JP2669876B2 - 重量コンクリート - Google Patents

重量コンクリート

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JP2669876B2 JP32850188A JP32850188A JP2669876B2 JP 2669876 B2 JP2669876 B2 JP 2669876B2 JP 32850188 A JP32850188 A JP 32850188A JP 32850188 A JP32850188 A JP 32850188A JP 2669876 B2 JP2669876 B2 JP 2669876B2
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潤一郎 井上
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貴和 石井
治己 井上
重雄 木村
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、重量コンクリートの細骨材として入手の
容易なショットブラスト用スチール細粒を用いることに
より放射線の遮蔽効果を高めた重量コンクリート、又
は、重量を増やすためや振動防止のためのバラスト用コ
ンクリート等の重量コンクリートに関する。
〔従来の技術〕
一般に放射線を遮蔽するためには、普通コンクリート
に比べて比重の大きい重量コンクリートが使用される。
この重量コンクリートが必要となる施設は、例えば原子
炉とかラジオアイソトープを取り扱う施設など原子力の
利用,研究のためのもので、近年ラジオアイソトープの
広範な利用、病院における照射治療などが一般的になっ
てくるにつれて、又、比重の大きいコンクリートとして
船舶のバラストや機械基礎として、次第にこの重量コン
クリートの需用も増加してきている。
また、上記目的のために普通のコンクリートを使用す
ることもできるが、コンクリートの比重×厚さの値に遮
蔽効果が比例するため、同じ強さの放射線に対して普通
コンクリートは重量コンクリートに対して何倍かの厚み
を要し、設計上の困難を伴う場合も生じる。そこで、従
来は自然鉱石の中では皮下的比重が大きく、堅固で不純
物の含有量の少ない磁鉄鉱が重量コンクリートの骨材と
して広く使用されてきた。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、最近になって上記良質の国産の磁鉄鉱
石は枯渇状態であり、外国産の磁鉄鉱石についても近年
その入手は非常に困難になってきている。また、入手で
きる鉄鉱石は製鉄用のものであるため、コンクリート用
骨材としては、骨材比重,粒度,含有不純物や塩化物等
のバラツキが大きく、要求品質を確保することが難し
い。特に粒度分布については、JASS5(日本建築学会
建築工事標準仕様書5 鉄筋コンクリート工事)に規定
された粒度分布を満足する骨材を入手するのはほとんど
不可能な状態にある。
この発明は、このような従来の問題にかんがみてなさ
れたものであって、細骨材としてショットブラスト用ス
チール細粒を用いる等により上記問題を解決することを
目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は、重量コンクリートの細骨材としてふるい
呼び寸法2.5mm乃至0.15mmのショットブラスト用スチー
ル細粒を粒度調整して使用した重量コンクリートであ
る。ショットブラスト用スチール細粒はそれぞれふるい
呼び寸法2.5mm,1.2mm,0.6mm,0.3mm,0.15mmに粒度調整し
た細粒をそれぞれのふるい通過率(%)で、5mmふるい1
00%,2.5mmふるい80〜100%,1.2mmふるい50〜90%,0.6m
mふるい25〜65%,0.3mmふるい10〜35%,0.15mmふるい0.
10%とするとよい。
〔作用〕
重量コンクリートの細骨材として粒度調整されたショ
ットブラスト用スチール細粒を使用すると、所定のふる
い呼び寸法に対してJASS5に規定された粒度分ぷを確保
できるためにコンクリート品質を向上することができ
る。また、磁鉄鉱より比重が大きいことと、入手困難な
磁鉄鉱の代わりの比重の大きいものとして使用される鉄
粉,鉄くず等を使用した場合に比べ、同一強度で所定の
施工軟度を得るのに単位水量が少なくてすみ、従って単
位セメント量も少なくてすむ結果、乾燥収縮やひび割れ
等が少なく、気乾比重の大きいコンクリートが得られ
る。
さらに、このショットブラスト用スチール細粒を、前
記請求項(2)に記載したように粒度調整することによ
り、他の粒度調整に比べ最も比重が大きく、且つ乾燥収
縮やひび割れ等の少ない,施工性のよい重量コンクリー
