JP2649343B2 - リン酸エステルの製造法 - Google Patents

リン酸エステルの製造法

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JP2649343B2 JP4173887A JP4173887A JP2649343B2 JP 2649343 B2 JP2649343 B2 JP 2649343B2 JP 4173887 A JP4173887 A JP 4173887A JP 4173887 A JP4173887 A JP 4173887A JP 2649343 B2 JP2649343 B2 JP 2649343B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はリン酸エステルの製造法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題点〕 リン脂質は生体内において細胞膜の構成成分として細
胞の区画形成、物質輸送等の機能に深く関与していると
ともに、種々の生物活性においても重要な役目を演じて
いることが明らかになつてきている。
グリセリル基を有したリン酸エステルの一つであるホ
スフアチジルグリセロールもリン脂質の一種であり、
(IV)式のような構造を有している。
一方、有機ヒドロキシ化合物のリン酸エステルは洗浄
剤、繊維処理剤、乳化剤、防錆剤、液状エイン交換体、
または医薬品等として幅広い分野で利用されている。例
えば、長鎖アルキルアルコールのリン酸モノエステル塩
は起泡力、洗浄力が良好で毒性が低く皮膚刺激が少ない
ので従来のアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α
−オレフインスルホン酸塩に代わる洗浄剤として優れた
性質を有している。
しかしながら、昨今の生活水準の高度化に伴い、安全
意識が高揚し人体に対してさらに高度な安全性を有する
化粧品、香粧品原料の開発が望まれている。ところで、
先に示した生体由来のリン脂質に類似した構造を有する
化合物は、さらに生体に対する刺激が少ないであろうと
予想されることから、こういつたリン脂質の構造をもつ
化合物の合成研究もいくつか報告されているが、それら
の反応は多段階な煩瑣な反応であるとともに、合成が困
難な原料を必要としたり、あるいは反応後の目的生成物
の分離が困難な場合が少なくなく、これらの化合物を工
業的に得ることは難しかつた。
かかる実情において、本発明者らは先に簡単な操作
で、次の一般式(V) (式中、bは0または1であり、bが0の時、R3は炭素
数1〜36の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基またはアル
ケニル基、または炭素数1〜15の直鎖もしくは分岐鎖の
アルキル基で置換されたフエニル基であり、R4は炭素数
2〜3のアルキレン基であり、cは0〜30である。bが
1の時、cは0であり、aは0または1であり、bが
1、aが0の時、R3は炭素数1〜22の直鎖アルキル基で
あり、bが1、aが1の時、R3は炭素数1〜36の直鎖も
しくは分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基である。
M′はアルカリ金属の塩であることを示す。) で表されるリン酸エステルを得ることができることを見
出した。すなわち式(V)で示される化合物は、次の一
般式(VI)、 (式中、R3、R4、a、b、cおよびM′は前記と同じも
のを示す) で表されるリン酸モノエステル塩と、次の一般式(VI
I) で表される化合物(グリシドール)とを反応させること
により容易に製造でき、また、得られた化合物が、その
対応するリン酸モノエステルのアルカリ金属塩と比べて
ほぼ同等の泡だちを示すとともに、そのクラフト点が一
層低いものであることを見い出した。このクラフト点が
低いということは化粧品、香粧品原料としてこれらリン
酸エステルを用いる場合、液状の洗浄基剤としての使用
