JP2631289B2 - 制電性カーペットタイル用裏打材組成物 - Google Patents

制電性カーペットタイル用裏打材組成物

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JP2631289B2 JP62280981A JP28098187A JP2631289B2 JP 2631289 B2 JP2631289 B2 JP 2631289B2 JP 62280981 A JP62280981 A JP 62280981A JP 28098187 A JP28098187 A JP 28098187A JP 2631289 B2 JP2631289 B2 JP 2631289B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はビチューメン組成物に導電性付与剤、熱可塑
性樹脂、および分散安定剤を配合してなる、導電性を有
し、かつ下地の不整によくなじみ(置敷性が良く)、耐
荷重変形性、低温屈曲性などのカーペットタイル用裏打
材としての併用性能を兼ね備えた制電性カーペットタイ
ル用裏打材組成物に関するものである。
従来の技術 カーペットタイルの裏打材としては、従来よりゴムラ
テックス系、エラストマー系、合成樹脂系、およびビチ
ューメン系のものが知られているが、現在は大略、ポリ
塩化ビニル系裏打材とビチューメン系裏打材が主流を占
めている。
近年、帯電した人体がOAあるいはFA機器に接触した時
の放電(剥離帯電圧)による誤作動を防止するために人
体が帯電しにくい制電性カーペットタイルが要望されて
いる。
制電性カーペットタイル用の導電性裏打材としては、
前記裏打材に、カーボンブラックや金属粉末の様な導電
性フイラーを配合して加熱成型加工したものや、帯電防
止材を塗布、あるいは練り込むことにより導電性とした
ものが既に工業的に実施されている。
発明が解決しようとする問題点 前記ポリ塩化ビニル系裏打材は、カーペット基布へ塩
ビゾルペーストの形で塗布して製造され、制電性カーペ
ットタイル用に供するための導電性機能付与は、一般的
に導電フィラーとしてカーボンブラックを混入して行な
われ、金属粉末等はコスト高になるため余程高い導電機
能を要求される場合以外は用いられていない。
また、帯電防止剤と称される界面活性剤の塗布あるい
は練り込みによる方法では、帯電防止という観点から好
ましいとされる104〜108Ω・cmの電気抵抗を実現するこ
とは非常に難しく、せいぜい109オーダーにしかならな
い。
更にこれは、基本的に表面への水分吸着による表面電
気抵抗の低域による制電効果を期待したものであるか
ら、低湿度下では十分な効果を発揮できない欠点を有
し、加えて帯電防止剤が経時的に揮散し、帯電防止性能
が恒久的でないという決定的な不備を有し、機能性付与
の面では根本的な問題解決に至らない。
ところで、このポリ塩化ビニル系裏打材には、火炎な
どによって万一燃焼した場合腐蝕性の強い塩素ガスが発
生し、OA、FA用の精密機器に対する悪影響が危惧されて
いる。
更に、OA、FA対応の、コード類を床に収納した、いわ
ゆるダブルデッキ(二重床)等のシステムフロアに対し
ては下地とのなじみの点でビチューメン系裏打材の方が
断然優れていると言われている。これは、ポリ塩化ビニ
ル系材料が加熱ゲル化型の硬い樹脂であるのに対し、ビ
チューメン系裏打材が基本的に高粘度物質である点にあ
り、下地の不整に合わせた変形を起こすことによる。
この基本的な供用性能は、本発明の裏打材組成物が使
用される制電性カーペットタイルにおいては非常に重要
である。
一方、ビチューメン系裏打材に導電性機能を付与し
て、制電性カーペットタイルに使用したものとしては、
従来、帯電防止剤を塗布したり練り込んだりしたものが
実施されているだけで、カーボンブラックや金属粉末等
の導電性フィラーを使用した例は見当らない。
これは、ビチューメン系裏打材をカーペットタイルに
塗布する裏打工程では、基本的にその熱可塑性を利用し
て加熱溶融状態で使用することになるが、カーボンブラ
ック等の導電フィラーの添加は導電機能発現のための均
一分散が非常に難しいこともさることながら、溶融粘度
を著しく増大させ、裏打工程で塗布し得る状態には到底
仕上げられないことがその最大の理由となっている。
