JP2625923B2 - 切削工具用表面被覆サーメット - Google Patents
切削工具用表面被覆サーメットInfo
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- JP2625923B2 JP2625923B2 JP63173466A JP17346688A JP2625923B2 JP 2625923 B2 JP2625923 B2 JP 2625923B2 JP 63173466 A JP63173466 A JP 63173466A JP 17346688 A JP17346688 A JP 17346688A JP 2625923 B2 JP2625923 B2 JP 2625923B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、被覆層のサーメット基体への付着性にす
ぐれ、特に高速切削や、高送りおよび高切込みなどの重
切削に切削工具として用いた場合にも被覆層の剥離が著
しく抑制され、すぐれた耐摩耗性を示す表面被覆サーメ
ットに関するものである。
ぐれ、特に高速切削や、高送りおよび高切込みなどの重
切削に切削工具として用いた場合にも被覆層の剥離が著
しく抑制され、すぐれた耐摩耗性を示す表面被覆サーメ
ットに関するものである。
従来、一般に、鋼などの切削に切削工具として、 結合相形成成分としてのCo,Ni、およびFe（鉄族金
属）のうちの１種以上:5〜30％、 を含有し、残りが硬質分散相形成成分としての組成式：
（Ti,M）CN（ただしＭはTa,Nb,W、およびMoのうちの１
種以上からなる）で現わされる金属炭窒化物固溶体およ
び不可避不純物からなる組成（以上重量％、以下％は重
量％を示す）を有するサーメット基体の表面に、化学蒸
着法（CVD法）や物理蒸着法（PVD法）を用い、炭化チタ
ン、窒化チタン、および炭窒化チタン（以下、それぞれ
TiC、TiN、およびTiCNを示す）のうちの１種の単層また
は２種以上の複層からなる被覆層を0.5〜20μｍの平均
層厚で形成してなる表面被覆サーメットが用いられてい
る。
属）のうちの１種以上:5〜30％、 を含有し、残りが硬質分散相形成成分としての組成式：
（Ti,M）CN（ただしＭはTa,Nb,W、およびMoのうちの１
種以上からなる）で現わされる金属炭窒化物固溶体およ
び不可避不純物からなる組成（以上重量％、以下％は重
量％を示す）を有するサーメット基体の表面に、化学蒸
着法（CVD法）や物理蒸着法（PVD法）を用い、炭化チタ
ン、窒化チタン、および炭窒化チタン（以下、それぞれ
TiC、TiN、およびTiCNを示す）のうちの１種の単層また
は２種以上の複層からなる被覆層を0.5〜20μｍの平均
層厚で形成してなる表面被覆サーメットが用いられてい
る。
しかし、近年の切削の高速化および省力化に伴い、高
速切削や重切削を余儀無くされつつあるが、上記の従来
表面被覆サーメットの場合、サーメット基体表面に対す
る被覆層の付着強度が相対的に低いことが原因で、これ
を高速切削や重切削に使用すると、被覆層が剥離し易
く、これが摩耗の進行を促進し、短かい使用寿命しか示
さないのが現状である。
速切削や重切削を余儀無くされつつあるが、上記の従来
表面被覆サーメットの場合、サーメット基体表面に対す
る被覆層の付着強度が相対的に低いことが原因で、これ
を高速切削や重切削に使用すると、被覆層が剥離し易
く、これが摩耗の進行を促進し、短かい使用寿命しか示
さないのが現状である。
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、上記
の従来表面被覆サーメットに着目し、これの被覆層のサ
ーメット基体表面に対する付着強度を向上せしめるべく
研究を行った結果、前記従来表面被覆サーメットを構成
するサーメット基体（以下、従来サーメット基体とい
う）の焼結は、通常、 （ａ） 常温から焼結温度、あるいは焼結温度手前まで
の昇温過程を真空雰囲気とし、（ｂ） 焼結温度に保持
する間を窒素雰囲気とし（焼結温度に昇温する手前から
窒素雰囲気としてもよい）、 （ｃ） 焼結温度から常温までの冷却を真空雰囲気ある
