JP2673371B2 - 車両用ナビゲーション装置のモード切換方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、車両の現在位置を求めながら、予め画面に
写し出された道路地図上に車両の現在位置を表示する車
両用ナビゲーション装置のモード切換方法に関する。

従来技術 最近、例えば不案内地域などにおける自動車等の車両
の運転時に、走行予定コースから外れて運転者が道に迷
うことがないように適切なガイダンスを行わせるため、
車両の走行にともない、距離センサと方向センサとを用
いて車両の走行距離と進行方向とをそれぞれ検出しなが
ら、車両の２次元座標上における現在位置を累積的な演
算によって求め、その車両の走行にともない刻々と変化
する現在位置を予め画面に写し出されている道路地図上
に点情報によって逐次更新しながら表示させることによ
り、運転者に現在位置の確認を行わせることができるよ
うにした車両用ナビゲーション装置が開発されている。

従来、この種の車両用ナビゲーション装置にあって
は、各センサ精度や演算精度に起因する現在位置算出時
の累積誤差や道路地図のデフォルメなどによって車両の
現在位置が地図上の道路から外れた場合に、現在位置を
手動で動かしてその位置修正を行わせることができるよ
うにしている。

また、車両の走行ガイダンスをより最適に行わせるた
めに、画面に写し出される道路地図上に目的地をセット
して目的地のマーク表示を行わせたり、また画面に写し
出される道路地図の検索を行わせることができるように
している。

このような現在位置の修正、目的地のセットあるいは
道路地図の検索などの操作を行わせるようにするために
は、車両用ナビゲーション装置を現在位置の表示モード
と前記操作の実行モードとに選択的に切り換えることが
できるようにする必要があるものとなっている。

しかして従来では、そのモード切換えをスイッチ操作
によっていつでも行わせることができるようにしている
が、車両の走行中にモード切換えのためのスイッチ操作
や操作モード時における操作実行のための各種キー操作
を行わせることは煩雑であり、好ましくない。

そのため、車両の停止時にのみ現在位置の修正、目的
地のセットあるいは道路地図の検索などの操作を行わせ
ることができるように、車両の走行中にモード切換えの
ためのスイッチ操作や操作モード時における操作実行の
ための各種キー操作を禁止させるべく、車両の走行直前
のモードで全ての操作を凍結させるようにすることが考
えられるが、走行直前のモードが操作モードに切り換え
られているときには車両の走行時に現在位置の表示が中
断されてしまうことになる。

また、車両の走行に際して現在位置表示モードに強制
的に切り換えるようにすることが考えられるが、それで
は走行直前までになされていた途中までの操作が無駄に
なってしまう。

目的 本発明は以上の点に考慮してなされたもので、車両の
停止時にのみ現在位置の修正、目的地のセット、道路地
図の検索などの操作を行わせることができる操作モード
への切換えを可能にして、車両が走り出したときには現
在位置表示モードに強制的に切り換えるようにする際、
操作途中で車両が走り出したときには、その強制的に切
り換えられた現在位置表示モード時に車両の停止状態が
検出されたときに操作モードに自動的に復帰させるよう
にして、操作性の向上を図るようにした車両用ナビゲー
ション装置のモード切換方法を提供するものである。

具体的には、車両の現在位置を検出し、地図情報記憶
媒体から読み出された地図データとともに画面に表示す
る現在位置表示モードと、現在位置の修正、地図の検
索、または目的地の入力を行う操作モードとを有し、前
記現在位置表示モードと操作モードとを所定の条件によ
り切り換える車両用ナビゲーション装置のモード切換方
法において、運転者によって前記操作モードが選択され
たとき、前記操作モードに移動し、前記操作モードでの
所定の操作の完了前に車両の走行が検知されたとき、そ
れまでの操作モードでの状態を記憶して、現在位置表示
モードに移行し、前記操作モードでの所定の操作の完了
前での走行中に車両の停止が検知されたとき、前記記憶
された操作モードの状態を読み出して操作モードに復帰
するようにしている。

