JP2677125B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP2677125B2
JP2677125B2 JP24343592A JP24343592A JP2677125B2 JP 2677125 B2 JP2677125 B2 JP 2677125B2 JP 24343592 A JP24343592 A JP 24343592A JP 24343592 A JP24343592 A JP 24343592A JP 2677125 B2 JP2677125 B2 JP 2677125B2
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哲郎 木原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の排気浄化装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】燃費の改善と地球温暖化防止のためのC
2 低減の両方を達成し得る内燃機関として、空燃比リ
ーンで燃焼を行わせるリーンバーンエンジンが開発さ
れ、一部実用化されている。空燃比リーンの燃焼の排気
中では、従来の三元触媒はNOxをほとんど還元できな
いので、空燃比リーンの排気中でもNOxを還元できる
触媒とそのシステムの開発が望まれている。
【0003】特開平01−139145号公報は、空燃
比リーンの排気中でもNOX を還元できる触媒として、
Cuをイオン交換してゼオライトに担持させたゼオライ
ト系触媒を排気系に具備した、内燃機関の排気浄化装置
を提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のゼオラ
イト系触媒を具備した排気浄化システムには次の問題が
あった。すなわち、例えば高負荷運転時には、排気ガス
の流量が増えて触媒での空間速度が上がるため、触媒内
で十分な反応を生じさせることができず、結果としてゼ
オライト系触媒のNOx浄化率が下がってしまう。しか
し、排気ガスの流量が多い時に対応させて空間速度が低
下するように触媒容量を大きくすると、例えば低負荷時
に、低温始動時に触媒の温度が上りにくく、NOx浄化
率が下ってしまう。この問題は、NOxを還元可能な他
のNOx触媒についても生ずる。
【0005】本発明の目的は排気ガスの流量が多い場合
にも、NOx浄化率を高くすることができる内燃機関の
排気浄化装置に関する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め本発明によれば、機関排気通路に設けられNOxを還
元可能な主NOx触媒と、機関排気通路に設けられNO
xを還元可能な副NOx触媒と、機関排気通路内を流れ
る排気ガスの流量が予め定められた流量より少ないとき
には主NOx触媒のみに排気ガスを流入せしめると共に
排気ガスの流量が予め定められた流量より多いときには
主NOx触媒および副NOx触媒の両者に排気ガスを流
入せしめる制御手段とを備えている。
【0007】
【作用】機関排気通路内を流れる排気ガスの流量が予め
定められた流量より少ないときには主NOx触媒のみに
排気ガスが流入せしめられ、排気ガスの流量が予め定め
られた流量より多いときには主NOx触媒および副NO
x触媒の両者に排気ガスが流入せしめられる。
【0008】これによって、排気ガスの流量が予め定め
られた流量より多い時には、排気ガスが通過する触媒の
容量が増大され、空間速度が低減されて、触媒のNOx
浄化率が向上する。また、触媒容量の増大によって高負
荷時における触媒床温の過度の上昇も抑制され、触媒の
熱劣化も抑制され、耐久性も向上する。一方、排気ガス
の流量が予め定められた流量より少ない時には、副NO
x触媒への排気ガスの流れが止められ、主NOx触媒の
みに流されるので、低温始動時にも主NOx触媒は容易
に昇温でき、低温始動時の排気浄化装置の立上りが良好
になる。
【0009】
【実施例】まず、図1を参照して第1実施例について説
明する。図1に示すように、希薄燃焼可能な内燃機関
(いわゆる、リーンバーンエンジン)2の排気通路4に
は、空燃比リーンの燃焼の排気中でNOxを還元可能な
主NOx触媒6が設けられている。
