JP2682527B2 - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

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JP2682527B2
JP2682527B2 JP8025311A JP2531196A JP2682527B2 JP 2682527 B2 JP2682527 B2 JP 2682527B2 JP 8025311 A JP8025311 A JP 8025311A JP 2531196 A JP2531196 A JP 2531196A JP 2682527 B2 JP2682527 B2 JP 2682527B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、演奏者の微妙な
操作を検出して楽音に反映することのできる電子楽器に
関する。
【0002】
【発明の背景】音楽の演奏は、単に発生する楽音が楽譜
の指示どおりの音高になっていればよいものではなく、
一音毎の音色はもとより微妙なレベル(音量),ピッチ
(音程)のゆらぎや消えてゆく楽音の余韻の処理等、楽
音の細部まで気をつかって初めて美しい演奏が可能にな
る。したがって、楽器は演奏者のこのような意図を受け
付けてそれを反映した楽音を発生するものでなければな
らない。
【0003】
【従来の技術】現在、電子ピアノや鍵盤型シンセサイザ
に代表される電子鍵盤楽器が広く実用化されている。こ
の種の電子鍵盤楽器の鍵盤には各キー毎にオン・オフを
検出するスイッチと、打鍵強度(イニシャル強度)を検
出するセンサとが設けられ、その多くは接点時間差スイ
ッチとして一体的に設けられている。オンされたキーを
検出することにより、音高を決定し、イニシャル強度を
検出することにより、発音レベルやレベル変位特性(エ
ンベロープ)等を決定するようにしている。また、一部
の電子鍵盤楽器においては、キーオン中の押圧強度(ア
フタータッチ)を検出してレベルやビブラート等の効果
を制御するようにしているものもある(特開昭62−1
87393号公報参照)。
【0004】また、一部の電子鍵盤楽器には付加的な演
奏用操作子としてペダルやホイール(特公昭61−47
433号公報第11図参照)を有するものもある。この
ペダルやホイールにはビブラート等の効果やピッチ変位
等の制御機能を割り当てることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の鍵
盤ではキーのオン/オフ,キーオン時のイニシャル強
度,キーオン中のアフタータッチを検出して楽音に反映
することができるが、キーオン直前やキーオフ時の指の
動き、すなわちキーの上下動の状態を検出することがで
きなかった。
【0006】ところで、キーボード奏者による実際の演
奏においては、キーオン前,キーオフ後の指の動きが自
然にアタック(楽音の立ち上がり)やリリース(余韻)
を表現している場合が多く、このような指の動きを楽音
に反映させれば表情豊かな楽音を生成することができ
る。しかしながら、従来の鍵盤ではキーのオン/オフ,
キーオン時のイニシャル強度,キーオン中のアフタータ
ッチを検出して楽音に反映することができるが、キーオ
ン直前やキーオフ直後のキーの上下動の状態を検出する
ことができなかった。
【0007】また、実際のピアノ(アコースティックピ
アノ)において、キーを叩いたときの音色は単に打鍵強
度や打鍵速度のみで決定されるものではなく、その叩き
方やキーからの指の離し方によって微妙に変化する。た
とえば、指をキーの上に置いた状態から打鍵する演奏
(すなわちキーは初速=0から急に加速される。)と、
キーの上方から指を落として打鍵する演奏(すなわちキ
ーはスタートから打鍵まで略一定の速い速度で移動す
る。)とでは同じ打鍵強度でも音色が異なる。また、オ
ンしていたキーを静かにオフするのと撥ね上げるように
オフするのとでは余韻が異なる。このことは音響学的に
は十分に解明されていないが、実際の演奏により経験的
