JP2672106B2 - 窒化珪素質無機繊維及びその製造方法 - Google Patents

窒化珪素質無機繊維及びその製造方法

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JP2672106B2 JP63068220A JP6822088A JP2672106B2 JP 2672106 B2 JP2672106 B2 JP 2672106B2 JP 63068220 A JP63068220 A JP 63068220A JP 6822088 A JP6822088 A JP 6822088A JP 2672106 B2 JP2672106 B2 JP 2672106B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は窒化珪素質無機繊維及びその製法に係り、よ
り詳しく述べるとポリメタロシラザンを紡糸/焼成して
得られるSi−M−N−O系及びSi−M−N−H−O−C
系繊維及びその製法に関する。このSi−M−N−H−O
−C系繊維は耐熱・高強度複合材料の強化材として有用
であり化学・金属、航空・宇宙、機械・精密、自動車分
野での広範な利用が期待される。
〔従来の技術〕
ポリカルボシランとポリチタノシロキサンの共重合反
応により得られたポリチタノカルボシランを紡糸/焼成
して実質的に非晶質からなるSi−Ti−C−O系繊維が得
られることが報告されている(特公昭62−5201号公
報)。
ポリシラザンについてはペルヒドロポリシラザン(特
開昭60−145903号公報、D.Seyferthら“A Liquid Silaz
ane Precursor To Silicon Nitride",Cominications of
Ame.Ceram.Soc.,1983年1月)、ポリオルガノシラザン
(特開昭61−89230号公報)と種々報告されているが、
金属アルコキシドとポリシラザンが縮合して得られるポ
リメタロシラザンを前駆体とし、これを紡糸/焼成して
得られるSi−M−N−O系あるいはSi−M−N−C−O
−H系繊維については従来知られていない。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のポリチタノカルボシランあるいはポリカルボシ
ランを前駆体として得られるSi−Ti−C−O繊維やSi−
C繊維は遊離炭素を多量に含有する。これはアルミニウ
ムなどの溶融金属との反応性が高く強度低下を起こすた
め金属との複合材料を製造する際必ずしも十分な特性が
得られないという欠点がある。
そこで、SiCを基本とするのではなく、Si3N4を基本と
する無機繊維を提供することによって、上記問題点を解
決することができると考えられるが、従来知られている
Si3N4系無機繊維の製法によると、連続繊維を製造でき
ないとか、遊離炭素が多量に残存するとか、機械的強度
が低い、などの欠点があるほか、金属との親和性に欠け
るためこれを改善することが望まれる。
そこで、本発明は機械的強度に優れ、とくに金属材料
との複合材料を製造するのに適したSi−N−M系及びSi
−N−M−C−O−H系無機繊維を提供することを目的
とする。
〔課題を達成するための手段〕
本発明によれば、上記目的を達成するために、珪素、
窒素、酸素及び金属類(元素周期律表第1族〜第8族の
金属元素の群から選ばれる1種又は2種以上の金属元
素)を必須成分とし、炭素及び水素を任意成分とし、各
元素の比が原子比で表わして、N/Si=0.3〜3、O/Si=
0.001〜15、M/Si(式中、Mは上記金属類を表わす)=
0.001〜5、C/Si=7以下、H/Si=15以下であり、かつ
非晶質から非晶質層/結晶質層混層結晶層の構造を持つ
ことを特徴とする窒化珪素質無機繊維を提供する。
同様に、本発明によれば、実質的に珪素、窒素、酸
素、金属類(元素周期律表第1族〜第8族の金属元素の
群から選ばれる1種又は2種以上の金属元素)、炭素及
び水素からなり、各元素の比が原子比で表わして、N/Si
=0.3〜5、O/Si=0.001〜15、M/Si=0.3〜5、M/Si