【0010】このような主NOx触媒6の一例として、
遷移金属(たとえば、Cu)をイオン交換してゼオライ
トに担持した触媒から成り、炭化水素(HC)の存在の
もとに酸化雰囲気(空燃比リーンの燃焼の排気)中でN
Oxを還元するゼオライト系NOx触媒がある。また、
白金等の貴金属をゼオライトまたはアルミナに担持した
触媒も主NOx触媒6に含まれる。
【0011】主NOx触媒6に、排気ガス流れ上並列
に、副NOx触媒8が設けられる。副NOx触媒8もま
た、空燃比リーンの燃焼の排気中でNOxを還元可能な
主NOx触媒6と同様の触媒から成る。第1実施例で
は、排気通路4に対して、主NOx触媒6をバイパスす
るバイパス通路10が設けられ、このバイパス通路10
の途中に、副NOx触媒8が設けられる。副NOx触媒
8は、低温始動性を上げるために、少なくとも低温時に
ONにされるヒータを具備したヒータ付き触媒とされて
いる。そして、運転中は副NOx触媒8は最適温度に制
御される。
【0012】排気ガスの流れを切替えるために、弁12
が設けられる。弁12は後述する電子制御装置(EC
U)14からの指令によって切替えられる。弁12は、
開の時には主NOx触媒6と副NOx触媒8の両方に排
気ガスを流し、閉の時には主NOx触媒6のみに排気ガ
スを流す。排気通路4には、主NOx触媒6よりも下流
側に、かつ副NOx触媒8よりも下流側に、空燃比がス
トイキ近傍になった時などにおいて、上流側触媒6,8
で浄化しきれなかったNOxや、CO,HCを浄化する
ために、三元触媒(CCRO)24が設けられるととも
に、この三元触媒24の下流に白金(Pt)系触媒26
が設けられている。
【0013】主NOx触媒6がゼオライト系触媒から成
る場合、ゼオライト触媒は耐熱耐久性が低いので、排気
通路4のうち比較的低温となる部位、すなわち、車両の
床下部位に設けられる。したがって、それより下流の三
元触媒24、Pt系触媒26もまた車両の床下配置とな
る。内燃機関2の運転状態を検出するために、種々のセ
ンサが設けられる。吸気管圧力センサ16は、たとえば
吸気系のサージタンクに設けられてスロットル弁下流の
吸気負圧を検出して出力する。この出力はエンジン負荷
に対応する信号として用いられる。エンジン回転数セン
サ18はエンジンクランクシャフトと連動し、エンジン
回転速度を検出して出力する。スロットル開度センサ2
0はスロットル開度を検出して出力する。この信号もエ
ンジン負荷に対応する信号として用いられる。排気通路
4には、主NOx触媒6の出ガス温を検出して出力する
排気温センサ22が設けられる。これらのセンサ16,
18,20,22の出力はECU14に入力される。
【0014】ECU14は、マイクロコンピュータから
なり、通常のマイクロコンピュータと同様に、4つの部
分、すなわち、入出力インターフェース、読出し専用の
メモリであるリードオンリメモリ(ROM)、一次記憶
用のメモリであるランダムアクセスメモリ(RAM)、
演算を実行するセントラルプロセッサユニット(CP
U)を備えている。この他に、車両に搭載されるECU
14は、種々のセンサから送られてくる信号がアナログ
量である場合、入力インターフェースに入力可能なよう
にアナログ量をディジタル量に変換するアナログ/ディ
ジタルコンバータを備えている。センサ類からの信号が
ディジタル量であれば、じかに入力インターフェースに
入力され、アナログ量である場合はアナログ/ディジタ
ルコンバータでディジタル量に変換して入力インターフ
ェースに入力される。弁12のアクチュエータを作動す
る指令信号は、ECU14の出力インターフェースから
発せられる。
【0015】ECU14のROMは、種々のセンサから
送られてくる信号から機関運転状態を演算し、高負荷時
には、排気ガスを主NOx触媒6と副NOx触媒8の両
方に流すように弁12を切替える指令を発する弁制御手
段を格納している。この弁制御手段は、後述する図3
(第3実施例で詳述)または図4(第4実施例で詳述)
に示すようなフローチャートを有する制御ルーチンから
成っている。この制御ルーチンは、ECU14のCPU
に読出されてそこで演算が実行され、その演算結果が指
令信号として出力インターフェースから弁12のアクチ
ュエータに送られ、弁12の開閉を制御する。
【0016】弁制御手段は、センサ類からの信号に基づ
