JP2678309B2 - 磁気記録再生装置における録・再時でのヘッド一致検出用信号のフォーマット判別装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は磁気記録再生装置における録・再時でのヘ
ッドの一致・不一致を検出するヘッドの一致検出用信号
のフォーマットを判別するフォーマット判別装置に関す
るものであり、４個のヘッドを有するVTR（ビデオテー
プレコーダ）等の磁気記録再生装置において記録時と再
生時とで同一記録トラックを同一ヘッドが走査する、即
ちヘッドが一致しているか、否かを検出し、一致してい
ないことが検出された時にはこれが一致するように制御
し得るようにしてジッタの発生を小ならしめるものにお
いて、前記ヘッドの一致検出用信号のフォーマットを判
別するようになし、フォーマットが異なるものである時
には前記の制御を中止し得るようにしたものである。

［従来の技術］ 一般に、VTRでは磁気テープの走行方向とは交差する
方向に該磁気テープをヘッドにより走査してビデオ信号
を記録し、またこれを再生している。VHSタイプの据置
型VTRでは上記ヘッドを２個備えたものが普通である。

ところで、上記据置型VTRと互換性のあるVTRタイプの
ボータブルVTRとして、小型化のために前記ヘッドを備
えたヘッドシリンダーの直径を小にし、該シリンダーに
磁気テープを約270゜に亘って繞らせ、かつ該シリンダ
ーに４個のヘッドを備えたものが知られている。このよ
うなVTRの概略を第２図に示す。第２図において、符号
１はヘッドシリンダー、２は該シリンダーに約270゜に
亘って繞らされた磁気テープ、R1,L1,R2,L2は90゜間隔
で上記シリンダー１に取付られた４個のヘッドの位置を
示すものであり、R1,R2は同一アジマス、L1,L2は同一ア
ジマス、R1,R2とL1,L2はアジマスの異なるヘッドが配置
される。矢印Ｔは磁気テープ２の走行方向を示す。

第３図は上記のような４個のヘッドを有するVTRによ
り磁気テープ２に記録された記録トラックを示すもので
あり、R1,L1,R2,L2は夫々第２図について説明した位置R
1,L1,R2,L2にあるヘッドによって記録された記録トラッ
クを示し、（R1），（L1），（R2），（L2）は前記位置
R1,L1,R2,L2にあるヘッドによって再生された記録トラ
ックを示す。第３図の（Ａ）は記録時と再生時とで同一
記録トラックを同一のヘッドで走査した場合、即ちヘッ
ドが一致している場合であり、また（Ｂ）はアジマスの
一致しているヘッドであるが異なるヘッドで記録・再生
した場合である。これらの何れの場合でもビデオ信号の
再生が可能であるが、記録時と再生時とでヘッドが一致
していない場合はこれが一致している場合に比較してジ
ッタが多く、画質が劣化する。従って、記録時と再生時
とではヘッドが一致していることが好ましい。尚、矢印
Ｔは磁気テープ２の走行方向を示す。

このように、ヘッドは録・再時に一致していることが
好ましいため、録・再時でヘッドが一致しているか否か
を検出し、一致していない場合にはキャプスタンモータ
を加速して１フレームを進んだ時にキャプスタンモータ
の加速を停止させ、これによりヘッドを録・再時で一致
させるようにしていた。

上記のように、録・再時でヘッドが一致しているか否
かを検出するための検出装置として本発明者は先に次の
ような検出装置を提案した（平成元年２月10日出願）。

かかる提案に関する検出装置について第４図及び第５
図を参照して説明する。

第４図は再生時にヘッドが記録時と一致しているか否
かを検出する検出装置を示すブロック図、第５図は第４
図の検出装置の動作を説明するためのタイムチャートで
ある。

第４図において、符号３は再生コントロールパルスが
入力される入力端子、４はヘッド切換パルスの1/2分周
されたパルスが入力される入力端子、５はモノマルチバ
イブレータ、６は排他的論理和ゲート、７はＤフリップ
フロップ、８はその出力端子、R,Cは微分回路を構成す
る抵抗及びコンデンサであり、これは図示のように結線
されている。