構成 以下、添付図面を参照して本発明の一実施例について
詳述する。

第１図は本発明を実施するための車両用ナビゲーショ
ン装置の基本的な構成を示しており、車両のタイヤの回
転に応じて単位走行距離ごとにパルス信号を出力する距
離センサ１と、ヨー方向変化の角速度を検出して車両の
走行にともなう方向の変化量に比例した信号を出力する
レート式による方向センサ２と、距離センサ１からのパ
ルス信号数をカウントして車両の走行距離を計測すると
ともに、方向センサ２の出力信号にしたがってその進行
方向をわり出すことにより、車両の一定走行距離ごとに
おけるＸ−Ｙ座標上の現在位置を演算によって累積的に
求める第１の演算処理装置（マイクロコンピュータ）３
と、車両の走行にしたがって刻々変化する現在位置のデ
ータを順次格納し、車両の有限の連続位置情報としてそ
れを記憶保持する走行軌跡記憶装置４と、予め道路地図
のデータが格納されている地図情報記憶媒体５と、その
記憶媒体５から地図データを選択的に読み出す記憶媒体
再生装置６と、その読み出された地図データにもとづい
て所定の道路地図が写し出された画面上に車両の現在位
置を、必要に応じて走行軌跡および現在位置における車
両の進行方向などとともに表示する表示装置７と、その
表示装置７における表示の制御を行わせる表示制御装置
（MMI）８と、表示装置７に写し出す道路地図のセット
を行わせ、また走行軌跡および現在位置における車両の
進行方向などの表示指令を選択的に与え、画面に表示さ
れている地図の移動および走行軌跡の回転，表示縮尺率
の選択などの表示形態の設定変更などを適宜行わせるこ
とのできる操作装置９と、走行軌跡のデータと画面に写
し出された道路地図のデータとにもとづいて車両の走行
軌跡と地図上の道路との各パターンのマッチング処理を
なして、そのマッチングがとられた道路上に車両の現在
位置が表示されるように前記第１の演算処理装置によっ
て算出される現在位置のデータを修正する第２の演算処
理装置（マイクロコンピュータ）10とによって構成され
ている。

なお、表示制御装置８は、表示用の道路地図のデータ
および現在位置のデータにもとづいて表示装置７の画面
に道路地図および車両の現在位置を表示させるととも
に、操作装置９から入力される操作指令に応じてその画
面の表示形態を適宜変化させる。

このような車両用ナビゲーション装置では、所定の道
路地図が表示装置７の画面に映し出されるとともに、そ
の地図上において出発点からの車両の走行にしたがっ
て、第１の演算処理装置３により、予め設定された地図
の縮尺率に応じてＸ−Ｙ座標上における現在位置が刻々
と演算によって求められていく。

その求められた現在位置のデータが第２の演算処理装
置10に引き渡されたうえで、走行軌跡記憶装置４に逐次
送られて記憶され、一連の走行軌跡のデータとして更新
的に保持される。

そして、第２の演算処理装置10において、車両の一定
走行距離ごとに、車両の走行軌跡と地図上の道路との各
パターンのマッチング処理が実行され、そのマッチング
がとられた道路上に現在位置および走行軌跡がくるよう
に、走行軌跡および車両の現在位置の修正がなされる。

その現在位置の修正されたデータが現在検出されてい
る方向のデータとともに表示制御装置８に与えられ、そ
の制御下において、例えば、第２図に示すように、表示
装置７の画面に写し出された道路地図上に車両の現在位
置を示す表示マークM1およびその現在位置における車両
の進行方向を示す表示マークM2が、また走行軌跡の表示
指令が出されているときには走行軌跡の表示マークM3が
車両の走行状態に追従して模擬的に表示される。

その際、車両の現在位置の表示マークM1は、現在位置
表示モード時には常に画面の中央にあって、車両が走行
するにしたがい、その進行方向に応じて道路地図が適宜
スクロールして、その道路地図上に車両の現在位置が表
示されることになる。

ここでは、以上のように構成された車両用ナビゲーシ
ョン装置にあって、道路地図上における現在位置の修
正、道路地図上における目的地のセット、道路地図の検
索などの操作をすることのできる操作手段と、車両の停
止，走行の各状態を検出する手段と、車両の停止状態が
検出されているときに現在位置表示モードから前記操作
を実行する操作モードへの切換えを行なわせることがで
きるモード切換手段と、操作モード時に車両の走行状態
が検出されたときに現在位置表示モードに強制的に切り
換える手段と、その強制的に切り換えられた現在位置表
示モード時に車両の停止状態が検出されたときに操作モ
ードに自動的に復帰させる手段とをとるようにしたこと
を特徴としている。

なお、前述したように第２の演算処理装置10における
マッチング処理によって走行軌跡および車両の現在位置
の修正がなされるが、それが車両の一定走行距離ごとに
実行されるため、特に現在位置修正の操作手段を別途設
けて、車両の走行がその一定走行距離に達する前に、必
要に応じて走行軌跡および車両の現在位置の修正を手動
操作によって行なわせることができるようにしている。

道路地図上における現在位置の修正、道路地図上にお
ける目的地のセット、道路地図の検索などの操作をする
ことのできる操作手段は、実際には、操作装置９におけ
る入力操作によって実行される。