(式中、Mは上記金属類を表わす)=0.001〜5、C/Si
=0.001〜7、H/Si=0.001〜15であり、かつ非晶質から
非晶質層/結晶質層混層結晶層の構造を持つことを特徴
とする窒化珪素質無機繊維が提供される。
これらの窒化珪素系無機繊維は、本発明者らが別途開
示したポリメタロシラザン(特願昭62−223790号、同61
−22670号、及び本願と同日付けで出願した特許願「ポ
リメタロシラザン及びその製造方法」の各明細書等)を
紡糸し、焼成することによって得ることができる。この
ポリメタロシラザン及びその製造方法については、上記
の各特許願の明細書を参照されたいが、ここにその要点
を摘出すると以下の通りである。
このメタロシラザンは、主として一般式(I): (R1,R2,R3はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、ア
ルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、またはこ
れらの基以外でケイ素に直結する基が炭素である基、ア
ルキルシリル基、アルキルアミノ基、アルコキシ基を表
わす。但し、R1,R2,R3の少なくとも1個は水素原子であ
る。) で表わされる単位からなる主骨格を有する数平均分子量
が約100〜5万のポリシラザンと、一般式(II): M(OR4 (II) (式中、Mは元素長周期律表第1族から第8族までの元
素であり;R4は、同一でも異なっていてもよく、水素原
子、炭素原子数1〜20個を有するアルキル基またはアリ
ール基を表わし、少なくとも1個のR4は上記アルキル基
またはアリール基であり;nはMの原子価である。) で表わされるメタルアルコキシドを反応させて、得られ
るメタル/ケイ素原子比が0.001〜3の範囲内かつ数平
均分子量が約200〜50万、好ましくは500〜50,000のポリ
メタロシラザンである。
このポリメタロシラザンは、ポリシラザンの主骨格中
の少なくとも一部のケイ素原子に結合した水素原子およ
び/または窒素原子に結合した水素原子とメタルアルコ
キシドとが反応して、そのケイ素原子および/または窒
素原子がメタルアルコキシドと縮合した側鎖基あるい
は、環状、架橋構造を有することを特徴とする化合物で
ある。
ポリシラザンのSi−H結合とメタルアルコキシドとの
反応では、メタルアルコキシド(M(OR4)の有機
基(R4)が、Si−H結合の水素原子を引き抜いてR4Hを
生じて脱離することにより、Si−O−M結合が形成され
る。
一方、ポリシラザンのN−H結合と、メタルアルコキ
シドとの反応ではメタルアルコキシドにより、N−H結
合の水素原子が引き抜かれ、下記のようにN−O−M結
合又はN−M結合(以下、これらをN−Y−M結合とし
て表わす)が形成される。
メタルアルコキシドは最大n官能性であることができ
るので、出発メタルアルコキシドの種類あるいは反応条
件に応じて、生成するポリメタロシラザンはメタルに関
して1〜n官能性の重合体であることができる。1官能
性重合体はポリシラザンの主鎖のSiおよび/またはNに
ペンダント基が導入された下記構造を有する。
2〜n官能性重合体ではポリシラザン骨格にM原子を
介して環状、架橋構造が形成される。環状構造はメタル
アルコキシド1分子内の2個の官能基が、ポリシラザン
の隣り合うケイ素原子及び窒素原子と縮合した構造が含
まれる。架橋構造はメタルアルコキシドの2個以上の官
能基が、2分子以上のポリシラザンと縮合した場合に生
じる。
また、3〜n官能性重合体の中には上記の環状構造と
架橋構造を同時に有するものもある。通常、ポリシラザ
ンとメタルアルコキシドとの反応により、(III)又は
(IV)で示した重合体が得られる。
以上の様にポリシラザンからポリメタロシラザンへの
構造上の変化は、ポリシラザンの骨格を基本に新たにペ
ンダント基、あるいは環状、架橋構造が形成されること
である。
用いるポリシラザンの分子量に特に制約はなく、入手
可能なものを用いることができるが、メタルアルコキシ
ドとの反応性の点で、式(I)におけるR1,R2、及びR3
は立体障害の小さい基が好ましい。即ち、R1,R2及びR3