上記のように構成された検出装置の動作を第５図をも
用いて説明する。

第５図の（ａ）は周知のヘッド切換パルスを示すもの
であり、このパルスは1/2分周されて（ｂ）に示すパル
スになる。（ｃ）は記録時に上記の（ｂ）に示すパルス
のハイレベル，ローレベルに応じてデューティが変調さ
れたコントロールパルスを示す。このコントロールパル
スはそのデューティが上記の1/2分周されたパルスのハ
イレベルの時にはＭ％、ローレベルの時にはＮ％（但し
Ｍ＞Ｎ）になっている。このように変調されたコントロ
ールパルスは再生時に第５図の（ｆ）（記録時とヘッド
が一致している場合）又は（ｉ）（記録時とヘッドが一
致していない場合）に示す状態で再生されて前記第４図
で説明した入力端子３に供給される。該端子に供給され
た前記のコントロールパルスの立上がりにより、前記の
モノマルチバイブレータ５がトリガされ、該モノマルチ
バイブレータからは第５図（ｄ）に示す準安定期間が Ｎ＋（Ｍ−Ｎ）/2 の出力パルスが得られる。この出
力パルスの立上がりが前記した抵抗ＲとコンデンサＣよ
りなる微分回路により第５図の（ｃ）に示すパルスに成
形され、これがサンプリングパルスとして前記のＤフリ
ップフロップ７に供給される。

一方、上記の入力端子３に供給された第５図（ｆ），
（ｉ）に示す変調されたコントロールパルスは前記のゲ
ート６に入力され、このゲート６には第５図（ｂ）に示
す1/2分周されたパルスも入力さるので、該ゲートから
は夫々第５図の（ｇ），（ｊ）に示す出力パルスが得ら
れる。この出力パルスは前記のＤフリップフロップ７に
供給され、前記した（ｅ）に示すパルスによりラッチさ
れて出力端子８には（ｈ）に示すローレベル（ヘッドが
一致している場合）又は（ｋ）に示すハイレベル（ヘッ
ドが一致していない場合）の出力が得られる。

［発明が解決しようとする課題］ 上記本発明者の提案に係わる検出装置を搭載したVTR
等では、記録時には上記コントロールパルスのデューテ
ィを、上記ヘッドを切換えるヘッド切換パルスを分周し
たパルスのハイレベル、ローレベルにより変調して得
た、前記第５図（ｃ）に示すヘッド一致検出用信号を記
録する。ところで、この検出装置を搭載したVTR等によ
り、前記の変調されたコントロールパルスよりなるヘッ
ド一致検出用信号とはフォーマットの異なるコントロー
ルパルスが記録された磁気テープを再生すると、再生し
て得られたヘッドが一致しているか否かを示す検出信号
が１フレームごとにハイレベルとローレベルを繰返し、
１フレームおきにキャプスタンが加速されて再生画面が
乱れてしまう。

上記のように、再生して得られたヘッドが一致してい
るか否かを示す検出信号が１フレームごとにハイレベル
とローレベルを繰返す様子を前記の第４図並びに第６図
乃至第８図を用いて説明する。第６図はコントロールパ
ルスのデューティを変えていないフォーマットの場合、
第７図はデューティを｛Ｎ＋（Ｍ−Ｎ）/2｝％以上で変
えたフォーマットの場合、第８図はデューティを ｛Ｎ＋（Ｍ−Ｎ）/2｝％以下で変えたフォーマットの
場合であり、これらの図の（ａ）は再生コントロールパ
ルスを示している。これらの図において、（ｂ）はヘッ
ド切換パルスを1/2分周したものであり、前記第５図
（ｂ）で説明したものと同一のものである。これら
（ａ）のパルスと（ｂ）のパルスは第４図で説明した排
他的論理和６に入力されて夫々第６図乃至第８図（ｃ）
に示すパルスが得られる。この（ｃ）に示すパルスは前
記Ｄフリップフロップ７に入力され、第６図乃至第８図
の（ｄ）に示すパルス（前記第５図の（ｅ）と同一）に
よりラッチされて該Ｄフリップフロップより第６図乃至
第８図の（ｅ）に示す、ヘッドが一致しているか否かを
示す検出信号が得られる。この（ｅ）に示すパルスは第
６図乃至第８図の何れの場合でも１フレームごとにハイ
レベルとローレベルを繰返し、これによりヘッドを一致
させようと磁気テープの走行速度を変えると、１フレー
ムおきにキャプスタンが加速されて再生画質が乱れてし
まう。

この発明は上記のヘッド一致検出用信号がこのヘッド
一致検出装置のヘッド一致検出用信号とはフォーマット
が異なるものであるか否かを判別する装置を提供するこ
とを目的とするおのであり、この判別の結果、フォーマ
ットが異なっていればヘッドを一致させるべき制御を中
止し得る。

［課題を解決するための手段］ 上記の課題を解決するために、この発明ではヘッドが
一致しているか否かを示す検出信号を、１フレームに１
度サンプリングしてこれをラッチし、該ラッチした信号
同士の排他的論理和をとることにより前記の変調された
コントロールパルスよりなるヘッド一致検出用信号のフ
ォーマットを判別するようにしたものである。

