JP2684355B2 - 試料ガス中の硫黄成分濃度測定装置 - Google Patents

試料ガス中の硫黄成分濃度測定装置

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JP2684355B2
JP2684355B2 JP28091895A JP28091895A JP2684355B2 JP 2684355 B2 JP2684355 B2 JP 2684355B2 JP 28091895 A JP28091895 A JP 28091895A JP 28091895 A JP28091895 A JP 28091895A JP 2684355 B2 JP2684355 B2 JP 2684355B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料ガス中の硫黄
成分濃度を測定する硫黄成分濃度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】試料ガス中の硫黄成分濃度測定装置は、
例えばエンジン排気ガス浄化触媒の性能評価等に用いら
れる。エンジン排気ガス中には燃料中の硫黄成分の燃焼
により生成されるSO2 が含まれるが、このSO2 成分
の一部は排気ガス浄化触媒通過時に酸化されSO3 に変
換される。また、SO3 は排気中の水分と化合して硫酸
ミストを生成する。このため、触媒通過後の排気中には
SO2 成分以外にSO3、H2 SO4 等の硫黄化合物が
含まれている。従って、排気浄化触媒の性能評価のため
には、排気浄化触媒通過後の排気ガス中のSO2 以外の
硫黄成分濃度を測定する必要がある。
【0003】排気中の硫黄成分濃度測定については、本
願出願人は特開平7−191012号公報にて、排気ガ
ス中の硫黄成分濃度測定方法を提案している。上記測定
方法は、排気ガス(試料ガス)中の全硫黄成分をSO2
に変換した後、変換後のSO2 濃度を測定する第1の工
程と、排気ガス中のSO2 以外の硫黄成分を捕集して、
残ったSO2 成分濃度を測定する第2の工程と、第1の
工程で測定した変換後のSO2 濃度から第2の工程で測
定したSO2 濃度を差し引いてSO2 以外の排気中の硫
黄成分濃度とする第3の工程とから成っている。
【0004】排気ガス中に含まれるSO2 以外の硫黄成
分はSO3 や硫酸ミスト以外にも多岐にわたっており、
従来これらの硫黄成分の濃度を測定するためには、それ
ぞれの成分に応じた個別の方法で測定を行う必要があっ
た。しかし、上記の方法によれば、簡便かつ容易にSO
2 成分以外の排気中の硫黄成分濃度を測定することが可
能となる。
【0005】通常、上記特開平7−191012号公報
の方法で試料ガス中の硫黄成分濃度を測定する場合に
は、単一の検出部を用いて第1の工程と第2の工程とに
おけるSO2 濃度の測定を行う。図2は、上記公報の方
法による硫黄成分濃度測定を行う場合の測定装置の概略
構成を示している。図2において、101は試料ガスが
流れるサンプリング通路、103は試料ガス中の硫黄成
分をSO2 に変換するコンバータ、105は試料ガス中
のSO2 以外の硫黄成分を捕集する捕集剤、107、1
09は三方切換弁、111は試料ガス中のSO2 成分濃
度を検出するSO2 濃度測定器である。
【0006】試料ガスは、サンプリング通路101か
ら、三方切換弁107、109の切換によりコンバータ
側ガス通路103aまたは捕集剤105側のガス通路1
05aのいずれか一方を経由して測定部111に導入さ
れる。三方切換弁107、109がコンバータ103側
に切り換えられると、試料ガスはガス通路103aから
コンバータ103に流入し、試料ガス中の硫黄成分が全
てSO2 に転換され、測定部111に供給される。この
ため、測定部111で測定されたSO2 濃度は試料ガス
中の全硫黄成分濃度に対応した値となる(第1の工
程)。
【0007】また、三方切換弁107、109が捕集剤
105側に切り換えられると、試料ガスはガス通路10
5aから捕集剤105に流入する。これにより、試料ガ
ス中のSO2 以外の硫黄成分が全て捕集剤に捕集され、
SO2 成分以外の硫黄成分が除去された試料ガスが測定
