JP2626723B2 - 自動工具交換装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） この発明は例えばマシニングセンタ等の工作機械に装
着される工具を自動的に交換する自動工具交換装置の改
良に関する。

（従来の技術） 一般に、例えばマシニングセンタ、或いは自動旋盤等
の工作機械には第４図に示すように工作機械本体１のタ
レットまたは刃物台等の工具保持部２とは別の位置に固
定式の工具収納マガジン３が配設され、工作機械本体１
の工具保持部２に装着されている工具４と工具収納マガ
ジン３内に収納されている各工具５…のうちの所定の工
具５とを工具交換アーム６、或いはロボット等によって
自動的に交換する自動工具交換装置を備えたものが知ら
れている。この場合、工具交換アーム６には工具4,5を
把持する工具把持部７が設けられているとともに、この
工具把持部７を昇降駆動する昇降駆動機構８、工具把持
部７を横方向に往復動作させる横移動機構９の搬送機構
が設けられている。そして、昇降駆動機構８および横移
動機構９の駆動にともない工具交換アーム６の工具把持
部７を工作機械本体１の工具保持部２と対応する位置か
ら工具収納マガジン３と対応する位置まで移動操作して
工具収納マガジン３の所定の工具５を工具保持部２側に
装着する工具装着動作を行なうとともに、工具保持部２
側から工具４を取外して工具収納マガジン３側に収納す
る工具戻し動作を行なうようになっている。

しかしながら、上記従来構成のものにあっては工作機
械本体１に固定式の工具収納マガジン３を設けていたの
で、工具交換時には交換工具4,5を工具保持部２と工具
収納マガジン３との間の比較的長い距離を移動させなけ
ればならない問題があった。そのため、工具交換作業に
時間がかかり易く、工作機械本体１の加工能率の向上を
図るうえで問題があった。さらに、工具交換時に工具交
換アーム６を工具保持部２と工具収納マガジン３との間
の比較的長い距離を移動させる搬送機構が必要になるの
で、自動工具交換装置全体が大形化する問題があった。
そのため、例えば小形の自動旋盤等のような小形の工作
機械には上記構成の自動工具交換装置を装着することが
できない問題があった。

（発明が解決しようとする問題点） 従来構成のものにあっては工具交換時には交換工具4,
5を工具保持部２と固定式の工具収納マガジン３との間
の比較的長い距離を移動させなければならないので、工
具交換作業に時間がかかり易く、工作機械本体１の加工
能率の向上を図るうえで問題があるとともに、工具交換
時に工具交換アーム６を工具保持部２と工具収納マガジ
ン３との間の比較的長い距離を移動させる搬送機構が必
要になるので、自動工具交換装置全体が大形化する問題
があり、小形の工作機械には自動工具交換装置を装着す
ることができない問題があった。

この発明は上記事情に着目してなされたもので、工具
交換時の交換工具の移動量を低減して工具交換作業の作
業能率の向上を図ることができるとともに、装置全体の
小形化を図ることができる自動工具交換装置を提供する
ことを目的とするものである。

［発明の構成］ （問題点を解決するための手段と作用） この発明は工作機械の加工部の工具保持部に取付けら
れている加工用工具を自動的に交換する工具交換アーム
の本体内に、工具を収納する収納マガジンを一体的に設
けたことにより、工具交換時の交換工具の移動量を低減
して工具交換作業の作業能率の向上を図るとともに、装
置全体の小形化を図るようにしたものである。

（実施例） 以下、この発明の一実施例を第１図を参照して説明す
る。第１図は第４図に示すようなマシニングセンタ、或
いは自動旋盤等の工作機械本体１に装着される自動工具
交換装置の要部の概略構成を示すもので、11は工具交換
アームの本体である。この工具交換アーム本体11は工作
機械本体１のタレットまたは刃物台等の工具保持部２の
上方位置に配設されている。この場合、工具交換アーム
本体11は工作機械本体１側に回動軸12を介して回動可能
に取付けられている。そして、この工具交換アーム本体
11は適宜のアーム旋回機構によって工具交換作業位置か
ら適宜の待機位置まで回動軸12を中心に回動操作される
ようになっている。

また、この工具交換アーム本体11には工具収納マガジ
ン13が一体的に装着されている。この工具収納マガジン
13には工具14を収納する多数の工具収納部15…が無端ベ
ルト状に並設されている。そして、この工具収納マガジ
ン13の工具収納部15…は工具交換アーム本体11内に装着
された図示しないマガジン駆動機構によって正逆方向に
回転駆動されるようになっている。

さらに、工具交換アーム本体11には下方向に延出可能
な操作アーム16が装着されている。この操作アーム16は
図示しない適宜の操作アーム駆動機構によって工具交換
アーム本体11の下方向に向けて延出された延出位置から
工具交換アーム本体11内側に収容された収容位置まで駆
動されるようになっているとともに、延出位置と収容位
置との間の中立位置で停止可能になっている。さらに、
この操作アーム16の下端部にはグリッパ（工具把持具）
17が配設されている。このグリッパ17の両端部には工具
14を把持する一対の挟持片17a,17bがそれぞれ設けられ
ている。また、このグリッパ17は操作アーム16に装着さ
れたグリッパ駆動機構18によって支軸19を中心に回転自
在に支持されている。

