JP2622916B2 - 石綿飛散防止処理方法 - Google Patents
石綿飛散防止処理方法Info
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- JP2622916B2 JP2622916B2 JP4222015A JP22201592A JP2622916B2 JP 2622916 B2 JP2622916 B2 JP 2622916B2 JP 4222015 A JP4222015 A JP 4222015A JP 22201592 A JP22201592 A JP 22201592A JP 2622916 B2 JP2622916 B2 JP 2622916B2
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- asbestos
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- acrylic resin
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、石綿の飛散防止処理方
法に関するものである。
法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】周知のように、石綿は、引張り強さが
極めて大きい。表面積が大きく、セメントなどとの親
和性に優れている。燃えないで高温に耐える。酸や
アルカリなどの薬品に侵されにくい。耐候性に優れて
いる。柔軟で、かつ摩耗に耐えるなどの優れた性質が
ある。また、石綿は、天然に産するもので、安価である
ことから、建築材料などに広範囲に使用されてきた。
極めて大きい。表面積が大きく、セメントなどとの親
和性に優れている。燃えないで高温に耐える。酸や
アルカリなどの薬品に侵されにくい。耐候性に優れて
いる。柔軟で、かつ摩耗に耐えるなどの優れた性質が
ある。また、石綿は、天然に産するもので、安価である
ことから、建築材料などに広範囲に使用されてきた。
【０００３】しかし、大気中に石綿繊維が飛散すると、
これが人体に著しく有害であることが指摘され、大きな
社会問題となっている。このため、石綿を含む建築材料
（以下、石綿含有物という）の経済的劣化や破損あるい
は解体などにより、石綿繊維が大気中に飛散するのを防
止する対策が必要となっている。
これが人体に著しく有害であることが指摘され、大きな
社会問題となっている。このため、石綿を含む建築材料
（以下、石綿含有物という）の経済的劣化や破損あるい
は解体などにより、石綿繊維が大気中に飛散するのを防
止する対策が必要となっている。
【０００４】従来、石綿の飛散防止処理法として、石綿
含有物の表面に乾燥後に硬化して被膜を形成する処理剤
をコーティングし石綿を封じ込める方法や、石綿含有物
の内部に処理剤を浸透させて硬化させる方法などが知ら
れている。
含有物の表面に乾燥後に硬化して被膜を形成する処理剤
をコーティングし石綿を封じ込める方法や、石綿含有物
の内部に処理剤を浸透させて硬化させる方法などが知ら
れている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
石綿の飛散防止に使用する処理剤として、種々のものが
提案されているが、これらは一般に多量の合成樹脂を含
むものである。また、特公昭６３−５５５４６号公報に
開示されているアスベスト公害排除組成物には難燃剤と
して塩素化パラフィンが含まれている。このため、上述
したような従来の石綿の処理剤は、火災時に多量の煙や
有毒ガスを発生し、建築基準法の内装制限に関する建築
物に使用することができない。つまり、従来の石綿処理
剤を使用した場合、建設省告示第１２３１号の規定によ
る表面試験において、準不燃材としての基準を満たすこ
とができない。また、耐火被覆材などのように石綿含有
物の厚さが厚い場合、表面に被膜を形成する処理剤単独
では被膜を形成しにくい場合がある。一方、石綿含有物
の内部に浸透させる処理剤単独では表面に充分な厚さの
被膜が形成されない場合もあり、耐摩耗性等を考慮する
と、封じ込め効果は必ずしも充分なものとはいえない。
石綿の飛散防止に使用する処理剤として、種々のものが
提案されているが、これらは一般に多量の合成樹脂を含
むものである。また、特公昭６３−５５５４６号公報に
開示されているアスベスト公害排除組成物には難燃剤と
して塩素化パラフィンが含まれている。このため、上述
したような従来の石綿の処理剤は、火災時に多量の煙や
有毒ガスを発生し、建築基準法の内装制限に関する建築
物に使用することができない。つまり、従来の石綿処理
剤を使用した場合、建設省告示第１２３１号の規定によ
る表面試験において、準不燃材としての基準を満たすこ
とができない。また、耐火被覆材などのように石綿含有
物の厚さが厚い場合、表面に被膜を形成する処理剤単独
では被膜を形成しにくい場合がある。一方、石綿含有物
の内部に浸透させる処理剤単独では表面に充分な厚さの