いて現在の機関運転状態が高負荷、または高速回転時に
あるか否かを判定する手段と、高負荷または高速回転時
にあると判定したときには弁12を開き、それ以外のと
きには弁12を閉じる指令信号を演算する手段と、を備
えている。つぎに、第1実施例の作用を説明する。
【0017】機関運転状態が高負荷または高回転速度に
あるときには、すなわち、排気ガスの流量が予め定めら
れた流量より多いときには、弁12は弁制御手段によっ
て、排気ガスを主NOx触媒6と副NOx触媒8の両方
に流す位置に切替えられる。それ以外のとき、すなわ
ち、排気ガスの流量が予め定められた流量より少ないと
きには、弁12は弁制御手段によって、排気ガスを主N
Ox触媒6のみに流す位置に切替えられる。
【0018】高負荷または高速回転時には、排気ガス量
は大であるから、もしもその全量を主NOx触媒6のみ
に流すと空間速度(触媒容積に対する排気ガス流量の割
合)が大になり、触媒のNOx浄化率が低下するであろ
う。しかし、本発明では、高負荷または高速回転時に
は、主NOx触媒6と副NOx触媒8の両方に排気ガス
が流されるので、触媒6,8での空間速度は比較的低く
なり、触媒6,8のNOx浄化率は比較的高いNOx浄
化率に保たれる。
【0019】また、高速回転時のように排気温度が上る
ときに、排気ガスの全量を主NOx触媒6に流すと高温
になりすぎ、主NOx触媒6がゼオライト系触媒からな
る場合、耐久性が低下してしまうであろう。しかし、本
発明の場合には、主NOx触媒6と副NOx触媒8の両
方に流すので、主NOx触媒6の過熱が抑制され、主N
Ox触媒6の耐久性が向上する。
【0020】しかし、常時、排気ガスを主NOx触媒6
と副NOx触媒8に流すと、触媒容量の増大によって、
低温始動時に主NOx触媒6が活性温度になるのに時間
がかかり過ぎ、低温時のNOx浄化性能が悪化するであ
ろう。しかし、本発明の場合は、低負荷時、低速回転時
のような低温時には、排気ガスは主NOx触媒6のみに
流され、触媒容量が小に保たれて、触媒の昇温の立上り
が良くなり、低温始動性が向上される。
【0021】次に第2実施例について説明する。第2実
施例は図2に示されており、第1実施例と異なる部分は
主NOx触媒6と副NOx触媒8の並列の構造のみであ
るから、同一の部分には第1実施例と同じ符号を付して
説明を省略し、第1実施例と異なる部分についてのみ説
明する。第2実施例においては、同一の触媒コンバータ
ケース内に、中央部に副NOx触媒8が配置され、その
まわりを囲むように主NOx触媒6が配置される。副N
Ox触媒8は、低温始動性を高めるように、ヒータ付き
であってもよい。
【0022】副NOx触媒8と主NOx触媒6の境界か
ら、排気ガス流れ方向上流側に区画壁が延びており、区
画壁の内部は排気ガスの流れを副NOx触媒8に導く通
路10′(第1実施例のバイパス通路10に対応する通
路)を構成している。通路10′の上流端部には、弁1
2′(第1実施例の弁12に対応する弁)が配設され
る。弁12′は、開の時に排気ガスを主NOx触媒6と
副NOx触媒8との両方に流し、閉の時に排気ガスを主
NOx触媒6のみに流す。
【0023】第2実施例は第1実施例の作用と同じ作用
を有する他、さらに次の作用を有する。副NOx触媒8
を主NOx触媒6と同じコンバータケースの中に納めた
ことにより、コンパクト化がはかられ、車両への搭載が
スペース上有利になる。また、まわりを主NOx触媒6
で包んだことにより、副NOx触媒8が冷めにくく、車
両停止後一定時間経過後の再始動時の、触媒の立上りが
容易になる。
【0024】次に第3実施例について説明する。第3実
施例は、弁制御手段の具体的構成に関するもので、図3
に示された制御ルーチンから成る。図3のルーチンは、
一定時間間隔毎に、または一定クランク角毎に割込まれ
る。ステップ102で、吸気圧力センサ16の出力であ
る吸気負圧PMを読込み、ステップ104で排気温セン
サ22の出力である排気温度ETを読込む。
【0025】続いてステップ106に進み、高負荷か否
かを判定するために、吸気負圧PMが絶対圧で所定負圧
PM0 (たとえば500mmHgabs )以上か否かを判定
し、以上なら高負荷とみなしてステップ110に進み、
小ならステップ108に進む。ステップ108では、排
