JP2646136B2 - アルカリ蓄電池用ニッケル電極 - Google Patents

アルカリ蓄電池用ニッケル電極

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JP2646136B2
JP2646136B2 JP1152786A JP15278689A JP2646136B2 JP 2646136 B2 JP2646136 B2 JP 2646136B2 JP 1152786 A JP1152786 A JP 1152786A JP 15278689 A JP15278689 A JP 15278689A JP 2646136 B2 JP2646136 B2 JP 2646136B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、アルカリ蓄電池用ニッケル電極に関するも
のである。
従来技術とその問題点 ニッケル−カドミウム蓄電池用ニッケル電極の製造法
には、ニッケル粉末を穿孔鋼板に焼結した微孔基板(多
孔度80%)にニッケル塩を減圧含浸させた後にアルカリ
水溶液中で水酸化ニッケルに交換するシンター式と称す
るものと、芯金を持たない高多孔質(多孔度90〜98%)
の耐アルカリ性金属繊維焼結体に水酸化ニッケル粉末を
スラリー状として充填するペースト式と称するものの二
種類がある。
周知のごとく前者のエネルギー密度は構造因子により
400mAh/cc程度が限界である。そのため、現在急速に進
歩しつつあるポータブルエレクトロニクス機器の小型軽
量化に伴う市場ニーズ(600mAh/cc程度を要求)への対
応が困難である。また、シンター式の製造法は煩雑な充
填工程を数サイクルも繰り返す必要があり、コスト高に
なるなどの欠点もある。ペースト式はこれらの欠点を改
良するべく集電体・活物質・添加剤などの広い観点から
開発されたもので、ほぼ現状の市場ニーズに対応する高
エネルギー密度を達成しているが、集電体である高多孔
質耐アルカリ性金属繊維焼結体が高価であるため、コス
トが高くなるという欠点がある。
この問題を解決する試みとして、ニッケル箔を芯金集
電体として用い、この両面に活物質を塗着する提案もあ
るが、このものは活物質粒子とニッケル箔集電体との密
着が不十分であるために活物質粒子の脱落を起こしやす
く、また、箔に十分な強度がないためにその表面にしわ
等を発生しやすいなど、実用化には多くの問題点を含ん
でいた。活物質粒子の脱落及び強度に関する欠点を改良
するには、ニッケル線をメッシュ状にしたものを集電体
として使用する方法が挙げられるが、ニッケル線をメッ
シュ状に加工するうえでコスト高になる欠点がある。そ
こで、網目状のクロスにニッケルメッキした後に、内部
のクロスを加熱除去することによって安価に得られる内
部に空孔を有する耐アルカリ性金属繊維を用いて、網目
状メッシュを形成して(第1図参照)アルカリ蓄電池用
集電体に用いることを検討した。
その結果、このものはニッケル線をメッシュ状に加工
したものと異なり、集電体の繊維内部に電池反応に無関
係の不要なニッケルを含まないこと、活物質の塗着・乾
燥後に電極をプレスすることによって繊維内部の空孔を
除去し高エネルギー密度を得ることができることなどコ
スト面以外にも多くの利点を有しており、集電体として
有効であることが明らかとなった。第2図にこの集電体
に用いた電極のプレス前後の断面モデル図を示した。し
かし、内部に空孔を有する耐アルカリ性金属繊維を用い
て網目状メッシュを形成して集電体(以後、メッシュ集
電体と称す)として用いた場合の問題点としては、活物
質利用率が低いことが明らかとなった。
発明の目的 本発明は上記従来の問題点に鑑みなされたものであ
り、高性能で高容量且つ生産性の高い、安価なアルカリ
蓄電池用ニッケル電極を提供することを目的とするもの
である。
発明の構成 本発明の第1は、内部に空孔を有する耐アルカリ性金
属繊維を用いて、網目状メッシュを形成して集電耐とし
たアルカリ蓄電池用ニッケル電極である。
本発明の第2は、前記集電体の表面に厚さ2〜5μm