トを得ることができる。
〔実施例〕 以下、この発明を各表を参照して説明する。
第1図は、本発明に使用されるショットブラスト用ス
チール細粒を用いた細骨材の粒度分布を示すものであっ
て、縦軸にふるい透過率を重量%で示し、横軸にふるい
目の開きをmmで示したものである。細骨材の粒度分布に
ついては、コンクリートの品質保証上、JASS5(日本建
築学会 建築工事標準仕様書5 鉄筋コンクリート工
事)により定義されている。すなわち、コンクリート用
ふるい規格の5mm網ふるいを重量で85%以上通る骨材、
となっているが、本発明において限定したふるい呼び寸
法2.5mm乃至0.15mmのショットブラスト用スチール細粒
は図において点線で示したごとく、明らかにJASS5の規
定に適合したものである。
上記のようなショットブラスト用スチール細粒の粒度
の例を第2図に示したが、このようなスチール細粒のう
ち、第3図に示すようにそれぞれふるい呼び寸法(mm)
の2.5,1.2,0.6,0.3,0.15のものをそれぞれ重量%で10,2
0,25,25,20のごとく粒度調整を行って細骨材とした。
第4図及び第5図は、細骨材に鉄を用いる場合に、本
発明の粒度調整を行ったショットブラスト用スチール細
粒を用いた例(A)と、この類似の方法として鉄粉,鉄
くず等を用いた例(B)とを比較したものであって、粗
骨材としては、第4図では、(A),(B)例共、丸鋼
の切断片を使用し、第5図では(A),(B)例共、砕
石を使用した重量コンクリートについて比較したもので
ある。
鉄粉,鉄くず等は元来、形状が極度に不定形なために
所定の粒度分布を確保することは極めて困難であり、ま
たこれらを用いた場合は、骨材表面が粗面で凹凸が多
く、ショットブラスト用スチール細粒を用いた場合と比
べ、同一強度で所定の施工軟度を得るには第4,5図に示
す通り、単位水量が増加し、また単位水量の増加に伴っ
て単位セメント量を増加する。その結果、(A)の重量
コンクリートは(B)に比べてブリージングが少なく、
且つ乾燥収縮も少なくなり、気乾比重のより大きいもの
となる。
また、第4図における(A)と第5図における(A)
とを比較したとき、粗骨材に丸鋼の切断片を使用した場
合と砕石を使用した場合では、気乾比重が大きく相違す
ることがわかる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、塩化物や不純
物を含まず、且つ比重,粒度にバラツキのない細骨材が
得られ、また各種粒度の製品を適当に配合することによ
りJASS5の規定に適応できる等により、品質が高くて安
定した重量コンクリートを製造することができる。さら
に骨材の入手,調達が非常に容易である。
【図面の簡単な説明】
第1図はショットブラスト用スチール細粒を用いた細骨
材の粒度分布の実施例を示す図、第2図はショットブラ
スト用スチール細粒の粒度の例を示す表図、第3図は本
発明に係る細骨材の粒度調整割合を示す表図、第4図は
細骨材,粗骨材とも鉄骨材を用いた重量コンクリートの
調合例で、本発明と従来例とを比較した表図、第5図は
細骨材に鉄骨材を、粗骨材に砕石を用いた重量コンクリ
ートの調合例で、本発明と従来例とを比較した表図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 貴和 東京都新宿区西新宿1丁目25番1号 大 成建設株式会社内 (72)発明者 井上 治己 東京都新宿区西新宿1丁目25番1号 大 成建設株式会社内 (72)発明者 木村 重雄 東京都新宿区西新宿1丁目25番1号 大 成建設株式会社内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量コンクリートの細骨材としてふるい呼
    び寸法2.5mm乃至0.15mmのショットブラスト用スチール
    細粒を粒度調整して使用したことを特徴とする重量コン
    クリート。
  2. 【請求項2】ショットブラスト用スチール細粒はそれぞ
    れふるい呼び寸法2.5mm,1.2mm,0.6mm,0.3mm,0.15mmに粒
    度調整した細粒をそれぞれのふるい通過率(%)で、5m
    mふるい100%,2.5mmふるい80〜100%,1.2mmふるい50〜9
    0%,0.6mmふるい25〜65%,0.3mmふるい10〜35%,0.15mm
    ふるい0.10%とした請求項(1)記載の重量コンクリー
    ト。
JP32850188A 1988-12-26 1988-12-26 重量コンクリート Expired - Lifetime JP2669876B2 (ja)

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