JP2650027B2 - 車両用油圧作動式変速機の制御装置 - Google Patents

車両用油圧作動式変速機の制御装置

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JP2650027B2
JP2650027B2 JP1144387A JP1144387A JP2650027B2 JP 2650027 B2 JP2650027 B2 JP 2650027B2 JP 1144387 A JP1144387 A JP 1144387A JP 1144387 A JP1144387 A JP 1144387A JP 2650027 B2 JP2650027 B2 JP 2650027B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、各別の油圧係合要素により各確立される高
低少なくとも3段の伝動系を備え、これら油圧係合要素
を給油路と排油路とに切換接続するシフト弁を設けて、
該シフト弁によるこれ油圧係合要素への給排油の切換え
でこれら伝動系を選択的に確立するようにした車両用油
圧作動式変速機における制御装置に関する。
(従来の技術) 従来、この種装置として、特公昭49−40585号公報に
より、各油圧係合要素にシフト弁を介して接続される各
排油路に、該各油圧係合要素からの排油時に給油される
各所定の油圧係合要素の油圧で開き側に押圧される排油
制御弁を介設し、給油側の油圧係合要素の油圧の所定圧
への上昇で該各排油制御弁が開弁されるまでは、排油側
の油圧係合要素の油圧が比較的緩やかに降下して、その
後比較的急に降下されるようにし、これにより排油側の
油圧係合要素の解放タイミングをコントロールして円滑
な変速を行い得られるようにしたものは知られる。
又、高速段から低速段への中速段を飛越した変速にも
対処し得るよう、図9に示す如く、排油制御弁aに、中
速段用の油圧係合要素の排油路を接続する第1の流入ポ
ートbと、高速段用の油圧係合要素の排油路を接続する
第2の流入ポートcとを設け、排油制御弁aを低速段用
の油圧係合要素に供給される油圧で両流入ポートb,cか
らの排油を行う開き側に押圧することも考えられる。
(発明が解決しようとする問題点) 上記のものでは、排油制御弁aに2個の流入b,cを設
ける関係で、排油制御弁aの長さが増して弁が大型化
し、変速機ケース内の限られた大きさのバルブブロック
に組込むことが困難になることがある。
本発明は、排油制御弁を大型化せずに通常の変速と飛
越し変速との何れにも対処し得るようにして、上記の問
題点を解決した装置を提供することをその目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、上記目的を達成すべく、各別の油圧係合要
素により各確立される高低少なくとも3段の伝動系を備
え、これら油圧係合要素の何れか1個を給油路に選択的
に接続し残りの各油圧係合要素を対応する各排油路に切
換接続するシフト弁を設けて、該シフト弁によるこれら
油圧係合要素への給排油の切換えでこれら伝動系を選択
的に確立するようにしたものにおいて、1個の流入ポー
トを有する排油制御弁であって、これら油圧係合要素の
うちの1つの油圧係合要素に供給される油圧によって該
流入ポートからの排油を行う開き側に押圧されるものを
設け、該流入ポートに該1つの油圧係合要素以外の2つ
以上の油圧係合要素にシフト弁を介して各接続される2
つ以上の排油路を接続すると共に、該各排油路に該流入
ポート側から該シフト弁側へ油の流れを阻止する逆止弁
を介設したことを特徴とする。
(作 用) 1つの油圧係合要素を低速段用、他の2つの油圧係合
要素を中速段用及び高速段用のものとして本発明の作用
を説明する。
中速段から低速段への変速時は、シフト弁を介して低
速段用油圧係合要素への給油と、中速段用油圧係合要素
からの排油とが行われ、低速段用油圧係合要素の油圧が
所定圧に上昇すると排油制御弁が開弁されて、その流入
ポートに接続する中速段用油圧係合要素の排油路から該
制御弁を介して該油圧係合要素の油が排出され、該油圧
係合要素の油圧が比較的急速に降下して、中速段用油圧
係合要素の解放タイミングが適切に制御される。
又、高速段から低速段への飛越し変速時にも、低速段
用油圧係合の所定圧への上昇で排油制御弁が開弁され、
その流入ポートに接続する高速段用油圧係合要素の排油
路から該制御弁を介して該油圧係合要素の油が排出さ
れ、上記と同様に高速段用油圧係合要素の解放タイミン
グが適切に制御される。
尚、排油制御弁の閉弁時に、一方の排油路から該制御
弁の流入ポートを介して他方の排油路に油が逆流するこ
とがあるが、この逆流は各排油路に介設した逆止弁によ
り阻止され、不具合は生じない。
又、中速段から高速段、低速段から高速段への変速に
対処すべく、排油制御弁を高速段用油圧係合要素の油圧
で開き側に押圧し、その流入ポートに低速段用油圧係合
要素の排油路と、中速段用油圧係合要素の排油路とを接
続しても良い。
何れにしても、本発明で用いる排油制御弁は、流入ポ
ートを1個にするため、長さを短くして小型化でき、バ
ルブブロックへの組込みが容易になり、又流入ポートに
接続する排油路の本数を増すだけで弁を大型化せずに1
段の飛越し変速だけでなく2段以上の飛越し変速に対処
することも可能になる。尚、逆止弁はバルブブロックに
形成する排油路の適所に他のバルブ類の配置間隙を利用
して組込むことができ、組付上特に問題はない。
