JP2622040B2 - 塩化ビニル重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル重合体の製造方法

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JP2622040B2
JP2622040B2 JP3150241A JP15024191A JP2622040B2 JP 2622040 B2 JP2622040 B2 JP 2622040B2 JP 3150241 A JP3150241 A JP 3150241A JP 15024191 A JP15024191 A JP 15024191A JP 2622040 B2 JP2622040 B2 JP 2622040B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塩化ビニル重合体の製造
方法に関し、さらに詳しくは、高品質の塩化ビニル重合
体を高能率で製造するための塩化ビニル重合体の工業的
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニル重合体をバッチ式の懸
濁重合法により製造するに際し、重合器に水、懸濁剤、
重合開始剤、単量体およびその他の添加助剤を仕込み、
ジャケットに温水を循環させるなどの手段により内容物
を所定の重合温度まで昇温して重合を実施している。し
かし、とくに大型の重合器においては仕込み量が多いた
め仕込み時間が長くなり、また重合器の容量に対してジ
ャケットの伝熱面積が相対的に少ないため昇温に長時間
を要するので、これらが重合器の稼動率を阻害する要因
のひとつになっていた。
【0003】このような問題点を解決する方法として、
あらかじめ加温された水性媒体(懸濁剤を水に溶解した
混合物)と、単量体と重合開始剤との均一混合物とを同
時に仕込む方法(特公昭62−39601号)、懸濁剤
の全量を溶解した水と重合開始剤の全量を溶解した単量
体の両者の全量の仕込み終了時に所定の重合温度になる
ように調節する方法(特公昭60−26488号)、単
量体と重合開始剤を仕込んで均一混合した後、あらかじ
め50〜80℃に加温脱気された水を仕込む方法(特開
昭58−21408号)が知られている。
【0004】しかし、特公昭60−26488号のよう
に懸濁剤を溶解した水(懸濁剤水溶液)を加温する方法
では、加温により懸濁剤の界面活性能が低下するためと
考えられるが重合器の内壁面にスケールが多量に付着
し、フィッシュアイが増加するばかりでなく、得られる
重合体粒子は粗粒化し、著しい場合には塊状に固結して
重合器からの排出が困難になるという欠点があった。
【0005】特に、曇点が低い懸濁剤においては同様な
不都合が顕著となり、使用するのが困難であるのが現状
である。なお、曇点は懸濁剤が加温により界面活性能が
低下する度合いの指標となるものであり、懸濁剤の水溶
液を昇温したときに白濁しはじめる温度である。
【0006】これに対して特公昭58−50603号に
は、粗粒の生成およびフィッシュアイの増加を防止する
方法として、懸濁剤と重合系に存在させる水の一部とを
冷水の状態で仕込み、次いで単量体を仕込み、最後に加
温された水を仕込む方法が提案されている。しかし、こ
の方法によれば、粗粒の生成およびフィッシュアイの増
加を防ぐことができるという効果があるが、水および単
量体を順次仕込むために仕込み時間を短縮することがで
きず、その上、仕込水も冷水を使用したり温水を使用し
たりするので仕込み作業が煩雑になるという欠点があっ
た。
【0007】一方、あらかじめ単量体に重合開始剤を溶
解させた混合物を仕込む方法(特公昭62−39601
号,同60−26488号)では、混合物を調製するた
めのタンクや混合器などの設備を必要とし、仕込みのた
めの操作が煩雑になるばかりではなく、調製中に重合が
開始するのを防止するために混合物を低温に保持する
か、重合開始剤の単量体に対する仕込み割合を少なくす
るか、または分解温度が高い重合開始剤しか使用できな
いという制約があった。さらに仕込み中にその混合物が
重合器内で油滴として水性媒体中に均一に懸濁し安定化
する以前に温水と接触すると同時に急激に重合が開始す