気温が所定値ET0 (たとえば、550℃)以上か否か
を判定し、以上なら触媒の熱劣化が生じるおそれがある
のでステップ110に進み、ET0 より低ければステッ
プ112に進む。
【0026】ステップ110に進む場合は、高負荷、ま
たは高温時であるが、そのときにはステップ110で弁
12を開く。その後リターンする。ステップ112に進
む場合は、低負荷かつ低温時であるがそのときにはステ
ップ112で弁12を閉じ、その後リターンする。その
他の構成は、作用は第1実施例で説明した。
【0027】次いで第4実施例について説明する。第4
実施例は、弁制御手段の、もう一つの具体的構成に関す
るもので、図4に示された制御ルーチンから成る。図4
のルーチンは、一定時間間隔毎に、または一定クランク
角毎に割込まれる。ステップ202で、エンジン回転数
センサ18の出力であるエンジン回転速度NEを読込
む。エンジン回転速度が高い程排気温は高くなる。続い
て、ステップ204でスロットル開度センサ20の出力
であるスロットル開度TAを読込む。スロットル開度が
大のときは高負荷である。続いて、ステップ206に進
み、図5のNE,TAマップをサーチして、現在の運転
領域を判定する。
【0028】続いてステップ208に進み、現在の運転
状態が高負荷および高速領域にあるか否かを判定する。
たとえば、図5のマップにおいて、現在のNE,TAが
斜線の領域にあれば、高負荷及び高速領域にあると判定
する。ステップ208において、現在の運転状態が高負
荷、高速領域にあると判定されると、触媒6,8におけ
るガス流の空間速度SVを小に抑制してNOx浄化率を
高くすべきであるから、ステップ210に進んで弁12
を開く。逆に、ステップ208で高負荷および高速領域
にないと判定されると、低温始動性が良くなることに配
慮すべきであるから、ステップ212に進んで弁12を
閉じる。
【0029】他の構成、作用は第1実施例で説明した。
次に第5実施例について説明する。図6を参照すると、
排気通路4は主排気通路30と副排気通路31に分岐し
た後再び合流する。主排気通路30には主NOx触媒3
2が配置され、副排気通路31には副NOx触媒33が
配置される。副NOx触媒33の容量は主NOx触媒3
2の容量よりも小さくされている。副NOx触媒33よ
り上流の副排気通路31には開閉弁34が配置される。
この開閉弁34はアクチュエータ35によって駆動さ
れ、アクチュエータ35はECU14によって制御され
る。
【0030】図7は機関燃焼室から排出される排気ガス
中の代表的な成分の濃度を概略的に示している。図7か
らわかるように燃焼室から排出される排気ガス中の未燃
HC,COの量は燃焼室内に供給される混合気の空燃比
がリッチになるほど増大し、燃焼室から排出される排気
ガス中の酸素O2 の量は燃焼室内に供給される混合気の
空燃比がリーンになるほど増大する。
【0031】主NOx触媒32は例えばアルミナを担体
とし、この担体上に例えばカリウムK、ナトリウムN
a、リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金
属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土
類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から
選ばれた少なくとも一つと、白金Ptのような貴金属と
が担持されている。機関吸気通路および排気通路4内に
供給された空気および燃料の比を主NOx触媒32への
流入排気ガスの空燃比と称するとこの主NOx触媒32
は流入排気ガスの空燃比がリーンのときにはNOxを吸
収し、流入排気ガス中の酸素濃度が低下すると吸収した
NOxを放出するNOxの吸放出作用を行う。なお、主
NOx触媒32上流の排気通路4内に燃料或いは空気が
供給されない場合には流入排気ガスの空燃比は燃焼室内
に供給される混合気の空燃比に一致し、従ってこの場合
には主NOx触媒32は燃焼室内に供給される混合気の
空燃比がリーンのときにはNOxを吸収し、燃焼室内に
供給される混合気中の酸素濃度が低下すると吸収したN
Oxを放出することになる。
【0032】上述の主NOx触媒32を機関排気通路内
に配置すればこの主NOx触媒32は実際にNOxの吸