いは不活性ガス雰囲気とする、 以上（ａ）〜（ｃ）の条件によって行なわれているが、
これを、 （１） 常温から焼結温度までの昇温を真空雰囲気で行
なう間に、昇温過程の所定の温度範囲をCoなどによる滲
炭雰囲気とし、 （２） かつ焼結温度に保持する間を真空雰囲気とし、 （３） 焼結温度から常温までの冷却は同様に真空雰囲
気あるいは不活性ガス雰囲気とする、 以上（１）〜（３）の条件とすると、上記（ａ）〜
（ｃ）の条件で焼結された従来サーメット基体において
は、第１図に示されるように表面部に、C/（Ｃ＋Ｎ）比
が内部から表面に向って連続的に低くなる濃度勾配をも
つと共に、表面のC/（Ｃ＋Ｎ）比が、0.33〜0.40である
表面炭素貧化層が形成されていたものが、上記（１）〜
（３）の条件で焼結されたサーメット基体では、同じく
第１図に示されるように、これとは反対に、表面部に
は、C/（Ｃ＋Ｎ）比が内部から表面に向って連続的に高
くなる濃度勾配をもつと共に、表面のC/（Ｃ＋Ｎ）比が
0.83〜0.90である表面炭素富化層が形成されるようにな
り、この状態で、CVD法やPVD法により被覆層を形成する
と、この被覆層のサーメット基体に対する密着性は著し
く強固なものとなり、これを高速切削や重切削に切削工
具として用いた場合にも、被覆層の剥離は著しく抑制さ
れるようになることから、すぐれた耐摩耗性を長期に亘
って発揮するという知見を得たのである。
の従来表面被覆サーメットに着目し、これの被覆層のサ
ーメット基体表面に対する付着強度を向上せしめるべく
研究を行った結果、前記従来表面被覆サーメットを構成
するサーメット基体（以下、従来サーメット基体とい
う）の焼結は、通常、 （ａ） 常温から焼結温度、あるいは焼結温度手前まで
の昇温過程を真空雰囲気とし、（ｂ） 焼結温度に保持
する間を窒素雰囲気とし（焼結温度に昇温する手前から
窒素雰囲気としてもよい）、 （ｃ） 焼結温度から常温までの冷却を真空雰囲気ある
いは不活性ガス雰囲気とする、 以上（ａ）〜（ｃ）の条件によって行なわれているが、
これを、 （１） 常温から焼結温度までの昇温を真空雰囲気で行
なう間に、昇温過程の所定の温度範囲をCoなどによる滲
炭雰囲気とし、 （２） かつ焼結温度に保持する間を真空雰囲気とし、 （３） 焼結温度から常温までの冷却は同様に真空雰囲
気あるいは不活性ガス雰囲気とする、 以上（１）〜（３）の条件とすると、上記（ａ）〜
（ｃ）の条件で焼結された従来サーメット基体において
は、第１図に示されるように表面部に、C/（Ｃ＋Ｎ）比
が内部から表面に向って連続的に低くなる濃度勾配をも
つと共に、表面のC/（Ｃ＋Ｎ）比が、0.33〜0.40である
表面炭素貧化層が形成されていたものが、上記（１）〜
（３）の条件で焼結されたサーメット基体では、同じく
第１図に示されるように、これとは反対に、表面部に
は、C/（Ｃ＋Ｎ）比が内部から表面に向って連続的に高
くなる濃度勾配をもつと共に、表面のC/（Ｃ＋Ｎ）比が
0.83〜0.90である表面炭素富化層が形成されるようにな
り、この状態で、CVD法やPVD法により被覆層を形成する
と、この被覆層のサーメット基体に対する密着性は著し
く強固なものとなり、これを高速切削や重切削に切削工
具として用いた場合にも、被覆層の剥離は著しく抑制さ
れるようになることから、すぐれた耐摩耗性を長期に亘
って発揮するという知見を得たのである。
この発明は、上記知見にもとづいてなされたものであ
って、 結合相形成成分としてのCo,Ni、およびFeのうちの１
種以上:5〜30％、を含有し、残りが硬質分散相形成成分
としての組成式：（Ti,M）CN（ただし、ＭはTa,Nb,W、
およびMoのうちの１種以上からなる）で現わされる金属
炭窒化物固溶体および不可避不純物からなる組成を有
し、かつ表面部に、C/（Ｃ＋Ｎ）比が内部から表面に向
って連続的に高くなる濃度勾配をもつと共に、表面のC/
（Ｃ＋Ｎ）比が0.83〜0.90である表面炭素富化層を形成
してなるサーメット基体の表面に、TiC,TiN、およびTiC
Nのうちの１種の単層または２種以上の複層からなる被
覆層を0.5〜20μｍの平均層厚で形成してなる切削工具