のコバルトを鍍金したアルカリ蓄電池用ニッケル電極で
ある。
本発明の第3は、前記集電体に塗着する活物質が、二
価のコバルト化合物であるCoC,α−Co(OH)2,β−Co
(OH)及び金属コバルトの内の一種以上と、導電材と
を組合わせて添加した水酸化ニッケルであるアルカリ蓄
電池用ニッケル電極である。
本発明の第4は、前記導電材が耐アルカリ性金属、耐
アルカリ性合金、耐アルカリ性酸化物及び炭素から選ば
れたアルカリ蓄電池用ニッケル電極である。
本発明の第5は、内部に空孔を有する耐アルカリ性金
属繊維を用いて、網目状メッシュを形成して集電体とし
たアルカリ蓄電池用ニッケル電極であって、前記集電体
は、その表面に厚さ2〜5μmのコバルトが鍍金され、
前記集電体に塗着する活物質が、二価のコバルト化合物
であるCoO,α−Co(OH)2,β−Co(OH)及び金属コバ
ルトの内の一種以上と、導電材とを組合わせて添加した
水酸化ニッケルであり、前記導電材が、耐アルカリ性金
属、耐アルカリ性合金、耐アルカリ性酸化物及び炭素か
ら選ばれたものであり、前記集電体に活物質を塗着した
後に前記金属繊維内部の空孔を除去したアルカリ蓄電池
用ニッケル電極である。
作用 メッシュ集電体を用いた場合、活物質利用率が低い。
この原因としては、メッシュ集電体が高多孔質耐アルカ
リ性金属繊維焼結体などと異なり三次元立体構造を有し
ていないので、一定量以上の活物質を塗着すると電極表
面にある外側の活物質粒子と集電体の間が離れすぎてし
まうためであると推定される。そのため、メッシュを集
電体に用いる場合に高い活物質利用率を得るには主に電
極の導電率について検討を行なう必要があった。電極は
大きく3つの部分に分けることができる。即ち、集電体
部分、集電体とそれに接する活物質層の第一層との境界
部分、活物質層部分である。そこでこれらの部分につい
て個々に検討を行った。
この内、集電体部分の導電率については現状のもので
十分であり、改善すべき問題はない。従ってまず最初
に、集電体とそれに接する活物質層の第一層との境界部
分の導電性が利用率に及ぼす影響について検討を行っ
た。集電体とそれに接する活物質層の第一層との境界部
分は、活物質層内の互いに金属酸化物同士である活物質
粒子間の境界部分と異なり、金属である集電体と金属酸
化物である活物質との間で電子の授受が行なわれるとこ
ろであり、電極反応に対して非常に重要な役割を果して
いると考えられる。従って、電極反応に及ぼす影響も小
さくないと推定される。この境界部分において集電体と
活物質は通常物理的に接しているだけであるから、ここ
に導電率を低下させる要因が存在することになる。ま
た、耐アルカリ性金属から成る集電体においても電極反
応に伴い集電体表面から腐食を発生する。この境界部分
に腐食生成物を生じるため導電率が減少するのである。
この境界部分に高い導電率を保持させるには、高い導
電性を有し、かつ、電気化学的に不可逆な物質から成る
層を形成し、集電体と活物質を結着させ、電子の授受を
スムーズに行なわせる必要がある。高濃度アルカリ溶液
においてこのような特性を有している物質としては、現
在のところオキシ水酸化コバルトを挙げることができ
る。集電体とそれに接する活物質層の第一層との境界部
分にオキシ水酸化コバルトの層を形成するには、表面に
コバルトメッキ、もしくは、コバルト化合物を電界析出
させたメッシュ集電体を使用して電極を作成し、初充電
により境界部分にオキシ水酸化コバルトの層を電気化学
的に形成する方法が妥当であると考えられる。
しかし、後者のコバルト化合物が高濃度アルカリ水溶
液中で溶解・拡散の可能性を考慮すれば、前者がより適
切な方法であると考えられる。集電体にコバルトメッキ
を行なう場合の問題点は、コバルトの適切なメッキ厚み
である。即ち、エッキ厚みが厚過ぎた場合、メッキされ
たコバルトが全てオキシ水酸化コバルトに変化できずに
集電体表面で導電率の低いコバルト化合物として不働態
化し、境界部分の導電率を低下させることになるのであ
る。
そこで、コバルトのメッキ厚みを種々変化させた集電
体を用いて試験を行なった結果、メッキ厚みが3μmま