るためと考えられるが、得られる重合体粒子には粗粒分
が多く、フィッシュアイが増加するという不都合があ
り、また前記混合物の一部が重合器の内壁面に付着して
スケールが増加し重合反応熱を除去するための除熱能力
が低下するという欠点があった。
【0008】また特開昭58−21408号による方法
のように、重合器に単量体と重合開始剤を仕込み、均一
混合した後に加温された水を仕込む方法にも、単量体混
合物が仕込み中に重合器の内壁面と直接接触しそこで重
合が開始するためにスケールが著しく増加し、また粒
度,フィッシュアイが劣る低品質の重合体粒子しか得ら
れないという欠点があった。
【0009】これらの欠点は単量体に溶解した重合開始
剤の濃度が高いほど、すなわち重合時間が短いほど、ま
たあらかじめ加温した水の温度が高いほど、すなわち所
定の重合温度までの昇温に要する時間が短いほど顕著で
ある。
【0010】これら公知のいずれの方法にも仕込み時間
および/または昇温時間を短縮できるという利点はある
が、重合器の壁面にスケールが付着することにより重合
反応熱の除去能力が低下するので、重合時間を短縮する
ことは困難となり、重合器の稼動率を高めるという効果
は不十分であった。また、得られる重合体粒子は粗粒化
し、フィッシュアイが増加するなど品質の低下を招くと
いう欠点もあった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、重合
器の内壁面へのスケールの付着を防止し、重合体粒子の
粗粒化およびフィッシュアイの増加を招くことなく、重
合開始のための仕込み時間および昇温時間を短縮するこ
とに加え、重合反応熱の除熱能力を高めた大型重合器を
用いて短時間に重合を完結させることにより、重合器の
稼動率を大巾に向上させ高能率で高品質の塩化ビニル重
合体を製造する製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
塩化ビニル単量体を油溶性重合開始剤の存在下に水性媒
体中で懸濁重合するに際し、重合器に単量体およびあら
かじめ加温された水の両者の各々の全仕込み量の70重
量%以上を同時に仕込むと共に、懸濁剤として (A)ケン化度が75〜90モル%、平均重合度が10
00〜4000、曇点40℃以上の部分ケン化ポリ酢酸
ビニル、 (B)ケン化度が65〜75モル%、平均重合度が50
0〜900の部分ケン化ポリ酢酸ビニル、 (C)ケン化度が15〜54モル%、平均重合度が10
0〜1200の部分ケン化ポリ酢酸ビニル、の3種を、
塩化ビニル100重量部当りの(A)と(B)の合計量
が0.03〜0.15重量部、(C)の量が0.01〜
0.1重量部、(A)と(B)の重量比(A)/(B)
1/5〜4/5となる量で用い、かつ単量体の仕込み
中に該懸濁剤の全仕込み量の少なくとも20重量%を仕
込み、単量体の仕込み量が全仕込み量の30%に達した
とき以後100%に達するまでの間でかつ重合器内の単
量体の水に対する重量比が1.5以下の時点で重合開始
剤の全量を仕込み、単量体、水、懸濁剤及び重合開始剤
の各全量を仕込んだ後重合器の内容物を重合温度に到達
せしめ、引続いて重合を実施し、重合時間を6時間以内
の範囲として重合完結させることによって達成される。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
実施にあたり、まず脱気した重合器に単量体およびあら
かじめ加温された水の両者の各々の全仕込み量の70重
量%以上を同時に仕込む。残りの各30重量%未満の量
の単量体と水の仕込みは必ずしもオーバーラップしなく
てもよい。前記の同時に仕込む量が70重量%未満であ
ると仕込み時間の短縮につながらないので、本発明の目
的を達成することが困難になる。両者の仕込みは、まず
水の仕込みを開始し、その仕込み中に単量体の仕込みを
開始してもよく、あるいはその逆でもよい。
【0014】本発明において重合に使用する仕込水は、
水および単量体の全量の仕込み終了時に重合器の内温
(t)が所定の重合温度(T)に対し T−10≦t≦T+5 (℃) となるように、あらかじめ重合器外で加温しておくこと
が好ましい。内温が(T−10)℃未満であると昇温時
間を短縮する効果が不十分であり、また(T+5)℃を
