JP2617738B2 - ポリエステルポリオール組成物 - Google Patents

ポリエステルポリオール組成物

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JP2617738B2 JP62269045A JP26904587A JP2617738B2 JP 2617738 B2 JP2617738 B2 JP 2617738B2 JP 62269045 A JP62269045 A JP 62269045A JP 26904587 A JP26904587 A JP 26904587A JP 2617738 B2 JP2617738 B2 JP 2617738B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ウレタンポリオールその他の用途に有用な
ポリエステルポルオール組成物、殊に、取扱いやすい粘
度を有し、吸水率が小さく、電気絶縁性にすぐれたポリ
ウレタンを与えることのできるポリオール組成物に関す
るものである。
従来の技術 従来、電気・電子部品を振動や衝撃、あるいは湿気や
粉塵を含む雰囲気から保護し、該部品の機能を充分に発
揮させるための電気絶縁用封止剤として、エポキシ樹脂
やシリコーン樹脂が用いられている。
ところが、エポキシ樹脂は、可撓性が劣りかつ硬化時
の内部応力や熱収縮が大きいため、断線を生じたり、硬
化剤やエポキシ樹脂中に不純物として含まれる塩素イオ
ンにより電蝕を生ずるおそれがある。
シリコーン樹脂は、透湿度が大きいため、湿度によっ
て特性の変化を示す電子部分への使用が制限され、また
金属やプラスチックとの接着性に乏しく、さらには高価
であるという不利もある。
上述のエポキシ樹脂やシリコーン樹脂に代わる素材と
してポリウレタンも使用されている。ポリウレタンは、
可撓性に富むため、耐水性、低温特性および電気特性を
具備することができれば、電気絶縁用に用いることがで
き、そのほか土木用をはじめ多種の用途に用いることが
できる。
ポリウレタンに上記のような特性を兼備させるために
は、オリイソシアネート成分と反応させるポリオール成
分、つまりウレタンポリオールの選択が重要であり、こ
の観点から、ウレタンポリオールの研究が種々なされて
いる。
たとえば、ウレタンポリオールとして、 (a)ポリブタジエンポリオールまたはその水素添加物
を用いるもの(電気学会要旨集211頁[1978])、 (b)ヒマシ油またはその誘導体を用いるもの(特開昭
57−85816号公報、特開昭57−87417号公報、米国特許第
3362921号明細書)、 (c)ポリブタジエンポリオールまたはその水素添加物
と、ヒマシ油またはその誘導体とを併用するもの(特開
昭55−139422号公報、特開昭56−57818号公報、特開昭5
8−93717号公報) などが提案されている。
本出願人も、 (i)ヒマシ油(A)と、水酸基を実質上有しない天然
油脂(B)とのエステル交換反応物、または該エステル
交換反応物と高粘度炭化水素ポリオールとの併用(特開
昭59−226016号公報)、 (ii)高粘度炭化水素系ポリオール(A)と、多価アル
コールと一塩基酸または二塩基酸とを反応させて得られ
る官能基数1.5〜3のエステルポリオール(B)との併
用(特開昭60−215012号公報) について特許出願を行っている。なお上記において、高
粘度炭化水素ポリオールの典型例は、ポリブタジエンポ
リオールである。
そのほか、特開昭54−61295号公報には、ダイマー酸
誘導体ポリオールまたは(および)ヒマシ油誘導体ポリ
オール、炭化水素物質、発泡剤およびポリイソシアネー
トを混合して発泡させたウレタンフォームが示されてお
り、特開昭54−160495号公報には、ダイマー酸誘導体ポ
リオール、ヒマシ油誘導体ポリオールまたはヒマシ油、