［実施例］ 以下の、この発明の一実施例を第１図並びに第６図乃
至第９図により説明する。

第１図は前記のヘッドが一致しているか否かを示す検
出信号から前記のヘッド一致検出用信号が前記ヘッド一
致検出装置のヘッド一致検出用信号とはフォーマットが
異なるものであるか否かを判別する判別装置のブロック
図である。第１図において、符号９は前記第４図で説明
した出力端子８からのヘッドが一致しているか否かを検
出信号が入力される入力端子、10はヘッド切換パルスを
1/2分周したパルスが入力される入力端子であり、前記
第４図の端子４へ入力されるものと同一のものである。
11はインバータ、12、13はＤフリップフロップ、14は排
他的論理和ゲート、15は出力端子であり、これは図示の
ように接続されている。

上記のような判別装置において、まず前記のヘッド一
致検出用信号が前記ヘッド一致検出装置のヘッド一致検
出用信号とフォーマットが同じ場合についてその動作を
説明する。第９図はこのフォーマットが同じで、ヘッド
も録・再時で一致している場合である。ヘッドが一致し
ているか否かを示す検出信号は（ａ）に示すようにロー
レベルであり、ヘッドが一致していることが分かる。こ
の（ａ）の信号は前記入力端子９に入力され、前記Ｄフ
リップフロップ12、13に印加される。一方、入力端子10
には前記のようにヘッド切換パルスを1/2分周したパル
ス（第９図（ｂ）に示す）が入力され、その立上がり
（パルスとして（ｃ）に示す）により前記Ｄフリップフ
ロップ12に印加された前記の検出信号がラッチされ、該
Ｄフリップフロップ12からは（ｅ）に示すローレベルの
信号が出力される。また、上記（ｂ）のパルスの立下が
りはインバータ11により極性が反転され（パルスとして
（ｄ）に示す）、この立下がりにより前記Ｄフリップフ
ロップ13に印加された前記の検出信号がラッチされ、該
Ｄフリップフロップ13からは（ｆ）に示すローレベルの
信号が出力される。これらのＤフリップフロップ12、13
からの出力信号は排他的論理和ゲート14に夫々入力さ
れ、この排的論理和ゲート14からは（ｇ）に示すローレ
ベルの信号が出力端子15に出力される。

このように、前記のフォーマットが同じ時にはローレ
ベルの出力が得られる。

次に、前記のヘッド一致検出用信号が前記ヘッド一致
検出装置のヘッド一致検出用信号とフォーマットが同じ
場合であり、かつヘッドが録・再時で一致していない場
合について説明する。この場合には、ヘッドが一致して
いるか否かを示す検出信号はハイレベルであり、第９図
の（ａ），（ｅ），（ｆ）に示すハイレベルになる他
は、第９図について説明したヘッドが録・再時で一致し
ている場合と同様であり、出力信号はローレベルにな
る。

前記のヘッド一致検出用信号が前記ヘッド一致検出装
置のヘッド一致検出用信号とフォーマットが異なる場合
には、第６図乃至第８図のようであり、（ｅ）のように
ヘッドが一致しているか否かを示す検出信号は前記した
ように１フレームごとにハイレベルとローレベルを繰返
す。尚、第６図は前記したようにコントロールパルスの
デューティを変えていないフォーマットの場合、第７図
はデューティを｛Ｎ＋（Ｍ−Ｎ）/2｝％以上で変えたフ
ォーマットの場合、第８図はデューティを ｛Ｎ＋（Ｍ−Ｎ）/2｝％以下で変えたフォーマットの
場合である。前記した（ｅ）の信号は前記入力端子９に
入力され、前記Ｄフリップフロップ12、13に印加され
る、一方、入力端子10には前記のようにヘッド切換パル
スを1/2分周したパルス（（ｂ）に示す）が入力され、
その立上がり（パルスとして（ｆ）に示す）により前記
Ｄフリップフロップ12に印加された前記の検出信号がラ
ッチされ、該Ｄフリップフロップ12からは第６図及び第
７図の（ｈ）に示すようにローレベルの信号が、第８図
の（ｈ）に示すようにハイレベルの信号が出力される。
また、上記（ｂ）のパルスの立下がりはインバータ11に
より極性が反転され（パルスとして（ｇ）に示す）、こ
の立下がりにより前記Ｄフリップフロップ13に印加され
た前記の検出信号がラッチされ、該Ｄフリップフロップ
13からは第６図及び第７図の（ｉ）に示すローレベルの
信号が、第８図の（ｉ）に示すハイレベルの信号が出力
される。これらのＤフリップフロップ12、13からの出力
信号は排他的論理和ゲート14に夫々入力され、この排他
的論理和ゲート14からは（ｊ）に示すハイレベルの信号
が出力端子15に出力される。