に事実が証明されている。しかし従来の電子鍵盤楽器で
はこのようなアコースティックピアノの特性を再現する
ことができなかった。
【0008】また、ペダルやホイールは楽音の1音1音
に対して微妙な表情を付ける操作子ではなく、そのとき
発音されている全ての楽音のレベルやビブラート等をト
ータルに制御するための操作子である。さらに、ホイー
ルは鍵盤操作とは別に手で操作しなければならないた
め、その分鍵盤による表現が不十分になる欠点があっ
た。このため、従来の鍵盤のみでは、1音1音に対する
表現が十分でなく、ペダルやホイールを使用してもその
表現力が十分に向上しない欠点があった。
【0009】この発明は、キーオン操作など操作子操作
の直前・直後の操作子の状態を検出して楽音を制御する
ことにより上記課題を解決した電子楽器を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この出願の請求項1の発
明は、楽音を発生させる音源と、該音源に対して発音・
消音を指示するスイッチ手段および自己の歪みを検出す
る歪みセンサを有する操作子と、前記歪みセンサ出力の
微分値およびピーク値を求めるセンサ情報検出手段と、
該センサ情報検出手段が検出した微分値およびピーク値
に基づいて前記音源の動作態様を設定する楽音態様設定
手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】この出願の請求項2の発明は、前記センサ
情報検出手段を前記スイッチ手段が発音を指示する前の
歪みセンサ出力の微分値およびピーク値を検出する手段
としたことを特徴とする。
【0012】この出願の請求項3の発明は、前記センサ
情報検出手段を前記スイッチ手段が消音を指示した後の
歪みセンサ出力の微分値およびピーク値を検出する手段
とし、前記楽音態様設定手段を該スイッチ手段が消音を
指示した後の歪みセンサ出力の微分値およびピーク値に
基づいて楽音の消音時の動作態様を設定する手段とした
ことを特徴とする。
【0013】上記のように、操作子に歪みセンサを設
け、操作子の操作態様をこの歪みセンサの検出値(セン
サ情報)として求めて、音源の動作態様を制御するよう
にしたことにより、操作子を単なる楽音オン/オフのみ
ならず音色や音量などの制御に用いることができるよう
になる。特に、この歪みセンサを用いて、演奏者が操作
子を操作する直前の動作や操作子を操作した直後の動作
を検出することにより、発音時や消音時の繊細な楽音制
御が可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】図3はこの発明の実施例である電
子鍵盤楽器のブロック図である。鍵盤1は4〜5オクタ
ーブ程度の音域を有し、音源15にはそれぞれ独立して
発音可能なチャンネルが8個設けられている。楽器外面
部には鍵盤1のほか音色選択スイッチを含むスイッチ群
2,スピーカ等のサウンドシステム4が設けられてい
る。楽器の動作はCPU10によって制御され、メモリ
や各動作部はバス11を介してCPU10に接続されて
いる。バス11にはタッチ圧検出回路12,キーオン検
出回路13,スイッチインターフェイス14,音源回路
15,キータッチ検出回路16,ROM17,RAM1
8,タイマ19が接続されている。スイッチインターフ
ェイス14はスイッチ群2の各スイッチのオン・オフを
検出する。音源回路15には独立した8チャンネルの音
源が設けられておりCPU10から受け取った波形信号
等に基づいて同時に8音まで発音することができる。タ
ッチ圧検出回路12,キーオン検出回路13およびキー
タッチ検出回路16はそれぞれキー30に設けられてい
る各種センサに基づいてキータッチの有無,キー押下速
度やキーオン中の押圧強度(アフタータッチ強度)等を
検出する。
【0015】図1は前記鍵盤1を構成する一つのキーの
側断面図であり、図2は同キーの支点構成部材24の斜
視図である。キー30は樹脂で構成されており、キー幅
とほぼ同じ円弧面を有する支点構成部材24を介して回
