JP2657614B2 - アロマターゼ阻害剤 - Google Patents

アロマターゼ阻害剤

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賢一 木村
純二 中村
健子 高田
誠 吉浜
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はキサントシリンX及びそ
の類縁化合物がアロマターゼ阻害活性を有することを見
いだし、この作用を利用したアロマターゼ阻害剤に関す
る。本発明のアロマターゼ阻害剤は、ホルモン依存性疾
患治療に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】生体内のエストロジェンは多くの疾患と
関係しており、女性ホルモン依存性疾患である乳癌、子
宮癌、卵巣癌、子宮内膜症、子宮筋腫などがエストロジ
ェンによって症状の増悪が引き起こされる。従って、生
体内のエストロジェン合成酵素であるアロマターゼを阻
害することで生体内エストロジェン量を低下させ、これ
らの疾患を治療する試みが多くなされている。また、い
くつかの男性ホルモン依存性疾患である前立腺肥大症や
前立腺癌などもこのアロマターゼ活性を阻害することで
治療できる。今日までこのアロマターゼ阻害剤に関して
は多くの研究があり、幾多の化合物についてその阻害作
用が調べられてきた。これら阻害剤はその構造から大き
くステロイド系化合物と非ステロイド系化合物に分
けられる。ステロイド系化合物はそのほとんどがアロマ
ターゼ基質であるアンドロステンジオンの誘導体であ
り、また非ステロイド系化合物は複素環化合物のイミダ
ゾール系化合物である。一方、このアロマターゼ阻害剤
を天然物に求める研究はほとんど行われておらず、J.An
tibiotics,44巻、589-599(1991) が知られている程度で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはアロマタ
ーゼ阻害活性を有し、かつ今までにその活性が知られて
いないユニークな構造の化合物をえるべく鋭意探索研究
を行ったところ、意外にも従来公知の抗菌作用を有する
キサントシリンX及びその類縁化合物が極めて高いアロ
マターゼ阻害活性を有することを見いだし、この作用を
利用するとホルモン依存性疾患の治療に利用できるとい
う知見を得て、本発明を完成するに至った。本発明のア
ロマターゼ阻害活性を有するキサントシリンX及びその
類縁化合物は公知の物質であるが、今回初めてアロマタ
ーゼ阻害活性があることを見いだし、しかも今までに知
られている微生物由来のアロマターゼ阻害活性物質より
も遙かに活性が強く、現在知られている最も強いアロマ
ターゼ阻害剤とほぼ同等の阻害活性を示し、しかも既存
のアロマターゼ阻害剤とは全く異なった構造を示すこと
を見いだした。すなわち、本発明の課題は、活性、体内
での吸収、***、安全性などで有利な新規なアロマター
ゼ阻害剤を提供することにある。さらに、本発明の課題
はアロマターゼ阻害活性を利用して新規なホルモン依存
性疾患治療薬を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は次の一般式
(1)で示されるキサントシリンX及びその類縁化合物
を有効成分とするアロマターゼ阻害剤に関する。
【0005】
【化2】 (式中、R1 、R2 及びR3 は、水素、水酸基、硫酸エ
ステル基及び炭素数1から8の直鎖または分岐状のアル
キルオキシ基よりなる群から選択される基を示し、これ
らの基は同一であってもあるいは異なっていてもよ
い。)炭素数1から8の直鎖または分岐状のアルキルオ
キシ基には、メトキシ、エトキシ、プロピオニルオキ
シ、イソプロピオニルオキシ、ブチロキシ、sec-ブチロ
キシ、t-ブチロキシ等の低級アルキルオキシ基、ペンチ
ル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等の直鎖状のアルキ
ルオキシ基あるいはこれらの分岐状のアルキルオキシ基
を例示することができる。また、本発明の有効成分化合
物は、塩酸、燐酸、金属塩等と薬理的に許容される塩を
形成する。本発明の有効成分にはこのような薬理的に許
容される塩となった前記化合物をも包含する。本発明
は、このようなアロマターゼ阻害活性を利用してこの剤
をホルモン依存性疾患治療薬に用いることができる。従
って、前記したように乳癌、子宮癌、卵巣癌、子宮内膜
症、子宮筋腫などの女性ホルモン依存性疾患や前立腺肥
大症、前立腺癌などの男性ホルモン依存性疾患の治療に
用いることができる。
【0006】本発明の式(1)で示される化合物のうち
1 、R2 がそれぞれ水酸基でありR3 が水素である化
合物はキサントシリンXとして、R1 がメトキシ基、R
2 が水酸基、R3 が水素である化合物はキサントシリン
Xモノメチルエーテルとして、R1 及びR2 がメトキシ
基、R3 が水素である化合物はキサントシリンXジメチ
ルエーテルとして、R1 、R2 及びR3 がそれぞれメト
キシ基である化合物はキサントシリンXジメチルエーテ
ルメトキシとして、R1 がメトキシ基、R2 が硫酸エス
テル基、R3 が水素である化合物はキサントシリンXモ
ノメチルエーテル硫酸エステルとしてそれぞれ公知の化
合物である。これらの化合物は、例えばキサントシリン
Xは、VEB Arzneimitiel werkDresden 社でBrevicid
の名称で製造されている (Pharmazie 12, 567-580(195
7),The Merck Index 第10版 第9873項) 。また、これ
らの誘導体も従来よく知られている(同上誌) 。さら
に、これらの化合物を、微生物より得る方法としては、