被膜が形成されない場合もあり、耐摩耗性等を考慮する
と、封じ込め効果は必ずしも充分なものとはいえない。
【０００６】本発明は、このような事情を考慮してなさ
れたもので、石綿含有物が火災時に多量の煙や有毒ガス
を発生することがなく、また、石綿の封じ込めに優れた
石綿飛散防止処理方法を提供することを目的とするもの
である。
れたもので、石綿含有物が火災時に多量の煙や有毒ガス
を発生することがなく、また、石綿の封じ込めに優れた
石綿飛散防止処理方法を提供することを目的とするもの
である。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明の石綿飛散防止処
理方法は、石綿含有物が厚い場合にも石綿の封じ込め効
果を確実なものとすることができる処理方法であり、酢
酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル樹
脂、変性アクリル樹脂から選択された１種以上の合成樹
脂および水を主成分とする組成物を用いて、内部浸透処
理を行った後に表面固化処理を行う方法であり、本発明
の処理方法に使用する表面固化処理剤は、合成樹脂、無
機質難燃剤、無機質充填剤および水を主成分として含有
した組成物である。
理方法は、石綿含有物が厚い場合にも石綿の封じ込め効
果を確実なものとすることができる処理方法であり、酢
酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル樹
脂、変性アクリル樹脂から選択された１種以上の合成樹
脂および水を主成分とする組成物を用いて、内部浸透処
理を行った後に表面固化処理を行う方法であり、本発明
の処理方法に使用する表面固化処理剤は、合成樹脂、無
機質難燃剤、無機質充填剤および水を主成分として含有
した組成物である。
【０００８】上記の表面固化処理剤は、合成樹脂、無機
質難燃剤、無機質充填剤の含有量については合成樹脂５
〜２０重量％、無機質難燃剤２０〜６０重量％、無機質
充填剤５〜２０重量％とするのが好ましい。また、形成
される被膜の強度、耐候性などの面から、合成樹脂とし
てアクリル樹脂またはスチレン−アクリル酸エステル共
重合体を用いるのが好ましい。さらに、無機質難燃剤と
して水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムを併用す
ることにより防火性能が向上する。
質難燃剤、無機質充填剤の含有量については合成樹脂５
〜２０重量％、無機質難燃剤２０〜６０重量％、無機質
充填剤５〜２０重量％とするのが好ましい。また、形成
される被膜の強度、耐候性などの面から、合成樹脂とし
てアクリル樹脂またはスチレン−アクリル酸エステル共
重合体を用いるのが好ましい。さらに、無機質難燃剤と
して水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムを併用す
ることにより防火性能が向上する。
【０００９】これらの金属水酸化物は、加熱されると脱
水分解し、その際の吸熱により温度の上昇を抑制する効
果を有しており、水酸化アルミニウムは、脱水温度が約
３００°Ｃ、水酸化マグネシウムは、脱水温度が約３８
０°Ｃであるため、両者を併用した場合には脱水分解が
２段階で進行し、合成樹脂が燃焼しはじめる３００〜４
００°Ｃの間の温度上昇の抑制効果が長続きし、より確
実なものとなる。この結果、防火性能が向上するものと
考えられる。
水分解し、その際の吸熱により温度の上昇を抑制する効
果を有しており、水酸化アルミニウムは、脱水温度が約
３００°Ｃ、水酸化マグネシウムは、脱水温度が約３８
０°Ｃであるため、両者を併用した場合には脱水分解が
２段階で進行し、合成樹脂が燃焼しはじめる３００〜４
００°Ｃの間の温度上昇の抑制効果が長続きし、より確
実なものとなる。この結果、防火性能が向上するものと
考えられる。
【００１０】
【作用】本発明の石綿飛散防止処理を施した石綿含有物
は、火災時に多量の煙や有毒ガスを発生することがな
い。また、内部浸透処理と表面固化処理を併用すること
により、石綿の封じ込め効果が確実なものとなる。
は、火災時に多量の煙や有毒ガスを発生することがな
い。また、内部浸透処理と表面固化処理を併用すること
により、石綿の封じ込め効果が確実なものとなる。
【００１１】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。
【００１２】
【実施例】酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合樹脂
エマルジョン（固形分５３％）２１重量％、水７９重量
％からなる石綿飛散防止処理剤をエアーレススプレーガ
ンを用いて厚さ２５ｍｍの吹付けロックウールに塗布量
が０．５５ｋｇ／ｍ２となるように塗布して内部に浸透
させたうえ乾燥する。
エマルジョン（固形分５３％）２１重量％、水７９重量
％からなる石綿飛散防止処理剤をエアーレススプレーガ
