JP2653982B2 - 案内レールの取り付け方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はエレベータカー案内レー
ルおよび／またはカウンタウエイト案内レールを、エレ
ベータシャフトに合わせて調節して取り付ける方法に関
するものである

【０００２】

【従来の技術】コンクリートシャフトの場合、案内レー
ルは最も一般的にはレールクランプによってシャフト壁
に設けられたＣ字型レールに直接に取り付けられる。一
群の複数のエレベータによって共有されるシャフトで
は、隔壁が設けられていない場合は、中間部材が用いら
れ、それに案内レールがレールクランプによって取り付
けられる。案内レールは壁に取り付けられた板上に溶接
された頑強な螺子付きバーによってシャフト壁に取り付
けることができる。このような構造は幾つかの作業段階
が必要なので注文施工工程には不適当である。

【０００３】中間部材はしばしばエレベータシャフト内
に用いられて、例えば、２つまたはそれ以上の区画にシ
ャフトを分割し、各区画は中間部材に取り付けられる案
内レールに沿って走行する別々のエレベータカーを収容
する。中間部材はまた、カウンタウエイトを設置すると
きに用いたり、またはエレベータカーを大きなエレベー
タシャフトに設置するときに用いることもできる。

【０００４】従来公知のレール取り付け方法には、固定
溶接された接合部が用いられるので案内レールを調節す
るのが難しく、据え付けに関する安全面でも、溶接を行
う人には高い精確性が必要であるが、それらの人は一般
的にエレベータの据え付け業者であり専門の溶接工では
ないという欠点がある。実際問題として、案内レールの
取り付けにおいては、エレベータシャフトとそれへのレ
ール取り付け素子には非常に大きな公差があることを考
慮しなければならず、据え付け時間が長くなる。更なる
問題は電力ケーブルをエレベータシャフトの幾つかの溶
接点まで伸ばすことの難しさから生じる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の欠点を
解決し、案内レールおよびそれらの支持構造をエレベー
タシャフトに素早く取り付け、溶接接合部を用いること
なく十分な剛性を得る方法を達成することを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の方法では、カウ
ンタウエイト案内レールを取り付けるために用いられる
取り付け素子はまたカー案内レールおよびカウンタウエ
イト案内レールを壁から所望の距離に固定するのにも用
いられることを特徴とする。本発明の望ましい実施例は
下記で示されている。

【０００７】また、エレベータカー案内レールおよびカ
ウンタウエイト案内レールをエレベータシャフトの壁に
またはシャフトを横断して位置する中間部材に取り付け
るときに、壁取り付け部材に適切に配置された長形穴を
設け、長形穴でカー案内レールおよびカウンタウエイト
案内レールをシャフト壁に垂直な方向に調整することと
してもよい。

【０００８】さらに、エレベータカー案内レールを取り
付けるために用いるカー案内レール取り付け部材に円形
穴を設け、その穴によって、前記エレベータカー案内レ
ールを取り付け、カウンタウエイト案内レールを取り付
けるために用いる取り付け部品には円形穴を設け、その
穴によって、前記カウンタウエイト案内レールを取り付
け、カー案内レール取り付け部材と、取り付け部品とを
連結することとしても よい。

【０００９】また、壁取り付け部材をシャフト壁に取り
付け、部材に設けられた長形穴により調整することとし
てもよい。

【００１０】なお、カー案内レールを、長形穴によりシ
ャフト壁に対して正しい高さおよび距離に調整すること
としてもよい。

【００１１】

【作用】エレベータカー案内レールおよびカウンタウエ
イト案内レールをエレベータシャフトの壁にまたはエレ
ベータシャフトを横断して位置する中間部材に取り付
け、カー案内レールおよびカウンタウエイト案内レール
を壁から所望の距離にカウンタウエイト案内レール取り
付け用の取り付け素子により固定する。