また、車両の停止，走行の各状態を検出する手段は、
実際には、表示制御装置８が距離センサ１からのパルス
信号の有無を読み込んで、距離センサ１からパルス信号
が出されているときには車両が走行状態にあり、距離セ
ンサ１からパルス信号が出されていないときには車両が
停止状態にあることを検出する。

また、車両の停止状態が検出されているときに現在位
置表示モードから前記操作を実行する操作モードへの切
換えを行なわせることができるモード切換手段は、実際
には、操作装置９からの操作モードへの切換えの入力指
令に応じて表示制御装置８の制御下において実行され
る。

また、操作モード時に車両の走行状態が検出されたと
きに現在位置表示モードに強制的に切り換える手段およ
びその強制的に切り換えられた現在位置表示モード時に
車両の停止状態が検出されたときに操作モードに自動的
に復帰させる手段は、実際には、表示制御装置８の制御
下においてそれぞれ実行される。

第３図に、操作装置９における各種操作キーの設置状
態の一例を示している。

図中、K1は画面表示のON/OFFキー、K2は地図縮尺の選
択キー群、K3は目的地モードのON/OFFキー、K4は目的地
セットキー、K5は目的地クリア（消去）キー、K6は位置
修正キー、K7は軌跡消去キー、K8は地図検索キー、K9は
操作モード時に現在位置表示モードに復帰させる現在位
置復帰キーをそれぞれ示している。

K3〜K9の各キーの部分には、誤操作を防止するため、
カバー11が設けられており、それら各キーの操作時には
そのカバー11を開いて操作するようになっている。

また、図中、STは画面12に写し出された道路地図を上
下、左右および斜めの８方向にスクロールさせることの
できるスティックであり、RK,LKは画面13に表示された
車両の走行軌跡および進行方向の各マークを右または左
方向に回転させる回転キーである。

前述した各手段は、例えば現在位置の修正を行なわせ
る場合、具体的には以下のようにして実行される。

いま、第４図（ａ）に示すように、現在位置表示モー
ドにあって車両の現在位置のマークM1および走行軌跡の
マークM3が地図上の道路から外れて表示されていると
き、第４図（ｂ）に示すように、位置修正キーK6を押下
すると（このときインジケータとしてそのキーK6に設け
られたLEDが点灯する）、位置修正モードに切り換わ
り、画面の端に「位置修正モード」の文字が表示される
とともに、現在位置のマークM1および進行方向のマーク
M2がそれまでの白色から赤色に変化する。

そして、位置修正モードになることによってスティッ
クSTの操作による画面に写し出されている道路地図のス
クロールおよび各回転キーRK,LKの操作による走行軌跡
および進行方向の各マークM2,M3の回転が可能となり、
第４図（ｃ）に示すように、スティックSTの操作によっ
て現在位置の合せ込みを行ない、各回転キーRK,LKの操
作によって走行軌跡および進行方向の合せ込みを行なっ
て、車両の現在位置および走行軌跡が道路地図と一致す
るように位置修正する。

次いで、現在位置復帰キーK9を押下すると（このとき
位置修正キーK6のLEDが消灯する）、位置修正のセット
が行なわれるとともに、現在位置表示モードに復帰し
て、第４図（ｄ）に示すように、位置修正された状態で
道路地図上に車両の現在位置のマークM1,進行方向のマ
ークM2および走行軌跡のマークM3がそれぞれ白色で表示
され、以後車両の走行にしたがって更新表示されてい
く。

このような位置修正の一連の操作は、車両の走行中で
は禁止され、信号待ちなどの車両の停止中に行なわれる
ことになるが、車両が走り出すまでにその操作が完了し
ない場合が生ずる。

そのような場合、第４図（ｂ）に示すように、位置修
正モードに切り換えられた状態で位置修正の操作を行な
っている途中において、車両の走行が検出されたとき、
その操作途中の位置で一度強制的にセット状態にされた
うえで、現在位置表示モードに切り換えられ、第４図
（ｅ）に示すように、その修正途中の位置から現在位置
表示が再開される。

なおこの場合は、画面の端に「位置修正モード」の文
字が表示され、また現在位置のマークM1および進行方向
のマークM2が赤色に変化したままとなって、位置修正途
中であることが示される（このとき位置修正キーK6のLE
Dは点灯したままとなっている）。

また、位置修正の途中であることが表示制御装置８の
内部メモリに記憶される。

そして、その車両の走行状態の検出による強制的に切
り換えられた現在位置表示モード時に、車両の停止状態
が検出されると、もとの位置修正モードに自動的に復帰
し、位置修正の操作を継続して行なわせることができる
ようになる。