従って、この発明の目的は前記の問題点を解消し、ダ
ブルデッキ等のシステムフロア用として下地になじみの
よいビチューメン系組成物に導電性フィラーを添加した
新規な制電性カーペットタイル用裏打材組成物を提供す
ることにある。
問題点を解決するための手法 本発明者は、上記の現状を把握した上で、制電性カー
ペットタイルとして十分な性能を発揮し得る導電機能を
有し、かつ床構造へのなじみの良さ等のカーペットタイ
ルの供用性を持ったカーペットタイル用導電性裏打材を
開発すべく鋭意研究を重ねた結果、基材としてのビチュ
ーメン組成物、使用する導電性付与剤、熱可塑性樹脂、
及び分散安定剤の種類や配合量を特定することによって
所期の目的を達成し得ることを見出し本発明を完成させ
るに至った。
すなわち、本発明はビチューメン組成物100重量部に
対し、導電性付与剤10〜40重量部、熱可塑性樹脂3〜30
重量部、分散安定剤0〜10重量部を配合してなる制電性
カーペットタイル用裏打材組成物を提供したものであ
り、制電性カーペットタイルとして必要な電気抵抗108
Ω・cm以下の数値を有する導電性機能を恒久的に発現
し、しかもカーペットタイル用裏打材としての供用性能
を兼ね備えた組成物である。
発明の構成 本発明において用いられるビチューメン組成物とは、
原油を蒸留精製する際に得られるストレートアスファル
ト、このストレートアスファルトを空気酸化して得られ
るブローンアスファルトおよび原油の蒸留残渣を溶剤精
製する際に得られるアスファルトの1種又は2種以上の
混合物である。
本発明で用いられるアスファルトとしては、針入度
(JIS2207:100g,5秒,25℃)が0〜150、特に0〜100、
軟化点(JIS2207,環状法)が40〜100℃、特に45〜80℃
であることが好ましい。
針入度がこの範囲を越え、軟化点もこの範囲を満たさ
ない場合には裏打材組成物は軟質化してしまい、60℃に
おける耐荷重変形性が低下してカーペットタイルの供用
時の硬さが十分でなくなるので好ましくない。
また、軟化点が前記の範囲を越えた場合には、溶融粘
度が高くなり、導電効果を得るための導電性付与剤を適
量配合することが困難となるので好ましくない。本発明
において用いられる導電性付与剤とは、カーペットタイ
ル用裏打材の電気抵抗を108Ω・cm以下に保つために所
定量添加される導電性物質粉末であり、各種金属粉、金
属酸化物粉、カーボンブラック等が挙げられるが、好ま
しいのは比表面積(窒素吸着量)が60m2/g以上で、かつ
DBP(ジブチルフタレート)吸油量が30〜490ml/100gの
カーボンブラックである。
該当するカーボンブラックとしては、アセチレンブラ
ック、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャン
ネルブラックなどが挙げられるが、比表面積(窒素吸着
量)およびDBP吸油量の値が前記の範囲内にあればカー
ボンブラックの種類を限定するものでない。
本発明でいうカーボンブラックとしては、比表面積
(窒素吸着量)が60m2/g以上でかつDBP吸油量が30〜490
ml/100g、特に比表面積(窒素吸着量)が80m2/g以上で
かつDBP吸油量が50〜450ml/100gのものが好ましい。
同一配合量で、比表面積(窒素吸着量)が60m2/gに満
たないカーボンブラックと、60m2/g以上のカーボンブラ
ックを添加した裏打材シートを作製して、シート状の試
験片の電気抵抗を測定したところ比表面積(窒素吸着
量)が60m2/gに満たないカーボンブラックを用いたもの
は、導電効果が十分でなく好ましくなかった。
導電効果を得ようとして比表面積(窒素吸着量)が60
m2/gを満たさないカーボンブラックを多く配合した場合
には増粘が著しく低温屈曲性が悪くなりひび割れなどを
起こす傾向があるので好ましくない。
DBP吸油量が30ml/100gに満たないカーボンブラック
は、分散がよくなく均一な導電効果が得られないので好
ましくない。
DBP吸油量が、490ml/100gを越えたカーボンブラック
は、裏打材の溶融粘度が高くなり加工が困難な上、カー
ボンブラックの分散が不均一となり易いので好ましくな
い。
カーボンブラックの配合量は、ビチューメン組成物に
対して10〜40重量部、特に15〜35重量部が好ましい。