を容易にし、その利用用途を広げるものである。しかし
ながら工業的に製造する場合、さらに安価に得る方法が
望まれていた。
〔問題点を解決するための手段〕
かかる実情において、本発明者らはさらに鋭意検討を
行つた結果、さらに安価かつ容易に入手可能な原料を使
用し、かつ簡単な操作で次の一般式(III) (式中、mは0または1であり、mが0の時、R1は炭素
数1〜36の直鎖もしくは分岐鎖の、水素原子がフツ素原
子で置換されていてもよいアルキル基またはアルケニル
基、または炭素数1〜15の直鎖もしくは分岐鎖のアルキ
ル基で置換されたフエニル基であり、R2は炭素数2〜3
のアルキレン基であり、nは0〜30である。mが1の
時、nは0であり、lは0または1であり、mが1、l
が0の時、R1は炭素数1〜22の直鎖アルキル基であり、
mが1、lが1の時、R1は炭素数1〜36の直鎖もしくは
分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基である。Mはア
ルカリ金属の塩であることを示す。) で表されるリン酸エステルが製造できることを見い出
し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、次の一般式(I) (式中、R1、R2、l、m、nおよびMは前記と同じもの
を示す。) で表されるリン酸モノエステル塩と、次の一般式(II) (式中、Xはハロゲン原子を示す。) で表されるエピハロヒドリンを反応させ(第一ステツ
プ)、次いで塩基性化合物及び水を反応させる(第二ス
テツプ)ことを特徴とする、一般式(I)で表されるリ
ン酸エステルの製造法を提供するものである(スキーム
I)。
(式中、R1、R2、l、m、nおよびMは前記と同じ) 本発明に用いられる式(I)で表されるリン酸モノエ
ステル塩としては、モノエチルリン酸塩、モノブチルリ
ン酸塩、モノオクチルリン酸塩、モノドデシルリン酸
塩、モノヘキサデシルリン酸塩、モノオクタデシルリン
酸塩、モノテトラコシルリン酸塩、モノ2−エチルヘキ
シルリン酸塩、モノ2−ヘキシルデシルリン酸塩、モノ
2−オクチルドデシルリン酸塩、モノ2−テトラデシル
オクタデシルリン酸塩、モノ モノメチル分岐イソステ
アリルリン酸塩、モノオクテニルリン酸塩、モノデセニ
ルリン酸塩、モノドデセニルリン酸塩、モノヘキサデセ
ニルリン酸塩、モノオクタデセニルリン酸塩、モノテト
ラコセニルリン酸塩、モノトリアコンテニルリン酸塩、
モノトリデカフルオロオクチルリン酸塩、モノヘプタデ
カフルオロデシルリン酸塩、モノヘンエイコサフルオロ
ドデシルリン酸塩、モノペンタコサフルオロテトラデシ
ルリン酸塩、モノノナコサフルオロヘキサデシルリン酸
塩、モノトリアコンタフルオロオクタデシルリン酸塩、
モノ2−ペンタフルオロエチルペンタフルオロヘキシル
リン酸塩、モノ2−トリデカフルオロヘキシルトリデカ
フルオロデシルリン酸塩、モノ2−ヘプタデカフルオロ
オクチルヘプタデカフルオロドデシルリン酸塩、モノ2
−ヘンエイコサフルオロデシルヘンエイコサフルオロテ
トラデシルリン酸塩などのモノ直鎖もしくは分岐鎖のア
ルキルまたはアルケニルリン酸塩〔式(I)においてR1
が炭素性1〜36の直鎖もしくは分岐鎖の、水素原子がフ
ツ素原子で置換されていてもよいアルキル基またはアル
ケニル基、mが0、nが0の場合〕;モノオクチルフエ
ニルリン酸塩、モノノニルフエニルリン酸塩などのモノ
アルキルフエニルリン酸塩〔式(I)においてR1が炭素
数1〜15の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基で置換され
たフエニル基、mが0、nが0の場合〕;モノポリオキ
シエチレン(3モル)ドデシルエーテルリン酸塩、モノ
ポリオキシプロピレン(3モル)デシルエーテルリン酸
塩、モノポリオキシエチレン(8モル)ポリオキシプロ
ピレン(3モル)ドデシルエーテルリン酸塩、モノポリ
オキシエチレン(4モル)オクタデセニルエーテルリン
酸塩、モノポリオキシエチレン(3モル)トリデカフル