動自在にプリント基板36に取り付けられている。この
プリント基板36上面には配線パターンが形成されてお
り、キースイッチの固定接点,時分割キースキャン用の
ダイオード37等が実装されている。このプリント基板
36はネジ25a,25b,25cによってフレーム部
材(楽器本体)20の上面に固定されている。このフレ
ーム部材20は樹脂で構成され、補強のためのリブ21
a,21b,21c,21dが適当な間隔で設けられて
いる。複数のリブで囲まれた凹部20a,20b,20
c,20d,20eは下から見ると一辺が3〜8cm程
度のボックス状に形成されている。フレーム部材20に
は各キーに対応した取付孔22,23が設けられてお
り、取付孔22のキー支点側縁部下面にはキー30に対
する上限ストッパ27が設けられ、非押鍵時にあっては
キーの上限ストッパ部30bと当接している。プリント
基板36の取付孔23に対応する位置には取付孔23と
ほぼ同じ大きさの孔36aが開設されている。
【0016】取付孔23には支点構成部材24が嵌合し
ている。支点構成部材24の取付孔23との嵌合部はそ
の上下にテーパ部24jを有する凹部24iに形成され
ている。このように本体20,プリント基板36に嵌合
した支点構成部材24は、テール部24kにおいて押さ
え部材26で上から固定されている。押さえ部材26は
1オクターブ(12個)以上の支点構成部材を共通して
固定する部材であり、支点構成部材24のネジ孔24g
を貫通するネジ25cによって固定される。支点構成部
材24は上面に円弧面を有しており、この円弧面にはグ
リス溜まり孔24lを有するガイドレール24f,キー
からのタッチに関する電気信号(後述)を受信する端子
である摺接電極24a,24b,24c,24d,24
eが形成されている。摺接電極24a,24b,24
c,24d,24eはそれぞれ端子24A,24B,2
4C,24D,24Eに接続されている。24A,24
B,24C,24D,24Eは前記摺接電極からの信号
をプリント基板36に伝達する。すなわち、端子はスル
ーホールを介して支点構成部材24の裏面まで導通して
おり、裏面においてプリント基板36のプリントパター
ンに接している。プリント基板36には端子板38が接
続されており、この端子板38から電気回路部(図示せ
ず)へキーオン信号等が伝達される。なお、電極24a
〜24eの1つはアースラインである。また支点構成部
材24はほぼ1/4円をキー幅より少し細めにした下部
円弧部24hを有している。
【0017】キー30の後端の上面および下面には凹部
30d,30eが形成されている。この凹部30d,3
0eは支点部のひけ防止と材料節約としての目的で構成
されている。キー30の中央部下面にはブリッジ部が突
出したH字形のアクチュエータ30cが設けられてお
り、このアクチュエータ30c直下のプリント基板36
上にはゴム状の可動部35が設けられている。この可動
部35は内部にキーオン検出用のスイッチ接点を有して
おり、キーオンに伴って突起30cがゴム接点35を押
しつぶしたとき内部のスイッチ接点が閉成するようにな
っている。このスイッチ接点の閉成をキーオン検出回路
13が検出する。またこの可動部35はゴム状の弾性体
で構成されているため離鍵時の鍵復帰部材も兼ねてい
る。
【0018】また、このキー30にはキータッチセンサ
が設けられている。このキータッチセンサの検出部とし
てこの実施例ではキー30表面に形成された導電性薄膜
31を用いている。演奏者の指がキー30(導電性薄膜
31)に触れると導電性薄膜31のノイズレベルが上昇
するため、これをキータッチ検出回路16が検出してキ
ータッチを判断するセンサである。
【0019】キータッチセンサとしてはこの実施例以外
に以下の方式を採用することも可能である。キータッチ
検出回路16によりキータッチによる浮遊静電容量の変
動を検出する方式、キー表面に2組のクシ歯状電極を形
成し、それぞれのクシ歯状電極の導通からキータッチを
検出する方式、感圧インクと電極との組み合わせによる
センサ(特開昭62−116230号公報参照)や対向2感圧イ