カーボンブラックの配合量が、この範囲より少ない場
合には配合効果が認められず電気抵抗が十分でなく好ま
しくなく、一方この範囲を越えた場合には裏打材の溶融
粘度が高く加工が困難な上、調合に長時間を要し、更
に、低温屈曲性が悪くなりひび割れなどを起こす傾向が
あるので好ましくない。
本発明において用いられる熱可塑性樹脂とは、C2〜C4
のオレフィンの単独重合体あるいは共重合体である結晶
性ポリオレフィン、非晶性ポリオレフィン、C2〜C4のオ
レフィンと極性モノマーとの共重合体であり、これらは
単独でもまたは2種以上の混合物でも用いられる。
本発明で用いられる結晶性ポリオレフィンとしては、
分子量900〜4000、軟化点120℃以上を有する低分子量ポ
リエチレンが好ましい。分子量、軟化点がこの条件を満
たさない場合には配合効果が少なく、効果を得ようとし
て多く配合すれば低温屈曲性が低下して好ましくない。
結晶性ポリオレフィンの配合量はビチューメン組成物
100重量部に対して3〜30重量部、特に5〜20重量部が
好ましい。
配合量がこの範囲より少ない場合には、60℃における
耐荷重変形性が低下し高温領域の硬さが十分でないので
好ましくなく、一方、配合量がこの範囲を越える場合に
は低温屈曲性が低下し、組成物にヒビ割れなどが生じや
すくなるので好ましくない。
本発明で用いられる非晶性ポリオレフィンとしては、
メルトインデックス0.2〜20g/10minを有するエチレン−
αオレフィン共重合体が好ましい。メルトインデックス
がこの範囲に満たない場合、溶解性が良くなく調合に長
い時間を要し、また作業性も悪くなる。一方メルトイン
デックスがこの範囲を越える場合には組成物が軟質化
し、十分な硬さを得られず好ましくない。
非晶性ポリオレフィンの配合量はビチューメン組成物
100重量部に対して3〜30重量部、特に5〜20重量部が
好ましい。
配合量がこの範囲より少ない場合には配合の効果が少
なく導電性裏打材の硬さが十分に得られないので好まし
くなく、配合量がこの範囲を越える場合には溶融粘度が
高くなり、カーボンブラックの分散に悪影響を生じ均一
な導電性裏打材が得られないので好ましくない。
本発明に用いられるオレフィン−極性モノマー共重合
体としては、メルトインデックス0.2〜20g/10minを有す
るエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル
酸エチル共重合体が好ましい。
メルトインデックスがこの範囲に満たない場合には溶
解性が良くなく、調合に長時間を要し、作業性が悪くな
る。一方、メルトインデックスがこの範囲を越える場合
には組成物が軟質化して硬さが十分でなくなるため好ま
しくない。
オレフィン−極性モノマー共重合体の配合量は、ビチ
ューメン組成物に対して3〜30重量部、特に5〜20重量
部が好ましい。
配合量が、この範囲より少ない場合には導電性裏打材
組成物に要求される硬さがえられなくなるので好ましく
なく、配合量が、この範囲を越えた場合には溶融粘度が
高くなりカーボンブラックの分散に悪影響して均一な電
気抵抗がえられないので好ましくない。
本発明に用いられる分散安定剤とは、低酸価脱水縮合
脂肪酸の金属塩又はアミン塩である。
本発明に用いられる低酸価脱水縮合脂肪酸の金属塩又
はアミン塩は、脂肪酸と高級アルコールの誘導体を、ケ
ン化分解したのち脱水縮合し、これに金属の酸化物もし
くは水酸化物またはアミン類を反応させることにより製
造されるものである。
脂肪酸と高級アルコールの誘導体としては、合成ある
いは天然で得られるもので、脂肪酸はC10以上、高級ア
ルコールとしては一価もしくは二価以上のものを主成分
とする誘導体である。
金属酸化物としては、酸化マグネシウム、酸化アルミ
ニウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム等を、金属
水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化カルシ
ウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム等を、ま
たアミンとしてはメチルアミン、エチルアミン、プロピ
ルアミン、アニリン、ベンジルアミン等のモノアミン、
エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチ
レンジアミン等のジアミン、1,2,3,−トリアミノプロパ
ン、ジエチレントリアミン等のトリアミン類等が挙げら
れる。
低酸価脱水縮合脂肪酸の塩の中では特にマグネシウム
塩が好ましい。
本発明に用いられる分散安定剤は、滴点50℃以上を有
することが好ましい。滴点が50℃を満たさない場合には
組成物が軟質化して硬さが低下するので好ましくない。
分散安定剤は、導電性裏打材組成物の物性を損わない
程度であれば必要に応じて任意に配合できる。
配合量は、ビチューメン系組成物に対して0〜10重量
部、特に0〜5重量部が好ましい。
配合量が、この範囲を越える場合には60℃における耐
荷重変形性が低下して導電性バッキング材に要求される
硬さが十分でなくなるので好ましくない。
なお、本発明の制電性カーペットタイル用裏打材組成
物には、その物性を損わない程度であるならば必要に応
じて、一般にカーペット用裏打材に使用されている。例
えば炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、クレイなどの
充填剤を任意に適当量配合してもよい。
本発明の制電性カーペットタイル用裏打材組成物は、
ビチューメン組成物100重量部に対して、導電性付与剤1
0〜40重量部、特に15〜35重量部、熱可塑性樹脂3〜30
重量部、特に5〜20重量部、分散安定剤0〜10重量部、
特に0〜5重量部を配合し混練することによって製造さ
れる。混練は、150〜220℃の温度で10〜60分間、好まし
くは20〜40分間通常の混練機を用いて行なうことができ
る。
発明の効果 以上述べたように、本発明の制電性カーペットタイル
用裏打材組成物はビチューメン組成内と比表面積(窒素
吸着量)およびDBP吸油量が所定範囲内の導電性付与剤
を使用し、さらに、熱可塑性樹脂および分散安定剤を用
いたものであり、導電性付与剤が組成物中に凝集するこ
となく均一に分散しており、以下の如き効果を示す。
1)電気抵抗108Ω・cm以下の導電性組成物が得られる
こと。
2)高温貯蔵(160℃,48時間)時の電気抵抗の変化が少
ないこと、 3)溶融粘度が160℃で20000cp以下であること、 4)過度の増粘を起こさないので、従来の一般ビチュー
メン系裏打材の塗布工程にそのまま持ち込め、特別な施
工法を必要としないこと、 5)カーペットタイル用裏打材として低温屈曲性、耐荷
重変形性に優れていること。
従って、本発明のビチューメン系導電性裏打材組成物
は、制電性のカーペットタイル用裏打材組成物として好
適に使用できる。
実施例 以下、本発明を実施例および比較例によって更に具体
的に説明するが、本発明は下記の例によって限定される
ものではない。
実施例1〜11及び比較例1〜7 表−1及び表−2に示したビチューメン組成物、熱可
塑性樹脂、および導電性付与剤を電気加熱式ニーダーを
使用して加熱温度200℃、混合時間40分の条件で混練
し、18種類(実施例1〜11、比較例1〜7)の組成物を
製造した。配合した各種材料は下記の通りである。
1)ビチューメン組成物 イ)ストレートアスファルト(ST−AS)2種60/80;軟化
点49℃, 針入度(25℃)70、 150/200;軟化点39℃, 針入度(25℃)160。
ロ)溶剤脱瀝アスファルト(PDA)1種 軟化点62℃, 針入度(25℃)10。
ハ)ブローンアスファルト(B)2種 軟化点72℃,針入度(25℃)38、 軟化点110℃,針入度(25℃)20。
2)導電性付与剤 比表面積(窒素吸着量)24〜1270m2/g DBP吸油量28〜500ml/100g を有するカーボンブラック 3)熱可塑性樹脂 イ)オレフィン−極性モノマー共重合体 エチレン−エチルアクリレート共重合体 極性モノマー含有量(%)13〜20 メルトインデックス(g/10min)1.5〜30 ロ)非晶性ポリオレフィン エチレン−プロピレン共重合体 メルトインデックス(g/10min)3.5〜18 ハ)結晶性ポリオレフィン 低分子量ポリエチレン 軟化点110〜136℃ 分子量700〜4000 4)分散安定剤 滴点50℃以上を有する低酸価脱水縮合脂肪酸の金属塩