ンを用いて厚さ２５ｍｍの吹付けロックウールに塗布量
が０．５５ｋｇ／ｍ２となるように塗布して内部に浸透
させたうえ乾燥する。
【００１３】その後、スチレン−アクリル酸エステル共
重合樹脂エマルジョン（固形分４６％）２９．５重量
％、コロイダルシリカ（固形分３０％）４．３重量％、
エチレングリコール１．５重量％、メチルセルロース２
％溶液５．５重量％、炭酸カルシウム９．３重量％、水
酸化アルミニウム２９．５重量％、水酸化マグネシウム
５．６重量％、界面活性剤１．５重量％、ブチルカルビ
ノールアセテート０．８重量％、水１２．５重量％から
なる表面固化処理剤をエアーレススプレーガンを用い
て、塗布量が１．２ｋｇ／ｍ２となるように塗布し、乾
燥した。この吹付けロックウールについて、建設省告示
第１２３１号に規定されている試験方法により表面試験
を行い、得られた試料の防火性能を評価した結果、準不
燃材としての基準を満足した。
重合樹脂エマルジョン（固形分４６％）２９．５重量
％、コロイダルシリカ（固形分３０％）４．３重量％、
エチレングリコール１．５重量％、メチルセルロース２
％溶液５．５重量％、炭酸カルシウム９．３重量％、水
酸化アルミニウム２９．５重量％、水酸化マグネシウム
５．６重量％、界面活性剤１．５重量％、ブチルカルビ
ノールアセテート０．８重量％、水１２．５重量％から
なる表面固化処理剤をエアーレススプレーガンを用い
て、塗布量が１．２ｋｇ／ｍ２となるように塗布し、乾
燥した。この吹付けロックウールについて、建設省告示
第１２３１号に規定されている試験方法により表面試験
を行い、得られた試料の防火性能を評価した結果、準不
燃材としての基準を満足した。
【００１４】
【比較例】酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合樹脂
エマルジョン（固形分５３％）２１重量％、水７９重量
％からなる石綿飛散防止処理剤をエアーレススプレーガ
ンを用いて厚さ２５ｍｍの吹付けロックウールに塗布量
が０．５５ｋｇ／ｍ２となるように塗布して内部に浸透
させたうえ乾燥する。
エマルジョン（固形分５３％）２１重量％、水７９重量
％からなる石綿飛散防止処理剤をエアーレススプレーガ
ンを用いて厚さ２５ｍｍの吹付けロックウールに塗布量
が０．５５ｋｇ／ｍ２となるように塗布して内部に浸透
させたうえ乾燥する。
【００１５】その後、酢酸ビニル−アクリル酸エステル
共重合樹脂エマルジョン（固形分５３％）４５重量％、
塩素化パラフィン９重量％、水酸化アルミニウム１７重
量％、炭酸カルシウム２１重量％、水８重量％からなる
表面固化処理剤をエアーレススプレーガンを用いて、塗
布量が１．２ｋｇ／ｍ２となるように塗布し、乾燥し
た。実施例と同様の方法により、得られた比較試料の防
火性能を評価した結果、難燃材としての基準は満足した
が、準不燃材としての基準は満足しなかった。
共重合樹脂エマルジョン（固形分５３％）４５重量％、
塩素化パラフィン９重量％、水酸化アルミニウム１７重
量％、炭酸カルシウム２１重量％、水８重量％からなる
表面固化処理剤をエアーレススプレーガンを用いて、塗
布量が１．２ｋｇ／ｍ２となるように塗布し、乾燥し
た。実施例と同様の方法により、得られた比較試料の防
火性能を評価した結果、難燃材としての基準は満足した
が、準不燃材としての基準は満足しなかった。
【００１６】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の処理方法
によれば、石綿飛散防止処理を施された石綿含有物は、
火災時に多量の煙や有毒ガスを発生することがなく、建
設省告示第１２３１号の規定による表面試験において準
不燃材としての基準を満足する。また、本発明の処理方
法は、石綿含有物が厚い場合にも石綿の封じ込め効果を
確実なものとすることができ、建築基準法に定める内装
制限に関する建築物の石綿飛散防止処理として好適なも
のである。
によれば、石綿飛散防止処理を施された石綿含有物は、
火災時に多量の煙や有毒ガスを発生することがなく、建
設省告示第１２３１号の規定による表面試験において準
不燃材としての基準を満足する。また、本発明の処理方
法は、石綿含有物が厚い場合にも石綿の封じ込め効果を
確実なものとすることができ、建築基準法に定める内装
制限に関する建築物の石綿飛散防止処理として好適なも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ０９Ｄ 5/00 ＰＳＤ Ｃ０９Ｄ 5/00 ＰＳＤ 131/04 ＰＦＳ 131/04 ＰＦＳ 133/08 ＰＧＢ 133/08 ＰＧＢ
Claims (2)
- 【請求項１】 酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合
体、アクリル樹脂、変性アクリル樹脂から選択された１
種以上の合成樹脂および水を主成分とする組成物で、石
綿含有物の内部浸透処理を行い、次に主成分が合成樹
脂、無機質難燃剤、無機質充填剤および水からなる表面