ンクセンサをキー表面に形成し、指の接触時の電気的変
化を検出する方式、さらに、キー30の内部上面には歪
センサ32〜34が密着して取り付けられている。この
歪センサ32〜34はキー30上面の歪に伴って変形
し、その変形量に比例した電圧を出力する。キー30は
上述したように樹脂製であるため、演奏者の強いキー押
下やキーオン時の衝撃によって弾性変形する。この弾性
変形の大きさは押下強度や衝撃の程度によって異なり、
歪センサ32〜34はこの弾性変形の大きさに比例した
電圧を出力するため、センサの出力電圧によりタッチの
強度(キーオンに向かう加速度)やキーオン時の強度
(イニシャルタッチ強度)を検出することができる。こ
の歪センサ32〜34からの出力および導電性薄膜31
からの出力は樹脂成形時に一体的に形成される導電路に
て摺接面30aに導かれ、さらにこの摺接面30aから
支点構成部材24−プリント基板36を介してタッチ圧
検出回路12に伝達される。タッチ圧検出回路12が読
み取ったタッチ圧はCPU10に送られる。
【0020】前記摺接面30aはキー30の回動支点も
兼ねている。摺接面30aは図示しないガイド溝が形成
されており、このガイド溝が前記ガイドレール24fと
嵌合しつつ摺接回動する。なお、摺接面30aには、キ
ー30が支点構成部材24に取り付けられた状態でその
摺接部が180°以上になるように構成されており、キ
ー30の嵌め込み時および離脱時において支点構成部材
24を回動させることによりその摺接部が180°以下
にして着脱が可能なように構成されている。
【0021】図4は前記RAM18に設定される各キー
の操作内容記憶エリアを示す。この記憶エリアは各キー
ごとに設定される。この記憶エリアにはキータッチフラ
グM1,キーオンフラグM2,イニシャル強度レジスタ
M3,押圧強度レジスタM4および音色パラメータレジ
スタM5が設定されている。キータッチフラグM1はキ
ータッチ検出回路16がキータッチを検出している間セ
ットするフラグである。またキーオンフラグM2はキー
オン検出回路13がキーオンを検出している間セットさ
れるフラグで、このフラグがセットされると発音データ
が音源回路15に送信されて楽音が発音される。イニシ
ャル強度レジスタM3はキーオンされた瞬間の衝撃力を
記憶するエリアで、この値により発音レベルが決定され
る。押圧強度レジスタM4はキータッチされたのちのキ
ーの押圧強度(歪センサ32〜34の出力)を経時的に
記憶していくエリアでありキータッチからキーオンまで
のキー位置を連続して記憶するため複数の記憶エリアが
設けられている。M5には倍音構成比率等の音色を決定
するためのパラメータが記憶される。このパラメータは
キーオンを検出したときそれまでのキー位置の変化内容
に基づいて決定され、音源回路15に送られる。
【0022】図5,図6は前記CPU10の動作を示す
フローチャートである。図5(A)はメインルーチンで
ある。この電子鍵盤楽器の電源がオンされると各レジス
タをリセットする等のイニシャル処理が実行され(n
1)、この楽器が演奏可能状態になる。こののち音色選
択スイッチによる音色選択処理動作(n2),キータッ
チ検出回路16の検出内容に基づくキータッチ/リリー
ス処理動作(n3)およびキーオン検出回路13の検出
内容に基づくキーオン/オフ処理動作(n4)が実行さ
れる。またタイマ19の一定時間ごとの割り込みにより
タイマインタラプト動作が実行される。
【0023】前記n3〜n4の処理は後述する図5
(B),(C),図6(A),(B)の処理と対応して
おり、n3は図5(B),(C)に、n4は図6
(A),(B)に対応している。またメインルーチン
(図5(A))とサブルーチン(図5(B),(C),図
6(A),(B))との関係において各イベントがあっ
たか否かの判断がメインルーチンのn2〜n4において
行われ、各イベントがあったときのみ上記サブルーチン
が実行される。
【0024】図5(B)はキータッチイベント処理動作
である。何れかのキーに指が接触したことを接触検出セ