オロオクチルエーテルリン酸塩、モノポリオキシエチレ
ン(5モル)ヘプタデカフルオロデシルエーテルリン酸
塩、モノポリオキシエチレン(3モル)ヘンエイコサフ
ルオロドデシルエーテルリン酸塩、モノポリオキシエチ
レン(5モル)2−トリデカフルオロヘキシルトリデカ
フルオロデシルエーテルリン酸塩などのモノポリオキシ
アルキレンアルキルエーテルリン酸塩またはモノポリオ
キシアルキレンアルケニルエーテルリン酸塩〔式(I)
においてR1が炭素数1〜36の直鎖もしくは分岐鎖の、水
素原子がフツ素原子で置換されていてもよいアルキル基
またはアルケニル基、mが0、nが0より大きく30以下
の数の場合〕;モノポリオキシエチレン(5モル)ノニ
ルフエニルエーテルリン酸塩、モノポリオキシプロピレ
ン(2モル)オクチルフエニルエーテルリン酸塩などの
モノポリオキシアルキレンアルキルフエニルエーテル酸
塩〔式(I)においてR1が炭素数1〜15の直鎖もしくは
分岐鎖のアルキル基で置換されたフエニル基、mが0、
nがより大きく30以下の数の場合〕;モノ2−ヒドロキ
シドデシルリン酸塩、モノ2−ヒドロキシヘキサデシル
リン酸塩、モノ2−ヒドロキシトリデカフルオロノニル
リン酸塩、モノ2−ヒドロキシペンタデカフルオロデシ
ルリン酸塩、モノ2−ヒドロキシヘプタデカフルオロウ
ンデシルリン酸塩などのモノ2−ヒドロキシアルキルリ
ン酸塩〔式(I)においてR1が炭素数1〜22の、水素原
子がフツ素原子で置換されていてもよい直鎖アルキル
基、lが0、mが1、nが0の場合〕;モノ2−ヒドロ
キシ−3−ドデシルオキシプロピルリン酸塩、モノ2−
ヒドロキシ−3−モノメチル分岐イソステアリルオキシ
プロピルリン酸塩、モノ2−ヒドロキシ−3−オクタデ
セニルオキシプロピルリン酸塩、モノ2−ヒドロキシ−
3−ヘプタデカフルオロデシルオキシプロピルリン酸
塩、モノ2−ヒドロキシ−3−(2−ペンタフルオロエ
チルペンタフルオロヘキシルオキシ)プロピルリン酸塩
などのモノ2−ヒドロキシ−3−アルキルオキシルリン
酸塩またはモノ2−ヒドロキシ−3−アルケニルオキシ
プロピルリン酸塩〔式(I)においてR1が炭素数1〜36
の直鎖もしくは分岐鎖の水素原子がフツ素原子で置換さ
れていてもよいアルキル基もしくはアルケニル基、lが
1、mが1、nが0の場合〕等があげられる。
アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩
が好ましい。
本発明において用いられる一般式(I)で表されるリ
ン酸モノエステルのモノアルカリ金属塩は、例えば次の
いずれかの方法でリン酸モノエステルを得、その後中和
することにより製造できる。すなわち、mが0の場合
は、対応する有機ヒドロキシ化合物に五酸化リン、オキ
シ塩化リン、ポリリン酸等のリン酸化剤を反応させてリ
ン酸モノエステルを得る。lが0、mが1の場合に
は、対応する炭化水素基を有するα−オレフインエポキ
サイドにリン酸、ポリリン酸等のリン酸化剤を反応させ
て2−ヒドロキシアルキル基を有したリン酸モノエステ
ルを得る。lが1、mが1の場合には、対応する炭化
水素基を有するアルキル グリシジルエーテル、あるい
はアルケニル グリシジルエーテルにリン酸、ポリリン
酸等のリン酸化剤を反応させてリン酸モノエステルを得
る。
本発明に使用されるリン酸モノエステル塩(I)は高
純度であるものが好ましい。すなわち、五酸化リンやオ
キシ塩化リンをリン酸化剤として用いた時に副生するリ
ン酸ジエステル塩が含まれると、リン酸モノエステルと
しての界面活性能が低下、もしくはなくなり、さらに次
のエポキシ化合物との反応において目的化合物の純度を
低下させるとともに、高純度の目的化合物を得るための
精製が困難になる。また、ポリリン酸をリン酸化剤とし
て用いた時に副生するオルトリン酸塩もエポキシ化合物
との反応において目的の反応の収率を低下させ、さらに
目的化合物の純度を低下させるとともに、高純度の目的
化合物を得るための精製が困難になる。従つて、リン酸
モノエステル塩(I)は、90重量%以上の純度のものを
