JP2632915B2 - レーザ加工機の集塵装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） この発明はレーザ加工機の集塵装置の改良に関する。

（従来の技術） レーザ光はそのすぐれた性質により、非金属、超硬合
金、ステンレス鋼などの金属の穴あけや、各種金属、セ
ラミック等の切断加工に広く採用されている。前記の金
属類の切断の場合には、レーザビームの照射個所に、例
えば、酸素等の圧力ガスを吹きつけ、溶融状態の金属を
吹きとばし、加工効率をあげるガス切断法が多用されて
いる。

レーザ加工における穴あけ、切断加工は、レーザビー
ムによる被加工物の溶融、蒸発に基づく材料除去機能を
利用するもので、ガス及び粉塵の発生を伴う。このガス
及び粉塵は、レーザ加工機においては、一般に加工テー
ブルの下方に垂設された一体構造の空気流通路を形成す
る集塵パイプを通り、負荷に保持された集塵室に集めら
れたフイルタ等を経て排風機から大樹へ排出されてい
る。

（発明が解決しようとする課題） 上述のごとき従来のレーザ加工機の集塵装置にあって
は、レーザビームによる加工時に発生したスパッタなど
は集塵パイプの側壁に付着し徐々に大きく成長したり、
あるいは、集塵パイプの内側壁に集塵が蓄積したりす
る。このため、蓄積したスパッタや粉塵を除去するに
は、集塵パイプは一体物で構成されているので困難な作
業を強いられていた。

そこで、この発明の目的は、上述した課題に鑑み創案
されたものであって、集塵パイプを分割しワークシュー
タの作動と共に集塵パイプを開閉することにより粉塵を
除去し、作業性の向上を図ったレーザ加工機の集塵装置
を提供することにある。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段） 前述のごとき従来の問題に鑑みて、本発明は、レーザ
加工機のワークテーブルの傾動可能に設けたワークシュ
ータの下側に、下端部を吸引装置に適宜に接続した集塵
パイプを設け、上記集塵パイプを縦に分割して一方の分
割パイプを前記ワークシュータに一体的に設け、他方の
分割パイプを、前記ワークシュータの傾動に連動して前
記一方の分割パイプに対して開閉するように前記ワーク
シュータに回動自在に支持してなるものである。

（作用） 前述の構成により、傾動自在なワークシュータに設け
たレーザ加工機の加工ヘッド直下にして上方へ開口した
集塵パイプは、縦に分割されていて一方の分割パイプは
ワークシュータに固定され、他方の分割パイプはワーク
シュータ回動自在に設けられている。

レーザ加工が終了した時にワークをワークシュータに
て機外へ排出するためワークシュータを傾けた時、前記
集塵パイプの固定側分割パイプはワークシュータの傾動
と共に傾斜する。他方の分割パイプはワークシュータに
回動自在となっていて、自重によりほぼ垂直に降下して
集塵パイプは分離する。

この分離動作により集塵パイプの内壁に付着したスパ
ッタや粉塵などは除去され、更にワークシュータの元の
位置である水平位置に復帰させた時にも分割パイプ同士
が合致する衝撃によってスパッタや粉塵などは剥落す
る。このため機械作動中にスパッタや粉塵などを自動的
に除去することができる。

（実施例） 以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説
明する。

第３図乃至第６図を参照するに、本図にはレーザ加工
機の集塵装置の全体的構成が概念的に例示してあり、レ
ーザ加工機１のワークテーブル３（一部図示省略）の一
部には傾動自在なワークシュータ５が設けられている。

そのワークシュータ５には、レーザ加工機１の加工ヘ
ッド７（一部図示省略）の直下にして上方へ開口したこ
の発明に係る例えば角型形状をした集塵パイプ９が、ワ
ークシュータ５に設けた加工部台座11の下面に垂設して
ある。

その集塵パイプ９の下端は、レーザ加工機１の機台13
に設けられた外枠15内に密に挿入され、この外枠15の下
部にはスクラップホックス17が出し入れ自在に設けられ
ている。更に前記外枠15より機台13の一部を密封状とし
たスクラップボックス挿入部19を通り、吸引ダクト21を
介して吸引装置23が設けられ、加工時に発生した粉塵等
を吸引し機外へ排気する。

前記ワークシュータ５には、機台13に立設したブラケ
ット25にピン27を支点として回動自在なリンク29が設け
られ、そのリンク29の片端はピン31を介してワークシュ
ータ５に垂設したブラケット33に回動自在に接続されて
いる。更に、ワークシュータ５の先端側（第３図、第４
図において左側）の下面に垂設したブラケット35に、流
体圧作動のシリンダ37のピストンロッド39が回動自在に
係合され、シリンダ37の作動によりワークシュータ５は
傾動自在となる。

上記の構成によりその動作としては、シリンダ37を作
動させることにより、シリンダ37の上昇限ではワークシ
ュータ５はＡ−Ａ線で示すパスラインに一致した位置に
保持され、ワークシュータ５にサーチされたワークＷの
加工が行なわれる。

ワークＷに所定の切断加工が施され、加工が終了した
時点でシリンダ37を下降させる。

ワークシュータ５は、第１支点Ｘであるピン27と第２
支点であるピン31およびリンク29により若干量ほぼ平行
に降下し、下降が進むにつれて第１支点Ｘを中心として
傾動し第３図および第４図に図示したＢ位置で停止す
る。この傾動により加工時のワークＷは機外へ排出さ
れ、上述した操作を逆に作動させることによりワークシ
ュータ５を元の位置である水平位置に復帰させ、次の加
工工程に移行する。