用表面被覆サーメット、 に特徴を有するものである。
って、 結合相形成成分としてのCo,Ni、およびFeのうちの１
種以上:5〜30％、を含有し、残りが硬質分散相形成成分
としての組成式：（Ti,M）CN（ただし、ＭはTa,Nb,W、
およびMoのうちの１種以上からなる）で現わされる金属
炭窒化物固溶体および不可避不純物からなる組成を有
し、かつ表面部に、C/（Ｃ＋Ｎ）比が内部から表面に向
って連続的に高くなる濃度勾配をもつと共に、表面のC/
（Ｃ＋Ｎ）比が0.83〜0.90である表面炭素富化層を形成
してなるサーメット基体の表面に、TiC,TiN、およびTiC
Nのうちの１種の単層または２種以上の複層からなる被
覆層を0.5〜20μｍの平均層厚で形成してなる切削工具
用表面被覆サーメット、 に特徴を有するものである。
つぎに、この発明の表面被覆サーメットにおいて、上
記の通りに数値限定した理由を説明する。
記の通りに数値限定した理由を説明する。
（ａ） 結合相形成成分の含有量 これらの成分には、硬質分散相を強固に結合し、サー
メット基体に強度および靭性を付与する作用があるが、
その含有量が５％未満では前記作用に所望の効果が得ら
れず、一方その含有量が30％を越えると、サーメット基
体の耐摩耗性が低下するようになることから、その含有
量を５〜30％と定めた。
メット基体に強度および靭性を付与する作用があるが、
その含有量が５％未満では前記作用に所望の効果が得ら
れず、一方その含有量が30％を越えると、サーメット基
体の耐摩耗性が低下するようになることから、その含有
量を５〜30％と定めた。
（ｂ） C/（Ｃ＋Ｎ）比 この比は第１図に示される実施結果から定めたもので
あって、その比が0.83未満ではサーメット基体表面と被
覆層との間に所望のすぐれた付着強度を確保することが
できず、一方その比が0.90を越えると表面炭素富化層が
急激に脆化するようになり、切刃に欠けやチッピング
（微小欠け）などが発生し易くなるという理由によるも
のである。
あって、その比が0.83未満ではサーメット基体表面と被
覆層との間に所望のすぐれた付着強度を確保することが
できず、一方その比が0.90を越えると表面炭素富化層が
急激に脆化するようになり、切刃に欠けやチッピング
（微小欠け）などが発生し易くなるという理由によるも
のである。
（ｃ） 被覆層の平均層厚 その平均層厚が0.5μｍ未満では、被覆層形成に伴な
う所望の耐摩耗性向上効果が得られず、一方その平均層
厚が20μｍを越えると、耐欠損性が低下し、チッピング
や欠けが発生し易くなることから、その平均層厚を0.5
〜20μｍと定めた。
う所望の耐摩耗性向上効果が得られず、一方その平均層
厚が20μｍを越えると、耐欠損性が低下し、チッピング
や欠けが発生し易くなることから、その平均層厚を0.5
〜20μｍと定めた。
なお、この発明の表面被覆サーメットにおけるサーメ
ット基体表面部の表面炭素富化層は、上記のようにサー
メット基体の焼結を真空雰囲気で行ない、しかし焼結温
度への昇温過程における所定の温度範囲を滲炭雰囲気と
することによって形成されるが、その深さ（厚さ）は、
配合組成、滲炭雰囲気開始および終了温度、昇温速度、
並びに雰囲気圧力などを制御することにより調整するこ
とができる。
ット基体表面部の表面炭素富化層は、上記のようにサー
メット基体の焼結を真空雰囲気で行ない、しかし焼結温
度への昇温過程における所定の温度範囲を滲炭雰囲気と
することによって形成されるが、その深さ（厚さ）は、
配合組成、滲炭雰囲気開始および終了温度、昇温速度、
並びに雰囲気圧力などを制御することにより調整するこ
とができる。
つぎに、この発明の表面被覆サーメットを実施例によ
り具体的に説明する。
り具体的に説明する。
原料粉末として、いずれも１〜1.5μｍの範囲内の平
均粒径を有するTiCN粉末、TiC粉末、NbC粉末、WC粉末、
Mo2C粉末、Co粉末、Ni粉末、およびFe粉末を用意し、こ
れらの原料粉末をそれぞれ第１表に示される配合組成に
配合し、ボールミルにて72時間湿式混合し、乾燥した
後、1ton/cm2の圧力で圧粉体にプレス成形し、ついで、