としては水素原子及びC1〜5のアルキル基が好まし
く、水素原子及びC1〜2のアルキル基がさらに好まし
い。
用いるメタルアルコキシドに特に制約はないが、反応
性の点で、式(I)におけるR4はC1〜20のアルキル基
が好ましく、C1 10のアルキル基がさらに好ましく、C
1〜4のアルキル基が最も好ましい。メタルアルコキシ
ドの金属の種類は特に限定されず、メタルアルコキシド
を生成可能な金属であればよく、元素周期律表第1〜8
族の殆んどの金属はメタルアルコキシドを生成する。好
ましい金属類は元素周期律表第2A族及び第3〜5族の金
属元素、より好ましくはチタン、アルミニウム、ジルコ
ニウム、ホウ素、イットリウムである。これらのメタル
アルコキシドは殆んど上市されており、上市されていな
いものを、上記のものと同様の手法で製造可能である。
ポリシラザンとメタルアルコキシドとの混合比は、M/
Si原子比が0.001から60になるように、好ましくは0.01
から5になるように、さらに好ましくは0.05から2.5に
なる様に加える。メタルアルコキシドの添加量をこれよ
り増やすとポリシラザンとの反応性を高めることなく、
単にメタルアルコキシドが未反応のまま回収され、ま
た、少ないと顕著な高分子量化が起こらない。
反応は、無溶媒で行なうこともできるが、有機溶媒を
使用する時に比べて反応制御が難しく、ゲル状物質が生
成する場合もあるので、一般に有機溶媒を用いた方が良
い。
反応溶媒については、ポリシラザン、メタルアルコキ
シドと反応性を示さないものが用いられる。この様な非
反応性溶媒としては、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、
エーテル、硫黄化合物等が使用される。
又反応温度、圧力については特に制限はないが、反応
温度は反応溶媒、メタルアルコキシドの沸点以下が好ま
しい。
得られる新規ポリメタロシラザンは、ポリシラザンの
一部のケイ素−水素結合がメタルアルコキシドの有機基
と縮合し、新たにケイ素−酸素−メタル結合を形成し、
かつ/または、ポリシラザンの一部の窒素−水素結合も
メタルアルコキシドと縮合した構造を有する重合体であ
る。この数平均分子量は200〜50万であり、有機溶媒に
可溶である。
次に、ポリメタロシラザンの紡糸工程を説明する。
上記工程で得られたポリメタロシラザン溶液を、ロー
タリエバポレーター等で濃縮するか、一度溶媒を除去し
ポリメタロシラザンを乾固させ所定量のポリメタロシラ
ザンを溶媒に溶解させ、高粘度のポリメタロシラザン溶
液となった状態で紡糸溶液とする。
ポリシラザンを含む紡糸溶液は、有機高分子を添加し
なくても、それ自体で乾式紡糸に適した十分な曳糸性を
示す。しかし、本発明では、必ずしも有機高分子の添加
を排除するものではなく、場合によっては、有機好分子
を微量添加する場合もある。紡糸溶液中におけるポリメ
タロシラザンの濃度は、紡糸溶液が曳糸性を示せばよ
く、紡糸原料であるポリメタロシラザンの平均分子量、
分子量分布、分子構造によって異なるが、通常、50〜98
%の範囲で良い結果が得られる。
紡糸溶媒としては既に述べた様にポリメタロシラザン
と反応性を示さないものが用いられ、このような非反応
性溶媒としては、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エー
テル硫黄化合物等が使用できる。
紡糸溶液は、紡糸に先立ち、脱泡、濾過等の処理を施
すことによって、溶液中に含まれているゲル、來雑物等
の紡糸に対して有害な作用を与える物質を除去する。ま
た、紡糸を行うには、乾式紡糸が好都合であるが、遠心
防止、吹き出し紡糸等も用いることができる。乾式紡糸
においては、紡糸溶液を紡糸口金より紡糸筒内に吐出し
て繊維化し、巻取ることによって連続的ポリメタロシラ
ザン繊維を得ることができる。この場合、紡糸口金の孔
径、吐出速度及び巻取速度は、一般的には、口金孔径
(直径):0.035〜0.5mm、好ましくは0.05〜0.3mm、巻取
速度:30〜5000m/分、好ましくは60〜2500m/分である。
紡糸筒内の雰囲気としては、乾燥空気、アンモニア及び
