JP2631500B2 - 抗ウイルス剤 - Google Patents

抗ウイルス剤

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はウイルス病、特にエイズ(AIDS,後天性免
疫不全症候群)の予防,治療等に有用な抗ウイルス剤に
関するものである。
この発明は下式[I] で表わされる3−O−スルホン化グリチルレチン酸、及
びその塩類の利用方法に関するものであり、これをウイ
ルス感染、特にレトロウイルス、更に言えばエイズウイ
ルス感染により疾病の予防や治療に医薬原料として利用
しようとするものである。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
近年HIV感染によって惹き起されるウイルス性疾患、
いわゆるエイズは米国を中心に大きく広がりつつあり社
会問題化している。
これはHIVが人間の免疫系の重要な細胞の一つである
ヘルパーT細胞を特異的に傷害し予後不良の免疫不全を
起し各種感染症を併発し、多くの場合死をむかえなくて
はならないという悲惨さに基づいている。
この為、現在世界中で多くの研究者がこの解決の為に
努力しており、HIVの属するレトロウイルスに特徴的な
逆転写酵素の阻害剤、ウイルスの表層抗原、或いはウイ
ルスが接着するT細胞のレセプターなどの中和抗体など
の研究を中心に着実な歩みを示している。
しかし現状ではわずかに逆転写酵素阻害剤の一つであ
るアジドチミジン(AZT)が唯一有効な薬として認めら
れているにすぎず、またこのものについても毒性が知ら
れておりエイズを解決するには至っていない。
これらの候補の一つとして近年漢方の生薬の一種で大
量に用いられている甘草の主成分であるグリチルリチン
が脚光を浴びている。
これは先に示した式[I]の3−O−位にスルホン酸
のかわりにグルクロン酸2個が結合したものであり医薬
品用途としては消炎剤,抗潰瘍剤として、また食品用途
としては甘味剤として知られているものである。
しかしこのエイズウイルスに対する効果はHTLV III/M
T−4の系で0.5mg/mlもの濃度が必要なことが報告され
ており(山本直樹等昭和61年度日本ウイルス学会発表要
旨)、内服用,注射用いずれを考えても有効必要量が高
過ぎ実用的な利用は困難が伴なうものと考えられる。
本発明者らが行なったHIVウイルスと同様のレトロウ
イルスに属するラウスザルコーマウイルスを用いた実験
でもウイルス生育を阻止するには2.5mg/mlもの濃度が必
要であり、とても実用的なものではないと思われた。
なお本発明者らが用いているレトロウイルスに関する
抗ウイルス剤試験の方法を簡単に示すと次の通りであ
る。
ニワトリ受精卵を数日孵卵後これより胎児胚細胞(Ch
ick embryo Fibloblast)を得、96穴ウエルで培養す
る。この培養時にウイルスを添加しその後各種薬剤を添
加し数日培養後ウイルスの感染でひき起される細胞の形
の変化から薬剤の効果を簡易的に判定した。尚通常の細
胞は紡錘形をしているが、形質転換(transform)した
ものは丸くなる。
一方本発明者らが行なった上記のRSVを用いた系での
実験でグリチルレチン酸、即ち前出の式[I]3−O−
位にスルホン酸基の代りにHが結合したものはグリチル
リチンの50倍以上の活性が得られることがわかった。
すなわちグリチルリチンが2.5mg/mlであるのに対しグ
リチルレチン酸では0.04mg/mlで同等の効果が得られ
た。
しかしながらグリチルレチン酸は遊離型、塩型いずれ
も水不溶性であり経口投与時の吸収性や注射薬としての
使用には困難があり実用化が難しいと考えられた。
そこで本発明者等は各種のグリチルレチン酸誘導体に
ついて、水可溶性でありかつ抗ウイルス活性の高いもの
の探索及び合成について鋭意検討を重ねた結果グリチル
レチン酸の3−O−スルホン化物が最もこれらの条件に
適したものであることを発見し本発明を完成した。
〔課題を解決するための手段〕
すなわちこの発明は前出の式[I]で表わされる3−
O−スルホン化グリチルレチン酸及びその塩類を抗ウイ
ルス剤、更にいえば抗レトロウイルス剤、更にいえば抗
エイズ剤として用いようとするものである。
グリチルレチン酸スルホン化物の合成は一般的に知ら
れているスルホン化の方法で簡単に3−O−位のスルホ
ン化されたものを得ることができる。たとえばスルホン
化試薬としてはメタンスルホン酸,クロルスルホン酸な
どが知られている。また溶媒としてジメチルホルムアミ
ド,ホルムアミド,ピリジンなどの他これを四塩化炭素
等で薄めたものも用いることができる。なお反応は収率
の面から冷却下で当初行う方が望ましい。
精製についても吸着樹脂,イオン交換樹脂を用いる方
法、クロロホルム等有機溶剤を用いて精製する方法など
いずれの方法でも同等のものを得ることができ、要する
に製造方法にはこだわらない。
塩の形としては生理的に可能で医学上許容される塩類
であればいずれのものを用いても同等の効果が得られる
が、医学的な利用を考えた場合、ナトリウム型,アンモ
ニウム型,カリウム型などが特に適している。
また3−O−スルホン酸基のみを塩にしたものおよび
3−O−スルホン酸基とアグリコン30位のカルボキシル
基両方を塩にしたものいずれでも同様の効果を得ること
ができる。
これらの塩を得るには遊離型の3−O−スルホン化グ
リチルレチン酸の水溶液に例えばナトリウム型の場合カ