ではメッキ厚みの増加に伴って利用率は増加するが、メ
ッキ厚が3μmを超えるとメッキ厚みの増加と共に利用
率が減少し、5μmを超えるとメッキをほどこさなかっ
たものよりも低い利用率となることが明らかとなった。
試験後X線回折を行なった結果、メッキ厚みが5μmを
超えるものには金属コバルトの存在が認められた。従っ
て、集電体とそれに接する活物質層の第一層との境界部
分にオキシ水酸化コバルトの層を形成する方法として表
面にコバルトメッキをほどこす場合には、メッキ厚みは
2〜5μmの範囲が適切である。第3図に電極総厚み20
0μm・理論容量400mAh/cc程度の電極における集電体表
面のコバルトメッキ厚みと活物質利用率との関係を示し
た。
次に、活物質層の導電性が利用率に及ぼす影響につい
て検討を行った。先にも述べたように、メッシュ集電体
は高多孔質耐アルカリ性金属繊維焼結体などと異なり三
次元立体構造を有していないので、一定量以上の活物質
を塗着すると電極表面にある外側の活物質粒子と集電体
の間が離れてしまう。そのため、集電体表面と電極表面
とでは活物質の導電率に起因する電位差を生じ、集電体
からの距離の違いによる競合反応が発生し、不活性なγ
−NiOOHを生成することになる。この不活性なγ−NiOOH
の生成を抑制し高い利用率を得るには、活物質全体の導
電率を向上させ、集電体表面と電極表面との電位差を小
さくする必要がある。
活物質層の導電率の向上に関しては、炭素やニッケル
等の粉末又は一酸化コバルトを始めとする二価のコバル
ト化合物粉末を活物質に添加することで達成されること
が一般に知られている。
前者は活物質中に高い導電性を有する物質を添加する
方法であるが、活物質層の導電率を向上させるには非常
に多くの導電性付加剤を添加する必要があり、エネルギ
ー密度の点で問題であった。また、その電極の両側から
高圧で加圧することが不可欠であり、製造上問題であっ
た。
後者は活物質に加えられた二価コバルト化合物が高濃
度アルカリ溶液中で一度ブルーの錯イオンとなって溶解
し、活物質の表面に再析出したものが、初充電によって
導電性を有するオキシ水酸化コバルトに変化し、活物質
層に導電性のネットワークを形成するというものであ
る。このような方法は高多孔質耐アルカリ性金属繊維焼
結体集電体のようにランダムに集電体が存在し、そのた
め活物質と集電体の距離が比較的小さくなるものに関し
ては非常に有効な方法であるが、活物質と集電体の距離
がオキシ水酸化コバルトの導電率に起因する導電性のネ
ットワークの有効距離を超えてしまうような集電体に関
しては十分とは言えない。実際にメッシュ集電体にこれ
ら従来法を適用したが、非常に低い活物質利用率しか得
ることができなかった。従って、メッシュ集電体を用い
た電極において活物質層の導電率を向上させるには従来
のような添加方法だけでは不十分であり、添加剤に対す
る新たな検討が必要であった。
そこで、活物質層の導電率を向上させるには二価コバ
ルト化合物から形成されるオキシ水酸化コバルトの導電
性ネットワークの有効距離を伸ばすことが必要であると
いう観点から検討を行なうこととした。オキシ水酸化コ
バルトの導電性ネットワークの有効距離は二価コバルト
化合物を添加した活物質を使用した場合の活物質利用率
及びその導電率から60〜80μm程度と推定される。この
導電性ネットワークの有効距離を伸ばす方法としては、
オキシ水酸化コバルトに代わる更に導電性の優れたネッ
トワークを形成する物質が発見されれば二価コバルト化
合物の代わりにその物質を添加すればよいが、それまで
は二価コバルト化合物の他にオキシ水酸化コバルトより
も高い導電率を有する物質を導電性付加剤として活物質
に組み合わせ添加する方法が適当であろう。即ち、二価
コバルト化合物が溶解し活物質及び導電性付加剤粉末表
面に再析出した後に初充電することによって導電性付加
剤粉末間をオキシ水酸化コバルトでつないだ導電性ネッ
トワークを形成させるのである。
このような観点で添加される導電性付加剤は従来まで
の導電性付加剤単独で添加されるのと異なり、非常に少
量の添加で活物質層の導電率を向上させる効果がある。
