JP2664984B2

JP2664984B2 - 難燃性低発熱量ガスの燃焼装置

Info

Publication number: JP2664984B2
Application number: JP1045410A
Authority: JP
Inventors: 清一高橋
Original assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Current assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date: 1989-02-28
Filing date: 1989-02-28
Publication date: 1997-10-22
Anticipated expiration: 2012-10-22
Also published as: JPH02225905A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、低発熱量ガスのような難燃性ガスの燃焼装
置に関する。

〔従来の技術〕

第４図は従来の難燃性ガス燃焼装置の一例を示す縦断
面図、第５図は第４図のＶ−Ｖ断面図である。これらの
図において、燃焼筒（２）は側壁部（３）、底部
（４）、連接部（５）から成る。図示例では側壁部
（３）が３分割されている。そしてこの燃焼筒（２）
は、外筒（１）の内部にあり、燃焼炉（７）の前壁
（６）に接続している。外筒（１）は、燃料と空気との
混合体（８）を透過しない、鋼材・耐火材で作られてお
り、燃焼筒（２）は通気性のある多孔性固体で作られて
いる。

燃料と空気との混合体（8a），（8b）は、燃焼筒
（２）の外側から内側へ供給され、燃焼し火炎（10）と
なる。混合体の一部（8c）は直接、燃焼炉（７）で燃焼
する。

〔発明が解決しようとする課題〕

前記従来の燃焼装置においては、燃焼筒（２）の側壁
部（３）を通過する混合体（８′）の流速が速くなる
と、側壁部（３）への保炎性能が劣化する。すなわち、
火炎（10）の根本が側壁部（３）へ密着せずリフト炎に
なって、いわゆる吹き消えが生じる、という問題点があ
った。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、前記従来の課題を解決するために、一端が
燃焼炉の前壁に接続された外筒と、同外筒内に収めら
れ、一部が多孔性固体製、他の一部が不透過性耐火物製
で、一端が閉塞して底壁を形成するとともに、他端が開
放されて上記燃焼炉の前壁に連接された燃焼筒とを具え
たことを特徴とする難燃性低発熱量ガスの燃焼装置を提
案するものである。

〔作用〕

本発明においては、燃焼筒の側壁部または底壁部の一
部を不透過性にしたので、燃料ガス混合体が吹き出ず、
火炎が吹き飛んだり、不安定な振動燃焼をしたりせず、
安定する。

〔実施例〕

第１図は本発明の第１実施例を示す縦断面図、第２図
は第１図のII−II断面図である。これらの図において、
前記第４図および第５図によって説明した従来のものと
同様の部分については、同一の符号を付け、詳しい説明
を省略する。

本実施例では、燃焼筒（２）は側壁部（3a），（3
b），（3c），底部（４）、連接部（５）から成り、透
過性の多孔性固体と、不透過性の耐火物とで形成されて
いる。図示例では側壁部（3c）が不透過性で、他は透過
性の多孔性固体である。ただし、側壁部（3b）または底
部（４）が不透過性でも良いし、側壁部（3a），（3b）
が不透過性でも良い。外筒（１）は、内部に燃焼筒
（２）があり、燃焼炉（７）の前壁（６）に接続してい
る。

ガス燃料と空気との混合体、揮発性油燃料と空気との
混合体、または工場プロセスで発生する低カロリ（1500
kcal/Nm³以下を目安とする）の廃ガス等の難燃性の混合
体（８）は、外筒（１）を通り、混合体（8a），（8
b），（8c）に分岐される。この燃料混合体（8a），（8
b），（8c）は、10m/s以下の低流速で多孔性固体（3
a），（3b），（４）を通過し、燃焼筒（２）の内側で
自燃を開始する。側壁部（3c）は耐火材で、混合体（8
a）を通さないので、火炎（10）の根本は側壁部（3c）
から発生し、保炎が良く安定に燃焼する。連接部（５）
を通った混合体（8c）は燃焼炉（７）内で燃焼する。

本実施例では、側壁部（3c）が不透過性なので、火炎
が保炎する。供給する燃料混合体（８）の流量が増え、
流速が増加しても、火炎が吹き飛んだり、不安定な振動
燃焼することがない。保炎性を更に良くするには、側壁
部（3b），（3c）を同時に不透過性にするなどして、不
透過な部分を調整すれば良い。