放出作用を行うがこの吸放出作用の詳細なメカニズムに
ついては明らかでない部分もある。しかしながらこの吸
放出作用は図8に示すようなメカニズムで行われている
ものと考えられる。次にこのメカニズムについて担体上
に白金PtおよびバリウムBaを担持させた場合を例に
とって説明するが他の貴金属、アルカリ金属、アルカリ
土類、希土類を用いても同様なメカニズムとなる。
【0033】即ち、流入排気ガスがかなりリーンになる
と流入排気ガス中の酸素濃度が大巾に増大し、図8
(A)に示されるようにこれら酸素O2 がO2 - の形で
白金Ptの表面に付着する。一方、流入排気ガス中のN
Oは白金Ptの表面上でO2 - と反応し、NO2 となる
(2NO+O2 →2NO2 )。次いで生成されたNO2
の一部は白金Pt上で更に酸化されつつ触媒内に吸収さ
れて酸化バリウムBaOと結合しながら、図8(A)に
示されるように硝酸イオンNO3 - の形で吸収剤内に拡
散する。このようにしてNOxが主NOx触媒32内に
吸収される。
【0034】流入排気ガス中の酸素濃度が高い限り白金
Ptの表面でNO2 が生成され、触媒のNOx吸収能力
が飽和しない限りNO2 が触媒内に吸収されて硝酸イオ
ンNO3 - が生成される。これに対して流入排気ガス中
の酸素濃度が低下してNO2の生成量が低下すると反応
が逆方向(NO3 - →NO2 )に進み、斯くして触媒内
の硝酸イオンNO3 - がNO2 の形で吸収剤から放出さ
れる。即ち、流入排気ガス中の酸素濃度が低下すると主
NOx触媒32からNOxが放出されることになる。図
7に示されるように流入排気ガスのリーンの度合いが低
くなれば流入排気ガス中の酸素濃度が低下し、従って流
入排気ガスのリーンの度合いを低くすれば主NOx触媒
32からNOxが放出されることになる。
【0035】一方、このとき流入排気ガスの空燃比をリ
ッチにすると図7に示されるように機関からは多量の未
燃HC,COが排出され、これら未燃HC,COは白金
Pt上の酸素O2 - と反応して酸化せしめられる。ま
た、流入排気ガスの空燃比をリッチにすると流入排気ガ
ス中の酸素濃度が極度に低下するために吸収剤からNO
2 が放出され、このNO2 は図8(B)に示されるよう
に未燃HC,COと反応して還元浄化せしめられる。こ
のようにして白金Ptの表面上にNO2 が存在しなくな
ると触媒から次から次へとNO2 が放出される。従って
流入排気ガスの空燃比をリッチにすると短時間のうちに
主NOx触媒32からNOxが放出されることになる。
【0036】このように流入排気ガスの空燃比がリーン
になるとNOxが主NOx触媒32に吸収され、流入排
気ガスの空燃比をリッチにするとNOxが主NOx触媒
32から短時間のうちに放出される。副NOx触媒33
も主NOx触媒32と同様の触媒であり同様の作用効果
を奏する。
【0037】図9には開閉弁34を制御するためのルー
チンを示す。このルーチンは一定時間毎の割込みによっ
て実行される。図9を参照すると、まず、ステップ30
2で、機関負荷、例えばスロットル開度TAが読み込ま
れる。次いで、ステップ304で、スロットル開度TA
が予め定められた開度Hより大きいか否か(高負荷運転
か否か)、すなわち、排気ガスの流量が所定値以上か否
か判定される。TA≦Hの場合、すなわち、排気ガスの
流量が比較的少ない場合、ステップ306に進み、開閉
弁34が閉弁せしめられる。これによって排気ガスは主
NOx触媒32のみに流入せしめられる。
【0038】一方、TA>Hの場合、すなわち、排気ガ
スの流量が多量である場合には、ステップ308に進
み、開閉弁34が開弁せしめられる。これによって排気
ガスは主NOx触媒32および副NOx触媒33両者に
流入するために、空間速度を低下せしめて触媒32,3
3のNOx浄化率を向上せしめることができる。本実施
例で用いているような吸放出型のNOx触媒は、所定の
狭い温度範囲でしか高いNOx浄化率を示さない。この
ため、NOx浄化率を高めるためにはあらゆる運転状態
においてNOx触媒を所定の温度範囲とする必要があ
る。本実施例では、低・中負荷運転時には主NOx触媒
32だけに排気ガスを流して主NOx触媒32の温度が
所定温度範囲内となるようにしておき、排気ガス流量が
増大しかつ高温となる高負荷運転時においては、主NO