ンサ31,キータッチ検出回路16によって検出したと
きこの動作が実行される。まず接触されたキーのキーナ
ンバを読み取り(n5)、このキーに対応するキータッ
チフラグをセットして(n6)リターンする。
【0025】図5(C)はキーリリースイベント処理動
作である。接触していた指がキーから離れるとこの動作
が実行される。まず指の接触が解除されたキーのキーナ
ンバを読み取り(n7)、このキーのキータッチフラグ
をリセットして(n8)リターンする。
【0026】図6(A)はキーオンイベント処理動作を
示す。前記ゴム接点35が押しつぶされてスイッチ接点
が閉じたときこの動作が実行される。まずキーオンが検
出されたキーナンバを読み取り(n10)、この瞬間の
タッチ圧からイニシャルタッチ強度を検出する(n1
1)。つぎにキータッチからキーオンされるまでのキー
歪の変位パターンを読み出し(n12)、このパターン
とイニシャルタッチ強度とで楽音の音色を決定する音色
パラメータを設定する(n13)。この動作において
は、たとえばイニシャルタッチ強度によって発音レベル
を決定し、押圧パターンによって楽音の倍音構成等を決
定するような方式をとることができる。この動作によっ
て決定されたパラメータを含む発音データを音源回路1
5に送信して(n14)、この楽音を発音させる。
【0027】図6(B)はキーオフイベント処理動作で
ある。ゴム接点35がスイッチ接点と離れキーオフが検
出されるとこの動作が実行される。まずキーオフされた
キーナンバを読み取り(n15)、このキーナンバに対
応する楽音を消音させるためのデータを音源回路15に
送信する(n16)。これによって楽音のエンベローブ
はリリースに移る。
【0028】図6(C)はタイマインタラプト動作であ
る。この動作においてはキータッチされているすべての
キーについて歪センサ32〜34の出力を検出する。ま
ずn20においてキーナンバレジスタ(キー位置を検出
するキーナンバを記憶するレジスタ:RAM18に設定
される)に0をセットし、このキーにキータッチがある
か否かをn21で判断する。この判断はキータッチフラ
グのセット/リセットによって行われる。キータッチが
あれば歪センサ32〜34の出力を読み取り(n2
2)、これを押圧強度レジスタM4に記憶する(n2
3)。次にn24でキーナンバレジスタに1を加算す
る。これによってキーナンバレジスタの記憶内容が61
になれば全てのキーに対して上記動作が終了したことに
なるためリータンする。キーナンバレジスタの記憶内容
が61未満であれば次のキーの処理のためn21にもど
る。
【0029】ここで、キータッチデータによって楽音制
御する手法のより具体的な実施例について説明する。こ
こで、図7〜図10の(A)は押鍵時のキー歪データ
(歪センサ32〜34の出力値)を示すグラフである。
縦軸はレベル(電圧)を表している。横軸は時間を表し
全体を500msで示している。また、図7〜図10の
(B)はキーオン時におけるキースイッチの抵抗変化を
表すグラフである。縦軸は抵抗による電圧降下量を示
し、横軸は(A)と同じ時間軸となっている。図7,図
8はp(ピアノ)で押鍵した場合のキーの歪を表すグラ
フであり、図9,図10はff(フォルテッシモ)で押
鍵した場合のキーの歪を表すグラフである。さらに、図
7,図9はキー表面に指が接触している状態もしくはわ
ずかに離れている(1〜2cm)状態から押鍵した場合
を表し、図8,図10はキー正面からある一定距離(例
えば10〜30cm)離して押鍵した場合を表す。これ
ら図7〜図10から判るようにキーオン時のキースイッ
チの抵抗変化はどのようなキーオンがされた場合でも殆
ど同じである。一方、キー歪データは押鍵の仕方によっ
て(特に立ち上がりが)大きく異なっている。本件では
この立ち上がりのデータを楽音制御に利用している。
【0030】この歪センサ32〜34の出力は、そのま
まデータとして用いることができるほか、各センサの出
力を差動的に取り出したデータ,各センサの出力の差を
コンパレートしたデータ等を楽音制御に用いることがで