(実施例) 第1図を参照して(1)は前進4段後進1段の変速を
行う変速機を示し、該変速機(1)はエンジン(2)に
流体トルクコンバータ(3)を介して連結される入力軸
(1a)と、車両の駆動輪(4)にデフギア(5)を介し
て連結される出力軸(1b)との間に前進用の1速乃至4
速の伝動系(G1)(G2)(G3)(G4)と後進伝動系(G
R)とを備え、前進用の各伝動系(G1)(G2)(G3)(G
4)に油圧係合要素たる1速乃至4速の各油圧クラッチ
(C1)(C2)(C3)(C4)を介入して、該各油圧クラッ
チ(C1)(C2)(C3)(C4)の係合により該各伝動系
(G1)(G2)(G3)(G4)を選択的に確立させるように
し、又後進伝動系(GR)は、4速伝動系(G4)と4速油
圧クラッチ(C4)を共用するものとし、該両伝動系(G
4)(GR)は出力軸(1b)上のセクレタギア(6)の図
面で左方の前進位置と右方の後進位置とへの切換動作で
選択的に確立されるようにした。
図面で(7)は1速伝動系(G1)に介入したワンウェ
イクラッチで、出力軸(1b)側のオーバー回転を許容す
べく作動する。
前記各油圧クラッチ(C1)(C2)(C3)(C4)は、第
2図に示す油圧回路によりその給排油を制御されるもの
で、これを詳述するに、該油圧回路は、油圧源(8)と
第3図に明示するパーキング用の「P」、後進用の
「R」、ニュートラル用の「N」、自動変速用の「D」
と「S」、2速保持用の「2」の6位置に切換操作自在
なマニアル弁(9)と、1速−2速切換用の第1シフト
弁(101)と、2速−3速切換用の第2シフト弁(102
と、3速−4速切換用の第3シフト弁(103)と、前記
セレクタギア(6)を連結した前後進切換用のサーボ弁
(11)とを備え、マニアル弁(9)の「D」位置では、
油圧源(8)に連なる給油用の第1油路(L1)が該弁
(9)の環状溝(9a)を介して第1シフト弁(101)に
連なる第2油路(L2)に接続され、第1油路(L1)から
第2油路(L2)にレギュレータ弁(12)で一定のライン
圧に調圧された圧油が供給されて、第2油路(L2)から
分岐した第3油路(L3)を介して1速油圧クラッチ(C
1)への給油と、第1乃至第3シフト弁(101)(102
(103)を介して2速乃至4速の油圧クラッチ(C2)(C
3)(C4)への給油とが行われるようにした。
第1シフト弁(101)は右方の1速位置と左方の2速
位置とに切換自在に、第2シフト弁(102)は右方の2
速位置と左方の3速位置とに切換自在に、第3シフト弁
(103)は右方の3速位置と左方の4速位置とに切換自
在構成されるもので、第1油路(L1)に接続したモジュ
レータ弁(13)からのモジュレータ圧(ライン圧より低
い一定圧)を、該弁(13)の出力側の第4油路(L4)に
オリフィス(141)を介して連なる第5油路(L5)を介
して第1シフト弁(101)と第2シフト弁(102)の右端
の油室(101a)(102a)と、第4油路(L4)に別のオリ
フィス(142)を介して連なる第6油路(L6)を介して
第1シフト弁(101)の左端の油室(101b)と第3シフ
ト弁(103)の右端の油室(103a)とに入力するように
し、該第5油路(L5)に電磁式の常閉型第1大気開放弁
(151)と、該第6油路(L6)に電磁式の常閉型第2大
気開放弁(152)とを接続して、該両大気開放弁(151
(152)の開閉によりこれらシフト弁(101)(102)(1
03)を各変速段に対応する以下の如く切換えるようにし
た。
即ち、1速段では、第1大気開放弁(151)を開、第
2大気開放弁(152)を閉とするもので、これによれば
第1第2シフト弁(101)(102)の右端の油室(101a)
(102a)へのモジューレータ圧の入力が断たれ、第1シ
フト弁(101)の左端の油室(101b)と第3シフト弁(1
03)の右端の油室(103a)とにモジュレータ圧が入力さ
れ、第1シフト弁(101)が右端のばね(101c)抗して
右方の1速位置と、第2シフト弁(102)が左端のばね
(102c)の付勢力で右方の2速位置と、第3シフト弁
(103)が左端のばね(103c)に抗して左方の4速位置
とに切換動作される。この状態では、第1シフト弁(10
1)の流入側の前記第2油路(L2)と流出側の第7油路
(L7)との連絡が断たれ、第3油路(L3)を介して1速
油圧クラッチ(C1)のみに給油され、1速伝動系(G1)
が確立される。
2速段では、第1第2大気開放弁(151)(152)を共
に開とするもので、これによれば第1シフト弁(101
の左端の油室(101b)と第3シフト弁(103)の右端の
油室(103a)とへのモジュレータ圧の入力も断たれ、第
1シフト弁(101)と第3シフト弁(103)とが夫々ばね
(101c)(103c)の付勢力で左方の2速位置の右方の3
速位置に切換動作され、第2シフト弁(102)は上記と
同様に2速位置に保持される。この状態では、第2油路
(L2)が第1シフト弁(101)の環状溝(101d)を介し
て第7油路(L7)に接続され、マニアル弁(9)の
「D」位置で第7油路(L7)に該弁(9)の切欠溝(9
b)を介して接続される第8油路(L8)と、該第8油路
(L8)に第2シフト弁(102)の2速位置で該弁(102
の環状溝(102d)を介して接続される第9油路(L9)と
を介して2速油圧クラッチ(C2)に給油され、2速伝動
系(G2)が確立される。この場合、前記ワンウェイクラ
ッチ(7)の作用により1速伝動系(G1)を介しての動
力伝達は自動的に停止される。