固化処理剤で、石綿含有物の表面固化処理を行うことを
特徴とする石綿飛散防止処理方法。 - 【請求項２】 酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合
体、アクリル樹脂、変性アクリル樹脂から選択された１
種以上の合成樹脂および水を主成分とする組成物で、石
綿含有物の内部浸透処理を行い、次に合成樹脂を５〜２
０重量％、無機質難燃剤を２０〜６０重量％、無機質充
填剤を５〜２０重量％含有し、合成樹脂がアクリル樹脂
またはスチレン−アクリル酸エステル共重合体であり、
無機質難燃剤として水酸化アルミニウムおよび水酸化マ
グネシウムが併用される表面固化処理剤で、表面固化処
理を行うことを特徴とする石綿飛散防止処理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4222015A JP2622916B2 (ja) | 1992-07-29 | 1992-07-29 | 石綿飛散防止処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4222015A JP2622916B2 (ja) | 1992-07-29 | 1992-07-29 | 石綿飛散防止処理方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0649391A JPH0649391A (ja) | 1994-02-22 |
| JP2622916B2 true JP2622916B2 (ja) | 1997-06-25 |
Family
ID=16775773
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4222015A Expired - Fee Related JP2622916B2 (ja) | 1992-07-29 | 1992-07-29 | 石綿飛散防止処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2622916B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4938306B2 (ja) * | 2005-12-28 | 2012-05-23 | 中央理化工業株式会社 | アスベスト飛散防止処理用エマルジョン組成物、及びこれを用いたアスベストの剥離方法 |
| JP2007204702A (ja) * | 2006-02-06 | 2007-08-16 | Toda Constr Co Ltd | アスベスト飛散防止剤およびこれを利用したアスベスト飛散防止方法 |
| JP4950501B2 (ja) * | 2006-02-07 | 2012-06-13 | 株式会社ナチュル | アスベスト固化法 |
| JP5173166B2 (ja) * | 2006-08-14 | 2013-03-27 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 粘着性フィルム剥離方法 |
| JP5344281B2 (ja) * | 2008-09-26 | 2013-11-20 | 住友大阪セメント株式会社 | 吹付けアスベストの封じ込め方法 |
| JP2010076977A (ja) * | 2008-09-26 | 2010-04-08 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 吹付けアスベストの無害化処理方法 |
| KR100981944B1 (ko) * | 2010-03-31 | 2010-09-13 | 황선월 | 석면 고형 안정화 용제 및 석면 고형 안정화 처리 방법 |
| JP2019199493A (ja) * | 2018-05-14 | 2019-11-21 | ニチアス株式会社 | 粉塵飛散防止剤、及びこれを用いた粉塵飛散防止方法 |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5912623B2 (ja) * | 1974-03-09 | 1984-03-24 | 大日本塗料株式会社 | 無機質材料の表面仕上げ用組成物 |
| JPS5744623B2 (ja) * | 1974-03-15 | 1982-09-22 | ||
| JP2847121B2 (ja) * | 1988-07-15 | 1999-01-13 | 協和産業株式会社 | アスベスト施工層用の塗布剤 |
-
1992
- 1992-07-29 JP JP4222015A patent/JP2622916B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0649391A (ja) | 1994-02-22 |
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