使うことが好ましい。
本発明で用いられる式(II)で示される化合物として
は、エピクロルヒドリン(式(II)においてX=Cl)、
エピブロムヒドリン(式(II)においてX=Br)等が挙
げられるが、価格、供給の点からはエピクロルヒドリン
が好ましい。
本発明の製造法の第一ステツプである、式(I)で示
されるリン酸モノエステルのモノアルカリ金属塩と式
(II)で示されるエピハロヒドリンとの反応は、エピハ
ロヒドリンをリン酸モノエステルのモノアルカリ金属塩
(I)1モルに対して1〜10モル、特に3〜5モル反応
させるのが好ましい。
リン酸モノエステルをモノアルカリ金属塩にすること
なく反応を行うと、目的化合物ばかりでなく、更にもう
1モルのエピハロヒドリンが反応したリン酸トリエステ
ルが副生し目的化合物の収率を低下させ好ましくない。
従って、本反応を実施するに際しては、リン酸モノエス
テルはモノアルカリ金属塩(I)の形で使用することが
必要である。
反応に用いる溶媒としては、不活性な極性溶媒が好ま
しく、例えば水、メチルアルコール、エチルアルコール
等を挙げることができ、就中水が好ましい。この水を溶
媒として用いることができるということは、工業的に製
造する場合には安全性の点からも極めて好ましいもので
ある。
反応温度としては30〜100℃、特には50〜90℃で反応
を行うのが好ましい。
得られた反応液中には、スキーム Iで示したような
目的とする式(VIII)で表されるリン酸エステル塩の他
に未反応のエピハロヒドリンあるいはその加水分解物が
含まれている。かくして得られる反応生成物は、その使
用目的によってはそのまま、あるいは未反応のエピハロ
ヒドリン等の一部を留去し次の第二ステツプである塩基
性化合部との反応に用いることも可能であるが、更に精
製された中間体(VIII)を得た後に次の第二ステップに
進むこともできる。例えば、ドデシルリン酸ナトリウム
(式(I)の化合物においてR1=C12H25、m=0、n=
0、M=Na)とエピクロルヒドリン(式(II)の化合物
においてX=Cl)との反応の場合には、ドデシルリン酸
ナトリウムの水溶液にエピクロルヒドリンを反応させた
後、水を留去させるか、もしくは反応液に塩化ナトリウ
ム、塩化カリウム等の電解質を飽和させた有機物をエチ
ルエーテル等の有機溶剤に抽出した後エチルエーテルを
留去して水と分離し、アセトンを加え、生成したドデシ
ル 2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルリン酸ナトリ
ウム(式(VIII)で示される化合物においてR1=C
12H25、m=n=0、M=Na、X=Cl)を析出させて、
アセトンに可溶なエピクロルヒドリン、及びその加水分
解物と分離することにより純度のよい中間体(VIII)を
得ることができる。
第2ステツプの反応において、塩基性化合物として水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水
酸化物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸
化物、有機アミン類等が挙げられるが、就中、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムが好ましく、また水はこれら
の塩基性化合物の水溶液として用いられ、従つて水を溶
剤として反応が行われる。しかし、この時水以外の溶剤
も混合して用いてよく、例えば低級アルコール、エーテ
ル類を混合して用いてもなんら差し支えはない。
第2ステツプは、得られた式(VIII)で示される化合
物と等モル以上の塩基性化合物及び水を反応させればよ
く、式(VIII)で示される化合物1モルに対し1モル〜
5モル、好ましくは、1.1〜2モルの塩基性化合物及び
水を反応させればよい。ただし、第1ステツプの反応に
おいて、式(VIII)で示される化合物を精製単離しない
で第2ステツプの反応を行つた場合、系内に存在するエ
ピハロヒドリンの加水分解物も考慮に入れる必要があ