部111に供給される。このため、測定部111では試
料ガスに含まれる全硫黄成分のうちSO2 成分のみの濃
度が測定される(第2の工程)。
【0008】従って、試料ガス中のSO2 以外の硫黄成
分濃度は、第1の工程で測定したSO2 を含む全硫黄成
分濃度から第2の工程で測定したSO2 濃度を差し引い
た値として算出されることになる(第3の工程)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図2のよう
に単一の測定部を用いて、この測定部に第1と第2の工
程の試料ガスを切り換えて供給する場合には、硫黄成分
濃度を測定するのに非常に長時間を要する問題がある。
これは、上述の全硫黄成分濃度測定(第1の工程)とS
2 濃度測定(第2の工程)との間の測定切換後、測定
値が安定するまでに長時間を要することによっている。
【0010】すなわち、試料ガス中にはSO2 以外にS
3 、硫酸ミスト等のサルフェート(以下の説明では、
SO2 以外の試料ガス中の硫黄酸化物を「サルフェー
ト」と総称する)が含まれている。SO2 は水分が存在
しない場合には試料ガス通路壁面に吸着されることはな
い。ところが、サルフェートは試料ガス通路壁面に吸着
されやすい性質を有しており、しかも壁面へのサルフェ
ート吸着量は壁面温度、試料ガス流量、試料ガス成分な
どにより大きく変化する。また、壁面温度、ガス流量、
成分等の条件が一定の状態に維持されていれば、壁面へ
のサルフェート吸着量は時間の経過とともに壁面温度、
ガス流量等の条件に応じた一定の値に収束して平衡(安
定)状態に到達するが、上記条件が変化すると変化後の
条件に応じた平衡状態に到達するまでは、試料ガス中の
サルフェートが壁面に吸着され、或いは壁面から試料ガ
ス中にサルフェートが放出されるようになる。このた
め、条件が変化した後は、壁面へのサルフェート吸着量
が平衡状態に到達するまでは壁面へのサルフェートの吸
着、放出により測定値が変動し、試料ガス中の真の硫黄
成分濃度を測定することができない。
【0011】例えば、通路壁面温度は高いほどサルフェ
ート吸着量は少なくなっている。このため、測定切換時
に壁面温度が低下した場合には、温度低下後の壁面温度
での平衡状態における吸着量までサルフェート吸着量が
増大するまでは、試料ガス中のサルフェートが壁面に吸
着されることになり、試料ガス中のサルフェート濃度は
本来の値より低くなることになる。また、逆に壁面温度
が上昇した場合には、吸着量が減少して温度上昇後の壁
面温度での平衡状態に到達するまでは、壁面から試料ガ
ス中にサルフェートが放出されるようになるため、試料
ガス中のサルフェート濃度は本来の値より大きくなって
しまう。
【0012】上記特開平7−191012号公報ではサ
ルフェートの通路壁面吸着を防止するために、試料ガス
通路を加熱している。しかし、図2の装置のように単一
の測定部を用いて全硫黄成分濃度とSO2 濃度とを切り
換えて測定するような場合、全硫黄成分濃度測定時には
ガス通路105a側のガス流が、SO2 濃度測定時には
ガス通路103a側のガス流が、それぞれ停止されるこ
とになる。ガス流が停止した側では、ガス流による熱放
散がないため壁面温度は高温になっており、切換後試料
ガスの流れが生じると壁面温度は急激に低下し、壁面へ
のサルフェート吸着が生じるようになってしまう。ま
た、試料ガスの成分を変化させた場合や試料ガス流量を
変化させた場合にも同様に壁面へのサルフェート吸着
(または壁面からのサルフェート放出)が生じるように
なる。
【0013】このため、単に試料ガス通路を均一に加熱
するだけではサルフェートの吸着、放出による試料ガス
のサルフェート濃度測定値変動を防止することはできな
い。通常、通路壁面のサルフェート吸着量の変化速度は
小さいため、切換後に吸着量が平衡状態に到達して試料
ガスのサルフェート濃度が安定するまでには長時間を要
する(例えば、切換後安定した濃度測定値が得られるま
でには通常30分から1時間程度の時間が必要とされ
る)。
【0014】このため、単一の測定部を用いて全硫黄濃
度とSO2 濃度とを切り換えて測定する場合には一回の
測定に長時間を要する問題が生じるのである。例えば全