Dichotomomyces albus Saitoを培養して培養液中からキ
サントシリンXモノメチルエーテルを単離精製する方法
〔J.Antibiotics 21, 587-591(1968) 〕、Aspergillus
sp.(StrainNo.208又はNo.98)を用いてキサントシリンX
ジエチルエーテル及びキサントシリンXジメチルエーテ
ルメトキシを単離する方法〔J.Antibiotics 21, 671-67
9(1968)〕あるいはAspergillus sp. No. FA 2692 を培
養してキサントシリンXモノメチルエーテル硫酸エステ
ルを単離精製する方法〔J.Antibiotics 46,687-688(199
3)〕等が知られている。従って、この化合物は公知の方
法によって得ることができ、また可能ならば全合成化学
的ないし半合成化学的な製造方法によってつくることが
できる。これらのキサントシリンXを代表とするキサン
トシリン類は、抗菌作用を有するため抗菌剤、あるいは
抗ウイルス剤、駆虫剤などとして利用できると報告され
ている。
【0007】上記アロマターゼ阻害物質のキサントシリ
ンX及びその類縁化合物は、常法により錠剤、散剤、カ
プセル剤、顆粒剤、細粒剤、注射剤、吸入剤、または外
用剤等の製剤とすることができ、経口または非経口投与
により抗ホルモン依存性疾患治療薬として臨床に供され
る。投与量は治療するべき症状及び投与方法により左右
されるが、一般的には、成人1日あたり1μg から10g
を1日数回に分けて投与することができる。
【0008】前記のように経口投与の製剤形態として
は、錠剤、散剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤などがあ
り、これらの製剤には賦形剤として、澱粉、乳糖、マン
ニット、エチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が配合
され、闊沢剤としてステアリン酸マグネシウムまたはス
テアリン酸カルシウムが添加される。一方、ゼラチン、
アラビアゴム、セルロースエステル、ポリビニルピロリ
ドン等が結合剤として用いられる。注射剤、吸入剤、外
用剤等の非経口のための製剤としては無菌の水性または
非水性の溶剤、または乳濁剤があげられる。非水性の溶
液剤または懸濁剤の基剤としてはプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、グリセリン、オリーブ
油、とうもろこし油、オレイン酸エチル等が用いられ
る。一方、坐剤の基剤としてはカカオ脂、マクロゴール
等を用いることができる。
【0009】次に実施例及び実験例を示し、本発明をさ
らに具体的に説明する。
【実施例】
【0010】
【実施例1】1錠あたり、キサントシリンX10mg、ヒド
ロキシプロピルセルロース30mg、乳糖57mg及びステアリ
ン酸マグネシウム3mg の合計100mg になるように、これ
らの成分及び分量を配合し、この混合物を打錠して製剤
を製造した。
【0011】
【実施例2】本発明のアロマターゼ阻害物質キサントシ
リンX及びその類縁化合物は次のような生理活性を有す
る。 アロマターゼ阻害剤 キサントシリンX及びその類縁化合物のメタノール溶液
を用いて、アロマターゼ阻害活性は E. A. Thompson ら
の方法 (J. Biol. Chem.,249巻、 5364-5372頁、1974
年) に準じ、ヒト胎盤よりアロマターゼを抽出精製し、
〔1β−3H〕アンドロステンジオンを基質とした酵素活
性測定法における値から阻害率を算出した。阻害率は、
次の式に基づいて算出した。 阻害率(%)=(1−試験区酵素活性値/対照区酵素活
性値)×100 キサントシリンX及びその類縁化合物の上記の方法で得
られる50%アロマターゼ阻害濃度を以下に示した。尚、
活性の比較の為にイミダゾール系のアロマターゼ阻害剤
であるCGS16949Aも用いて活性を測定した。こ
のように、ヒト胎盤由来アロマターゼに対する高い阻害
作用はキサントシリンX及びその類縁化合物に特有の性
質であると考えられる。
【0012】 ─────────────────────────────────── 試験化合物 50%アロマターゼ阻害濃度 (μg/ml) ─────────────────────────────────── キサントシリンX 0.024 キサントシリンXモノメチルエーテル 0.054 キサントシリンXジメチルエーテル 0.024 キサントシリンXジメチルエーテルメトキシ 0.26 キサントシリンXモノメチルエーテル硫酸エステル 0.086 CGS16949A 0.038 ───────────────────────────────────
【0013】
【発明の効果】本発明のキサントシリンX及びその類縁
化合物は従来のアロマターゼ阻害剤に無い新しい構造を
有し、アロマターゼ阻害活性の高いものであり、従来の
阻害剤よりも低用量で作用し、ホルモン依存性疾患治療
剤として有用である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(1)で表されるキサントシ
    リンX及びその類縁化合物及びその薬理的に許容される
    塩を有効成分とするアロマターゼ阻害剤。 【化1】 (式中、R1 ,R2 及びR3 は、水素、水酸基、硫酸エ
    ステル基及び炭素数1から8の直鎖または分岐状のアル
    キルオキシ基よりなる群から選択される基を示し、これ
    らの基は同一であってもあるいは異なっていてもよ
    い。)
  2. 【請求項2】 アロマターゼ阻害によりホルモン依存性
    疾患を治療する請求項1記載の剤。
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