越えると重合器の圧力が急激に上昇し重合反応が暴走す
るので危険である。水の温度は通常、約40〜80℃の
範囲で実施される。水は加温する前に脱気処理しておく
ことが望ましい。
【0015】本発明において用いられる懸濁剤は以下の
特徴を有する3種の部分ケン化ポリ酢酸ビニルである。 (A)ケン化度が75〜90モル%、平均重合度が10
00〜4000、曇点40℃以上の部分ケン化ポリ酢酸
ビニル、(B)ケン化度が65〜75モル%、平均重合
度が500〜900の部分ケン化ポリ酢酸ビニル、
(C)ケン化度が15〜54モル%、平均重合度が10
0〜1200の部分ケン化ポリ酢酸ビニル。
【0016】懸濁剤(A)は、単量体の仕込み中、及び
重合中の単量体油滴や重合体粒子を水性媒体中に懸濁さ
せるに際して安定化させるために使用するものであり、
ケン化度、平均重合度が前記した範囲を外れた場合は安
定した懸濁が得られず、結果的に重合体粒子が粗粒化し
たり、フィッシュアイが増加する。また懸濁剤(A)の
曇点は40℃以上であることを要する。曇点が40℃よ
り低いと重合体粒子が粗粒化したり、重合缶内壁にスケ
ールが多く付着する。
【0017】なお、部分ケン化ポリ酢酸ビニルの曇点
は、濃度1重量%の水溶液を20℃から1℃/分の速度
で昇温して、全光線透過率が20℃における値の90%
値となる温度として求められる。
【0018】懸濁剤(B)は、重合体粒子の空隙率を大
きくし、多孔質な内部構造を有する粒子を製造するため
に使用するものであり、ケン化度及び平均重合度が前記
した範囲を外れた場合は重合体粒子の空隙率が小さくな
るため、可塑剤吸収性が低下し、またフィッシュアイが
増加する。
【0019】懸濁剤(A)及び(B)は、上述のように
単量体の仕込み中及び重合中に単量体油滴や重合体粒子
を水性媒体中に懸濁させるに際し、重合器の内壁面への
スケールの付着を防止し、且つ粒度およびかさ比重を適
度に調節しながら、しかも多孔質な内部構造を有する粒
子を製造するために使用するものである。従ってこの両
成分の使用量および比率を厳密に特定することが必須で
あり、単量体100重量部あたりの(A)と(B)の仕
込み量の合計が0.03〜0.15重量部、好ましくは
0.04〜0.1重量部で、かつ(A)と(B)の仕込
み重量比が(A)/(B)=1/5〜4/5となるよう
に仕込むのである。
【0020】若し(A)と(B)の仕込み量の合計が
0.03重量部に満たないと重合中の単量体油滴や重合
体粒子の懸濁安定性が損なわれて粗粒分が増加したり多
孔性が低下し、また0.15重量部を越えると粒度が細
かくなりかさ比重が低下するという不都合が生じる。更
に(A)と(B)の仕込み重量比(A)/(B)が1/
5未満の場合は単量体仕込み中の懸濁安定性が損われ、
結果的に重合器の内壁面へのスケール生成が多くなると
ともに、重合体粒子のかさ比重が低下したり、粗粒化す
る。また(A)/(B)が4/5を越えると多孔性が損
なわれ、フィッシュアイや可塑剤吸収性などの品質の低
下を招くので本発明の目的が達成できない。
【0021】本発明の懸濁剤系を構成する残りの成分で
ある懸濁剤(C)は、重合体粒子表面のスキン層の形成
を防止するとともに粒子内部の1〜数μオーダーの基本
粒子の凝集を防止する効果を有し、多孔性でフィッシュ
アイが少なく可塑剤吸収性が良好な樹脂を得るために必
須である。この懸濁剤(C)のケン化度、平均重合度が
前記した範囲以外である場合および単量体100重量部
あたりの(C)の仕込み量が0.01重量部未満である
場合には、これらの効果が発揮できない。またこの仕込
み量が0.1重量部を越えると粒度が細かくなり、かさ
比重が低下するという不都合が生じる。
【0022】本発明において用いられる懸濁剤は、その
全仕込み量の少なくとも20重量%を単量体の仕込み中
に仕込むことが必要である。前記の値が20重量%未満
であると仕込み中に単量体を油滴とする懸濁系を安定化
させることができず、スケールの生成、粗粒化およびフ
ィッシュアイの増加などの悪影響が生じる。懸濁剤の仕
込み液は、あらかじめ特定された比率及び仕込み量で調
整混合して、水に溶解させるかあるいは分散させた常温
の仕込み液として直接重合器に仕込む方法が好ましい。
【0023】懸濁剤は、加温されることにより難溶性に