不活性ガスの中から選ばれる少なくとも1種の気体を用
いたり、あるいは水蒸気や前記非反応性溶媒の少なくと
も1種を雰囲気中に共存させたり雰囲気を加熱すること
により紡糸筒内のポリメタロシラザン繊維の不融化や乾
燥による固化を制御する。
紡糸溶液の温度は通常20〜300℃、好ましくは30〜200
℃であり、紡糸筒内の雰囲気温度は、通常20〜300℃、
好ましくは40〜250℃である。
乾式紡糸して巻取ったポリメタロシラザン繊維中には
紡糸溶媒が残存しているので、通常の大気、真空条件
下、乾燥空気、アンモニア、不活性気体を使用して繊維
を乾燥、加熱することにより除去する。加熱温度は、通
常20〜500℃の範囲内である。また、この乾燥におい
て、繊維を緊張させると、固化に際して繊維に起る、よ
り、よじれ、屈曲を防止することができる。張力は通
常、1g/mm2〜50kg/mm2の範囲内である。
紡糸されたポリメタロシラザン繊維は、次に焼成して
セラミックス化する。以下、この焼成について説明す
る。
ポリメタロシラザン繊維の焼成は、真空条件下、又は
窒素、アルゴン等の不活性ガスや、アンモニア、水素あ
るいはそれらの混合物からなる気体の雰囲気下において
好ましく実施される。焼成温度は、通常、500〜1800
℃、好ましくは800〜1600℃であり、焼成時間は5分〜1
0時間である。この焼成工程において、繊維中の揮散成
分は300〜600℃の温度範囲でその殆どが気化するため、
繊維が収縮して、一般に、よじれや屈曲を生るが、この
ようなことは、焼成中に繊維に張力を作用させることに
よって防止することができる。この場合、張力として
は、通常、1g/mm2〜50kg/mm2の範囲のものが用いられ
る。
ポリメタロシラザン繊維種類とその焼成条件に依存し
て[Si,N,O,M(C,H)]系または[Si,N,O,M,C,H]系の
無機繊維が得られる。原料ポリマーの組成、焼成雰囲
気、焼成温度が最も有効な組成制御手段である。例えば
N2中で十分に焼成すれば炭素を含まない繊維を得ること
ができる。
この焼成工程において、焼成温度を変えることにより
非晶質相から非晶質相/結晶質層混相結晶相まで種々の
構造の全く新規のSi−M−N−O系あるいはSi−M−N
−C−O−H系繊維を得ることができる。
こうして以上の工程により製造される新規な窒化珪素
質無機繊維は、珪素、窒素、酸素及び金属類を必須成分
とし、炭素及び水素を任意成分として含み、これらの元
素の原子数比がN/Si=0.3〜3、O/Si=0.01〜15、M/Si
(Mは金属類を表わす)=0.001〜5、C/Si=7以下、H
/Si=15以下であり、かつ非晶質から非晶質層/結晶質
層混層結晶層の構造を持つものである。これらの原子数
比は、好ましくはN/Si=0.6〜1.4、O/Si=0.001〜10以
下、M/Si=0.01〜2.5、C/Si=3.5以下、H/Si=5以下で
あり、さらに好ましくはN/Si=1〜1.3、O/Si=0.01〜
4、M/Si=0.01〜1、C/Si=3.5以下、H/Si=1以下で
ある。これらの原子比は出発ポリシラザン及びメタルア
ルコキシドの種類と混合比、反応条件によるポリメタロ
シラザン生成物の組成、ならびに紡糸したポリメタロシ
ラザン繊維の焼成条件によって調整することができる。
これらの条件の選択によって任意成分である炭素、水素
を実質的に含まない窒素珪素質無機繊維を得ることがで
きるが、一般的には珪素、窒素、酸素、金属類、炭素及
び水素を含む無機繊維が得られ、これらの元素の原子数
比はN/Si=0.3〜3、O/Si=0.001〜15、M/Si=0.001〜
5、C/Si=0.001/7、H/Si=0.001〜15、好ましくはN/Si
=1〜1.3、O/Si=0.01〜4、M/Si=0.01〜1、C/Si=
0.01〜3.5、H/Si=0.01〜1である。
〔発明の効果〕
本発明により提供される窒化珪素系無機繊維は高温ま
で結晶質の生成が抑制されて非晶質であることによって
機械的強度特に高温強度が高い無機繊維であり、たとえ
さらに高温で結晶変されても従来の窒化珪素系無機繊維
と比べて高い機械的強度を保つ。また、この窒化珪素系