3速段では、第1大気開放弁(151)を閉、第2大気
開放弁(152)を開とするもので、これによれば第1第
2シフト弁(101)(102)の右端の油室(101a)(10
2a)にモジュレータ圧が入力され、第2シフト弁(102
がばね(102c)に抗して左方の3速位置に切換動作さ
れ、第1シフト弁(101)と第3シフト弁(103)は夫々
2速位置と3速位置に保持される。この状態では、第8
油路(L8)が第2シフト弁(102)の環状溝(102e)を
介して第3シフト弁(103)に連なる第10油路(L10)に
接続され、第3シフト弁(103)の3速位置で該弁(1
03)の環状溝(103d)を介して該第10油路(L10)に接
続される第11油路(L11)を介して3速油圧クラッチ(C
3)に給油され、又2速油圧クラッチ(C2)に連なる前
記第9油路(L9)が第2シフト弁(102)の環状溝(102
d)を介して第1排油路(LD1)に接続されて2速油圧ク
ラッチ(C2)からの排油が行われ、3速伝動系(G3)が
確立される。
4速段では、第1第2大気開放弁(151)(152)を共
に閉とするもので、これによれば第1シフト弁(101
と第2シフト弁(102)は3速段と同様に夫々2速位置
と3速位置に保持され、第3シフト弁(103)が右端の
油室(103a)へのモジュレータ圧の入力で左方の4速位
置に切換動作される。尚、第1シフト弁(101)は、そ
の両端の油室(101a)(101b)へのモジュレータ圧の入
力によりモジュレータ圧により左方と右方の押圧力がバ
ランスして、ばね(101c)の付勢力により2速位置に保
持される。この状態では、前記第10油路(L10)が第3
シフト弁(103)の環状溝(103c)を介して第12油路(L
12)に接続され、マニアル弁(9)の「D」位置で該弁
(9)の切欠溝(9c)を介して該第12油路(L12)に接
続される第13油路(L13)を介して4速油圧クラッチ(C
4)に給油され、又3速油圧クラッチ(C3)に連なる前
記第11油路(L11)が第3シフト弁(103)の環状溝(10
3d)を介して第2排油路(LD2)に接続されて3速油圧
クラッチ(C3)からの排油が行われ、4速伝動系(G4)
が確立される。
尚、4速→3速のシフトダウン時は、第12油路(L1
2)が3速位置に存する第3シフト弁(103)の環状溝
(103e)を介して第3排油路(LD3)に接続されて4速
油圧クラッチ(C4)からの排油が行われ、又3速→2速
のシフトダウン時は、3速位置に存する第3シフト弁
(103)の環状溝(103d)を介して第11油路(L11)に接
続される第10油路(L10)が2速位置に存する第2シフ
ト弁(102)の環状溝(102e)を介して第4排油路(LD
4)に接続されて3速油圧クラッチ(C3)からの排油が
行われ、又2速→1速シフトダウン時は、2速段で上記
の如く第2油路(L2)に接続されていた第7油路(L7)
が第1シフト弁(101の1速位置への切換動作で該弁(1
01)の環状溝(101d)を介して排油ポート(101e)に接
続され、ここで該第7油路(L7)は第2速段と同様に第
8油路(L8)と第9油路(L9)とを介して2速油圧クラ
ッチ(C2)に接続されているため、これら油路(L9)
(L8)(L7)を介して2速油圧クラッチ(C2)からの排
油が行われる。
以上の如くマニアル弁(9)の「D」位置では、第1
第2大気開放弁(151)(152)の開閉により1速乃至4
速の伝動系(G1)(G2)(G3)(G4)が選択的に確立さ
れ、第4図示の如くマイクロコンピュータから成る電子
制御回路(16)にエンジンのスロットル開度センサ(16
a)からの信号(エンジン負荷に関係した吸気管負圧等
の他の信号でも良い)と、車速センサ(16b)からの信
号と、マニアル弁(9)のポジションセンサ(16c)か
らの信号とを入力し、該制御回路(16)により、例えば
第6図に示す如き変速特性が得られるように該両大気開
放弁(151)(152)を開閉制御する。
図面で(A1)(A2)(A3)(A4)は各油圧クラッチ
(C1)(C2)(C3)(C4)の給排油時における急激な圧
変化を緩衝すべく設けたアキュムレータ、(17)は第1
油路(L1)にマニアル弁(9)を介して接続される第14
油路(L14)から入力されるライン圧をスロットル開度
に応じた第5図示の如きスロットル圧に調圧して出力す
るスロットル弁を示し、該スロットル弁(17)からのス
ロットル圧を2速乃至4速用のアキュムレータ(A2)
(A3)(A4)に背圧として作用させ、更に第2油路(L
2)に該スロットル圧で右方の開き側に押圧される減圧
弁(18)を介入し、スロットル開度の低開度領域では該
第2油路(L2)の下流側への供給圧を低下させるように
した。尚、該減圧弁(18)は特開昭59−166750号で公知
であり、その詳細な説明は省略する。
前記各排油路(LD1)(LD2)(LD3)(LD4)には、夫
々排油制御弁(191)(192)(193)(194)とこれに並
列のオリフィス(201)(202)(203)(204)とを介入
し、画各制御弁(191)(192)(193)(194)の閉弁と
開弁とで該各排油路(LD1)(LD2)(LD3)(LD4)の管
路抵抗を増減制御し得るようにした。
これを更に詳述するに、3速→4速のシフトアップ時
に3速油圧クラッチ(C3)接続される第2排油路(LD
2)に介設した第2排油制御弁(192)は、係合側の4速
油圧クラッチ(C4)の油圧(以下4速圧と記す)で左方
の開き側に押圧され、3速→4速のシフトアップ時に4