もしくはそれらの混合物とポリイソシアネート化合物と
から得られるポリウレタンフォームシーリング剤が示さ
れている。
発明が解決しようとする問題点 上記のうち、ウレタンポリオールとしてポリブタジエ
ンポリオールを用いる方法は、すぐれた電気絶縁性、耐
水性および低温特性は得られるものの、粘度が高いため
注型、脱泡、含浸に際しての作業性が劣り、また、不飽
和度も高いため酸化劣化を受けやすく、耐熱性が劣ると
いう問題点がある。さらには、注型成形時などに特有の
ゴム臭を発生し、作業環境を悪くするという問題点もあ
る。
ポリブタジエンポリオールを用いたウレタンシステム
において作業性を上げるためには、可塑剤を併用して低
粘度化を図ることが必要となるが、可塑剤の配合はブリ
ードによる経時変化や電子部品の損傷のおそれがあり、
硬化物の物性の低下を招くことになる。
可塑剤に代えて反応性希釈剤を用いることも提案され
ているが、市販の反応性希釈剤はOH価が高いためポリブ
タジエンポリオールの特長を損なうことになる。
そして、可塑剤や反応性希釈剤の配合によっても、ポ
リブタジエンポリオールの不飽和度に基く欠点はそのま
ま残る。不飽和度を少なくするためにポリブタジエンポ
リオールを水素添加したものは、さらに高粘度になる、
一般の使用方法は採用できなくなる。
ヒマシ油は、粘度が低く、耐水性、電気特性も良好で
あるが、OH価が160mgKOH/g程度と高いことから、低温特
性の良い低硬度の硬化物を得ることができない。
ヒマシ油と、水酸基を実質上有しない天然油脂とのエ
ステル交換反応物は、ウレタンポリオールとして用いる
ためには2官能(OH価で120mgKOH/g程度)以上であるこ
とが要求されるため、これ以上の水酸基当量の変性がで
きず、低温特性、低硬度の硬化物を与えることができな
い。他のヒマシ油誘導体も同様である。
ヒマシ油誘導体としては、ヒマシ油脂肪酸とポリエー
テリポリオールとのエステル化物や、ヒマシ油のアルキ
レンオキサイド付加物なども知られているが、これらエ
ーテル結合を含むものは耐水性、電気絶縁性が劣るとい
う欠点がある。
ポリブタジエンポリオールまたはその水素添加物と、
ヒマシ油またはその誘導体とを併用する方法は、両者の
相溶性に制約がある上、硬化後のポリウレタンは両者の
中間程度の性質を示すにとどまり、本質的な改良にはな
らない。
ダイマー酸誘導体ポリオール(典型的にはダイマー酸
とエチレングリコールから合成されるポリエステルポリ
オール)は、一般に粘度が極端に高く、その作用用途が
制限される。ダイマー酸誘導体ポリオールとヒマシ油誘
導体ポリオールとの併用の場合も、OH価を低く保ちなが
ら低粘度化することは不可能である。
なお、特開昭54−61295号公報には、ダイマー酸誘導
体ポリオールとして、「ダイマー酸と長鎖のポリオー
ル、例えばヒマシ油との反応物であるダイマー酸ポリエ
ステル」につき言及があるが(2頁下段左欄8〜11
位)、本発明者らの研究によれば、このものは粘度がポ
リブタジエンポリオールと同程度に高く、HO価を低く保
ちながら低粘度化することは不可能である。
本発明は、上述の問題点を解決するウレタンポリオー
ルを提供すること、すなわち、取扱いやすい粘度を有
し、吸水率が小さく、電気絶縁性にすぐれたポリウレタ
ンを得ることのできるウレタンポリオールを提供するこ
とを目的になされたものでる。
問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するための各種の化合物を合成し、
そのウレタンポリオールとしての有用性を調べた結果、
ダイマー酸(X)1モルと、1分子当りの官能基数2.5
以下(殊に1.3〜2.4)のヒマシ油系ポリオール(Y)1
モルまたは2モルおよび該ヒマシ油系ポリオール(Y)
以外のポリオール(Z)1モルまたは0モルとのエステ
ル化物からなるポリエステルポリオール組成物がこの目