性ソーダ水溶液でpH4〜7程度に中和し、後は常法通り
精製することにより3−O−スルホン酸のみナトリウム
塩化したものを主に得ることができる。この中和pHを8
〜11程度にまであげると両方がNa塩化したものを得るこ
とができる。
アンモニウム塩,カリウム塩についてもアンモニア
水,水酸化カリウム水溶液で同様に処理すれば良い。
これらの塩はいずれも水可溶性であり本発明の目的に
適している。酸型のものもやはり同等の効果が得られる
が生体内での利用を考えた場合、塩型のほうがより適し
ている。
〔作用および発明の効果〕
本発明品の有効性については実施例で詳細に示すが、
下表に示したように式[I]で表わされる3−O−スル
ホン化グリチルレチン酸はグリチルリチンより有効濃度
が低くかつグリチルレチン酸のように不溶性でないとい
う優れた特徴を有しており非常に有用な抗ウイルス剤と
考えられる。
グリチルリチンの抗ウイルス活性についてはまだ明確
な結論は得られていないが、現状では細胞に存在するプ
ロテインキナーゼCの阻害ではないかと主に考えられて
いる。
これは宿主細胞の持つ酵素であることからグリチルリ
チンの抗ウイルス性は広くいずれのウイルスにも効果を
持つものと考えられる。この活性中心はアグリコン部に
あるものと考えられ恐らくアグリコン部への付加物の小
さい程立体的に効果が良く発揮でき、グリチルリチンよ
りスルホン化物、それよりグリチルレチン酸という抗ウ
イルス活性が得られるのものと思われる。
一方近年多糖類のスルホン化物が抗エイズ剤として注
目されており、グリチルリチンについてもスルホン化物
が検討され効果のあがることが報告されている(山本直
樹等Jap.J Cancer Res Comn 78 (8)'87)。
これらによるとスルホン化物はエイズウイルスの逆転
写酵素を阻害することが示されている。本発明者等のグ
リチルレチン酸スルホン化物は可溶性のグリチルレチン
酸誘導体ということを主眼においたものどあるが、以上
示した様に (1)アグリコン部を変化なく有していること (2)スルホン基を有していること (3)エイズと同じ系統であるレトロウイルスの一種ラ
ウスザルコーマウイルスでも良好な抗ウイルス活性が得
られていること などのことからエイズウイルスについても良好な結果が
期待できる。
〔実施例〕
以下実施例によりこの発明をさらに詳細に説明する。
良く乾燥したグリチルレチン酸2gをジメチルホルムア
ミド10mlに懸濁し、これに氷冷下でクロルスルホン酸5m
lを滴下した。冷却下2時間反応後40℃にて更に反応を
続け、再度氷冷下で水50mlを添加し、次いでメタノール
100mlを加え沈澱を得た。
これを水30mlに懸濁し、カ性ソーダでpH7に中和溶解
したものを吸着樹脂HP−20 100mlに吸着後50%メタノー
ルで溶出しスルホン化物の区分を集め濃縮乾固し約1.3g
の3−O−スルホン化グリチルレチン酸のナトリウム塩
を得た。
収率 約65% 本品はナトリウム試験においてニトロプルシドナトリ
ウム反応で赤紫色を呈し、硫黄の存在が確認される。ま
た赤外分析で1230cm-1及び1400cm-1付近に硫酸エステル
に特徴的な吸収が見られること、及びCMR:DMS−d6でア
グリコンC−3位のシグナルのみ特徴的にグリチルレチ
ン酸の77ppm(TMS標準)と比べ82ppmへのシフトが認め
られ[I]式で表わされるグリチルレチン酸の3−O−
スルホン化物と判定される。
実施例1.ニューカッスル病ウイルス(NDV) vero細胞(アフリカミドリザル腎)を96穴ウエルに培
養し、これにニューカッスル病ウイルス(NDV)を感染
後前出の式[I]で表わされるグリチルレチン酸スルホ
ン化物を最高10mg/mlから順次2倍希釈して添加しNDVに
よってひきおこされる細胞融合を、どの濃度で阻止する
かを検鏡した。その結果0.5mg/ml濃度で完全に阻止し
た。グリチルリチンでは5mg/mlを要した。同時に行なっ
たウイルスを添加せず薬剤のみを添加した細胞での薬剤
の毒性試験の結果、グリチルレチン酸スルホン化物の効
果/毒性比はグリチルリチンのそれと同等であった。
実施例2.ラウスザルコーマウイルス(RSV) CEF(ニワトリ胎児胚細胞)を96穴ウエルに培養し、
これにラウスザルコーマウイルス(RSV)を感染後グリ
チルレチン酸スルホン化物を最高10mg/mlから順次2倍
希釈して添加し、RSVによってひきおこされる形質転換
を、どの濃度で阻止するかを検鏡した。その結果0.16mg
/mlで完全に阻止した。グリチルリチンでは2.5mg/mlを
要した。
同時に行なったウイルスを添加せず薬剤のみを添加し
た細胞での薬剤の毒性試験の結果、グリチルレチン酸ス
ルホン化物の効果/毒性比はグリチルリチンのそれと同
等であった。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性成分として下式[I] で表わされる3−O−スルホン化グリチルレチン酸およ
    びその塩類を含有する抗ウイルス剤。
  2. 【請求項2】式[I]で表わされる3−O−スルホン化
    グリチルレチン酸がグリチルレチン酸をスルホン化して
    得られるものであることを特徴とする請求項1記載の抗
    ウイルス剤。
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