このように、前記のフォーマットが異なる時にはハイ
レベルの出力が得られる。

このようにして、フォーマットを判別した結果、これ
が同じであり、かつヘッドが前記のように一致していな
い場合は、これを一致させるべくキャプスタンの回転速
度を制御し、前記フォーマットを判別した結果、これが
異なる場合には上記した制御を中止すればよい。

尚、上記実施例では、ヘッド切換パルスを1/2分周し
たパルスでサンプリングしたが、これは１フレームに１
度サンプリングするものであれば、他のパルスを用いて
もよい。

［発明の効果］ この発明は上記したように、 第１のアジマス角を有する第１と第２の磁気ヘッド
と、前記第１のアジマス角とは異なる第２のアジマス角
を有する第３と第４の磁気ヘッドとを備え、第１、第
３、第２、第４の磁気ヘッドの順に、該磁気ヘッドによ
って磁気テープの走行方向とは交差する方向に該磁気テ
ープを順次走査し、該ヘッドによりビデオ信号等の信号
を記録し、またこれを再生する磁気記録再生装置であっ
て、 上記磁気テープの走行方向に沿って上記走査による記
録トラックの位置を示すコントロールパルスを記録し、
またこれを再生するようになし、 記録時には、上記ヘッドを切換えるヘッド切換パルス
を分周したパルスのハイレベル、ローレベルによって上
記コントロールパルスのデューティを変調して前記第１
または第３の磁気ヘッドが動作中であるか、第２または
第４の磁気ヘッドが動作中であるかに応じて前記コント
ロールパルスのデューティを異ならしめ、 再生時には上記の変調された２種類のデューティの差
の部分を上記の分周したパルスと比較して該比較した結
果を示す信号をサンプリングすることにより、記録時と
再生時とでヘッドが一致しているか否かを検出するよう
にしたものにおいて、 このヘッドが一致しているか否かを示す信号を、１フ
レームに１度サンプリングしてこれをラッチし、該ラッ
チした信号同士の排他的論理和をとることにより前記の
変調されたコントロールパルスよりなるヘッド一致検出
用信号のフォーマットを判別するようにしたから、簡単
な構成によりヘッド一致検出用信号のフォーマットを判
別することができ、従ってフォーマットが異なる場合の
再生画面の乱れ等をも防止し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示すブロック図、第２図
は従来のVTRの要部の概要を示す平面図、第３図は従来
のVTRの磁気テープ上の記録トラックを示す模式図、第
４図はこの発明を説明するための構成を示すブロック
図、第５図は第４図の動作を説明するためのタイムチャ
ート、第６図乃至第８図はこの発明の一実施例の動作及
び第４図に示すものの動作を説明するためのタイムチャ
ート、第９図はこの発明の一実施例の動作を説明するた
めのタイムチャートである。 1:ヘッドシリンダー、2:磁気テープ、5:モノマルチバイ
ブレータ、6:排他的論理和ゲート、7:Dフリップフロッ
プ、11:インバータ、12,13:Dフリップフロップ、14:排
他的論理和ゲート。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】第１のアジマス角を有する第１と第２の磁
   気ヘッドと、前記第１のアジマス角とは異なる第２のア
   ジマス角を有する第３と第４の磁気ヘッドとを備え、第
   １、第３、第２、第４の磁気ヘッドの順に、該磁気ヘッ
   ドによって磁気テープの走行方向とは交差する方向に該
   磁気テープを順次走査し、該ヘッドによりビデオ信号等
   の信号を記録し、またこれを再生する磁気記録再生装置
   であって、 上記磁気テープの走行方向に沿って上記走査による記録
   トラックの位置を示すコントロールパルスを記録し、ま
   たこれを再生するようになし、 記録時には、上記ヘッドを切換えるヘッド切換パルスを
   分周したパルスのハイレベル、ローレベルによって上記
   コントロールパルスのデューティを変調して前記第１ま
   たは第３の磁気ヘッドが動作中であるか、第２または第
   ４の磁気ヘッドが動作中であるかに応じて前記コントロ
   ールパルスのデューティを異ならしめ、 再生時には上記の変調された２種類のデューティの差の
   部分を上記の分周したパルスと比較して該比較した結果
   を示す信号をサンプリングすることにより、記録時と再
   生時とでヘッドが一致しているか否かを検出するように
   したものにおいて、 このヘッドが一致しているか否かを示す信号を、１フレ
   ームに１度サンプリングしてこれをラッチし、該ラッチ
   した信号同士の排他的論理和をとることにより前記の変
   調されたコントロールパルスよりなるヘッド一致検出用
   信号のフォーマットを判別するようにしたことを特徴と
   する磁気記録再生装置における録・再時でのヘッド一致
   検出用信号のフォーマット判別装置。