又はアミン塩 ディスパランOF−12(吉川製油社製) 滴点70℃ 針入度(25℃)25 これら18種類の組成物について、1)電気抵抗、2)
溶融粘度、3)低温屈曲性、4)耐荷重変形性、5)貯
蔵安定性および6)分散安定性を測定した。これらの結
果を表−1及び表−2に示す。
なお、表−1及び表−2中の各種物性の測定方法およ
び適性物性を以下に示す。
1)電気抵抗(Ω・cm) 測定環境 温度20℃、湿度60%の室内 シート厚 3mm 測定機 ハイデジスタンスメータ (横河ヒュレットバッカード社製) 電気抵抗は108Ω・cm以下であることが好ましい。
2)溶融粘度(cp) 測定温度 160℃ 測定機器 B型回転粘度計(東京計器社製) 溶融粘度は160℃において2000cp以下であることが好
ましい。
3)低温屈曲性(℃) JIS2207フラース脆化点試験方法に準拠 低温屈曲性は0℃以下であることが好ましい。
4)耐荷重変形性(1/10mm) JIS2207針入度試験方法に準拠して針の先端を平端
(直径1mm)に切断したものを用いて測定(100g,5秒,60
℃) 耐荷重変形性は100以下であることが好ましい。
5)貯蔵安定性 貯蔵温度 160℃ 貯蔵時間 48時間 貯蔵機器 恒温空気浴槽 電気抵抗に変化がみられないことが好ましい。
6)分散性 薄膜のフィルムを作成し電子顕微鏡を用いて分散性を
観察した。
評価基準 ○ カーボンブラックが凝集することなく均一に分散 × 凝集して斑点が識別 組成物中にカーボンブラックは凝集することなく均一
に分散していることが好ましい。
実施例1〜10の各カーペットタイル用導電性裏打材組
成物の物性評価は表−1に示した通りであり、配合の加
工性はいずれも良好で、40分以内にカーボンブラックが
十分均一に分散された。いずれも電気抵抗108Ω・cm以
下の導電性を有し、しかも溶融粘度(160℃)は20000cp
であった。
フラース脆化点測定法による低温屈曲性はいずれも0
℃を満足しており、低温領域では十分な屈曲性を示し
た。更に60℃における耐荷重変形性の値はいずれも100
以下を得ており、高温領域における硬さを備えている。
分散性についての薄膜のフィルムを作製し電子顕微鏡
を用いて観察したところ、カーボン粒子は凝集すること
なく均一に分散されていた。混練した組成物を160℃空
気恒温槽に48時間放置後の貯蔵安定性試験結果で、電気
抵抗および物性変化は殆どなかった。
実施例11は、実施例4と同一の配合処方で分散安定剤
を3重量部配合したものである。
分散安定剤を配合することにより混入加工性が向上し
た。
物性評価結果は表−1に示す通りであり、いずれの物
性も満足なものである。更に貯蔵安定性試験結果では、
電気抵抗その他物性変化は殆ど生じなかった。
従って実施例1〜11で製造した導電性裏打材組成物は
帯電防止性能として要求される電気抵抗108Ω・cm以下
の導電性を有し、かつカーペットタイル用裏打材として
求められる溶融粘度、低温屈曲性、耐荷重性能、および
安定性を満足しており、制電性カーペット用裏打材とし
て好適である。
比較例1は、吸油量(500ml/100g)の大きいカーボン
ブラックを配合した例である。配合量は8重量部と少な
いにもかかわらず、溶融粘度21000cpと高く、混入加工
性は良くなかった。このため加熱温度を250℃とし、60
分間混練した。
混練した組成物の物性評価結果は表−2の通りであ
る。電気抵抗2×1010Ω・cmと満足できるものではな
く、フラース脆化点測定法による低温屈曲性も十分でな
かった。
更に、60℃における耐荷重変形性は溶融粘度が高いに
もかかわらず200と高温領域における硬さは満足できる
ものではなかった。
分散性は混練時に加熱温度を上げて時間を長くしたの
で少しは良くなっているものの、実施例1〜11のような
均一な分散状態でなく凝集して肉眼でも確認できる。
比較例2は比表面積(24m2/g)吸油量(28ml/100g)
の小さいカーボンブラックを使用して配合した例であ
る。
配合量45重量部と多いにもかかわらず、混練して得ら
れた組成物の電気抵抗は5×1010Ω・cmと満足のいくも
のではなかった。
他の物性についても表−2に示した通り十分でなかっ
た。
比較例3は実施例9の熱可塑性樹脂配合量10重量部を
35重量部とした配合例である。
溶融粘度は29000cpと非常に高く、加工性の低下があ
った。