なり界面活性能が低下するという性質を有することはよ
く知られており、塩化ビニルの懸濁重合においても懸濁
剤を加温することにより単量体油滴を懸濁させ安定化さ
せる効果が低下するので、重合器外で懸濁剤と温水を接
触させる仕込み方法は不適切である。懸濁剤は仕込水と
は別の仕込み液として、その全仕込み量の50〜100
重量%を単量体と同時に、攪拌下に懸濁系を形成させつ
つ連続して仕込む態様が最も好ましい。
【0024】本発明において使用される油溶性重合開始
剤は、単量体の仕込み量が全仕込み量の30%に達した
ときから100%に達するまでの間で、かつ重合器内の
単量体の水に対する重量比が1.5以下の時点で重合開
始剤の全量を仕込むことが必要である。単量体の仕込み
量が30%未満の時点で重合開始剤を仕込むと、単量体
の全量の仕込み終了後の重合開始剤の個々の単量体油滴
への分配が不均質となり、スケールおよびフィッシュア
イが悪化するので好ましくない。
【0025】また単量体の全量の仕込み終了後に重合開
始剤を仕込む方法では、仕込み時間が長くなり重合反応
の開始が遅れるので本発明の目的を達成する上で不利に
なる。重合開始剤の仕込みは、単量体の仕込み末期、好
ましくは単量体の70〜100重量%が仕込まれほぼ懸
濁系が完成した時点で、その全量を一括して仕込むこと
により、単量体油滴に均質に吸着させ溶解させる態様が
最も好ましい。
【0026】一方、重合器内に存在する単量体の水に対
する重量比が1.5を超えると、単量体を連続相とする
いわゆる転相した懸濁系が形成される。この時点で重合
開始剤を添加すると、重合開始剤が溶解した単量体が連
続相になって直接重合器の内壁面と接触しそこで重合が
行われるためと考えられるが、スケールが著しく増加し
重合器の除熱能力が低下するので本発明の目的を達成す
ることができない。
【0027】このようにして各成分を重合器に仕込み重
合を開始させた後、反応熱を除去しながら重合器の内温
を所定の重合温度に保持し重合を完結させるのである
が、近年、重合器のジャケット構造の改善や還流凝縮器
の運転技術の進歩などに伴い、重合器の重合反応熱の除
去能力が大幅に向上したことによって、工業的規模で採
用されている内容積40m3 以上の大型重合器において
も、除熱能力的には6時間以内に重合を完結させる高速
重合が可能になった。
【0028】本発明において6時間以内の高速重合を実
施するに際し、特公平3−4249号公報に記載された
内部ジャケット式重合器、すなわち重合器本体内面に冷
熱媒体の通路を設けることにより伝熱性能を向上させた
重合器を用いることにより有利に実施できる。勿論、重
合器に還流凝縮器を付設し、付加的に重合反応熱を除去
する方法を採用することも可能である。
【0029】本発明において重合を完結させる方法とし
ては、重合器の圧力が重合中の定常圧力より約0.5〜
5kg/cm2 降下した時点で重合禁止剤を添加したり、重
合器からの未反応単量体を回収する方法が挙げられる。
なお、本発明において重合を完結させるまでの時間、す
なわち重合時間とは、単量体、重合開始剤、懸濁剤およ
び水を仕込んだ後、重合器の内容物を所定の重合温度に
到達した時点から、重合器内の圧力がその反応温度にお
ける自然圧力でしばらく推移した後未反応単量体の減少
に伴って圧力降下を始め、その降下巾が2kg/cm2 にな
るまでの時間と定義する。
【0030】本発明において塩化ビニル単量体は、塩化
ビニルを主体とするが塩化ビニルと共重合し得る他の単
量体を含んでいても良い。このような単量体としては例
えば酢酸ビニルなどのアルキルビニルエステル類、セチ
ルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類、エ
チレン、プロピレンなどのα−モノオレフィン類、アク
リル酸メチル、メタクリル酸メチルなどのアクリル酸ア
ルキルエステル類が例示されるが、これらに限定されな
い。
【0031】本発明において用いる重合開始剤は特に限
定されないが、10時間半減期温度が30〜60℃のも
のを1種または2種以上併用することが好ましい。重合
開始剤の仕込み量は、使用する重合開始剤の種類や重合
温度などの重合条件によっても異なるが、通常、単量体