速圧の所定圧への上昇で該制御弁(192)が開弁され、
その前後で解放側の3速油圧クラッチ(C3)の油圧(以
下3速圧と記す)の降圧特性に緩急の差がつけられ、3
速油圧クラッチ(C3)の解放タイミングが適切にコント
ロールされて、エンジンの吹上りや必要以上の共噛みに
よるエンジンストールを生ずることなく円滑な変速が得
られるようにした。又、4速→3速のシフトダウン時に
4速油圧クラッチ(C4)に接続される第3排油路(LD
3)に介設した第3排油制御弁(193)は、係合側の3速
圧で左方の開き側に押圧されて3速圧の昇圧で開弁さ
れ、4速→3速のシフトダウンを上記と同様に円滑に行
わせるべく機能する。ところで、走行条件、例えば急激
なアクセル操作等に際し、3速を飛越して2速と4速の
間での変速が行われるように変速特性が設定されること
があり、そこで2速油圧クラッチ(C2)に対応する第1
排油路(LD1)に介設した第1敗油制御弁(191)は、2
速→3速のシフトアップと2速→4速のシフトアップと
の何れにも対処し得るよう、特開昭61−84450号で知ら
れる如く3速圧と4速圧とで右方の開き側に押圧される
ものとし、又該制御弁(191)を2速油圧クラッチ(C
2)の油圧(以下2速圧と記す)で左方の閉じ側に押圧
し、2速→3速及び2速→4速のシフトアップ時に解放
側の2速圧の降下と係合側の3速圧や4速圧の上昇とで
その差圧が所定値以下になったとき開弁されるようにし
た。尚、かかる差圧応動型の排油制御弁は特開昭61−82
051号で公知である。
又、3速→2速のシフトダウン時に3速油圧クラッチ
(C3)に接続される第4排油路(LD4)に介設した第4
排油制御弁(194)は係合側の2速圧で左方の開き側に
押圧されるものとし、更に4速→2速のシフトダウンに
も対処し得るよう、4速油圧クラッチ(C4)に接続され
る前記第3排油路(LD3)を該制御弁(194)の共通の流
入ポート(194a)に分岐路(LD3a)を介して接続して該
第3排油路(LD3)に該制御弁(194)が第3排油制御弁
(193)と並列に介入されるようにし、4速→2速のシ
フトダウン時にも係合側の2速圧の上昇で解放側の4速
圧が速やかに降下されるようにした。この場合、3速→
2速のシフトダウン時に、第4排油制御弁(194)の開
弁前に第4排油路(LD4)から流入ポート(194a)第3
排油路(LD3)とを介してオリフィス(203)から3速油
圧クラッチ(C3)の油が排出されて、3速圧の降下が第
4排油路(LD4)のオリフィス(204)規定される降圧特
性よりも急にならないよう、分岐路(LD3a)に第4排油
路(LD4)からの油の逆流を阻止する逆止弁(211)を介
設し、又同様に第4排油路(LD4)に第3排油路(LD3)
からの油の逆流を阻止する逆止弁(212)を介設する。
尚、前記第3排油制御弁(193)を3速圧に加えて2
速圧によっても開き方向に押圧されるものに構成し、4
速→2速のシフトダウンに対処することも可能である
が、この場合該制御弁(193)に3速圧用の油室と2速
圧用の油室とを2段に形成しなければならず、前記第1
排油制御弁(191)と同様に弁が大型化し、ミッション
ケースに内蔵する限られた大きさのバルブブロックへの
組込みが困難になることがある。これに対し、上記第4
排油制御弁(194)を用いれば、3速→2速のシフトダ
ウン専用の制御弁と同様の小型の制御弁で4速→2速の
シフトダウンにも対処でき有利である。
尚、前進5段型の変速機の場合、該制御弁(194)の
流入ポート(194a)に5速油圧クラッチ用の排油路を接
続して、5速→2速のシフトダウンにも対処し得るよう
に構成できる。
又、スロットル開度の低開度領域でのシフトダウンに
際しては、解放側のクラッチ圧を速やかに降下させた方
が円滑な変速が行われ、そこで特開昭61−127956号で知
られる如く、前記第3排油路(LD3)に第3排油制御弁
(193)と並列に低スロットル開度で開かれる第5排油
制御弁(195)と、前記第4排油路(LD4)に第4排油制
御弁(194)と並列に低スロットル開度で開かれる第6
排油制御弁(196)とを各介設し、ここで該第6排油制
御弁(196)は、前記スロットル弁(17)を押圧するプ
ランジャで構成して、スロットル開度に連動する操作子
(196a)により左方の閉じ側に押動されるものとし、第
5排油制御弁(195)も同様にスロットル開度に連動す
る操作子(195a)により左方の閉じ側に押動されるもの
とし、低スロットル開度では該各制御弁(195)(196
が右方の開き位置に復帰されて、3速→2速、4速→3
速、4速→2速のシフトダウン時に3速圧や4速圧が該
各制御弁(195)(196)を介しての排油で速やかに降下
されるようにした。また、第5排油制御弁(195)は、
右端外周に小径の段部(195b)を備えるものとし、高ス
ロットル開度時に第3排油路(LD3)を該段部(195b)
を介して右方の大気開放口に接続して、4速からのシフ
トダウンに際して4速圧の降下を早めるようにした。
これは、一般にスロットル開度が高開度になる程高車
速側での変速が行われるように変速特性が設定されてお
り、この場合車速が増す程シフトダウンの前後でのエン
ジン回転数の変化量が大きくなるため、高スロットル開
度でのシフトダウンに際しては、高速段側のクラッチ圧
を早期に降下させて低速段側のクラッチ圧の上昇による
低速段の確立前にニュートラル状態を僅かに形成し、こ
こでエンジンを多少吹上らせた方が低速段の油圧クラッ