この導電性ネットワーク形成のモデル化図を第4図に示
す。このとき導電性付加剤として添加される物質として
は、電極反応によって変化しない耐アルカリ性金属、耐
アルカリ性合金、耐アルカリ性金属酸化物及び炭素が適
切である。
以上の方法によって、集電体とそれに接する活物質層
の第一層との境界部分および活物質層の導電率を向上さ
せることによって、内部に空孔を有する耐アルカリ性金
属繊維を用いて網目状メッシュを形成して集電体とする
ニッケル電極においても高い活物質利用率を得ることが
できる。
実施例 以下、本発明の実施例につて詳述する。
第1図はニッケルメッシュ集電体の立体モデル図、第
2図はプレス前後の電極断面モデル、第3図はメッシュ
集電体表面のコバルトのメッシュ厚みと活物質利用率と
の関係を示した図、第4図は導電性付加剤と二価コバル
ト化合物を組合わせ添加した場合の導電性ネットワーク
形成のモデル図、第5図、第6図はそれぞれの電池放電
特性を示した図、第7図はコバルトメッキからオキシ水
酸化コバルトへの変化によって導電性が高められた集電
体と活物質層の第一層との境界部分及び導電性付加剤に
よって補強された導電性ネットワークが形成された活物
質層のモデルを示した図である。
ここで1は空孔、2は金属メッシュ、3は活物質、4
は集電体、5は二価コバルト化合物、6は導電材粉末、
7はNi(OH)、8はCo(OH)、9はCoOOHである。
実施例1 水酸化ニッケル粉末80wt%と一酸化コバルト粉末20wt
%を混合したものをA,水酸化ニッケル粉末80wt%と炭素
粉末20wt%を混合したものをB,水酸化ニッケル粉末80wt
%と一酸化コバルト粉末10wt%・炭素粉末10wt%を混合
したものをCとし、これにカルボキシメチルセルロース
を増粘剤とする水溶液を加え、スラリー状活物質とす
る。
このスラリーを直径3μmのコバルトメッキをほどこ
した線径80μmのニッケルメッシュ集電体及びコバルト
メッキをほどこしていないニッケルメッシュ集電体にそ
れぞれ塗着・乾燥させ、プレスし厚さ600μmのニッケ
ル電極とした。
このニッケル極と対極としてペースト式カドミウム極
を組み合わせて、比重1.26のKOHを流動液が存在するま
で注液して電池を得た。この電池を24時間放置後、温度
20℃において充電0.1CAで15時間、放電0.2CA(終止電圧
1.00V)を10サイクル繰り返し試験を行った。
第5図にそれぞれのニッケルメッシュ集電体を用いた
場合の電池放電特性を示した。
Iはコバルトメッキのないニッケルメッシュ集電体
で、活物質Aを塗着したニッケル電極を用いた電池、II
はコバルトメッキしたニッケルメッシュ集電体で、活物
質Aを塗着したニッケル電極を用いた電池、IIIはコバ
ルトメッキのないニッケルメッシュ集電体で、活物質B
を塗着したニッケル電極を用いた電池、IVはコバルトメ
ッキしたニッケルメッシュ集電体で、活物質Bを塗着し
たニッケル電極を用いた電池、Vはコバルトメッキのな
いニッケルメッシュ集電体で、活物質Cを塗着したニッ
ケル電極を用いた電池、VIはコバルトメッキしたニッケ
ルメッシュ集電体で、活物質Cを塗着したニッケル電極
を用いた電池である。
実施例2 水酸化ニッケル粉末60wt%と一酸化コバルト粉末40wt
%を混合したものをD、水酸化ニッケル粉末60wt%とニ
ッケル粉末40wt%を混合したものをE、水酸化ニッケル
粉末60wt%と一酸化コバルト粉末10wt%・ニッケル粉末
30wt%を混合したものをFとし、これにカルボキシメチ
ルセルロースを増粘剤とする水溶液を加え、スラリー状
活物質とする。
このスラリーを直径3μmのコバルトメッキをほどこ
した線径80μmのニッケルメッシュ集電体及びコバルト
メッキをほどこしていないニッケルメッシュ集電体にそ
れぞれ塗着・乾燥させ、プレスし厚さ600μのニッケル
電極とした。
このニッケル極と対極としてペースト式カドミウム極
を組み合わせて、比重1.26のKOHを流動液が存在するま
で注液して電池を得た。この電池を24時間放置後、温度
20℃において充電01CAで15時間、放電0.2CA(終止電圧
