の保護層としてCuあるいはSnを電解めっきにより順
次設層した。
これら保護層を形成する金属および保護層層厚を表1
に示す。
次いで、第2の保護層表面に、表1に示す圧力印加方
法により圧力を印加し、本発明の永久磁石サンプルを得
た。なお、圧力印加方法の詳細を、下記に示す。
(バレル研摩) 振動バレル研磨装置を用い、保護層が設層された永久
磁石体と、メディア(三角錐型プラスチックメディ
ア)、水およびコンパウンドとを充填し、30分間バレル
研磨を行なった。
(バフ研摩) サイザルバフおよび綿バフ研磨を用い、バフ研磨材
は、固形状のトリポリを使用した。また、回転数は、22
00〜3200rpmとした。
(ショットピーニング) 保護層が設層された永久磁石体を回転バレル中で動か
しながらプラスチック性ビーズを吹付けた。ビーズは直
径0.1mmのものを用い、処理時間は1時間とした。
これらのサンプルについて、下記の耐食性試験を行な
った。
(耐食性試験) 35℃・5%NaCl溶液を用い、240時間塩水噴霧試験を
行なった。この後、磁気特性を測定し、外観の変化も観
察した。結果を表1に示す。
[実施例2] 実施例1で得られたサンプルNo.1の第2の保護層上
に、第3の保護層を設層し、サンプルNo.7を得た。
第3の保護層を形成する金属、保護層設層方法、保護
層層厚を、表1に示す。
また、第2の保護層設層後に圧力を印加しないサンプ
ルNo.8も作製した。
これらのサンプルに対し、実施例1と同様な耐食性試
験を行なった。
結果を表1に示す。
[比較例1] 第1の保護層のみからなる保護層を有するサンプルN
o.9および10を作製した。
なお、これらのサンプルにおいて、その他の条件は実
施例1で得られたサンプルNo.1と同じである。
これらのサンプルに対し、実施例1と同様な耐食性試
験を行なった。
結果を表1に示す。なお、耐食性試験前の磁気特性
を、サンプルNo.0として表1に併記する。
なお、上記各実施例および比較例で作製したサンプル
の保護層表面を走査型電子顕微鏡により観察した結果、
サンプルNo.8〜10の保護層表面にはピンホールが観察さ
れたが、サンプルNo.1〜7の保護層表面には、ピンホー
ルは観察されなかった。
以上の実施例から、本発明の効果が明らかである。
<発明の作用効果> 本発明では、永久磁石体の表面に、第1の保護層と、
この第1の保護層を形成する金属より軟質である金属か
ら形成される第2の保護層を順次設層した後、第2の保
護層表面に圧力を印加する。
第1の保護層は、めっきにより設層されるため、その
表面にピンホール、スルーホールが存在するが、この圧
力の印加により第2の保護層は変形し、第1の保護層に
存在するピンホール、スルーホールを閉塞する。このと
き、第2の保護層より硬質である金属から形成される第
1の保護層は圧力の印加によっても変形せず、第1の保
護層の耐食性は良好に保たれる。
なお、第2の保護層も、めっきにより設層されるため
ピンホール、スルーホールを有するが、この圧力の印加
による第2の保護層の変形により、第2の保護層に存在
するピンホール、スルーホールも閉塞され、保護層全体
の耐食性は、一層向上する。
また、第2の保護層上に、第2の保護層を形成する金
属より硬質である金属から形成される第3の保護層を形
成すれば、耐食性がさらに向上し、しかも、比較的軟質
な金属から形成される第2の保護層の損傷を防ぐことが
でき、信頼性が向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 道雄 東京都墨田区向島4―30―13 株式会社 ヒキフネ内 (72)発明者 飯森 忠 東京都墨田区向島4―30―13 株式会社 ヒキフネ内 (56)参考文献 特開 昭61−91909(JP,A)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】R(ただし、RはYを含む希土類元素の1
    種以上)、FeおよびBを含有し、実質的に正方晶系の主
    相を有する永久磁石体表面に保護層を有し、 前記保護層が前記永久磁石体表面に設層された第1の保
    護層と、この第1の保護層上に設層された第2の保護層
    とから構成され、 前記第2の保護層を形成する金属が前記第1の保護層を
    形成する金属より軟質である永久磁石を製造するに際
    し、 前記永久磁石体の表面に前記第1の保護層をめっきによ
    り設層し、この第1の保護層上に前記第2の保護層をめ
    っきにより設層した後、この第2の保護層表面に圧力を
    印加する永久磁石の製造方法。
  2. 【請求項2】R(ただし、RはYを含む希土類元素の1
    種以上)、FeおよびBを含有し、実質的に正方晶系の主
    相を有する永久磁石体表面に保護層を有し、 前記保護層が前記永久磁石体表面に設層された第1の保
    護層と、この第1の保護層上に設層された第2の保護層
    と、この第2の保護層上に設層された第3の保護層とか
    ら構成され、 前記第2の保護層を形成する金属が前記第1の保護層を
    形成する金属より軟質であり、 前記第3の保護層を形成する金属が、前記第2の保護層
    を形成する金属より硬質である永久磁石を製造するに際
    し、 前記永久磁石体の表面に前記第1の保護層をめっきによ
    り設層し、この第1の保護層上に前記第2の保護層をめ
    っきにより設層した後、この第2の保護層表面に圧力を
    印加し、 この上に、前記第3の保護層をめっきにより設層する永
    久磁石の製造方法。
  3. 【請求項3】前記第2の保護層を形成する金属がCuまた
    はSnであり、前記第1の保護層を形成する金属がNiであ
    る請求項1または2に記載の永久磁石の製造方法。
  4. 【請求項4】前記第3の保護層を形成する金属が、Niで
    ある請求項2に記載の永久磁石の製造方法。
  5. 【請求項5】前記圧力が、非静的に印加されるものであ
    る請求項1〜4のいずれかに記載の永久磁石の製造方
    法。
  6. 【請求項6】R(ただし、RはYを含む希土類元素の1
    種以上)、FeおよびBを含有し、実質的に正方晶系の主
    相を有する永久磁石体表面に保護層を有する永久磁石で
    あって、 前記保護層が前記永久磁石体表面に直接設層された第1
    の保護層と、この第1の保護層上に設層された第2の保
    護層とから構成され、 前記第1の保護層を形成する金属がNiであり、前記第2
    の保護層を形成する金属がSnである永久磁石。
  7. 【請求項7】R(ただし、RはYを含む希土類元素の1
    種以上)、FeおよびBを含有し、実質的に正方晶系の主
    相を有する永久磁石体表面に保護層を有する永久磁石で
    あって、 前記保護層が前記永久磁石体表面に設層された第1の保
    護層と、この第1の保護層上に設層された第2の保護層
    と、この第2の保護層上に設層された第3の保護層とか
    ら構成され、 前記第2の保護層を形成する金属が前記第1の保護層を
    形成する金属より軟質であり、 前記第3の保護層を形成する金属が、前記第2の保護層
    を形成する金属より硬質である永久磁石。
  8. 【請求項8】前記第2の保護層を形成する金属がCuまた
    はSnであり、前記第1の保護層を形成する金属がNiであ
    る請求項7に記載の永久磁石。
  9. 【請求項9】前記第3の保護層を形成する金属が、Niで
    ある請求項7または8に記載の永久磁石。
  10. 【請求項10】前記第1〜第3の保護層のすべてがめっ
    き膜である請求項6〜9のいずれかに記載の永久磁石。
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