チの入力側と出力側の回転差が減少されて該クラッチが
スムースに係合し、円滑なシフトダウンが行われるため
である。
又、3速→1速のシフトダウンが行われた場合、3速
油圧クラッチ(C3)に接続された第2排油路(LD2)に
介設した第2排油制御弁(192)は開弁されず、このま
まではオリフィス(202)のみからの排油が行われて3
速圧の降下が遅くなり、アクセルペダルを踏込んで3速
→1速へのキックダウン変速時に1速伝動系(G1)が確
立されるまでに時間がかかって加速性が悪くなる。そこ
で、該第2排油路(LD2)を第1シフト弁(101)の1速
位置で該弁(101)に形成した環状溝(101f)を介して
排油ポート(101g)に接続するようにし、かかるキック
ダウン時には3速油圧クラッチ(C3)の該排油ポート
(101g)から絞り抵抗なしに排油し、1速伝動系(G1)
をタイムラグなしに確立し得るようにした。尚、マニア
ル弁(9)の「D」位置で1速油圧クラッチ(C1)は常
時係合されており、3速油圧クラッチ(C3)が開放され
た時点で1速伝動系(G1)が確立される。
以上、マニアル弁(9)の「D」位置での油路構成に
ついて説明したが、「S」位置でも「D」位置と同様な
油路構成となり、第1第2大気開放弁(151)(152)を
開閉する電子制御回路(16)に記憶されている変速特性
の切換えにより、例えば第7図に示す如き変速特性での
1速乃至4速の自動変速を行う。第7図の変速特性は、
第6図のものより高速側での変速が行われ、スポーティ
な走行や山岳走行に適するように設定されている。
尚、「D」位置で第7油路(L7)と第8油路(L8)と
は、マニアル弁(9)の切欠溝(9b)を介して接続され
ていたが、「S」位置では該弁(9)の環状溝(9d)を
介して該両油路(L7)(L8)が接続される。
マニアル弁(9)の「2」位置では、第1油路(L1)
に該弁(9)の切欠溝(9e)を介して接続される第14油
路(L14)が該弁(9)の環状溝(9d)を介して第8油
路(L8)に接続され、ライン圧が第1シフト弁(101
を介さずに第2シフト弁(102)に入力される。ここ
で、「2」位置では、第1第2大気開放弁(151)(1
52)が共に開弁されて第2シフト弁(102)は右方の2
速位置に存し、第8油路(L8)が第9油路(L9)に接続
され、2速油圧クラッチ(C2)に給油されて2速伝動系
(G2)が確立される。
尚、「2」位置では、マニアル弁(9)に形成した軸
孔から成る排油孔(9f)に第2油路(L2)が該弁(9)
の切欠溝(9g)を介して接続され、1速油圧クラッチ
(C1)には給油されない。又、「D」「S」位置ではマ
ニアル弁(9)の切欠溝(9h)を介して排油孔(9f)に
接続されていた第2シフト弁(102)の左端の油室(102
b)に連なる第15油路(L15)がマニアル弁(9)の環状
溝(9i)を介して第6油路(L6)に接続され、第2大気
開放弁(152)により該油室(102b)の油圧を制御し得
る状態となる。これは、何らかの故障で第1第2大気開
放弁(151)(152)のソレノイドへの通電が不能となっ
て、該両大気開放弁(151)(152)が閉弁されたままに
なっても(「D」「S」位置での4速段の状態)、マニ
アル弁(9)を「2」位置にすることで2速伝動系(G
2)を確立して、強い駆動力を得られるようにするため
である。即ち、「2」位置では、第1大気開放弁(1
51)の閉弁により第2シフト弁(102)の右端の油室(1
02a)にモジュレータ圧が入力されても、第2大気開放
弁(152)の閉弁により左端の油室(102b)にもモジュ
レータ圧が入力され、モジュレータ圧による左方と右方
の押圧力がバランスしてばね(102c)により第2シフト
弁(102)が右方の2速位置に切換えられ、2速油圧ク
ラッチ(C2)への給油が行われる。
又、「2」位置で第2シフト弁(102)を介して2速
油圧クラッチ(C2)に給油するようにしたのは、「2」
位置においても電子制御回路のプログラム次第で3速伝
動系(G3)を確立し得るようにするためである。即ち、
「D」「S」位置で高速走行中にマニアル弁(9)を
「2」位置に切換えると、エンジンのオーバーランや大
きな変速ショックを生ずることがあり、これを回避する
ため例えば所定の高車速以上では「2」位置であっても
3速伝動系(G3)を確立し得るようにすることが考えら
れ、かかる制御を可能にするためである。
この場合、「D」「S」位置と同様に第1油路(L1)
を第2油路(L2)に接続して、第1シフト弁(101)を
介して第2シフト弁(102)に給油することも考えられ
るが、これでは1速油圧クラッチ(C1)の故障で万が一
これからの油洩れを生ずると、「D」「S」位置のみな
らず「2」位置でもライン圧低下によって総ての油圧ク
ラッチが係合できなくなり、前進走行不能となる不具合
を生ずる。
然し、上記の構成によれば、「2」位置では第1シフ
ト弁(101)を介さずに第8油路(L8)を介して第2シ
フト弁(102)に直接給油されるため、少なくとも
「2」位置での前進走行は可能になり上記不具合は生じ
ない。
マニアル弁(9)の「R」位置では、第1油路(L1)
がマニアル弁(9)の切欠溝(9j)を介して第1シフト
弁(101)に連なる第16油路(L16)に接続され、この場
合電子制御回路(16)により、第1大気開放弁(151
は閉、第2大気開放弁(152)は開となって(「D」
「S」位置での3速段の状態)第1シフト弁(101)は
左方の2速位置に切換えられているため、該弁(101