この圧粉体を、 常温〜1100℃:10-2torrの真空、 1100〜1200℃:10-1torrのCO雰囲気、 1200〜1450℃:10-2torrの真空、 1450℃に１時間保持:10-2torrの真空、 1450℃〜常温（冷却）:10torrのAr雰囲気、 の条件（以下焼結条件Ａという）で焼結して、Co、Ni、
およびFeのうちの１種以上からなる結合相形成成分をそ
れぞれ第１表に示される配合量と実質的に同じ量含有
し、残りが硬質分散相形成成分としての組成式：（Ti,
M）・CNを有する金属炭窒化物固溶体と不可避不純物か
らなる組成を有し、かつ表面部にいずれも内部から表面
に向って連続的にC/（Ｃ＋Ｎ）比が高くなる濃度勾配を
もち、かつ表面のC/（Ｃ＋Ｎ）比が第１表に示される値
の表面炭素富化層が形成されたサーメット基体Ａ〜Ｌを
製造し、引続いてこれらのサーメット基体Ａ〜Ｌの表面
に、通常の物理蒸着装置であるイオンプレーティング装
置を用い、通常の条件で同じく第２表に示される組成お
よび平均層厚の被覆層を形成することによって本発明表
面被覆サーメット１〜12をそれそれ製造した。なお、第
１表にはサーメット基体Ａ〜Ｌの表面から深さ:1mmの個
所（内部）のC/（Ｃ＋Ｎ）比も合せて示した。
均粒径を有するTiCN粉末、TiC粉末、NbC粉末、WC粉末、
Mo2C粉末、Co粉末、Ni粉末、およびFe粉末を用意し、こ
れらの原料粉末をそれぞれ第１表に示される配合組成に
配合し、ボールミルにて72時間湿式混合し、乾燥した
後、1ton/cm2の圧力で圧粉体にプレス成形し、ついで、
この圧粉体を、 常温〜1100℃:10-2torrの真空、 1100〜1200℃:10-1torrのCO雰囲気、 1200〜1450℃:10-2torrの真空、 1450℃に１時間保持:10-2torrの真空、 1450℃〜常温（冷却）:10torrのAr雰囲気、 の条件（以下焼結条件Ａという）で焼結して、Co、Ni、
およびFeのうちの１種以上からなる結合相形成成分をそ
れぞれ第１表に示される配合量と実質的に同じ量含有
し、残りが硬質分散相形成成分としての組成式：（Ti,
M）・CNを有する金属炭窒化物固溶体と不可避不純物か
らなる組成を有し、かつ表面部にいずれも内部から表面
に向って連続的にC/（Ｃ＋Ｎ）比が高くなる濃度勾配を
もち、かつ表面のC/（Ｃ＋Ｎ）比が第１表に示される値
の表面炭素富化層が形成されたサーメット基体Ａ〜Ｌを
製造し、引続いてこれらのサーメット基体Ａ〜Ｌの表面
に、通常の物理蒸着装置であるイオンプレーティング装
置を用い、通常の条件で同じく第２表に示される組成お
よび平均層厚の被覆層を形成することによって本発明表
面被覆サーメット１〜12をそれそれ製造した。なお、第
１表にはサーメット基体Ａ〜Ｌの表面から深さ:1mmの個
所（内部）のC/（Ｃ＋Ｎ）比も合せて示した。
また、比較の目的で、圧粉体を、 （１） 常温〜1100℃:10-2torrの真空、 1100〜1450℃:1torrの窒素雰囲気、 1450℃に１時間保持:1torrの窒素雰囲気、 1450℃〜常温（冷却）:10torrのAr雰囲気、 の条件（以下、焼結条件Ｂという）、 （２） 常温〜1450℃:10-2torrの真空、 1450℃に１時間保持:1torrの窒素雰囲気、 1450℃〜常温（冷却）:10-2torrの真空、 の条件（以下、焼結条件Ｃという）、 以上（１）または（２）の焼結条件で焼結を行なう以外
は、同一の条件にて表面および内部のC/（Ｃ＋Ｎ）比が
それぞれ第３表に示される値をもち、かつC/（Ｃ＋Ｎ）
比が内部から表面に向って連続的に低くなる濃度勾配を
もった表面炭素貧化層が表面部に形成されたサーメット
基体ａ〜ｌをそれぞれ形成し、これに同じく同一の条件
で硬質層を形成することにより第４表に示される通りの
従来表面被覆サーメット１〜12をそれぞれ製造した。
は、同一の条件にて表面および内部のC/（Ｃ＋Ｎ）比が
それぞれ第３表に示される値をもち、かつC/（Ｃ＋Ｎ）
比が内部から表面に向って連続的に低くなる濃度勾配を
もった表面炭素貧化層が表面部に形成されたサーメット
基体ａ〜ｌをそれぞれ形成し、これに同じく同一の条件
で硬質層を形成することにより第４表に示される通りの