【００１２】

【実施例】次に添付図面を参照して本発明を実施例にて
らして詳細に説明する。

【００１３】図１はエレベータカー案内レールおよびカ
ウンタウエイト案内レールのシャフト壁または中間部材
への取り付け方法を示す。取り付け方法は２つのＵ字型
部材１および２と、その部材２の両端に溶接で接合され
るＵ字型部材13とを含む。壁取り付け部材１はＬ字の形
状を有するＵ字型部材に曲げられた板からなる。その壁
取り付け部材は両縁部で曲げられて十分な剛性を得てい
る。壁取り付け部材１の短い部分にはシャフト壁への取
り付けを可能にする２つの穴を設けている。穴６および
７は長形であり、互いに直角に配置されている。穴６は
垂直調整用であり、穴７は水平調整用である。これらの
穴によってＬ字型壁取り付け部材１はシャフト壁に設け
られたＣ字型レールへ取り付けることができ、その位置
決めの精密な調整が可能である。精密調整穴10が壁取り
付け部材の長い方の部分の曲げられた上側縁部に配置さ
れている。それらは相互に適切な間隔で配置される。カ
ウンタウエイトの壁取り付け部材１には製造中に穴が作
られ、穴はカウンタウエイト案内レール３の相対的位置
に依存する。壁取り付け部材１の長い方の部分には長形
の穴８が設けられ、カー案内レール４の水平調節を可能
にする。長形穴８は壁取り付け部材１の中央に配置さ
れ、壁取り付け部材１の長い方の辺の両方から等しい距
離に位置する。その穴はまた壁取り付け部材１の短い方
の辺の両方から等しい距離に位置する。Ｌ字型壁取り付
け部材１の長形穴６，７および８は、これらのＬ字型壁
取り付け部材１を調整可能にしている。取り付け部品13
にはカウンタウエイト案内レール３を取り付ける取り付
け穴14を設けている。カウンタウエイト案内レール３は
取り付け部品13、レールクリップ９、螺子11およびナッ
トにより取り付け穴14を用いて壁取り付け部材１に取り
付けられる。カー案内レール４は取り付け素子11により
壁から適切な距離に固定され、その取り付け素子はまた
カウンタウエイト案内レール３を取り付けるのにも用い
られる。壁取り付け部材１の穴８は有利に位置し、カー
案内レール取り付け部材２が穴８の方向に水平に動くの
を可能にしている。エレベータカー案内レール４はレー
ルクリップ９によって案内レール取り付け部材２の中心
部分またはその近くで取り付けられる。レールクリップ
はナットが旋回する時、螺子が旋回するのを防ぐように
設計されている。カー案内レール取り付け部材２はＵ字
型梁である。穴14は円形であり、レールクリップ９およ
び取り付け素子として用いられる螺子およびナットを固
定するのに用いられる。カウンタウエイト取り付け螺子
11は取り付け部品13の穴14を貫通し、Ｌ字型壁取り付け
部材１の水平長形穴８を貫通する。だから、部品１およ
び13はこれらの部品１および13の調節穴を用いることに
よって相対的に動かすことができる。すべての案内レー
ルをそれらの正しい各位置に置いた後に、すべての取り
付け螺子を締めつける。部品１および13の曲がった縁部
には精密調整穴10が設けられて、その穴の数および位置
は必要により選択することができる。

【００１４】図２は同じ取り付け部の上面図を示す。こ
の図２はまたＬ字型壁取り付け部材１をＣ字型レールへ
取り付ける取り付け部を示す。カウンタウエイトはまた
カーの後ろに配置することもでき、その場合には、カー
案内レール４を図１または２で示される方法で取り付け
る必要はないが、その代わりに隣接壁に取り付ける。同
じ取り付け螺子11を用いてカー案内レール４を壁から適
切な距離に固定し、カウンタウエイト案内レール３を取
り付ける。螺子11は穴14および８を貫通する。穴14はカ
ウンタウエイト案内レール３を取り付けるのに、そして
長形穴８はカー案内レール４を壁から正しい距離に固定
するのに用いられる。カー案内レール４はそのレールが
壁12から正しい距離だけ離れるまでシャフト壁12に垂直
な方向に穴８によって調整され、そこでレール４は螺子
15を締めることによって適所に固定される。カー案内レ
ール４は穴20および螺子15によって取り付け部材２に取
り付けられる。穴14および20は製造工程で正しい位置に
作られて、これによって確実にカー案内レール４および
カウンタウエイト案内レール３が相対的に正しく自動的
に配置される。カー案内レールをカーに対してカウンタ
ウエイト案内レールとは異なる側に配置することも可能
だが、その場合には請求項１による解決策は２本の案内
レールのみを含む。