的に有用であることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
以下本発明を詳細に説明する。
ダイマー酸(X)とは、リノール酸、オレイン酸、エ
ライジン酸、トール油脂肪酸などの不飽和脂肪酸の重合
によって得られるダイマーを言う。一般に炭素数18の脂
肪酸を原料とする関係から、主成分は炭素数36のジカル
ボン酸であるが、工業的に製造したものは、一部にトリ
マーおよびモノマーを含む。
ダイマー酸(X)と反応させるヒマシ油系ポリオール
(Y)としては、 部分脱水ヒマシ油、 部分アシル化ヒマシ油、 ヒマシ油と実質的にOH基を有しない天然油脂とのエ
ステル交換反応物、および ヒマシ油脂肪酸の低分子量ポリオールとのエステ
ル、 よりなる群から選ばれた化合物が溶いられる。
部分脱水ヒマシ油は、ヒマシ油の硫酸、リン酸、p−
トルエンスルホン酸などの酸性触媒の存在下に加熱する
ことにより得られる。
部分アシル化ヒマシ油は、ヒマシ油を部分的にアシル
化することによって得られる。アシル化の中ではアセチ
ル化が最も重要であり、工業的には事実上このアセチル
化に限られる。アセチル化方法としては、ケテンを反応
させる方法、氷酢酸を反応させる方法も採用できるが、
工業的には無水酢酸によるアセチル化が最も有利であ
る。
ヒマシ油と実質的にOH基を有しない天然油脂とのエス
テル交換反応物としては、両者を通常行われるエステル
交換反応、たとえば、水酸化アルカリ、アルカリ金属ア
ルコラート、炭酸ソーダ等のアルカリ触媒やリサージな
どの触媒の存在下、180〜260℃、15分〜6時間の反応条
件下にエステル交換反応する方法が採用される。
なお、上記における実質的にOHを有しない天然油脂と
しては、アマニ油、キリ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ
油、パーム油、えの油、くるみ油、米ぬか油、綿実油、
つばき油、オリーブ油、らっかせい油などの植物油、牛
脂、豚脂、魚脂、肝脂、鯨脂などの動物性が例示でき
る。
ヒマシ油脂肪酸の低分子量ポリオールとのエステルと
しては、ヒマシ油と低分子量ポリオールとのエステル化
物、ヒマシ油脂肪酸またはそのアルキルエステルと低分
子量ポリオールとのエステル化物などがあげられる。
ここで低分子量ポリオールとしては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、ネアペンチルグリコール、
1,6−ヘキサングリコール、ポリプロプロピレングリコ
ール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトール、ソルビトール、多官能ポリエーテルポリ
オールなどのポリオール、あるいはこれらのポリオール
のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピ
レンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物などが
例示できる。
上述のヒマシ油系ポリオール(Y)は、、、ま
たはのいずれかの場合にあっても、1分子当り官能基
数が2.5以下、特に2.4以下であるものが用いられる。1
分子当りの官能基数が2.5を越えると、実質的にヒマシ
油と同等になってダイマー酸(X)とのエステルの粘度
が高くなり、本発明の目的を十分には達成しえなくな
る。一方、1分子当りの官能基数が極端に少なくなると
実質的にモノオールとなるので、下限はおのずから制約
があり、通常は1.3以上、特に1.4以上とする。
ちなみに、ヒマシ油は、リシノール酸を主成分とする
トリグリセリドであって、その構成脂肪酸の約90重量%
がリシノール酸であり、残りの脂肪酸のほとんどはOH基
を持たないものであるため、ヒマシ油の官能基数は約2.