無機繊維は窒化珪素を基本とすることにより、高温強度
(とくに耐衝撃性)、電気絶縁性に優れ、また遊離炭素
の少ない無機繊維を得ることができるので複合材料の強
化素材として好適であり、とりわけ金属材料に対しては
繊維自体が金属類を含んでいるので親和性があり、金属
材料との複合材料用途に好適である。
〔実施例〕
参考例(原料ペルヒドロポリシラザンの製造) 内容積10の四つ口フラスコに、ガス吹きこみ管、メ
カニカルスターラー、ジュワーコンデンサーを装置し
た。反応器内部を脱酸素した乾燥空気で置換した後、四
つ口フラスコに脱気した乾燥ピリジン4900mlを入れ、こ
れを氷冷した。次にジクロロシラン744gを加えると白色
固体状のアダクト(SiH2Cl2・2C5H5N)が生成した。反
応混合物を氷冷し、撹拌しながら、水酸化ナトリウム管
及び活性炭管を通して精製したアンモニア735gを吹き込
んだ後、100℃に加熱した。
反応終了後、反応混合物を遠心分離し、乾燥ピリジン
を用いて洗浄した後、更に窒素雰囲気下で濾過して濾液
5100mlを得た。濾液5mlから溶媒を減圧留去すると樹脂
状固体ペルヒドロポリシラザン0.249gが得られた。
得られたポリマーの数平均分子量はGPCにより測定し
たところ980であった。
得られたペルヒドロポリシラザンのピリジン溶液5100
mlに乾燥O−キシレンを加えロータリーエバポレーター
にて減圧蒸留し5000mlのペルヒドロポリシラザン−乾燥
O−キシレン溶液とした。
これを以後ポリメタロシラザンの合成原料として用い
た。
実施例1.(Si−Al−N−C−O−H繊維の製造) 内容積2000mlの四つ口フラスコにコンデンサー、シー
ラムキャップ、及びマグネチックスターラーを装置し
た。反応器内部を乾燥アルゴンで置換した後、四つ口フ
ラスコにアルミニウムトリイソプロポキシド14.7g(72.
0mmol)を入れ、参考例で得られたペルヒドロポリシラ
ザンの乾燥O−キシレン溶液(ペルヒドロポリシラザン
の濃度:58重量%)1000mlを注射器を用いて撹拌しなが
ら加え、均一相からなる混合溶液とした。この溶液をア
ルゴン雰囲気下で80℃で2時間撹拌しながら還流反応を
行なった。反応溶液は無色から淡黄色へと変化した。
生成したポリアルミノシラザンは数平均分子量:175
0、重量平均分子量:14500(ゲル透過クロマトグラフィ
法ポリスチレン標準)になった。
このポリアルミノシラザンの乾燥キシレン溶液にポチ
エチルメタクリレート(分子量34万)をポリアルミノシ
ラザンに対し5.0重量%加え、1時間カク拌した後、ロ
ータリーエバポレーターで溶媒を除去した。
溶液が十分に曳糸性を示すようになった時減圧除去を
中止した。この溶液を乾式糸装置の脱泡容器に移送して
紡糸溶液とした。約2時間、60℃で静置脱泡後、30℃で
口径0.1mmのノズルより、130℃の空気雰囲気下の紡糸筒
内に吐出し、300m/分の速度で巻き取り、平均繊維径10
μmの繊維を得た。
次いでこのポリメタロシラザン繊維に500g/mm2の張力
を作用させながら、窒素雰囲気下で室温から1350℃まで
180℃/時間で昇温してSi−Al−N−C−O−H系繊維
を得た。
この繊維をX線回折測定した結果、非晶質相の回折線
のみ観測された。
この繊維の機械強度、組成は以下の通りであった。
機械強度 引張強度(kg/mm2) 弾性率(ton/mm2) 210〜360(平均280) 21〜67(平均26) 組成 N/Si=1.03 O/Si=0.33 C/Si=0.64 H/Si=0.57 Al/Si=0.05 (Si=48.6wt%、Al=2.5、N=25.1、C=13.5、O=
9.3、H=1.0) 実施例2.(Si−Ti−N−C−O−H繊維の製造) 内容積2000mlの四つ口フラスコにコンデンサー、シー
ラムキャップ、温度計、及びマグネティックスターラー
を装置した。反応器内部を乾燥窒素で置換した後、四つ
口フラスコに参考例で得られたペルヒドロポリシラザン
の乾燥O−キシレン溶液(ペルヒドロポリシラザンの濃
度:5.8重量%)1000gを入れ、撹拌しながらチタンテト
ライソプロポキシド7.0g(24.6mmol)を乾燥キシレン6.