x触媒32および副NOx触媒33両者に排気ガスを流
入せしめることによって、主NOx触媒32の温度を低
下せしめて、主NOx触媒32および副NOx触媒33
の温度を所定温度範囲内として、全ての運転条件でNO
x浄化率を高めることができる。
【0039】また、本出願の発明者は、吸放出型のNO
x触媒は昇温時においてNOx浄化率が高められること
を見い出した。本実施例では、副NOx触媒33への排
気ガスの流入が開始される毎に副NOx触媒33が昇温
され、これによって高いNOx浄化率を得ることができ
る。次に第6実施例について説明する。第6実施例の内
燃機関全体の構造は第5実施例と同様である(図6参
照)。
【0040】図10には開閉弁34を制御するためのル
ーチンを示す。このルーチンは一定時間毎の割込みによ
って実行される。図10を参照すると、まず、ステップ
402で、機関回転数NEが読み込まれる。次いで、ス
テップ404で、機関回転数NEが予め定められた値S
より大きいか否か(高回転か否か)、すなわち、排気ガ
スの流量が所定値以上か否か判定される。NE≦Sの場
合、すなわち、排気ガスの流量が比較的少ない場合、ス
テップ306に進み、開閉弁34が閉弁せしめられる。
これによって排気ガスは主NOx触媒32のみに流入せ
しめられる。
【0041】一方、NE>Sの場合、すなわち、排気ガ
スの流量が多量である場合には、ステップ308に進
み、開閉弁34が開弁せしめられる。これによって排気
ガスは主NOx触媒32および副NOx触媒33両者に
流入せしめられる。本実施例においても第5実施例と同
様の効果を奏することができる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、排気ガスの流量が予め
定められた流量より少ないときには主NOx触媒のみに
排気ガスが流入せしめられるために、低温始動性を良好
に維持できる。また、排気ガスの流量が予め定められた
流量より多いときには主NOx触媒および副NOx触媒
の両者に排気ガスが流入せしめられるために、触媒にお
ける空間速度を抑えることができ、その結果NOx浄化
率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る内燃機関の排気浄化
装置の系統図である。
【図2】本発明の第2実施例に係る内燃機関の排気浄化
装置の系統図である。
【図3】本発明の第3実施例に係る内燃機関の排気浄化
装置における弁制御手段のフローチャートである。
【図4】本発明の第4実施例に係る内燃機関の排気浄化
装置における弁制御手段のフローチャートである。
【図5】図4のフローチャートで用いられるTA対NE
マップである。
【図6】本発明の第5実施例に係る内燃機関の排気浄化
装置の系統図である。
【図7】機関から排出される排気ガス中の未燃HC,C
Oおよび酸素の濃度を概略的に示す線図である。
【図8】NOxの吸放出作用を説明するための図であ
る。
【図9】本発明の第5実施例に係る内燃機関の排気浄化
装置の開閉弁を制御するためのフローチャートである。
【図10】本発明の第6実施例に係る内燃機関の排気浄
化装置の開閉弁を制御するためのフローチャートであ
る。
【符号の説明】
4…排気通路 6,32…主NOx触媒 8,33…副NOx触媒 12…弁 34…開閉弁

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関排気通路に設けられNOxを還元可
    能な主NOx触媒と、 機関排気通路に設けられNOxを還元可能な副NOx触
    媒と、 機関排気通路内を流れる排気ガスの流量が予め定められ
    た流量より少ないときには前記主NOx触媒のみに排気
    ガスを流入せしめると共に前記排気ガスの流量が前記予
    め定められた流量より多いときには前記主NOx触媒お
    よび前記副NOx触媒の両者に排気ガスを流入せしめる
    制御手段と、 を備えた内燃機関の排気浄化装置。
JP24343592A 1992-02-12 1992-09-11 内燃機関の排気浄化装置 Expired - Lifetime JP2677125B2 (ja)

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