従来表面被覆サーメット１〜12をそれぞれ製造した。
また、上記本発明表面被覆サーメット１〜12および従
来表面被覆サーメット１〜12の製造に際して得られたサ
ーメット基体表面部におけるC/（Ｃ＋Ｎ）比を 表面からの距離（深さ）に関してプロットした結果を第
１図に示した。すなわち第１図のそれぞれの帯域内にプ
ロットが存在するものである。
来表面被覆サーメット１〜12の製造に際して得られたサ
ーメット基体表面部におけるC/（Ｃ＋Ｎ）比を 表面からの距離（深さ）に関してプロットした結果を第
１図に示した。すなわち第１図のそれぞれの帯域内にプ
ロットが存在するものである。
ついで、この結果得られた各種の表面被覆サーメット
を切削工具として用い、 被削材:SCM440（HB230）、 切削速度:300m/min.、 送り:0.3mm/rev.、 切込み:2mm、 切削時間:20min.、 の条件で鋼の連続高速切削試験を行ない、試験後、切刃
の逃げ面摩耗幅を測定すると共に、被覆層の剥離の有無
を観察した。この結果を第2,4表に示した。
を切削工具として用い、 被削材:SCM440（HB230）、 切削速度:300m/min.、 送り:0.3mm/rev.、 切込み:2mm、 切削時間:20min.、 の条件で鋼の連続高速切削試験を行ない、試験後、切刃
の逃げ面摩耗幅を測定すると共に、被覆層の剥離の有無
を観察した。この結果を第2,4表に示した。
第１〜４表に示される結果から明らかなように、本発
明表面被覆サーメット１〜12は、いずれも被覆層のサー
メット基体への密着姓にすぐれているので、被覆層に剥
離現象は見られず、したがってすぐれた耐摩耗姓を示す
のに対して、従来表面被覆サーメット１〜12は、いずれ
も被覆層のサーメット基体への密着性が不十分なので、
被覆層に剥離が発生し、耐摩耗性の劣ったものになって
いる。
明表面被覆サーメット１〜12は、いずれも被覆層のサー
メット基体への密着姓にすぐれているので、被覆層に剥
離現象は見られず、したがってすぐれた耐摩耗姓を示す
のに対して、従来表面被覆サーメット１〜12は、いずれ
も被覆層のサーメット基体への密着性が不十分なので、
被覆層に剥離が発生し、耐摩耗性の劣ったものになって
いる。
上述のように、この発明の表面被覆サーメットは、こ
れを構成する被覆層のサーメット基体への付着強度が、
サーメット基体表面部に形成された表面炭素富化層、す
なわち内部から表面に向ってC/（Ｃ＋Ｎ）比が連続的に
高くなる濃度勾配を有する表面炭素富化層によって著し
く向上したものになっているので、これを高速切削や重
切削などの過酷な切削条件下で切削工具として使用して
も被覆層に剥離が発生することはなく、すぐれた耐摩耗
性を示すのである。
れを構成する被覆層のサーメット基体への付着強度が、
サーメット基体表面部に形成された表面炭素富化層、す
なわち内部から表面に向ってC/（Ｃ＋Ｎ）比が連続的に
高くなる濃度勾配を有する表面炭素富化層によって著し
く向上したものになっているので、これを高速切削や重
切削などの過酷な切削条件下で切削工具として使用して
も被覆層に剥離が発生することはなく、すぐれた耐摩耗
性を示すのである。
第１図はサーメット基体の表面部におけるC/（Ｃ＋Ｎ）
比を表面からの距離に関してプロットした結果を示した
図である。
比を表面からの距離に関してプロットした結果を示した
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−278266（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−39001（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−278265（ＪＰ，Ａ)
Claims (1)
- 【請求項１】結合相形成成分としてのCo,Ni、およびFe
のうちの１種以上:5〜30重量％、 を含有し、残りが硬質分散相形成成分としての組成式：
（Ti,M）CN（ただし、ＭはTa,Nb,W、およびMoのうちの
１種以上からなる）で現わされる金属炭窒化物固溶体お
よび不可避不純物からなる組成を有し、かつ表面部に、