り、少なくともエピハロヒドリンの加水分解物と等モル
の塩基性化合物、及び水をさらに加える必要がある。
反応温度としては30〜100℃、特に50〜90℃が好まし
い。
〔発明の効果〕
本発明によれば、人体に対して安全性が高く、化粧
品、香粧品の分野において幅広く利用しうるリン酸エス
テルを工業的に極めて有利に製造することができる。
さらに、本発明によつて製造される式(III)で示さ
れる化合物はホスフアチジルグリセロールの類似体の合
成の中間体として有用である。例えば、2−ヒドロキシ
オクタデシルリン酸(式(I)で示される化合物におい
て、m=1、l=0、R1=C16H32、n=0、M=H)の
2位のヒドロキシル基をアシル化することにより、生体
リン脂質類似の化合物が得られるなど、その利用用途は
化粧品、香粧品以外にも幅広く利用されうるものであ
る。
〔実施例〕
次に、実施例を挙げて説明する。
実施例1 反応器に純度97%のモノドデシルリン酸200g(0.73モ
ル、ただしこの試料のAV1(本リン酸モノエステルの試
料1gを第一当量点まで中和するのに必要なKOHのmg数、
以下も同様)=210.3、AV2(本リン酸モノエステルの試
料1gを第二当量点まで中和するのに必要なKOHのmg数、
以下も同様)=420.8であつた)を投入し、1規定水酸
化ナトリウム水溶液750mlを加えて撹拌し、80℃に昇温
して均一にした。この時反応系の酸価(試料1gを中和す
るのに必要なKOHのmg数、以下も同様)は42.9であつ
た。次に反応系を80℃に保ちながら、エピクロルヒドリ
ン347g(3.75モル)を徐々に加え、この温度で4時間撹
拌した。この時の反応系の酸価はほぼ0になり、反応が
完結したことが分かる。次に、反応液を凍結乾燥して残
つた不揮発性液体残査にアセトン1000mlを加え5℃で冷
蔵放置した。1日後、析出してきた結晶を取り、アセト
ンで再結晶すると、ドデシル 2−ヒドロキシ−3−ク
ロロプロピルリン酸ナトリウムの白色結晶193g(収率69
%)が得られた。
得られたドデシル 2−ヒドロキシ−3−クロロプロ
ピルリン酸ナトリウム193gを水500gに溶解し、水酸化ナ
トリウム25g(0.5モル)の30%水溶液を加え、80℃で5
時間加熱撹拌した。反応を高速液体クロマトグラフイー
(以後、HPLC)で追跡したところ、ドデシル 2−ヒド
ロキシ−3−クロロプロピルリン酸ナトリウムのピーク
がなくなり、新たなピークが現れた。反応系内の水をエ
タノールで置換し、析出した食塩をロ別した後、エタノ
ールを減圧留去し、大量のアセトン中にそそぎこみ、白
色の結晶165gを得た。この結晶の1H−NMRスペクトル、
及び元素分析値から、得られた結晶がドデシル 2,3−
ジヒドロキシプロピルリン酸ナトリウムであることを確
認した。1 H−NMR(D2O,内部標準:3−トリメチルシリルプロパン
スルホン酸ソーダ); δ 0.8ppm(t,3H,−P−OCH2(CH210CH3) δ 1.3ppm(brord s,20H,−P−OCH2(CH210CH3) δ 3.4〜3.9ppm(m,9H,HO−CH2CH(OH)CH2OPOCH2−) 実施例2 実施例1と同様に、モノドデシルリン酸20gと1規定
水酸化ナトリウム75mlの溶液にエピクロルヒドリン21g
を加えて80℃で10時間反応させた。この時の反応系の酸
価はほぼ0であつた。つぎにこの反応溶液に水酸化ナト
リウム9.5gの30%水溶液を加え、80℃で5時間さらに反
応させる。反応系をHPLCで分析したところ、実施例1で
得たドデシル 2,3−ジヒドロキシプロピルリン酸ナト
リウムが生成していることがわかつた。系内を塩酸で中
和にした後反応系内の水をエタノールで置換し、析出し
た食塩をロ別した後、エタノールを減圧留去し、大量の
アセトン中にそそぎこみ、白色の結晶ドデシル 2,3−
ジヒドロキシプロピルリン酸ナトリウム16.5gを得た。
実施例3 反応器に純度98%の2−デシルテトラデシルリン酸50
g(0.11モル、ただしこの試料のAV1=126.5、AV2=253.