次に、上記構成の作用について説明する。まず、工作
機械本体１の工具保持部２に装着されている旧工具４と
工具収納マガジン13内の各工具収納部15…内の所定の工
具14とを交換する工具交換作業時には工具交換アーム本
体11をアーム旋回機構によって適宜の待機位置から工具
交換作業位置まで回動軸12を中心に回動操作させる。次
に、工具交換アーム本体11の工具収納マガジン13内の工
具収納部15…をマガジン駆動機構によって正転方向、或
いは逆転方向に回転駆動させ、各工具収納部15…内に収
納されている多数の工具14…のうちの所定の工具14を工
具交換アーム本体11の最下部の工具取出し位置にセット
させる。この状態でグリッパ17の上端側の挟持片17a,17
bによって工具交換アーム本体11の最下部にセットされ
た新工具14を挟持させる。そして、グリッパ17によって
工具14を挟持させたのち、操作アーム駆動機構によって
操作アーム16を下降させて新工具14を工具収納マガジン
13内から抜取る。続いて、操作アーム駆動機構によって
操作アーム16を工具交換アーム本体11の下方向の延出位
置まで下降させ、グリッパ17の下端側の挟持片17a,17b
によって工作機械本体１の工具保持部２に装着されてい
る旧工具４を挟持させる。さらに、旧工具４をグリッパ
17の下端部の挟持片17a,17bによって挟持させた状態で
操作アーム駆動機構によって操作アーム16を中立位置ま
で上昇させ、旧工具４を工作機械本体１の工具保持部２
から抜取る。そして、中立位置でグリッパ17をグリッパ
駆動機構18によって180゜回転操作させてこのグリッパ1
7の下側に新工具14、上側に旧工具４をそれぞれ配置さ
せる。この状態で再び操作アーム16を延出位置まで下降
させ、新工具14を工作機械本体１の工具保持部２に装着
させる。さらに、新工具14を工作機械本体１の工具保持
部２に装着させたのち、操作アーム駆動機構によって操
作アーム16を上昇させ、工具交換アーム本体11内の収容
位置まで移動させて旧工具４を工具交換アーム本体11の
最下部の工具収納部15内に収納させる。そして、この工
具交換作業の終了後、工具交換アーム本体11をアーム旋
回機構によって工具交換作業位置から適宜の待機位置ま
で回動軸12を中心に回動操作させ、この待機位置で待機
させる。

そこで、上記構成のものにあっては工具交換アーム本
体11内に工具収納マガジン13を一体的に装着したので、
工作機械本体１の工具保持部２に装着されている旧工具
４と工具収納マガジン13内の各工具収納部15…内の所定
の工具14とを交換する工具交換持の交換工具4,14の移動
量を従来に比べて大幅に低減することができ、従来に比
べて工具交換作業の作業能率の向上を図ることができ
る。さらに、従来のように工具交換時に工具交換アーム
６を工具保持部２と固定式の工具収納マガジン３との間
の比較的長い距離を移動させる搬送機構を不要にするこ
とができるので、自動工具交換装置全体の小形化を図る
ことができ、従来自動工具交換装置の装着が困難であっ
た小形の工作機械であっても容易に装着することができ
る。

なお、この発明は上記実施例に限定されるものではな
い。例えば、第２図に示す第２の実施例のように複数の
工具21…を収納する縦溝22が横方向に複数段並設された
工具収納マガジン23を工具交換アーム本体11に一体的に
装着する構成にしてもよい。この場合、工具交換アーム
本体11には工具収納マガジン23を横方向に移動操作する
駆動機構を設け、工具収納マガジン23の工具取出し位置
に各縦溝22内の工具21…をそれぞれセットできるように
なっている。

また、第３図は第３の実施例を示すものである。これ
は、加工用工具を自動的に交換する工具交換アーム本体
11内に、５角柱状の工具収納マガジン34を一体的に設け
たものである。この工具収納マガジン34には５角柱状の
回転ドラム31が設けられている。さらに、この回転ドラ
ム31の各側面には複数の工具32…を収納する縦溝33がそ
れぞれ配設されている。

そして、本実施例では回転ドラム31の回転にともない
５角柱状の各側面の縦溝33に収納されている工具32をグ
リッパ17による工具取出し位置にセットできるようにな
っている。

さらに、その他この発明の要旨を逸脱しない範囲で種
々変形実施できることは勿論である。

［発明の効果］ この発明によれば工作機械の加工部の工具保持部に取
付けられている加工用工具を自動的に交換する工具交換
アームの本体内に、工具を収納する収納マガジンを一体
的に設けたので、工具交換時の交換工具の移動量を低減
して工具交換作業の作業能率の向上を図るとともに、装
置全体の小形化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の第１の実施例を示す要部の斜視図、
第２図はこの発明の第２の実施例を示す要部の斜視図、
第３図はこの発明の第３の実施例を示す要部の斜視図、
第４図は従来例を示す斜視図である。 １……工作機械本体、２……工具保持部、11……工具交
換アーム本体、13,23,34……工具収納マガジン、14,21,
32……工具。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】工作機械の加工部の工具保持部に取付けら
   れている加工用工具を自動的に交換する工具交換アーム
   の本体内に、工具を収納する収納マガジンを一体的に設
   けたことを特徴とする自動工具交換装置。