きる。また、キーの長手方向の指押圧位置が変化するこ
とによって各センサの出力が変化するためこのデータを
アフタコントロールデータ等に活用することもできる。
【0031】一例として、前記差分値によりキーの歪出
力をイニシャルタッチデータとして取り出し、このデー
タにより微妙に音色をコントロールする場合について詳
述する。
【0032】図11〜図13は歪センサ32〜34の出
力を楽音制御に利用する詳細な実施例である。この具体
例では押鍵時における歪センサの出力値の違い(図7〜
図10の(A)参照)に着目し、キータッチ直後におけ
る最初のピーク値を検出し、この値で楽音制御をしてい
る。同時発音可能数は「8」の例である。
【0033】図11は図3のRAM18に設定される各
種レジスタを示したものである。各レジスタは各チャン
ネルに対応して8個づつ設けられている。レジスタ内の
チャンネルはチャンネルポインタn,sによって識別さ
れる。
【0034】同図(A)に示すキータッチフラグレジス
タKTFは、指がタッチしているキーのキーナンバ(音
高データ)を記憶するレジスタである。押鍵順(同時押
鍵でも全く同時はないが同時なら高(低)音優先)に8
個まで取り込むことができる。取り込まれたキーナンバ
は第n番のチャンネルに記憶され、指が触れている間保
存される。
【0035】同図(B)に示すTRレジスタは、キータ
ッチフラグレジスタKTFに保存されているキーデータ
をPRETR(インデックス部:同図(C)参照)に移
し変えるためのバッファである。
【0036】同図(C)はPRETRのインデックスレ
ジスタである。ここでPRETRレジスタ(同図(D))
は、KTFレジスタに割り当てられたキーの刻々変化す
るタッチデータ(第7〜図11の(A))を各チャンネ
ル毎に時系列に保存するレジスタPRETR(s,m)
であって、sがそのチャンネルポインタでありmはタッ
チデータを時系列に記憶するアドレスポインタである。
【0037】同図(E)は各チャンネル毎にピークホー
ルドされたか否かを保存するホールドレジスタHLDで
ある。
【0038】同図(F)はPRETRに保存されている
各キーデータをピークホールド時に保存するキーバッフ
ァレジスタKEYBUFである。
【0039】同図(G)は各チャンネル毎の最初のピー
ク値を保存するピークレジスタPEAKである。
【0040】すなわちピーク時にどのチャンネルでどの
キーがどのくらいのピーク値に達したかをKEYBUF
(s),PEAK(s)にて保存する。
【0041】図12,図13は図5,図6に示した動作
の一部を詳細に説明したものである。
【0042】まず図12(A)は図5(B)のn6に対
応するもので、キー30の触指によってキータッチイベ
ントがあるとレジスタKTF(n)にキーナンバ(キー
データ)を取り込む(n62)。
【0043】図12(B)は図5(C)のn8に対応す
るものでキー30の離指によってキーリリースイベント
があるとキーデータの保存用レジスタKTFかつ/また
はPRETRに離指対応キーデータがあるか否かを確認
して(n81)、あればKTF(n),PRETR
(s),PRETR(s,m(m=0〜m)),HLO
(s)およびチャンネルポインタn,s,アドレスポイ
ンタmの全てをリセットする(n82)。
【0044】図13は時々刻々変化するタッチデータを
検出しストアするフローチャートであってタイマインタ
ラプトで制御される。このタイマインタラプトの周期は
第5図から判断して1ms〜5msで実行されれば十分
実用的である。このタイミング毎に図13の動作が実行
される。まずレジスタKTFの中に1つ以上キー30の
触指データがあるか否かを判別し(n26)、タッチ無
しであれば何もせずにリターンする。タッチありとなれ
ばチャンネルポインタn,sをリセットし(n27)、
このキーデータをPRETRに転送するためKTF
(n)のキーデータを一時レジスタTRに一時ストアす
る(n28)。そしてn29では、このキーデータ(T
R)が既にPRETR(s)にセットされているか否か
を判断し、n30ではPRETR(s)が空きチャンネ