1.00V)を10サイクル繰り返し試験した。
第6図にそれぞれのニッケルメッシュ集電体を用いた
場合の電池放電特性を示した。
イはコバルトメッキのないニッケルメッシュ集電体
で、活物質Dを塗着したニッケル電極を用いた電池、ロ
はコバルトメッキしたニッケルメッシュ集電体で、活物
質Dを塗着したニッケル電極を用いた電池、ハはコバル
トメッキのないニッケルメッシュ集電体で、活物質Eを
塗着したニッケル電極を用いた電池、ニはコバルトメッ
キしたニッケルメッシュ集電体で、活物質Eを塗着した
ニッケル電極を用いた電池、ホはコバルトメッキのない
ニッケルメッシュ集電体で、活物質Fを塗着したニッケ
ル電極を用いた電池、ヘはコバルトメッキしたニッケル
メッシュ集電体で、活物質Fを塗着したニッケル電極を
用いた電池である。
これらの実施例の内、一酸化コバルトを単独で添加す
る方法は金属繊維焼結体を集電体とする場合に用いられ
ているもので、金属繊維焼結体ではほぼ100%活物質利
用率を得ることができる方法であるが、メッシュ集電体
においては25〜30%程度の利用率しか得ることができな
かった。また、炭素もしくはニッケル粉末を単独で添加
する方法はポケット型ニッケル電極及びボタン型ニッケ
ル電極において用いられており、更に添加量を増加し電
極の両側から加圧した場合に80%程度の利用率を得るこ
とができるが、メッシュ集電体においては炭素の場合で
40〜50%程度、ニッケルの場合には18〜20%程度の利用
率しか得ることがきなかった。
しかし、本発明の一酸化コバルトと導電性付加剤を組
合わせて添加する方法においては、両実施例ともほぼ10
0%近い活物質利用率が得られており、メッシュ集電体
を用いる場合に非常に効果的な方法である。この活物質
利用率の向上に対する添加剤の相乗効果については活物
質層の導電率向上について先に述べたメカニズムが該当
すると推察される。即ち、電界液注液後の放置により一
酸化コバルトが溶解し、導電性付加剤粉末及び活物質表
面に再析出する。これが初充電によりオキシ水酸化コバ
ルトに変化することによって、導電性付加剤によって補
助されたより優れた導電性ネットワークを形成するので
ある。
これらの実施例では電極総厚みが600μm程度である
から、集電体からの活物質層厚みはおよそ300μm程度
である。オキシ水酸化コバルトの導電性ネットワークの
有効距離は60〜80μm程度であるから、それを除く220
〜240μm程度が導電性付加剤によって補償されたこと
になる。この導電性付加剤によって補償される厚みと導
電性付加剤の添加量との間には相関関係が有り、従って
電極厚みによって最適の添加量が存在すると考えられ
る。更に、導電性付加剤の形状及びサイズについても同
様であって、最適の形状及びサイズが存在すると考えら
れる。最適の形状としては短繊維状のものが有効と推測
される。
また、これらの実施例全てについて集積体表面にコバ
ルトメッキをほどこしたものは、コバルトメッキをほど
こしていないものに比べ優れた利用率が得られており、
集電体と活物質との境界部分が活物質利用率に重要な役
割を果たしていることは明らかである。
第7図にコバルトメッキからオキシ水酸化コバルトへ
の変化によって導電性が高められた集電体と活物質層の
第一層との境界部分及び導電性付加材によって補助され
た導電性ネットワークが形成された活物質層のモデルを
示した。
今回の実施例では一酸化コバルトと導電性付加材を組
合わせて添加した活物質をスラリー状とし、集電体に塗
着・乾燥させたが、この活物質を適切なバインダーによ
ってシート状に加工し、集電体に圧着させることにより
ニッケル電極とする場合においてもこれらの方法は有効
である。
尚、上記実施例において、添加剤として一酸化コバル
トを用いたが、α−Co(OH)2,β−Co(OH)を用いて
も同様の結果を示した。又、金属コバルト粉末を用いた
場合にも、その効果は二価コバルト化合物粉末の場合に
比べ小さいが同様の結果が観察された。
又、上記実施例において、集電体としてニッケルメッ
シュ集電体を用いたが、二価コバルト化合物粉末と炭素