硫黄濃度測定用とSO2 濃度測定用とにそれぞれ独立し
た測定部を設け、これらの測定部に試料ガスを分岐して
供給し同時に測定を行うようにすれば上記切換に伴う問
題を解決することは可能である。しかし、通常、測定部
は高価であるため上記のように複数の測定部を設けるこ
とは装置コストの面から実際的ではない。
【0015】そこで、本発明は上記問題に鑑み、単一の
測定部を用いて試料ガス中の全硫黄濃度とSO2 濃度と
を切り換えて測定する場合に、切換後短時間で安定した
測定値を得ることができる硫黄成分濃度測定装置を提供
することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、硫黄成分を含む試料ガスを検出部に供給し、該
検出部により、試料ガス中のSO2 成分濃度と、SO2
成分を含む全硫黄成分濃度とを切り換えて測定する硫黄
成分濃度測定装置であって、SO2 成分濃度測定時に前
記試料ガスを検出部に供給するSO2 成分測定用試料ガ
ス通路と、SO 2 成分を含む全硫黄成分の濃度測定時に
前記試料ガスを検出部に供給する全硫黄成分測定用試料
ガス通路と、前記SO2 成分測定用試料ガス通路と前記
全硫黄成分測定用試料ガス通路を選択的に前記検出部に
接続する切換手段と、前記それぞれのガス通路のうち、
少なくとも前記SO2 以外の硫黄成分を含む試料ガスが
流れる部分に試料ガスを常時流通させる手段を備えた試
料ガス中の硫黄成分濃度測定装置が提供される。
【0017】すなわち、請求項1の発明では、SO2
分測定用試料ガス通路と全硫黄成分測定用試料ガス通路
との少なくともSO2 以外の硫黄成分を含む試料ガスが
流れる部分には、常時試料ガスが流れ、ガス流が停止す
ることがない。このため、測定の切換時に壁面温度や試
料ガス流量が変動することがなく、切換前後で硫黄成分
の壁面吸着量が変化することがない。
【0018】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の硫黄成分濃度測定装置は、前記全硫黄成分測定
用試料ガス通路上に配置され、前記試料ガス中のSO2
成分以外の硫黄成分をSO2 に変換する変換手段と、前
記変換手段と前記検出部との間に配置され、試料ガス中
のSO2 成分以外の硫黄成分を捕集する捕集手段と、を
備えている。
【0019】すなわち、請求項2の発明では変換手段と
測定部との間の全硫黄成分測定用試料ガス通路上に捕集
手段を配置したことにより、変換手段に異常が生じた場
合でも捕集手段下流側のガス通路にはSO2 以外の硫黄
成分は到達しない。SO2 はガス通路壁面に吸着されな
いため、これにより変換手段に異常が生じた場合にも捕
集手段下流側のガス通路への硫黄成分の吸着は生じな
い。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を用いて本発明の
実施形態について説明する。図1は、本発明の硫黄成分
測定装置の一実施形態の概略構成を示す線図である。本
実施形態は、内燃機関の排気ガス浄化用触媒の性能評価
のために触媒入口側の排気中のSO2 成分濃度と、触媒
出口側の排気中のSO2 成分濃度及びSO2以外の硫黄
成分濃度とを単一の測定部を使用して切換測定するため
に本発明を適用した場合を示している。
【0021】図1に示すように、本実施形態の硫黄成分
測定装置は、試料ガス(排気ガス)のサンプリング管1
1及び11a、11b、試料ガスの分離ユニット10、
検出ユニット30、及び分離ユニット10と検出ユニッ
ト30とを接続する試料ガス配管25、27とから構成
される。分離ユニット10は、図1に示すように、全硫
黄成分測定用試料ガス通路10aと、SO2 成分測定用
試料ガス通路10bとを備えている。分離ユニット10
内の全硫黄成分測定用試料ガス通路10aは、サンプリ
ング管11に接続され、ガス通路10a上には、遮断弁
13a、13b、コンバータ17、コンバータ用プレヒ
ータ15、及び捕集剤21が配置されている。
【0022】コンバータ17は活性炭などの還元剤を使
用して試料ガス中のSO3 、硫酸ミスト等サルフェート
を含めたSO2 以外の硫黄化合物をSO2 に転換(還
元)する機能を有している。また、捕集剤21は酸化第