上記実施例の作用効果を更に詳しく説明する。第６図
はガスバーナにおける燃料ガス流量、燃焼速度と火炎の
状況との関係を示す図である。ガスバーナでは、火炎が
上流に向かって伝播する速度（燃焼速度）と燃料ガスが
下流に向かって流れる流速とが釣合った時には安定燃焼
するが、ガス流速の方が速いと吹き消え（リフト炎）に
なり、反応に火炎伝播速度の方が速いと逆火を起こす。
したがって、燃料流量（ガス流速）を増加させる場合、
燃焼速度が一定のままだと吹き消えてしまうので、安定
燃焼させるためには、ガスの燃焼速度を強制的に増加さ
せる必要がある。

ガスは、供給温度を高くしておくと、燃焼速度が増加
する。本発明が対象とする難燃性ガス燃焼装置では、ガ
ス予熱器は使用せず、高温の多孔性セラミック材を通過
させてガスを加熱するものである。ところが、多孔性セ
ラミックの表面は80〜90％は空間で残りが実体的なセラ
ミック材（固体）である。したがって、輻射熱を受けて
セラミック材が昇温していても、ガス流量が多ければガ
ス（常温〜100℃）は僅かしか昇温せず、燃焼速度は増
加しない（保炎性能が劣化する。）。

そこで、セラミック材を通過するガスを十分に加熱昇
温させるためには、セラミック材の量を増やし、輻射熱
を蓄熱しておけば良い。そのために多孔セラミックのメ
ッシュを細かくしたり、層を厚くすることも考えられる
が、前者ではバーナ表面積が増え大形化するし、後者で
は圧損が増えるので好ましくない。

本実施例では、混合体が吹き出さない所（不透過部）
を増したため、その不透過部（燃焼筒側壁）が輻射熱を
蓄熱することになり、その表面は火炎温度と同等の高温
度に保たれる。したがって、その表面の近傍を流れるガ
スの境界層は昇温し、ガスの燃焼速度が増加する。こう
して保炎性能が良くなり安定するのである。

次に第３図は、本発明の第２実施例を示す縦断面図で
ある。第３図でも、前記従来のもの、および第１実施例
における説明と同様の部分については同一の符号を付
け、詳しい説明を省略する。

本実施例では、燃焼炉（７）の前壁（６）と接続し
て、末広がりの外筒（11a），（11b），（11c）があ
り、外筒の内側に燃焼筒（２）がある。燃焼筒（２）
は、末広がりの側壁部（13a），（13b），（13c），底
部（４）および連接部（５）から成る。図示例では、側
壁部（13a），（13b）および底部（４）が多孔性固体で
形成されて透過性があり、側壁部（13c）および連接部
（５）が耐火材等で形成され、不透過性である。

燃料ガス混合体（８）は、多孔性固体製の側壁部（13
a），（13b）および底部（４）を通過し、燃焼筒（２）
の内側で自燃を開始し、燃焼可能な温度に保たれる。側
壁部（13c）は不透過性なので、燃料ガス混合体（８）
が通過せず、火炎（10）の根元が側壁部（13c）から発
生し、保炎性の良い燃焼となる。

〔発明の効果〕

本発明においては、燃焼筒の一部が不透過性耐火物製
で、その良好な保炎性のため、燃料ガスの流量が増加し
ても、火炎の吹き飛びや振動燃焼のない安定燃焼ができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例を示す縦断面図、第２図は
第１図のII−II断面図である。第３図は本発明の第２実
施例を示す縦断面図である。第４図は従来の難燃性ガス
燃焼装置の一例を示す縦断面図、第５図は第４図のＶ−
Ｖ断面図である。第６図はガスバーナにおける燃焼ガス
流量、燃焼速度と火炎の状況との関係を示す図である。（１）……外筒，（２）……燃焼筒，（３），（3a），（3b），（3c）……側壁部，（４）……底部，（５）……連接部，（６）……燃焼炉前壁，（７）……燃焼炉，（８），（8a），（8b），（8c）……（燃料ガス）混合
体，（10）……火炎，（11a），（11b），（11c）……外筒，（13a），（13b），（13c）……側壁部。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】一端が燃焼炉の前壁に接続された外筒と、
同外筒内に収められ、一部が多孔性固体製、他の一部が
不透過性耐火物製で、一端が閉塞して底壁を形成すると
ともに、他端が開放されて上記燃焼炉の前壁に連接され
た燃焼筒とを具えたことを特徴とする難燃性低発熱量ガ
スの燃焼装置。