もしくはニッケル粉末を組合わせて添加した水酸化ニッ
ケル粉末を活物質とすることにより相乗効果として優れ
た導電性ネットワークが得られるのであるから、集電体
と活物質の距離が大きい電極、特に、ニッケル箔、ある
いは金属繊維焼結体、発泡メタル、ボタン形ニッケル電
極、ポケット形ニッケル穿孔鋼板等を集電体とするもの
についても更に性能が改善されると考えられる。
発明の効果 上述した如く、本発明は、初充電によりその表面に導
電性を有する電気化学的に不可逆な物質から成る層を形
成する処置をほどこした内部に空孔を有する耐アルカリ
性金属繊維を用いて、網目状メッシュを形成した集電体
に、二価コバルト化合物であるCoO,α−Co(OH)2,β−
Co(OH)及び金属コバルトの内の一種以上と導電性付
加剤を組合わせて添加した水酸化ニッケル粉末を主体と
する活物質を塗着し、活物質乾燥後電極をプレスするこ
とで集電体内部の空孔を除去することにより、高性能で
高容量かつ生産性の高い安価なニッケル電極を提供する
ことができるので、その工業的価値は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
第1図はニッケルメッシュ集電体の立体モデル図、第2
図はプレス前後の電極断面モデル、第3図はメッシュ集
電体表面のコバルトのメッキ厚と活物質利用率との関係
を示した図、第4図は導電性付加剤と二価コバルト化合
物を組合わせて添加した場合の導電性ネットワーク形成
のモデル図、第5図、第6図はそれぞれの電池放電特性
を示した図、第7図はコバルトメッキからオキシ水酸化
コバルトへの変化によって導電性が高められた集電体と
活物質層の第一層との境界部分及び導電性付加剤によっ
て補助された導電性ネットワークが形成された活物質層
のモデルを示した図である。 1……空孔、2……金属メッシュ 3……活物質、4……集電体 5……二価コバルト化合物、6……導電材粉末 7……Ni(OH)、8……Co(OH) 9……CoOOH
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−90864(JP,A) 特開 昭62−256366(JP,A) 特開 昭61−135054(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に空孔を有する耐アルカリ性金属繊維
    を用いて、網目状メッシュを形成して集電体としたこと
    を特徴とするアルカリ蓄電池用ニッケル電極。
  2. 【請求項2】前記集電体の表面に厚さ2〜5μmのコバ
    ルトを鍍金した請求項1記載のアルカリ蓄電池用ニッケ
    ル電極。
  3. 【請求項3】前記集電体に塗着する活物質が、二価のコ
    バルト化合物であるCoO,α−Co(OH)2,β−Co(OH)
    及び金属コバルトの内の一種以上と、導電材とを組合わ
    せて添加した水酸化ニッケルである請求項1記載のアル
    カリ蓄電池用ニッケル電極。
  4. 【請求項4】前記導電材が耐アルカリ性金属、耐アルカ
    リ性合金、耐アルカリ性酸化物及び炭素から選ばれた請
    求項3記載のアルカリ蓄電池用ニッケル電極。
  5. 【請求項5】内部に空孔を有する耐アルカリ性金属繊維
    を用いて、網目状メッシュを形成して集電体としたアル
    カリ蓄電池用ニッケル電極であって、 前記集電体は、その表面に厚さ2〜5μmのコバルトが
    鍍金され、 前記集電体に塗着する活物質が、二価のコバルト化合物
    であるCoO,α−Co(OH)2,β−Co(OH)及び金属コバ
    ルトの内の一種以上と、導電材とを組合わせて添加した
    水酸化ニッケルであり、 前記導電材が、耐アルカリ性金属、耐アルカリ性合金、
    耐アルカリ性酸化物及び炭素から選ばれたものであり、 前記集電体に活物質を塗着した後に前記金属繊維内部の
    空孔を除去したことを特徴とするアルカリ蓄電池用ニッ
    ケル電極。
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