5mlに溶解させたものを注射器を用いて加えた。反応溶
液は無色から淡褐色、紫色、黒色へと変化した。反応終
了後、溶媒を減圧留去すると、ポリヒドロチタノシラザ
ンが暗褐色固体として得られた。収率は84.0重量%であ
った。
生成したポリヒドロチタノシラザンは数平均分子量:1
800、重量平均分子量:15000(ゲル透過クロマトグラフ
ィ法、ポリスチレン標準)になった。このポリチタノシ
ラザンの乾燥キシレン溶液にポリエチルメタクリレート
(分子量34万)をポリチタノシラザンに対し5.0重量%
加え1時間カク拌した後、ロータリーエバポレーターで
溶媒を除去した。
溶液が十分に曳糸性を示すようになった時減圧除去を
中止した。この溶液を乾式紡糸装置の脱泡容器に移送し
て紡糸溶液とした。約2時間、60℃で静置脱泡後、30℃
で口径0.1mmのノズルより、130℃の空気雰囲気下の紡糸
筒内に吐出し、300m/分の速度で巻き取り、平均繊維径1
0μmの繊維を得た。
次いで、このポリメタロシラザン繊維に実施例1と同
様に500g/mm2の張力を作用させながら、窒素雰囲気下で
室温から1350℃まで、180℃/時間で昇温してSi−Ti−
N−C−O−H系繊維を得た。
この繊維をX線回折測定した結果、非晶質TiNの回折
線のみであった。
機械試験結果、組成は以下に示す通りであり優れた特
性を示した。
引張強度(kg/mm2) 220〜360(平均290) 弾性率(ton/mm2) 22〜70(平均28) 組成 N/Si=0.95 O/Si=0.28 C/Si=0.35 H/Si=0.46 Ti/Si=0.02 (Si=54.5wt%、Ti=1.8、N=25.9、C=8.1、O=8.
7、H=1.9) またこのポリメタロシラザン繊維を、張力を作用させ
ず、室温から1500℃まで180℃/時間で昇温して得られ
た繊維をX線回折測定した結果、非晶質TiNの回折線の
みであり、高温まで結晶質α型あるいはβ型窒化珪素の
生成が抑制されることが判明した。
実施例3.(Si−Zr−N−C−O−H繊維の製造) 内容積2000mlの四つ口フラスコにコンデンサー、シー
ラムキャップ、温度計、及びマグネティックスターラー
を装置した。反応器内部を乾燥窒素で置換した後四つ口
フラスコに参考例で得られたペルヒドロポリシラザンの
乾燥O−キシレン溶液ペルヒドロポリシラザン濃度:5.8
重量%)1000gを入れ撹拌しながらジルコニウムイソプ
ロポキシド18.3gr(0.055mol)を乾燥O−キシレン100m
lに溶解させたものを加えた。この混合溶液を、窒素雰
囲気下130℃で反応させた。反応溶液をGPC分取後、分子
量測定した結果、Mn=1850(ゲル透過クロマトグラフィ
法、ポリスチレン標準)であった。このポリジルコノシ
ラザンの乾燥キシレン溶液をロータリーエバポレーター
にて溶媒を除去した。
溶液が十分に曳糸性を示すようになった時減圧除去を
中止した。
この溶液を乾式紡糸装置の脱泡容器に移送して紡糸溶
液とした。約2時間60℃で静置脱泡後60℃で口径0.1mm
のノズルより120℃の空気雰囲気下の紡糸筒内に吐出
し、500m/分の速度で巻き取り平均繊維径8μmのポリ
ジルコノシラザン繊維を得た。
次いでこのポリジルコノシラザン繊維に実施例1と同
様に500g/mm2の張力を作用させながら窒素雰囲気下で室
温から1350℃まで180℃/時間で昇温してSi−Zr−N−
C−O−H系繊維を得た。
この繊維をX線回折測定した結果、非晶質相の回折線
のみであった。
この繊維の機械的強度組成は以下の通りである。
引張強度(kg/mm2) 200〜320(平均275) 弾性率(ton/mm2) 22〜74(平均29) 組成 N/Si=1.0 O/Si=0.24 C/Si=0.44 H/Si=0.55 Zr/Si=0.04 (Si=50.4wt%、Zr=7.0、N=25.2、C=9.5、O=6.