1)を投入し、1規定水酸化ナトリウム水溶液113mlを加
えて撹拌し、80℃に昇温して均一にした。この時の反応
系の酸価は37.7であつた。次に反応系を80℃に保ちなが
らエピクロルヒドリン52g(0.56モル)を徐々に加え、
この温度で6時間撹拌した。この時の反応系の酸価はほ
ぼ0であつた。つぎに水、未反応のエピクロルヒドリン
及びその環境物を減圧留去して得られる残査56gをテト
ラヒドロフラン100mlに溶かし、1規定の水酸化ナトリ
ウム230mlを加えて10時間還流する。得られた反応液を
クロロホルム/メタノール/水=10/10/9(容量比)の
溶液で2回抽出し、得られた有機溶媒層から溶媒を留去
し、得られる残査をアセトン500mlで2回洗浄し、目的
化合物2−デシルテトラデシル 2,3−ジヒドロキシプ
ロピルリン酸ナトリウム49gを得た。
実施例4 純度95%のモノ2−ヒドロキシドデシルリン酸20g
(0.067モル、ただしこの試料のAV1=200.2、AV2=400.
5)を1規定水酸化ナトリウム水溶液71.4ml中に加え溶
解し(この時の反応系の酸価は42.4であつた)、70℃で
エピクロルヒドリン25g(0.27モル)を徐々に加え、こ
の温度で20時間撹拌した。この時の反応系の酸価はほぼ
0であつた。さらにこの反応混合物に、水酸化ナトリウ
ム11g(0.28モル)の30%水溶液を加え、80℃で5時間
反応した。得られた反応液をHPLCで分析したところ、新
たな生成物のピークがみられ、系内を塩酸で中性にした
後これをHPLCで分取し、溶媒を減圧留去すると目的の化
合物 2−ヒドロキシドデシル2,3−ジヒドロキシプロ
ピルリン酸ナトリウムが19.5g得られた。
実施例5 純度98%のモノトリオキシエチレンドデシルエーテル
リン酸20g(0.049モル、ただしこの試料のAV1=142.8、
AV2=288.2)を1規定水酸化ナトリウム水溶液50.9ml中
に加え溶解し(この時の反応系の酸価は39.8であつ
た)、70℃でエピクロルヒドリン18g(0.19モル)を徐
々に加え、この温度で20時間撹拌した。この時の反応系
の酸価はほぼ0であつた。さらにこの反応混合物に、水
酸化ナトリウム8g(0.2モル)の30%水溶液を加え、80
℃で5時間反応した。得られた反応液をHPLCで分析した
ところ、新たな生成物のピークがみられ、系内を塩酸で
中性にした後これをHPLCで分取し、溶媒を減圧留去する
と目的の化合物 トリオキシエチレンドデシルエーテル
2,3−ジヒドロキシプロピルリン酸ナトリウムが18.2g
得られた。
実施例6 純度95%のモノノニルフエニルリン酸20g(0.064モル、
ただしこの試料のAV1=179.3、AV2=359.0)を1規定水
酸化ナトリウム水溶液63.9ml中に加え溶解し(この時の
反応系の酸価は41.5であつた)、70℃でエピクロルヒド
リン24g(0.26モル)を徐々に加え、この温度で20時間
撹拌した。この時の反応系の酸価はほぼ0であつた。さ
らにこの反応混合物に、水酸化ナトリウム11g(0.28モ
ル)の30%水溶液を加え、80℃で10時間反応した。得ら
れた反応液をHPLCで分析したところ、新たな生成物のピ
ークがみられ、系内を塩酸で中性にした後これをHPLCで
分取し、溶媒を減圧留去すると目的の化合物 ノニルフ
エニル 2,3−ジヒドロキシプロピルリン酸ナトリウム
が15.7g得られた。
実施例7 純度97%のモノヘプタデカフルオロデシルリン酸20g
(0.036モル、ただしこの試料のAV1=108.9、AV2=217.