の環状溝(101h)を介して第16油路(L16)がサーボ弁
(11)の左端に油室(11a)に連なる第17油路(L17)に
接続され、該サーボ弁(11)が該第17油路(L17)を介
して入力されるライン圧によりばね(11b)に抗して右
動し、該サーボ弁(11)に連結したセクレタギア(6)
が右方の後進位置に切換えられると共に、後進位置で第
17油路(L17)が該油室(11a)に連なるサーボ弁(11)
の軸抗(11c)を介してマニアル弁(9)に連なる第18
油路(18)に接続される。
該第18油路(L18)は、マニアル弁(9)の「R」位
置で切欠溝(9c)を介して4速油圧クラッチ(C4)に連
なる第13油路(L13)に接続されており、かくて4速油
圧クラッチ(C4)への給油とセレクタギア(6)の後進
位置への切換えとで後進伝動系(GR)が確立される。
尚、サーボ系(11)の後進位置への右動によれば、第
3シフト弁(103)の左端の油室(103b)に連なる第19
油路(L19)がサーボ弁(11)の切欠溝(11d)とばね室
(11e)とを介して第14油路(L14)に接続され、マニア
ル弁(9)の「R」位置で該第14油路(L14)に環状溝
(9a)を介して接続される排油ポート(9k)により該油
室(103b)が大気開放されるが、マニアル弁(9)を
「R」位置から「D」「S」位置に切換えたとき、後記
する如くサーボ弁(11)の前進位置への復帰が遅れる
と、「D」「S」位置では第14油路(L14)に上記の如
く第1油路(L1)が接続されることから、第14油路(L1
4)から上記とは逆に第19油路(L19)を介して該油室
(103b)にライン圧が入力され、第3シフトバルブ(10
3)が強制的に右方の3速位置に保持されるようにし
た。その理由は以下の通りである。
即ち、電子制御回路(16)より変速制御を行う変速機
では、車速センサ(16b)等の入力信号系統に異常を生
ずると正常な変速制御を行い得なくなり、例えば高速走
行中に低速段にシフトダウンされてエンジンのオーバー
ラン等の不具合を生ずることがあり、そこでかかる変速
機では、入力信号系統の異常を検出する自己診断機能を
電子制御回路(16)に付加し、異常検出時は最高速段を
確立するように変速制御するを一般としており、図示の
実施例について考えれば、4速段の状態即ち第1第2大
気開放弁(151)(152)を共に閉弁する状態となる。
従って、入力信号系統の異常を生じた状態でマニアル
弁(9)を「R」位置から「D」「S」位置に切換える
と、4速油圧クラッチ(C4)に引続き給油されることに
なり、この場合サーボ弁(11)の油室(11a)から第17
油路(L17)と2速位置に存する第1シフト弁(101)の
環状溝(101h)と第16油路(L16)とマニアル弁(9)
の切欠溝(9j)とを介して排油ポート(9l)に排油され
るが、冷温で油の粘性が高いと該油室(11a)からの排
油、従ってサーボ弁(11)の左方の前進位置への移動が
遅れ、マニアル弁(9)を「D」「S」位置に切換えた
後もセレクタギア(6)が後進位置に残ることがあり、
4速油圧クラッチ(C4)への給油と相俟って引続き後進
伝動系(GR)が確立され、一方「D」「S」位置への切
換えによれば1速油圧クラッチ(C1)にも給油されるか
ら、後進伝動系(GR)と1速伝動系(G1)とが同時確立
されることになり、1速4速の油相クラッチ(C1)(C
4)のクラッチディスクの焼損や早期摩耗を生ずる。
然し、上記の構成によれば、サーボ弁(11)の前進位
置への移動が遅れると、第3シフト弁(103)の左端の
油室(103b)に第19油路(L19)を介してライン圧が入
力されるため、その右端の油室(103a)に第2大気開放
弁(152)閉弁でモジュレータ圧が入力されても、ライ
ン圧とばね(103c)とによる右方への押圧力がモジュレ
ータ圧による左方への押圧力を上回って第3シフト弁
(103)は右方の3速位置に保持され、4速油圧クラッ
チ(C4)からの排油と3速油圧クラッチ(C3)への給油
とが行われて、3速伝動系(G3)が確立され、上記の不
具合を生じない。
尚、「R」位置で第16油路(L16)、第1シフト弁(1
01)、第17油路(L17)を介してサーボ弁(11)に給油
するのは、車両が一定車速以上で前進中のときは第1シ
フト弁(101)を1速位置に切換えて両油路(L16)(L1
7)の接続を阻止し、後進伝動系(GR)を確立させない
ようにするためである。この場合、「D」「S」「2」
の前進側位置から「N」位置に戻したとき、車速が一定
値以上であれば、第1シフト弁(101)を予め1速位置
に切換え、「R」位置での後進伝動系(GR)の確立を確
実に阻止し得るようにする。
マニアル弁(9)の「N」位置では、第1油路(L1)
からモジュレータ弁(13)に給油されるだけで、マニア
ル弁(9)の下流側の油路には一切給油されず、これは
「P」位置でも同様である。
尚、第1第2大気開放弁(151)(152)は常閉型とし
たが、これは該各弁(151)(152)を常開型とした場
合、ソレノイド(15a)への通電で該各弁(151)(1
52)の開き方向の付勢ばねとモジュレータ圧とに抗して
該各弁(151)(152)を開弁し得るように大きな励磁力
を発生させる必要があって、弁が大型化するのに対し、
常閉型ではソレノイド(15a)への通電時各弁(151
(152)は閉じ方向の付勢ばねのばね力からモジュレー
タ圧による押圧力を差し引いた比較的小さな励磁力で開
弁できて、弁を小型化できるためである。又、該両弁