9、H=1.0) 実施例4.(Si−Ti−N−O繊維の製造) 実施例2と同様の方法で得られたポリチタノシラザン
繊維に500g/mm2の張力を作用させながら、アンモニア雰
囲気下で室温から1350℃まで180℃/時間で昇温して、S
i−Ti−N−O−系繊維を得た。
この繊維をX線回折測定した結果、非晶質TiNの回折
線のみであった。
機械試験結果、組成は以下に示す通りであった。
引張強度(kg/mm2) 200〜350(平均295) 弾性率(ton/mm2) 23〜72(平均28) 組成 N/Si=1.22 O/Si=0.28 Ti/Si=0.02 (Si=55.3wt%、Ti=1.8、N=34.0、O=8.7、C=0.
1 、H=0.1 ) 比較例1.(Si−N−O−C系繊維の製造) 参考例で得られたペルヒドロポリシラザンのピリジン
溶液1000mlを内容積2の耐圧反応容器に入れ、窒素雰
囲気、密閉系で120℃3時間撹拌しながら反応を行なっ
た。この間大量の気体が発生し、反応前後で圧力が2.0k
g/cm2上昇した。室温まで静置後、窒素で気体を放出置
換した。この改質されたペルヒドロポリシラザンの数平
均分子は2500であった。この溶液に1000mlのエチルベン
ゼンを加えて、温度70℃で溶媒を減圧留去したところ、
白色粉末が得られた。
この白色粉末にトルエンを徐々に加えて溶解し、溶液
が十分に曳糸性を示すようになった時、トルエンの添加
を中止した。この溶液を乾式防止装置の脱泡容器に移送
し、約4時間、60℃で静置脱泡後、40℃で口径0.08mmの
ノズルより100℃のアルゴン雰囲気下の紡糸筒内に吐出
し、1000m/分の速度で巻き取り平均繊維径10μmの繊維
を得た。次いで前記紡糸繊維に500g/mm2の張力を作用さ
せながらN2雰囲気で室温から1350℃まで180℃/時間で
昇温してSi−N−O−C−H系繊維とした。
この繊維のX線回折測定を実施した結果、α型窒化珪
素の回折線(CuKα2θ=30.8゜、34.5゜、35.2゜、38.
8゜)が若であるが観測された。
この繊維の機械強度は、実施例のSi−M−N−C−O
−H系及びSi−M−N−O系繊維に比べ劣っていた。
引張強度(kg/mm2) 150〜230(平均200) 弾性率(ton/mm2) 15〜32(平均20) 組成 N/Si=0.96 O/Si=0.07 C/Si=0.02 H/Si=0.08 (Si=65.4wt%、N=31.4、O=2.5、C=0.5、H=0.
2)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 礒田 武志 埼玉県新座市東北1丁目11番地の5 (72)発明者 茅 博司 埼玉県新座市野火止5丁目17番地の12 (56)参考文献 特開 昭61−28018(JP,A) 特開 平1−229817(JP,A) 特開 昭62−125015(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】珪素、窒素、酸素及び金属類(元素周期律
    表第1族〜第8族の金属元素の群から選ばれる1種又は
    2種以上の金属元素)を必須成分とし、炭素及び水素を
    任意成分とし、各元素の比が原子比で表わして、N/Si=
    0.3〜3、O/Si=0.001〜15、M/Si(式中、Mは上記金属
    類を表わす)=0.001〜5、C/Si=7以下、H/Si=15以
    下であり、かつ非晶質から非晶質層/結晶質層混層結晶
    層の構造を持つことを特徴とする窒化珪素質無機繊維。
  2. 【請求項2】実質的に珪素、窒素、酸素、金属類(元素
    周期律表第1族〜第8族の金属元素の群から選ばれる1
    種又は2種以上の金属元素)、炭素及び水素からなり、
    各元素の比が原子比で表わして、N/Si=0.3〜5、O/Si
    =0.001〜15、M/Si(式中、Mは上記金属類を表わす)
    =0.001〜5、C/Si=0.001〜7、H/Si=0.001〜15であ
    り、かつ非晶質から非晶質層/結晶質層混層結晶層の構
    造を持つことを特徴とする窒化珪素質無機繊維。
  3. 【請求項3】ポリメタロシラザンを紡糸し、焼成して請
    求項1に記載の窒化珪素質無機繊維を製造する方法。
  4. 【請求項4】ポリメタロシラザンを紡糸し、焼成して請
    求項2に記載の窒化珪素質無機繊維を製造する方法。
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