JP2681870B2 - 時計バンド用中留金具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は時計バンド用中留金具
あるいは腕輪用の中留金具、詳しくはその掛着部の新規
の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の時計バンド用中留金具は従来よ
り弾性掛止爪の弾発摩擦力による掛着が一般であって、
近年では例えば実公昭２−２５２９０号公報に記載され
ているような、所謂ワンタッチ式の掛着構造も提案され
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者は
摩滅による掛止部の弛みが問題とされており、後者は構
造が複雑となるため製造工程を多くして且つ高い精度が
要求されるという問題がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は時計バンドの中
間に介在し、掛着機構を有して折畳み展開自在に取付け
る二つ折れまたは三つ折れ式の時計バンド用中留金具に
おいて、前記掛着機構の一方に側部を表出する弾性リン
グを交換自在に取付け、他方に該弾性リングの表出側部
に掛脱する掛止部を設けて、かかる問題を解決しようと
するものである。

【０００５】

【作用】本発明の時計バンド用中留金具は、掛着機構の
一方に側部を表出する弾性リングを交換自在に取付け、
他方に該弾性リングの表出側部に掛脱する掛止部を設け
て、弾性リングの変形弾発力を利用して掛着するのであ
る。弾性リングが変形することにより相互の摩擦は可及
的に減ぜられるので、他方の掛止部を摩耗させることな
く確実に掛脱作用することとなる。また、もし弾性リン
グの金属疲労により掛着力が劣化したときは弾性リング
を交換するという簡単な作業により当初の掛着力に復元
することができることとなる。

【０００６】

【実施例】以下図面に基づいて三つ折れ式の観音開き形
中留の例に沿って実施例を説明する。

【０００７】図１乃至図３は本発明の第１実施例を示す
もので、中央部の矩形渡設板１の短手側を挟む両側に平
行する２本の側部材２，２を設けて枠部材３を形成し、
該枠部材３の各開放端に折畳み展開自在において枠部材
の半分長の開閉板４，４の一端をピン５取付けする。

【０００８】矩形渡設板１の上面に側部材２，２側を円
弧状として他側側面を開放する段落部６を形成し、該段
落部６に端部間に間隙７を置いて形成した有端円形の弾
性リング８を嵌着し、該弾性リング８の内径よりリング
材の直径分において小さく且つ高く形成した脚部9aを底
部に設けた抑板９を被着し、該抑板９を矩形渡設板１と
脚部9aとの間に連通して設けた螺孔10a，10bに裏面から
螺挿するネジ11にて取付け、もって矩形渡設板１の長手
側両側面に弾性リング８の側部を表出する掛着部の一方
を構成する。なお、12は弾性リング８の間隙７にあって
リングの回転およびずれ動きを防止するためのストッパ
ー杆である。

【０００９】開閉板４，４のそれぞれの他端には先部に
各半の時計バンド13a，13b取付用の取付筒14を設けると
ともに該取付筒14が矩形渡設板１上にて突合うようにお
いて下半に欠落部15を設け、該欠落部15の弾性リング８
に相対する縦壁面に両面傾斜の案内部16と案内部16に続
く凹型掛止部17とを設けて掛着部の他方を構成するので
ある。

【００１０】以上のように構成した中留金具は取付けし
た時計バンド13a，13bの他端を時計本体（図示せず）の
両側部に取付けてなり、両開閉板４，４を展開して輪を
大きくした状態にて手首廻りに装着し、開閉板４を１つ
づつ折畳むと弾性リング８の表出側部は案内部16に押さ
れて、図３(b)に示すように弾性変形して矩形渡設板１
内に入り込み、凹型掛止部17が側部に至るにおよんで図
３(a)のように元形復帰して凹型掛止部17に嵌入する。
もって各開閉板４，４は枠部材３に折畳み掛着するので
ある。掛着を解くときは弾性リング８の弾発力に抗して
開閉板４を引き上げると案内部16の斜面に押されて弾性
リング８は再び矩形渡設板１内に入り込むので、案内部
16の頂部がが弾性リング８の側部を通過上動して掛止が
解かれるのである。

【００１１】図４は第２実施例を示すもので、弾性リン
グ８を開閉板４，４の各先部寄りの下面に設けた段落部
18に嵌着して抑板９をネジ11にて押さえ止めして開閉板
４，４の長手側両側に弾性リング８の側部を表出させる
ようにし、側部材２，２の相対位置に案内部19付の掛止
溝20を形成して折畳み時における弾性リング８の表出側
部が嵌入掛止するようにしたほかは第１実施例と同じで
ある。

【００１２】なお、図５の(a)，(b)，(c)，(d)は弾性リ
ングの他の形状例を示すものであり、特に(c)や(d)に示
すものは弾性リング８の突出部8aに合わせて嵌合する段
落部を形成することによって回転やずれ動きを防止し得
て安定させることができることとなる。また、図６は弾
性リングの表出側部に凹型溝21を形成し、開閉板４側に
に凸型掛止部22を形成した他の実施例を示すものであ
る。

【００１３】

【発明の効果】以上のようにして本発明の中留金具は、
掛着機構の一方に側部を表出する弾性リングを交換自在
に取付け、他方に該弾性リングの表出側部に掛着する掛
止部を設けるようにしたので、構造が簡単でしかも掛脱
時の部材摩耗を可及的に防止しつつ確実な掛着力を備え
た時計バンド用中留金具を提供することができるという
効果を生ずる。弾性リングは容易に交換できるので、永
年に亘って初期の掛着力を維持してゆくことができると
いう効果を生ずる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明第１実施例の中留金具を半展開し、バ
ンド取付前の状態にて示す斜視図である。

【図２】 同、弾性リングおよび抑板を取付前の状態に
て示す部分拡大斜視図である。

【図３】 (a)は掛止時の拡大端面図、(b)は開閉板を折
畳みしつつあるとき、若しくは展開しつつあるときの拡
大端面図である。

【図４】 第２実施例の一側開閉板と枠部材とを示す部
分斜視図である。

【図５】 (a)乃至(d)はリングの形状例を示す平面図で
ある。

【図６】 第３実施例の掛止状態をを示す部分拡大断面
図である。

【符号の説明】

１は矩形渡設板 ２，２は側部材 ３は枠部材 ４，４は開閉板 ５はピン ６は段落部 ７は間隙 ８は弾性リング ９は抑板 9aは脚部 10a，10bは螺孔 11はネジ 12はストッパー杆 13a，13bは各半の時計バンド 14は取付筒 15は欠落部 16は案内部 17は凹型掛止部 18は段落部 19は案内部 20は掛止溝 21は凹型溝 22は凸型掛止部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 時計バンドの中間に介在し、掛着機構を
   有して折畳み展開自在に取付ける二つ折れまたは三つ折
   れ式の時計バンド用中留金具において、前記掛着機構の
   一方に間隙を有して弾性変形する弾性リングを側部を表
   出して交換自在に取付け、他方に該弾性リングの表出側
   部に掛脱する掛止部を設けたことを特徴とする時計バン
   ド用中留金具。