2鉄、酸化銅等の金属酸化物を使用してSO2 以外の硫
黄化合物を吸着させるものである。プレヒータ15は、
コンバータ17での硫黄成分のSO2 への転換を高効率
で生じさせるために、コンバータ17に流入する試料ガ
スを加熱するためのものである。また、遮断弁13a、
13bはコンバータ17の交換などの保守、点検作業時
に全硫黄成分測定用試料ガス通路10を遮断するための
ものであり、測定装置使用時には常に開弁状態に保持さ
れている。
【0023】分離ユニット10内のSO2 成分測定用試
料ガス通路10bは、サンプリング管11a、11bに
それぞれ遮断弁19a、19bを介して接続され、ガス
通路10b上には、前述の捕集剤21と同様な捕集剤2
3が配置されている。本実施形態では、サンプリング管
11は、図示しない内燃機関の排気浄化触媒出口側の排
気通路に接続されている。また、サンプリング管11a
は排気浄化触媒出口側の排気通路に、サンプリング管1
1bは排気浄化触媒入口側の排気通路に、それぞれ接続
されている。すなわち、分離ユニット10のSO2 成分
測定用試料ガス通路は、遮断弁19a、19bの開閉操
作により触媒出口側の排気通路(サンプリング管11
a)または触媒入口側の排気通路(サンプリング管11
b)に選択的に接続できるようになっている。
【0024】なお、サンプリング管11及び11a、1
1b外周にはバンドヒータ等のヒータが設けられ、サン
プリング管の壁面温度を高温に維持することによりサル
フェートの壁面付着ができるだけ少なくなるようにして
いる。次に、検出ユニット30について説明する。上記
分離ユニット10の全硫黄成分測定用試料ガス通路10
aは、バンドヒータ等により加熱された加熱導管25、
ユニット内配管29a及び異物除去用のフィルタ31a
を介してサンプリングポンプ33aに接続されている。
また、ポンプ33a吐出側には、圧力調整弁34a、3
5aが接続され、圧力調整弁35a下流側の配管は分岐
して、一方はベント配管41aに、他方は三方切換弁5
1に、それぞれ接続されている。
【0025】同様に、分離ユニット10のSO2 成分測
定用試料ガス通路は、バンドヒータ等により加熱された
加熱導管27、ユニット内配管29b、異物除去用フィ
ルタ31bを介してサンプリングポンプ33bに接続さ
れ、ポンプ33b吐出側では圧力調整弁34b、35b
を経て分岐し、ベント配管41b及び三方切換弁51に
接続されている。また、37a、37bは圧力計であ
る。
【0026】三方切換弁51は配管53を介して検出部
50に接続され、全硫黄成分測定用試料ガス通路10a
を通る試料ガスとSO2 成分測定用試料ガス通路10b
を通る試料ガスとの一方を選択的に検出部50に導入す
る。検出部50は、例えばFPD(炎光光度)式の検出
器とされ、いずれかの通路から供給された試料ガスを燃
焼ガスである水素ガスと混合してノズルで燃焼させると
ともに、炎光中の硫黄成分に特有なスペクトルを干渉フ
ィルタ、光電子倍増管で検出する構成である。FPD分
析法は公知であるので、ここでは詳細な説明は省略す
る。図に55で示したのは、検出部50で燃焼後の排気
ガス通路、57は背圧を一定に維持し、試料ガスの流量
変動を防止するためのバブラー(流量制御装置)であ
る。
【0027】次に、図1の装置による硫黄成分の測定に
ついて、排気浄化触媒出口側の排気ガスを測定する場合
を例にとって説明する。この場合、分離ユニット10の
遮断弁19bは閉鎖され、遮断弁19aは開弁保持され
る。これにより、排気浄化触媒出口側の排気がサンプリ
ング管11及び11bを介して分離ユニットに供給され
ることになる。
【0028】本実施形態では、測定中はサンプリングポ
ンプ33aと33bとの両方を同時に運転する。これに
より、サンプリング管11及び11aから排気浄化触媒
出口側の排気ガスが、それぞれ全硫黄成分測定用試料ガ
ス通路10aとSO2 成分測定用試料ガス通路10bと
に吸引され、ポンプ33a、33bを経てベント配管4
1a、41bから装置外に排出される。また、それぞれ
の試料ガス通路を流れるガスの圧力は、粗調整用の圧力
調整弁34a、35a、及び34b、35bで概略調節
された後、圧力計37a、37bの指示が所望の値にな