ルであるか否かを判断する。PRETR(s)の内容が
(TR)でない他のキーデータであればチャンネルポイ
ンタsを+1して(n31)、n29,n30の動作を
繰り返す。空きチャンネルが見つかればn30←n32
に進み、PRETR(s)にTRのキーデータをストア
する(n32)。その後PRETR(s,m)のアドレ
スを決めるアドレスポインタmをリセットする(n3
3)。次にsとmとで指示されるPRETR(s,m)
にPRETR(s)にストアされているキーからの歪デ
ータ(センサ出力)を取り込む(n34)。
【0045】次にPRETR(s,m)がすでにピーク
ホールドされているか否かを判別する(n35)。され
ていなければ「PRETR(s,m)が所定値以上で、
かつPRETR(s,m)とPRETR(s,m−1)
がほぼ等しい。」の条件を満たすか否かを判断する(n
36)。この条件をみたせばタッチデータがピークであ
るとしてn37に進み、条件を満たさない場合にはまだ
タッチデータは上昇中であるとして直接n38に進む。
ピーク時と判断されればそのデータをストアするため、
HLD(s)に“1”を、KEYBUF(s)にPRE
TR(s)が表すキーデータを、PEAK(s)にレベ
ルデータをストアする(n37)。N38ではアドレス
ポインタm,チャンネルポインタn,sを+1する。そ
の結果nが8を超えなければn28にもどってKTFの
次にチャンネルにあるキーデータにつきタッチが再度の
ものか初めてのものかをサーチして(n29)、前述と
同様の処理をチャンネル数分行う。それを繰り返す中で
n29にてYesと判断されればnチャンネルにストア
されたキーデータKTF(n)(すなわちTR)が前回か
ら存在したことを示すことになりPRETR(s,m)
にm−1の次に連続してそのタッチレスポンスデータが
n34にて書き込まれていく。
【0046】このようにして図11(D)に最大8キー
分のタッチレスポンスデータが図7〜図10の(A)の
レベルデータとしてタイマインタラプトの周期にてサン
プリングされて各チャンネル別に書き込まれる。
【0047】図7〜図10もしくは図1の構造から明ら
かなように図11(D)のデータはキースイッチ35の
音時以前からサンプリングされるものであるからこのデ
ータ例えばピークホールドデータ(KEYBUFとPE
AK)にてキースイッチ音時に楽音(たとえば音色)を
制御することが可能である。具体的には図6(A)のn
11とn12とを図12(C)のn40に変更すればイ
ニシャル強度の微分値によって音色パラメータを設定す
ることもできる。換言すれば図7〜図10の(A)の立
ち上がり初期微分データにて音色パラメータを設定する
もので、立ち上がりから5〜6ms経過した値に対応す
る値をmに代入しm>cの条件を満たす定数c(例えば
0〜2ms)を、 dTR←PRETR(s,m)−PRETR(s,m−
c) に代入すればdTRはキー歪の初期微分値を表すことに
なる(図15)。この値dTRとKEYBUF(s)の
キーデータとに基づいてn13にて各チャンネルのキー
の各音色パラメータを設定することができる。
【0048】さらにまた図6(A)のn11を図14
(B)のn42に変更すればイニシャルタッチのパター
ンが抽出できる。すなわちKEYBUF(s)でキーデ
ータを読み取り、dTR(前記と同じ)でキー歪の初期
微分値を読み取り、PEAK(s)で初期ピーク値を読
み取ることによりイニシャル強度を検出し、この複数の
パラメータにより各チャンネルの各キーデータの押圧パ
ターンを設定し(n12)、この押圧パターンにより各
チャンネルの各キーデータの音色パラメータを設定する
(n13)こともできる。このようにタッチパターンデ
ータにより、より繊細な音色を設定することができる。
【0049】さらにまた図14(B)ではキー歪の初期
微分値と初期ピーク値とによりイニシャル強度が設定さ
れるようにしたが、これを前記初期微分値も含めてキー
オンタイミング直前までの複数の微分値にてイニシャル
強度を設定してもよい。また微分値でなくキーオンタイ