(151)(152)を閉弁しての4速段でのクルーズ走行
時、該両弁(151)(152)への停電を停止できて消費電
力を少なくできる利点もある。
以上でマニアル弁(9)の各位置での変速制御の説明
を終り、次に流体トルクコンバータ(3)に内蔵するク
ラッチ(22)について説明する。
第2図の参照して、該クラッチ(22)は、流体トルク
コンバータ(3)の入力側の例えば入力ケース(3a)と
出力側の例えばタービン翼車(3b)とを機械的に連結す
るもので、入力ケース(3a)とタービン翼車(3b)との
間隙にタービン翼車(3b)にダンパスプリング(22b)
を介して連結されるクラッチ板(22a)を軸方向に移動
自在に設けて構成され、該トルクコンバータ(3)の内
部空隙を該クラッチ板(22a)により翼車収納室(23)
と入力ケース(3a)側の背圧室(24)とに区分し、後記
制御弁(25)により該内部空隙に該背圧室(24)側から
の給油を行うクラッチ解放状態と、該収納室(23)側か
らの給油を行うクラッチ係合状態とに切換自在とし、係
合状態では諸収納室(23)の内圧(以下Paと記す)と該
背圧室(24)の内圧(以下Pbと記す)との差圧に応じた
係合力で該クラッチ板(22a)が入力ケース(3a)に摩
擦係合されるようにした。
該制御弁(25)は、レギュレータ弁(12)に連なる第
20油路(L20)を背圧室(24)に連なる第21油路(L21)
に接続して該背圧室(24)への給油を行う右方の解放位
置(図示の位置)と、第20油路(L20)を翼車収納室(2
3)に連なる第22油路(L22)に接続して該収納室(23)
への給油を行う左方の係合位置とに切換え自在であり、
該制御弁(25)の右端の油室(25a)に第4油路(L4)
を介してモジュレータ圧(以下Pmと記す)を入力すると
共に、その左端油室(25b)にオリフィス(261)を介し
て第4油路(L4)に接続される第23油路(L23)を接続
し、該第23油路(L23)に電磁式の常閉型第3大気解放
弁(153)を接続して、該弁(153)の開弁によれば該両
油室(25a)(25b)の差圧により制御弁(25)がばね
(25c)に抗して係合位置に切換えられ、クラッチ(2
2)が係合されるようにした。
図面で(27)はPaを比較的高圧の所定値に調圧すべく
翼車収納室(23)に連なる第5排油路(LD5)に介設し
たチェック弁から成る第1調圧弁、(28)はオイルクー
ラ、(29)はオイルリザーバー、(301)(302)はオイ
ルクーラー(28)や潤滑部への流入圧が過度に上昇しな
いように設けたリリーフ弁を示す。
ここで、クラッチ(22)の係合状態は、PaとPbの差圧
の増減による係合力の変化で該クラッチ(22)の入力側
と出力側とを直結する直結状態と、入力側と出力側の滑
りを許容する滑り状態とに切換えられるもので、この差
圧を走行状態に応じて可変制御すべく以下のように構成
した。
即ち、制御弁(25)の係合位置において前記第21油路
(L21)に接続される第24油路(L24)と、前記第22油路
(L22)から分岐した第25油路(L25)とを設け、該両油
路(L24)(L25)を第2調圧弁(31)を介して接続し
て、背圧室(24)と翼車収納室(23)とを連通する連通
路を構成し、又前記第5排油路(LD5)に前記第1調圧
弁(27)に並列の第6排油路(LD6)を接続して、これ
に開閉弁(32)を介設し、ここで該開閉弁(32)は、右
端の油室(32a)に入力される前記スロットル弁(17)
からのスロットル圧(以下Pθと記す)で左方の閉じ側
と第4油路(L4)にオリフィス(262)を介して接続さ
れる第26油路(L26)を介して左端の油室(32b)に入力
されるPm及びばね(32c)で右方の開き側に押圧される
ものとし、該第26油路(L26)に電磁式の常閉型第4大
気開放弁(154)を接続して、該開放弁(154)が開弁さ
れ且つPθが所定値Ps以上(スロットル開度が所定開度
θs以上)のときのみ該開閉弁(32)が閉弁されるよう
にし、該第4大気開放弁(154)の閉弁で左端の油室(3
2b)にPmが入力されているときは、スロットル開度が全
開になっても該開閉弁(32)は閉弁されないようにし
た。
前記第2調圧弁(31)は、第6排油路(LD6)に開閉
弁(32)の開弁で接続される第27油路(L27)を介して
入力される油圧即ちPaで右方の開き側と、第24油路(L2
4)に連なるパイロット油路(L24a)を介して入力され
る油圧即ちPbで左方の閉じ側とに押圧される差圧応動型
に構成されるものとし、更に該第2調圧弁(31)をスロ
ットル弁(17)からのPθで閉じ側と、前記第26油路
(L26)を介して入力されるPm及びばね(31a)で開き側
とに押圧するようにした。従って第2調圧弁(31)のPa
及びPbの受圧面積をS1、Pθ及びPmの受圧面積をS2、ば
ね(31a)の力をFとすると、第2調圧弁(31)に作用
する力の関係は、 PsS1+PmS2+F=PbS1+PθS2 となり、 の関係式が成立する。
ここで、上記した第3第4大気開放弁(153)(154
は、変速制御用の前記第1第2大気開放弁(151)(1
52)と同様に電子制御回路(16)により開閉制御され
る。
第8図はクラッチ(22)の作動特性を示し、同図のa
線より高速側の領域で第3大気開放弁(153)を開弁し
て、上記の如く制御弁(25)を係合位置に切換え、クラ
ッチ(22)を係合作動させるようにし、又同図のb線で
囲まれた領域で第4大気開放弁(154)を開弁させるよ
うにした。
而して、b線で囲まれた領域で且つスロットル開度が