上述したワークシュータ５の動きと共に、そのワーク
シュータ５に設けた前記集塵パイプ９は、縦に２分割さ
れそれぞれの分割パイプ41aおよび41bは、ワークシュー
タ５が水平位置つまり加工中は密に係合され、分割パイ
プ41aはワークシュータ５に対し回動自在に、分割パイ
プ41bはワークシュータ５に対し、固定されている。

そのワークシュータ５が傾動することにより、前記外
枠15に分割パイプ41aの動きを制限するガイドピン43
が、分割パイプ41aの分割面に沿って案内されるよう設
けられているので、そのガイドピン43に案内され分割パ
イプ41aは、ワークシュータ５の傾動下限でも第３図、
第４図に矢印Ｃで示す位置、つまりほぼ垂直に降下す
る。

一方、分割パイプ41bの動きは、その分割パイプ41bが
ワークシュータ５に固定されているので、ワークシュー
タ５が傾動下限では第３図，第４図に矢印Ｄで示す位置
に移行する。その際、外枠15の一部である蓋45は、外枠
15の外壁に設けた軸受47の軸49を回動支点として、分割
パイプ41bの先端に押されて開口する。その蓋45はスプ
リング51により常時閉方向に付勢されているので、ワー
クシュータ５が水平状態に復帰することにより蓋45も元
の位置に復帰し、この時蓋45と外枠15との係合部は密に
なるよう図示を省略したがシール部材等が設けられてい
ることは勿論である。

なお、符号53はフリーベアリングであり、ワークＷの
移動を円滑にする役目をなし、また、前記スクラップボ
ックス17の下部にはカーボングラファイト材55が敷設さ
れている。そのカーボングラファイト材55は、加工ヘッ
ド７から放射されるレーザビームが外枠15内のスクラッ
プボックス17の底部に直接照射されることがあるが、こ
の部分にカーボングラファイト材55を設けてあるのでス
クラップボックス17がレーザビームによって損傷を受け
ることなく、損傷防止の役目をしている。

前記集塵パイプ９について、その構成を更に詳細に説
明する。

第１図および第２図を参照するに、図示省略したワー
クシュータ５に設けた加工部台座11の下面に垂設した集
塵パイプ９は、角型形状をなし縦に２分割されている。
２分割された分割パイプ41aおよび41bのうち、一方の分
割パイプ41aは加工部台座11の下面に例えば蝶番57等に
て回動自在に垂下し、他方の分割パイプ41bはボルト59
等にて加工部台座11に固定されている。また、分割パイ
プ41aの下端近傍分割面に当接するようにガイドピン43
が設けられ、その動きを制限してある。

上記の構成により、集塵パイプ９を構成する分割パイ
プ41aと41bは、ワークシュート５の動きと共に開閉動作
をすることにより、加工時に発生するスパッタや粉塵な
どがパイプ内面に付着するが、分割パイプ41aと41bの開
閉作動とが開閉時の衝撃により付着したスパッタあるい
は粉塵などは剥離除去することができる。つまり、機械
の作動と共に自動的に集塵パイプ９内に付着した付着物
を除去することができ、人手を要さずに生産性の向上を
図ることができる。

なお、本実施例では集塵パイプ９を角型形状としたが
丸型でも良いことは勿論であり、上述した実施例に限定
されることなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲にお
いて種々偏光を加え得ることは勿論である。

［発明の効果］ 以上のごとき実施例の説明より理解されるように、要
するにこの発明によれば、ワークシュータに設けた集塵
パイプを縦に分割し一方の分割パイプをワークシュータ
に固定し、他方の分割パイプをワークシュータに回動自
在に設けた。このため、ワークシュータの動きと共に集
塵パイプは開閉するので、その開閉時あるいは開閉時に
発生する衝撃により、集塵パイプ内に付着した加工時に
発生するスパッタや粉塵などを除去でき、機械の作動と
共に自動的に除去作業ができるので人手を要さずに生産
性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はこの発明の一実施例を示す集塵パ
イプの構成を示した説明図で、第１図は正面図、第２図
は第１図のII−II線に沿った断面図である。 第３図乃至第６図はこの発明を実施したレーザ加工機の
集塵装置の全体的構成を概念的に示した説明図で、第３
図はレーザ加工機の集塵装置を示す正面図、第４図は第
３図の要部拡大説明図、第５図は第３図のＶ−Ｖ線に沿
った断面図、第６図は第５図のVI−VI線に沿った拡大断
面図である。 １……レーザ加工機、３……ワークテーブル ５……ワークシュータ、７……加工ヘッド ９……集塵パイプ 41a,41b……分割パイプ 43……ガイドピン

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】レーザ加工機のワークテーブル（３）に傾
   動可能に設けたワークシュータ（５）の下側に、下端部
   を吸引装置（23）に適宜に接続した集塵パイプ（９）を
   設け、上記集塵パイプ（９）を縦に分割して一方の分割
   パイプ（41b）を前記ワークシュータ（５）に一体的に
   設け、他方の分割パイプ（41a）を、前記ワークシュー
   タ（５）の傾動に連動して前記一方の分割パイプ（41
   b）に対して開閉するように前記ワークシュータ（５）
   に回動自在に支持してなることを特徴とするレーザ加工
   機の集塵装置。