100重合部あたり0.01〜2重量部仕込むことによ
り6時間以内に重合を完結させることができる。このよ
うな重合開始剤としては、例えば2,4,4−トリメチ
ルペンチル−2−パーオキシネオデカノエート、ジ−2
−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ(2−
エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、α−クミ
ルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ
ネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピパレート、
3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイドお
よびアセチルシクロヘキシルスルフォニルパーオキサイ
ドなどのような有機過酸化物ならびにα,α′−アゾビ
スイソブチロニトリルおよびα,α′−アゾビス−2,
4−ジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物の一種ま
たは二種以上の混合物が挙げられる。
【0032】本発明において所望に応じて使用されるそ
の他の添加助剤としては、メルカプトアルカノール、チ
オグリコール酸アルキルエステル等の連鎖移動剤、高級
脂肪酸のグリセリンエステルまたはソルビタンエステル
等の非イオン系界面活性剤、PH調整剤および重合禁止
剤などが挙げられる。前記のようなその他の添加助剤は
仕込み開始時に一括して重合系に添加してもよいし、重
合中に連続または分解して添加することもできる。重合
は通常35〜80℃の温度で攪拌下に行われる。
【0033】
【発明の効果】かくして本発明によれば、多孔性でフィ
ッシュアイ、可塑剤吸収性および粒度特性に優れた塩化
ビニル樹脂を高生産性下に製造することができるので、
極めて有用である。
【0034】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。なお、実施例、比較例の中の%および部はとくに
断りのないかぎり重量基準であり、また塩化ビニル重合
体の物性値は次の方法により測定した。
【0035】(1)平均粒子径 JIS基準の金網を使用した篩分析により、50%通過
径として示した。
【0036】(2)かさ比重 JIS K6721に定める方法に準じて測定した値を
もって示した。
【0037】(3)フィッシュアイ ポリ塩化ビニル100部、ジ−2−エチルヘキシルフタ
レート60部、Ba−Zn系の安定剤2部、顔料3.5
部の混合物を135℃で7分間ロール混練し、厚み0.
35mm、5cm×10cmのシートを成形し、シート面に存
在するフィッシュアイの個数を数える。
【0038】(4)可塑剤吸収性 東洋精機製作所製のラボプラストミルを使用し、ジャケ
ットの温度を85℃に保った容器内に塩化ビニル系樹脂
400g、ポリエステル系高分子可塑剤(アデカ・アー
ガス化学社製、PN250)240gを投入し、回転数
60rpm で撹拌しながらトルクを記録し、混合トルクが
低下し安定するまでの時間で示した。
【0039】また、各実施例で示した重合器壁面のスケ
ール付着状態は下記の基準をもって示した。 ○:スケールの付着がほとんどない Δ:局部的にスケール付着が認められた ×:内壁全面に付着物が発生した
【0040】実施例1 内容積45m3 の内部ジャケット式ステンレス製重合器
を脱気した後、あらかじめ加温した61℃の水21.5
3 を45.0m3 /時間の速度で連続して仕込み、水
の仕込み開始から10分後に撹拌を開始するとともに塩
化ビニル16.5トンを85m3 /時間の速度で連続し
て仕込んだ。
【0041】また、ジ−(2−エトキシエチル)パーオ
キシジカーボネートの70%トルエン溶液(重合開始
剤)11.8kgおよび、予め表1に示した部分ケン化ポ
リ酢酸ビニルを混合して水に分散させた仕込液(懸濁
剤)400Lを、水の仕込み開始を起点として表1に示
した時点でそれぞれ仕込んだ。重合開始剤は6L/分の
速度で2分間連続して仕込み、また懸濁剤は40L/分
の速度で10分間連続して仕込んだ。
【0042】全成分の仕込み終了時52℃であった重合