ミング直前までの複数のPRETR(s,m)の値(キ
ー歪データ)にてイニシャル強度パターンを設定し、こ
のパターンにて押圧パターン読み出し(n12)、この
押圧パターンにて音色パラメータを設定することもでき
る。
【0050】前述の実施例ではタッチデータはイニシャ
ルに限って述べたが、第5図のキー歪データをアフター
タッチの制御に用いてもよい。すなわち、第5図(A)
で表されたキー歪の複数のピーク値であって最新の複数
のデータをストアするレジスタを各チャンネル毎に設け
てこの複数のデータ(パターンデータ)をもとに音色デ
ータをコントロールするようにしてもよい。さらに最新
のPRETR(s,m)の値(キー歪データ)にて音色
データをコントロールしてもよい。この場合キー歪デー
タが落ち着くまでは最新のピーク値にて音色をコントロ
ールし、落ち着いたらPRETR(s,m)の値にして
音色をコントロールするようにしてもよい。
【0051】なお、前述した音色とはエンベロープデー
タをも含むことをここに付け加えておく。
【0052】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、操作子
の操作中のみならず、操作直前,操作直後の演奏者の動
きを認識することができ、これを音源の動作態様の設定
に用いることにより、操作子の微妙な操作を楽音に反映
して細かなニュアンスの表現が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例である電子鍵盤楽器のキーの
側断面図
【図2】同電子鍵盤楽器のキーの支点構成部材の斜視図
【図3】同電子鍵盤楽器の制御部のブロック図
【図4】同制御部のメモリの一部構成図
【図5】同制御部の動作を示すフローチャート
【図6】同制御部の動作を示すフローチャート
【図7】キー歪データおよびキーオン時の抵抗変化を示
す図
【図8】キー歪データおよびキーオン時の抵抗変化を示
す図
【図9】キー歪データおよびキーオン時の抵抗変化を示
す図
【図10】キー歪データおよびキーオン時の抵抗変化を
示す図
【図11】イニシャル強度データを得るためのレジスタ
群を示す図
【図12】キータッチフラグセットサブルーチン,キー
タッチフラグリセットサブルーチンおよびイニシャル強
度検出サブルーチンを示す図
【図13】イニシャル強度データを得るためのフローチ
ャート
【図14】イニシャル強度微分値検出サブルーチンおよ
びイニシャルタッチ強度微分値・初期ピーク値検出サブ
ルーチン
【図15】イニシャル強度データを微分値データとして
処理レジスタに取り込む場合を示した図
【符号の説明】
12…タッチ圧検出回路、30…キー、32〜34…歪
センサ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 楽音を発生させる音源と、 該音源に対して発音、消音を指示するスイッチ手段およ
    び自己の歪みを検出する歪みセンサを有する操作子と、 前記歪みセンサ出力の微分値およびピーク値を求めるセ
    ンサ情報検出手段と、 該センサ情報検出手段が検出した微分値およびピーク値
    に基づいて前記音源の動作態様を設定する楽音態様設定
    手段と、 を備えたことを特徴とする電子楽器。
  2. 【請求項2】 前記センサ情報検出手段は、前記スイッ
    チ手段が発音を指示する前の歪みセンサ出力の微分値お
    よびピーク値を検出する手段である請求項1に記載の電
    子楽器。
  3. 【請求項3】 前記センサ情報検出手段は、前記スイッ
    チ手段が消音を指示した後の歪みセンサ出力の微分値お
    よびピーク値を検出する手段であり、前記楽音態様設定
    手段は、該スイッチ手段が消音を指示した後の歪みセン
    サ出力の微分値およびピーク値に基づいて、楽音の消音
    時の動作態様を設定する手段である請求項1に記載の電
    子楽器。
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