混練して得られた組成物の電気抵抗は6×1010Ω・cm
と、満足のいくものではなかった。
比較例4は実施例1で使用したストレートアスファル
トに替えて軟質のアスファルトを使用して配合した例で
ある。ただし、このアスファルトは軟化点39℃、針入度
(25℃)160のものである。
電気抵抗、溶融粘度、低温屈曲性、および分散性は満
足のいくものであるが、60℃における耐荷重変形性は19
0と高温領域の硬さとして十分なものではなかった。
比較例5は、高軟化点(110℃)を有するアスファル
トを使用して配合した例である。
比較的吸油量の小さいカーボンブラック(72ml/100
g)を10重量部配合しているものの、溶融粘度は28000cp
と非常に高い。
電気抵抗も7×1012Ω・cmと満足のできるものではな
かった。
比較例6は実施例4と同一の配合処方で分散安定剤を
15重量部配合した例である。
分散安定剤を多く配合することにより混入加工性が向
上する。
しかし60℃における耐荷重変形性は250と、高温領域
における硬さは低下しておりカーペットタイル用裏打材
組成物としての要求物性を満足していない。
比較例7は実施例2の熱可塑性樹脂を、エチレン−極
性モノマー共重合体中の極性モノマー含有量(20%)、
メルトインデックス(30g/10min)、低分子量ポリエチ
レンの分子量700、軟化点113℃のものに置き換えて配合
した例である。
電気抵抗、溶融粘度、低温屈曲性、分散性は満足した
ものであるが、60℃における耐荷重変形性は、130と高
温領域での硬さが十分でなかった。
前記、比較例1、2、3、5は溶融粘度が高く、しか
も電気抵抗は帯電防止性能として要求される108Ω・cm
以下の導電性裏打材組成物が得られなかった。
比較例4、6、7は導電性を有してはいるものの、高
温領域での硬さが十分でなくカーペットタイル用裏打材
として要求される供用性能を満足していない。
従って、比較例1〜7の組成物はカーペットタイル用
導電性裏打材組成物として実用に供しえないものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23:02)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビチューメン組成物100重量部に対し、導
    電性付与剤10〜40重量部、熱可塑性樹脂3〜30重量部、
    分散安定剤0〜10重量部を配合してなる制電性カーペッ
    トタイル用裏打材組成物。
  2. 【請求項2】ビチューメン組成物が、原油を蒸留精製す
    る際に得られるストレートアスファルト、ストレートア
    スファルトを空気酸化して得られるブローンアスファル
    トおよび原油の蒸留残渣を溶剤精製する際に得られるア
    スファルトの1種または2種以上の混合物であり、針入
    度(25℃)0〜150、軟化点40〜100℃の物性を有するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の制電性カー
    ペットタイル用裏打材組成物。
  3. 【請求項3】導電性付与剤が、比表面積(窒素吸着量)
    60m2/g以上で、DBP吸油量が30〜490ml/100gのカーボン
    ブラックであることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の制電性カーペットタイル用裏打材組成物。
  4. 【請求項4】熱可塑性樹脂が、結晶性ポリオレフィン、
    非晶性ポリオレフィンおよびオレフィン−極性モノマー
    共重合体の1種又は2種以上から選ばれたもので有るこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の制電性カー
    ペットタイル用裏打材組成物。
  5. 【請求項5】分散安定剤が、融点50℃以上を有す低酸価
    脱水縮合脂肪酸の金属塩またはアミン塩からなることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の制電性カーペッ
    トタイル用裏打材組成物。
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