θs以上の第8図のA領域でのみ上記した開閉弁(32)
の閉弁条件が満たされることになり、b線で囲まれたθ
s以下のB領域や、a線とb線の間のC領域では開閉弁
(32)が開弁状態に保持され、Paは第6排油路(LD6)
を介してこの排油により比較的低圧になり、又背圧室
(24)への第2調圧弁(31)を介しての排油が行われ、
PaとPbの差圧は上記(1)式に従ってスロットル開度の
増加に伴いい増加し、クラッチ係合力がスロットル開度
の増加によるエンジンの出力トルクに応じて増加して、
トルクコンバータ(3)の速度比が出力トルクの増減に
係わりなく一定になるようにクラッチ(22)が滑り状態
で作動する。ここで、C領域では第4大気開放弁(1
54)が閉弁されているため、第2調圧弁(31)にPmが入
力されるが、B領域では第4大気開放弁(154)の開弁
によりpmの入力が停止されるため、PaとPbの差圧が
(1)式のPmの項分だけ増加し、かくてトルクコンバー
タ(3)の速度比をC領域では0.92〜0.93程度に保持し
て、低車速域や低スロットル開度域で大きくなり易いト
ルク変動をクラッチ(22)の滑りで有効に吸収し得るよ
うにし、スロットル開度が極端に低開度でなくトルク変
動が殆ど問題にならないB領域では速度比を1.0にかろ
うじて保持できる程度の係合力を得られるようにし、必
要以上のクラッチ(22)の滑りによる燃費性の悪化を防
止し得るようにした。
又、スロットル開度を全閉に近いθ以下の極低開度
として減速走行を行うときは、エンジンからのトルク変
動は問題にならないため、a線とb線との間の領域であ
ってもθ以下のD領域では、トルクコンバータ(3)
の速度比をフィードバックして第4大気開放弁(154
を単位時間当りの開弁時間が目標速度比との偏差に応じ
て変化されるようにデューティ制御し、速度比を1.02〜
1.03程度に保って、エンジンブレーキの効き具合を良好
に維持し且つエンジンブレーキ時の車体振動の発生も防
止し得るようにする。
上記したA領域では、開閉弁(32)が閉弁され、第6
排油路(LD6)を介しての排油が停止されて、Paは第1
調圧弁(27)で設定される比較的高圧の値に保持され、
又第2調圧弁(31)への第27油路(L27)を介してのPa
の入力と、第26油路(L26)を開してのPmの入力とが停
止され、第2調圧弁(31)はPo(Ps以上)によりばね
(31a)に抗して閉位置に押し着られて背圧室(24)へ
の給油が停止され、Pbは大気圧に近い値となり、PaとPb
の差圧が大きくなってクラッチ(22)は直結状態で作動
する。図面で(33)は第1乃至第4大気開放弁(151
(152)(153)(154)とモジュレータ弁(13)及びス
ロットル弁(17)の上流側に設けたオイルフィルター、
(15b)は電子制御回路(16)からの指令信号に応じて
各大気開放弁(151)(152)(153)(154)のソレノイ
ド(15a)への通電を行う駆動回路、(16d)はエンジン
回転数センサを示し、車速と変速段のギア比とで算出さ
れる流体トルクコンバータ(3)の出力側の回転数とエ
ンジン回転数とで該トルクコンバータ(3)の速度比を
求めるようにした。
(発明の効果) 以上の如く本発明によるときは、排油制御弁を大型化
せずに飛越し変速に対処し得るようになり、バルブブロ
ックへの組込みが容易になる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用する変速機の1例の線図、第2図
はその油圧回路図、第3図は油圧回路のマニアル弁とシ
フト弁の拡大図、第4図は電子制御回路のブロック回路
図、第5図は油圧回路に設けたスロットル弁の出力特性
図、第6図はマニアルの「D」位置での変速特性図、第
7図はその「S」位置での変速特性図、第8図はトルク
コンバータ用クラッチの作動特性図、第9図は飛び越し
変速に対処し得るようにした排油制御弁の比較例の断面
図である。 (G1)(G2)(G3)(G4)……伝動系 (C1)(C2)(C3)(C4)……油圧クラッチ(油圧係合
要素) (101)(102)(103)……シフト弁 (194)……本発明に係る排油制御弁 (194a)……流入ポート、(211)(212)……逆止弁 (LD3)(LD4)……流入ポートに接続する排油路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各別の油圧係合要素により各確立される高
    低少なくとも3段の伝動系を備え、これら油圧係合要素
    の何れか1個を給油路に選択的に接続し残りの各油圧係
    合要素を対応する各排油路に切換接続するシフト弁を設
    けて、該シフト弁によるこれら油圧係合要素への給排油
    の切換えでこれら伝動系を選択的に確立するようにした
    ものにおいて、1個の流入ポートを有する排油制御弁で
    あって、これら油圧係合要素のうちの1つの油圧係合要
    素に供給される油圧によって該流入ポートからの排油を
    行う開き側に押圧されるものを設け、該流入ポートに該
    1つの油圧係合要素以外の2つ以上の油圧係合要素にシ
    フト弁を介して各接続される2つ以上の排油路を接続す
    ると共に、該各排油路に該流入ポート側から該シフト弁
    側への油の流れを阻止する逆止弁を介設したことを特徴
    とする車両用油圧作動式変速機の制御装置。
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