その際、位置修正が中断されているあいだに現在位置
表示が更新的に行なわれた状態において、位置修正モー
ドに自動的に復帰することになる。

このように本発明によれば、車両の停止時に限って位
置修正の操作を可能とし、位置修正の途中で車両が走り
出したときには位置修正モードから現在位置表示モード
に強制的に切り換えるようにしても、それまでの位置修
正の操作が有効となって、また車両の走行にともなう現
在位置表示を何ら中断することなく、車両の停止時に位
置修正の操作を効率良く行わせることができるようにな
る。

また本発明では、車両が停止している際に目的地キー
K3または地図検索キーK8が押下されて目的地設定モード
または地図検索モードに切り換わっている場合にも、目
的地のセットが完了する前または地図検索が終了する前
に車両の走行が検出されると現在位置表示モードに強制
的に切り換えられるが、操作途中であることが記憶され
て、その後における車両の停止状態の検出時に先の目的
地モードまたは地図検索モードに自動的に復帰して、目
的地のセットまたは地図検索を継続して行わせることが
できるようにしている。

なお、目的地設定モード時には画面の中央にカーソル
が表示され、スティックSTの操作によって道路地図をス
クロールさせながら地図上の目的地がカーソル位置にき
たときに目的地セットキーK4を押下することによってそ
の目的地がセットされ、そのセットされた位置に目的地
のマークが表示され、現在位置と目的地とを結ぶライン
が表示される。

また地図検索モード時にも画面の中央にカーソルが表
示され、例えば、スティックSTの操作によって道路地図
を前記ラインの方向にスクロールさせて、目的地に向か
う道路の状態などをみることができる。

目的地設定モードまたは地図検索モード時に車両が走
り出して強制的に現在位置表示モードに切り換えられる
際、そのとき画面に写し出されている道路地図の状態を
記憶させて、その後における車両の停止状態の検出時に
目的地モードまたは地図検索モードに自動的に復帰させ
るとき、先に記憶されている道路地図の状態にしたがっ
て、現在位置表示モードに強制的に切り換えられる直前
の画面に復元させるようにすることも可能である。

効果 以上、本発明による車両用ナビゲーション装置のモー
ド切換方法にあっては、車両の停止時にのみ現在位置の
修正、目的地のセット、道路地図の検索などの操作を行
わせることができる操作モードへの切換えを可能にし
て、その操作モード時に車両が走り出したときには現在
位置表示モードに強制的に切り換えるようにするととも
に、その強制的に切り換えられた現在位置表示モード時
に車両の停止状態が検出されたときに操作モードに自動
的に復帰させるようにしたもので、車両の走行時におけ
る現在位置表示という本来の動作に何ら支障をきたすこ
となく、現在位置の修正，目的地のセット，地図検索な
どを操作性良く行わせることができるという優れた利点
を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施するための車両用ナビゲーション
装置の構成例を示すブロック図、第２図は同構成例にお
ける表示画面の一例を示す図、第３図は車両用ナビゲー
ション装置の正面図、第４図（ａ）〜（ｅ）は現在位置
の修正を行わせる際の手順に応じた表示画面の切り換わ
る状態の一例を示す図である。 １……距離センサ、２……方向センサ、３……第１の演
算処理装置、４……走行軌跡記憶装置、５……地図情報
記憶媒体、６……記憶媒体再生装置、７……表示装置、
８……表示制御装置、９……操作装置、10……第２の演
算処理装置、M1……現在位置表示マーク、M2……進行方
向表示マーク、M3……走行軌跡表示マーク

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−199099（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−180400（ＪＰ，Ａ) 実開 昭56−175249（ＪＰ，Ｕ)

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】車両の現在位置を検出し、地図情報記憶媒
   体から読み出された地図データとともに画面に表示する
   現在位置表示モードと、現在位置の修正、地図の検索、
   または目的地の入力を行う操作モードとを有し、前記現
   在位置表示モードと操作モードとを所定の条件により切
   り換える車両用ナビゲーション装置のモード切換方法に
   おいて、運転者によって前記操作モードが選択されたと
   き、前記操作モードに移動し、前記操作モードでの所定
   の操作の完了前に車両の走行が検知されたとき、それま
   での操作モードでの状態を記憶して、現在位置表示モー
   ドに移行し、前記操作モードでの所定の操作の完了前で
   の走行中に車両の停止が検知されたとき、前記記憶され
   た操作モードの状態を読み出して操作モードに復帰する
   ことを特徴とする車両用ナビゲーション装置のモード切
   換方法。
2. 【請求項２】現在位置修正の操作途中で車両の走行状態
   が検出されたとき、その修正途中の位置に強制的にセッ
   トして、車両の走行状態の検出により強制的に切り換え
   られた現在位置表示モード時に、そのセットされた位置
   から現在位置表示を継続して行わせるようにしたことを
   特徴とする前記第１項の記載による車両用ナビゲーショ
   ン装置のモード切換方法。