るように圧力調整弁39a、39bを手動調節すること
により微調整される。
【0029】サンプリング管11から全硫黄成分測定用
試料ガス通路10aに導入された排気ガスに含まれるS
2 以外の硫黄成分は、コンバータ17でその全量がS
2に転換される。このガスは捕集剤21を通過した後
フィルタ31aで異物を除去され、ポンプ31a、圧力
調整弁33a、35aを通過後、圧力調整弁39aを経
てベント配管41aに排出される。従って、全硫黄成分
測定用試料ガス通路10aの、コンバータ下流側を流れ
る排気は、全硫黄成分濃度に相当する濃度のSO2 を含
み、他の硫黄成分を含まない。
【0030】また、サンプリング管11aからSO2
分測定用試料ガス通路10bに導入された排気ガス中の
SO2 以外の硫黄成分はその全量が捕集剤23で吸着さ
れるため、捕集剤23下流側のSO2 成分測定用試料ガ
ス通路10b内を流れる排気は、排気浄化触媒出口側の
排気に含まれるSO2 のみを含み、SO2 以外の硫黄成
分は含まない。この排気も、上記と同様、フィルタ31
b、ポンプ33b等を経て、弁と配管41bに排出され
る。
【0031】排気ガス中の全硫黄成分濃度を測定する場
合には、三方切換弁51は全硫黄成分測定用試料ガス通
路10a側と配管53とを接続し、全硫黄成分測定用試
料ガス通路10aから供給される排気ガスを検出部50
に導く。これにより、排気ガス中の全硫黄成分濃度が検
出される。また、排気ガス中のSO2 成分濃度を測定す
る場合には、三方切換弁51はSO2 成分測定用試料ガ
ス通路10b側と配管53とを接続するように切り換え
られる。これにより、排気浄化排気浄化触媒出口側の排
気に含まれるSO2 濃度のみが測定されることになる。
排気浄化触媒出口側の排気に含まれるSO2 以外の硫黄
成分(サルフェート等)の濃度は、上記全硫黄成分濃度
とSO2 成分濃度との差として算出される。
【0032】なお、測定時に検出部50に流れる排気ガ
ス流量はベント41a側に流れる流量に較べて微量であ
るため、三方切換弁51の切換に伴う全硫黄成分測定用
試料ガス通路10aとSO2 成分測定用試料ガス通路1
0bとを流れる排気ガス流量の変化は生じない。上述の
ように、本実施形態では、ベント41a、41bから試
料ガスを排出することにより、全硫黄濃度とSO2 濃度
とを切り換えて計測する場合にも、常時全硫黄成分測定
用試料ガス通路10aとSO2 成分測定用試料ガス通路
10bとには試料ガスが流通することになる。また、検
出部50に流入する試料ガス流量は微量であるため、両
方のガス通路を流れる試料ガス流量は三方切換弁51の
切換位置にかかわらず略一定に維持される。このため、
測定の切換(三方切換弁の切換)にかかわらず、両方の
ガス通路を流れる試料ガス流量や壁面温度が変化するこ
とがない。このため、切換前後でガス通路壁面に吸着さ
れたサルフェート量は平衡状態に維持され、壁面からの
サルフェート放出、吸着による試料ガス中の硫黄成分濃
度の変動が生じない。
【0033】このように、切換前後でサルフェート壁面
吸着量の変動が生じないため、本実施形態の装置では、
切換後に測定値は極めて短い時間で安定するようにな
る。例えば、図2に示した従来の装置で全硫黄濃度62
PPMの排気ガスをサンプリング流量5リットル/分で
装置内に流して実際に測定を行った場合、切換弁(図
2、107、109)の切換後に測定値が安定するまで
に最小でも3分程度の時間を要した。これに対して、図
1に示した本実施形態の装置で同じ条件で実際に測定を
行った場合、三方切換弁51の切換後、3〜4秒程度の
時間で安定した測定値が得られるようになり、大幅に測
定時間を短縮すること可能となっている。
【0034】なお、本実施形態では、分離ユニット10
の全硫黄測定用試料ガス通路10aのコンバータ13下
流側にも捕集剤21を配置している。本来、SO2 以外
の硫黄成分はコンバータ17でSO2 に完全に転換され
るためコンバータ下流側の排気はSO2 以外の硫黄成分
を含んでおらず、コンバータ下流側に捕集剤を設ける必
要はない。しかし、例えば、コンバータの性能が低下し
たことに気づかずに試料ガスを流したような場合には、
コンバータで硫黄成分が完全にSO2 に転換されず、サ