C/（Ｃ＋Ｎ）比が内部から表面に向って連続的に高くな
る濃度勾配をもつと共に、表面のC/（Ｃ＋Ｎ）比が0.83
〜0.90である表面炭素富化層を形成してなるサーメット
基体の表面に、炭化チタン、窒化チタン、および炭窒化
チタンのうちの１種の単層または２種以上の複層からな
る被覆層を0.5〜20μｍの平均層厚で形成してなる切削
工具用表面被覆サーメット。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63173466A JP2625923B2 (ja) | 1988-07-12 | 1988-07-12 | 切削工具用表面被覆サーメット |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63173466A JP2625923B2 (ja) | 1988-07-12 | 1988-07-12 | 切削工具用表面被覆サーメット |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0222455A JPH0222455A (ja) | 1990-01-25 |
| JP2625923B2 true JP2625923B2 (ja) | 1997-07-02 |
Family
ID=15961000
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63173466A Expired - Fee Related JP2625923B2 (ja) | 1988-07-12 | 1988-07-12 | 切削工具用表面被覆サーメット |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2625923B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5436071A (en) * | 1990-01-31 | 1995-07-25 | Mitsubishi Materials Corporation | Cermet cutting tool and process for producing the same |
| JP2985300B2 (ja) * | 1990-12-25 | 1999-11-29 | 三菱マテリアル株式会社 | 硬質層被覆サーメット |
| DE10002861A1 (de) * | 2000-01-24 | 2001-08-09 | Walter Ag | Zerspannungswerkzeug mit Carbonitrid-Beschichtung |
| CN101890476B (zh) * | 2010-07-14 | 2012-07-04 | 华中科技大学 | 一种无磁金属陶瓷模具及其制备方法 |
| CN103282147B (zh) * | 2010-12-25 | 2014-10-08 | 京瓷株式会社 | 切削工具 |
| JP6380016B2 (ja) * | 2014-11-05 | 2018-08-29 | 株式会社タンガロイ | サーメット工具および被覆サーメット工具 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6039001A (ja) * | 1983-08-12 | 1985-02-28 | Nippon Tungsten Co Ltd | 切削工具材料およびその製造方法 |
| JPS62278265A (ja) * | 1986-05-24 | 1987-12-03 | Hitachi Tool Eng Ltd | 表面被覆ＴｉＣＮ系サ−メツト |
-
1988
- 1988-07-12 JP JP63173466A patent/JP2625923B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0222455A (ja) | 1990-01-25 |
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