0)を1規定水酸化ナトリウム水溶液38.8ml中に加え溶
解し(この時の反応系の酸価は35.7であつた)、70℃で
エピクロルヒドリン13g(0.14モル)を徐々に加え、こ
の温度で20時間撹拌した。この時の反応系の酸価はほぼ
0であつた。さらにこの反応混合物に、水酸化ナトリウ
ム6g(0.15モル)の30%水溶液を加え、80℃で10時間反
応した。得られた反応液をHPLCで分析したところ、新た
な生成物のピークがみられ、系内を塩酸で中性にした後
これをHPLCで分取し、溶媒を減圧留去すると目的の化合
物 ヘプタデカフルオロデシル 2,3−ジヒドロキシプ
ロピルリン酸ナトリウムが17.3g得られた。
実施例8 純度95%のモノ2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシ
プロピルリン酸20g(0.056モル、ただしこの試料のAV1
=156.6、AV2=312.5)を1規定水酸化ナトリウム水溶
液55.8ml中に加え溶解し(この時の反応系の酸価は39.8
であつた)、70℃でエピクロルヒドリン21g(0.23モ
ル)を徐々に加え、この温度で20時間撹拌した。この時
の反応系の酸価はほぼ0であつた。さらにこの反応混合
物に、水酸化ナトリウム9.5g(0.24モル)の30%水溶液
を加え、80℃で5時間反応した。得られた反応液をHPLC
で分析したところ、新たな生成物のピークがみられ、系
内を塩酸で中性にした後これをHPLCで分取し、溶媒を減
圧留去すると目的の化合物 2−ヒドロキシ−3−ドデ
シルオキシプロピル 2,3−ジヒドロキシプロピルリン
酸ナトリウムが19.5g得られた。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の一般式(I) (式中、mは0または1であり、mが0の時、R1は炭素
    数1〜36の直鎖もしくは分岐鎖の、水素原子がフツ素原
    子で置換されていてもよいアルキル基またはアルケニル
    基、または炭素数1〜15の直鎖もしくは分岐鎖のアルキ
    ル基で置換されたフエニル基であり、R2は炭素数2〜3
    のアルキレン基であり、nは0〜30である。mが1の
    時、nは0であり、lは0または1であり、mが1、l
    が0の時、R1は炭素数1〜22の、水素原子がフツ素原子
    で置換されていてもよい直鎖アルキル基であり、mが
    1、lが1の時、R1は炭素数1〜36の直鎖もしくは分岐
    鎖の、水素原子がフツ素原子で置換されていてもよいア
    ルキル基またはアルケニル基である。Mはアルカリ金属
    の塩であることを示す。) で表されるリン酸モノエステル塩と、次の一般式(II) (式中、Xはハロゲン原子を示す。) で表されるエピハロヒドリンを反応させ、次いで塩基性
    化合物及び水を反応させることを特徴とする、一般式
    (III)、 (式中、R1、R2、l、m、nおよびMは前記と同じもの
    を示す) で表されるリン酸エステルの製造法。
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