ルフェート等を含む試料ガスがコンバータ下流側に流出
するようになる場合がある。このような場合、従来は下
流側配管を全て取り外して洗浄し、壁面に付着したサル
フェートを除去する作業が必要となっていた。
【0035】これに対して、図1の実施形態では、仮に
コンバータ17に異常が生じてサルフェートを含むガス
が下流側に流出したような場合でも、サルフェート等の
硫黄成分は全て捕集剤21に捕集され、捕集剤21下流
側の配管には到達しない。このため、コンバータに異常
が生じた場合でも捕集剤21下流側の配管の洗浄を行う
必要がなくなり、コンバータの交換のみで直ちに測定を
再開することが可能となる。
【0036】また、本実施形態では、排気浄化触媒の入
口側の排気はSO2 成分測定用試料ガス通路10bのみ
に導入されている(サンプリング管11b)。これは、
内燃機関出口の排気中では、硫黄成分はその略全量がS
2 の形で存在し、SO2 以外の硫黄成分濃度は略ゼロ
になっているためである。従って、排気浄化触媒入口側
の排気にもSO2 以外の硫黄成分が含まれる場合には、
サンプリング管11に加えて、排気浄化触媒上流側の排
気通路を全硫黄成分測定用試料ガス通路10aに接続す
るサンプリング管と、19a、19bと同様な切換弁と
を設けるようにしても良い。
【0037】また、内燃機関から排出される排気中の全
硫黄成分濃度は、燃料中の硫黄成分濃度と機関吸入空気
量とから正確に算出することができる。このため、排気
浄化触媒入口側の排気中のSO2 濃度を実測する代わり
に、燃料中の硫黄成分濃度と機関吸入空気量とから算出
した値を用いるようにしても良い。
【0038】
【発明の効果】各請求項に記載の発明によれば、測定切
換時の試料ガスの流量や温度変化を最小限に抑制するこ
とができるため、切換後短時間で測定を完了することが
でき、測定に要する時間を大幅に短縮することが可能と
なるという効果を奏する。また、請求項2に記載の発明
によれば、コンバータ下流側に捕集剤を配置したことに
より、コンバータに異常が生じた場合でも捕集剤下流側
の配管にサルフェートが到達することが防止されるた
め、上記共通の効果に加え、コンバータに異常が生じた
場合の修復作業が大幅に簡素化されるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の硫黄成分測定装置の一実施形態の構成
を説明する線図である。
【図2】従来の硫黄成分測定装置の構成を説明する線図
である。
【符号の説明】
10…分離ユニット 30…検出ユニット 11、11a、11b…サンプリング管 17…コンバータ 21、23…捕集剤 41a、41b…ベント配管 50…検出部 51…三方切換弁 33a、33b…サンプリングポンプ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫黄成分を含む試料ガスを検出部に供給
    し、該検出部により、試料ガス中のSO2 成分濃度と、
    SO2 成分を含む全硫黄成分濃度とを切り換えて測定す
    る硫黄成分濃度測定装置であって、 SO2 成分濃度測定時に前記試料ガスを検出部に供給す
    るSO2 成分測定用試料ガス通路と、SO2 成分を含む
    全硫黄成分の濃度測定時に前記試料ガスを検出部に供給
    する全硫黄成分測定用試料ガス通路と、 前記SO2 成分測定用試料ガス通路と前記全硫黄成分測
    定用試料ガス通路を選択的に前記検出部に接続する切換
    手段と、 前記それぞれのガス通路のうち、少なくともSO2 以外
    の硫黄成分を含む試料ガスが流れる部分に試料ガスを常
    時流通させる手段を備えた試料ガス中の硫黄成分濃度測
    定装置。
  2. 【請求項2】 前記全硫黄成分測定用試料ガス通路上に
    配置され、前記試料ガス中のSO2 成分以外の硫黄成分
    をSO2 に変換する変換手段と、 前記変換手段と前記検出部との間に配置され、試料ガス
    中のSO2 成分以外の硫黄成分を捕集する捕集手段と、 を備えた請求項1に記載の硫黄成分濃度測定装置。
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