【００１５】本発明の様々な実施例は上記の実施例に制
限されないが、請求の範囲により定義された範囲内で変
化しうる。取り付け部材１および２で用いられる材料は
必要に応じて変えてよい。同様にこれらの部材１および
２の形状および構造も変えてよい。それらを様々な材料
から製造することができる。壁取り付け部材１はまた様
々な形状の梁で置き換えることもできる。螺子用の穴の
位置は各場合に応じて別々に適切に選択することがで
き、それらの数は状況によって選択することができる。
数本のカー案内レールがあってもよい。

【００１６】

【発明の効果】本発明の利点は、次の通りである。 −足場なしの据えつけにかなり適している。 −各螺子接合は、同一のスパナを用いて締めることがで
きる。 −すべての螺子とナットは同じ大きさである。 −カウンタウエイト案内レール間の距離ならびにカー案
内レールに対するそれらの位置は製造工程であらかじめ
設計される。 −案内レールを壁の方へ動かすことができる。 −据え付け費用の削減。−ス クリュドライバおよび調節穴により部品同士を相対
的に動かすことができる。 −時間が節約され、より正確な最終結果が達成できる。 −螺子の数が削減できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】カウンタウエイトおよびカー案内レールの取り
付けの側面図である。

【図２】同じ取り付け部の上面図である。

【符号の説明】

１ 壁取り付け部材 ２ カー案内レール取り付け部材 ３ カウンタウエイト案内レール ４ カー案内レール ６ 長形穴 ７ 長形穴 ８ 水平長形穴 ９ レールクリップ 10 精密調整穴 11 螺子 12 シャフト壁 13 取り付け部品 14 穴 15 螺子 20 穴

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エレベータカー案内レールおよびカウン
   タウエイト案内レールをエレベータシャフトの壁にまた
   は該シャフトを横断して位置する中間部材に取り付ける
   方法であり、前記カウンタウエイト案内レールを取り付
   けるために用いられる取り付け素子はまた前記カー案内
   レールおよびカウンタウエイト案内レールを壁から所望
   の距離に固定するのにも用いられることを特徴とするエ
   レベータカーおよび／またはカウンタウエイトの案内レ
   ールの取り付け方法。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の案内レールの取り付け
   方法において、壁取り付け部材に適切に配置された長形
   穴が設けられ、前記長形穴で前記カー案内レールおよび
   カウンタウエイト案内レールをシャフト壁に垂直な方向
   に調整することができることを特徴とするエレベータカ
   ーおよび／またはカウンタウエイトの案内レールの取り
   付け方法。
3. 【請求項３】 請求項１または２に記載の案内レールの
   取り付け方法において、前記エレベータカー案内レールを取り付けるために用い
   るカー案内レール取り付け部材には円形穴が設けられ、
   その穴によって、前記エレベータカー案内レールが取り
   付けられ、 前記カウンタウエイト案内レールを取り付けるために用
   いる取り付け部品には円形穴が設けられ、その穴によっ
   て、前記カウンタウエイト案内レールが取り付けられ、 前記カー案内レール取り付け部材と、前記取り付け部品
   とは、連結している ことを特徴とするエレベータカーお
   よび／またはカウンタウエイトの案内レールの取り付け
   方法。
4. 【請求項４】 請求項２または３に記載の案内レールの
   取り付け方法において、壁取り付け部材はシャフト壁に
   取り付けられ、前記部材に設けられた長形穴により調整
   されることを特徴とするエレベータカーおよび／または
   カウンタウエイトの案内レールの取り付け方法。
5. 【請求項５】 請求項１、２、３ないし４のいずれかに
   記載の案内レールの取り付け方法において、前記カー案
   内レールは長形穴によりシャフト壁に対して正しい高さ
   および距離に調整されることを特徴とするエレベータカ
   ーおよび／またはカウンタウエイトの案内レールの取り
   付け方法。