器内温を57℃に昇温し、この温度に保持しながら重合
反応を進行させた。次いで重合器の圧力が2.0kg/cm
2 低下した時点で未反応単量体を回収し、内容物を脱水
乾燥した。重合時間、塩化ビニル重合体の物性値及び重
合器壁面のスケール付着状態を表1に示した。
【0043】実施例2〜4、比較例1〜5 実施例1における懸濁剤及び重合開始剤を表1に記載し
た懸濁剤及び重合開始剤に変更し、また懸濁剤及び重合
開始剤の仕込み方法を表1に記載した仕込み方法とした
以外は、全て実施例1と同一の条件で重合した。
【0044】このようにして得られた塩化ビニル重合体
の物性値、重合時間及び重合器壁面のスケール付着状態
は表1に示すとおりであった。表1から、本発明の塩化
ビニル重合体の製造方法によってフィッシュアイや可塑
剤吸収性に優れ、かさ比重や粒度特性などの物性値の調
和がとれた高品質の塩化ビニル樹脂を高能率に製造でき
ることが明らかである。
【0045】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大和 多実男 山口県徳山市晴海町1番2号 サン・ア ロー化学株式会社内 (72)発明者 石井 靖道 岡山県倉敷市児島塩生字新浜2767の1 日本ゼオン株式会社内 (72)発明者 大川 正久 愛媛県新居浜市惣開町5番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 大内 勲 福島県いわき市錦町落合16 呉羽化学工 業株式会社内 (72)発明者 若森 秀樹 福島県いわき市錦町落合16 呉羽化学工 業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−172407(JP,A) 特開 昭62−263206(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル単量体を油溶性重合開始剤の
    存在下に水性媒体中で懸濁重合するに際し、重合器に単
    量体およびあらかじめ加温された水の両者の各々の全仕
    込み量の70重量%以上を同時に仕込むと共に、懸濁剤
    として (A)ケン化度が75〜90モル%、平均重合度が10
    00〜4000、曇点が40℃以上の部分ケン化ポリ酢
    酸ビニル、 (B)ケン化度が65〜75モル%、平均重合度が50
    0〜900の部分ケン化ポリ酢酸ビニル、 (C)ケン化度が15〜54モル%、平均重合度が10
    0〜1200の部分ケン化ポリ酢酸ビニル、 の3種を、塩化ビニル100重量部当りの(A)と
    (B)の合計量が0.03〜0.15重量部、(C)の
    量が0.01〜0.1重量部、(A)と(B)の重量比
    (A)/(B)が1/5〜4/5となる量で用い、かつ
    単量体の仕込み中に該懸濁剤の全仕込み量の少なくとも
    20重量%を仕込み、単量体の仕込み量が全仕込み量の
    30%に達したとき以後100%に達するまでの間でか
    つ重合器内の単量体の水に対する重量比が1.5以下の
    時点で重合開始剤の全量を仕込み、単量体、水、懸濁剤
    及び重合開始剤の各全量を仕込んだ後重合器の内容物を
    重合温度に到達せしめ、引続いて重合を実施し、重合時
    間を6時間以内の範囲として重合完結させることを特徴
    とする塩化ビニル重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 単量体および水の全量の仕込み終了時の
    重合器の内温(t)が、所定の重合温度(T)に対し T−10≦t≦T+5 (℃) となるようにあらかじめ水を加温することを特徴とする
    請求項1記載の塩化ビニル重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 重合器が重合器本体内面に冷熱媒体の通
    路を設けた内部ジャケット式であって内容積40m3
    上の大型重合器であることを特徴とする請求項1又は2
    のいずれかに記載の塩化ビニル重合体の製造方法。
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