7である(OH価は約160mgKOH/g)。
上記ヒマシ油系ポリオール(Y)以外のポリオール
(Z)としては、ヒマシ油、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサ
ングリコール、ポリプロプロピレングリコール、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、ソルビトール、多官能ポリエーテルポリオールなど
のポリオール、あるいはこれらのポリオールのアルキレ
ンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イド、ブチレンオキサイド等)付加物などが例示でき
る。
本発明のポリエステルポリオール組成物は、ダイマー
酸(X)1モルと、上述のヒマシ油系ポリオール(Y)
1モルまたは2モルおよび該ヒマシ油系ポリオール
(Y)以外のポリオール(Z)1モルまたは0モルとエ
ステル化物からなる。このうち特に重要なものは、ダイ
マー酸(X)1モルとヒマシ油系ポリオール(Y)2モ
ルとのエステル化物である。
エステル化反応は、不活性ガス雰囲気下に、上記各成
分を無触媒下または金属系触媒や酸性触媒の存在下に加
熱反応させることにより達成できる。反応温度は160〜2
50℃、殊に180〜240℃とし、反応時間は2〜24時間程度
とすることが多い。
ダイマー酸(X)1モルに対するヒマシ油系ポリオー
ル(Y)の使用量は、当量的には1モルまたは2モルと
するが、0.5〜2.5モル程度の巾は許容される。同様に、
ダアマー酸(X)1モルに対するヒマシ油系ポリオール
(Y)以外のポリオール(Z)の使用量は、当量的には
1モルまたは0モルとするが、1.5〜0モル程度の巾は
許容される。このような範囲であれば、副生物または未
反応物も生成するが、目的とするポリエステルポリオー
ル組成物が必要量生成するからである。
上記エステル化物からなる本発明のエステルポリオー
ル組成物は、種々の用途への使用が可能であるが、二液
型ウレタンシステムにおいてポリイソシアネート成分と
反応させるためのポリオール成分(つまりウレタンポリ
オール)として特に有用である。この場合、本発明のポ
リエステルポリオール組成物と共に、ヒマシ油をはじめ
他の公知のウレタンポリオールを併用することもでき
る。
ウレタンシステムにおけるポリイソシアネート成分と
しては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、
ポリメライズドMDI、カルボジイミド変性MDI、トリレン
ジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシ
レンジイソシアネート、ジフェニルスルホンジイソシア
ネート、トリフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル
シクロヘキシルジイソシアネート、ジフェニルプロパン
ジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、シク
ロヘキシレンジイソシアネート、3,3′−ジイソシアネ
ートジプロピルエーテル、トリフェニルメタントリイソ
シアネート、イソフォロンジイソシアネート、ジフェニ
ル−4,4′−ジイソシアネート、1,8−ジイソシアネート
−4−イソシアネートメチルオクタンなど、あるいはこ
れらのポリイソシアネートとポリオールまたはモノオー
ルを反応させて得られる末端イソシアネートプレポリマ
ーなどが用いられる。
ウレタン化反応に際してのポリオールとポリイソシア
ネートとの配合割合は、ポリオール中のOH基とポリイソ
シアネート中のNCO基との割合NCO/OHが0.8〜1.4の範囲
となるようにするのが、充分な硬化が図られるので好ま
しい。硬化は、室温で行ってもよく、加熱下に行っても
よい。
なおウレタン化反応に際しては、必要に応じ、充填剤
または顔料、難燃剤、硬化促進剤、架橋剤、触媒、消泡
剤、揺変剤、可塑剤、溶剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、レベリング剤等の添加剤を配合することができる。
本発明のポリエステルポリオール組成物を単独である
いは他の公知のポリオールと併用してウレタンポリオー
ルとして用いた二液型ウレタンシステムは、電気絶縁、
接着、塗料、封止剤、シーラント、ライニング剤、床
材、成形をはじめ、種々の用途に有用である。
作用 本発明のポリエステルポリオール組成物は、先にも述
べたように、ダイマー酸(X)1モルと、1分子当りの
官能基数2.5以下のヒマシ油系ポリオール(Y)1モル
または2モルおよび該ヒマシ油系ポリオール(Y)以外
のポリオール(Z)1モルまたは0モルとのエステル化
物からなる。
典型的な例として、ダイマー酸(X)を HOOC−R−COOH、 ヒマシ油系ポリオール(Y)を HO−R′−OH、 ヒマシ油系ポリオール(Y)以外のポリオール(Z)を HO−R″−OH とするとき、(X)1モルに(Y)2モルが反応すれ
ば、ポリエステルポリオール HO−R′−OOC−R−COO−R′−OH が得られ、(X)1モルに(Y)1モルと(Z)1モル
が反応すれば、ポリエステルポリオール HO−R′−OOC−R−COO−R″−OH が得られる。
ウレタン化に際しては、この末端OH基がポリイソシア
ネート化合物のNCO基と反応する。
実 施 例 次に本実施例をあげて本発明をさらに説明する。以下
「部」、「%」とあるのは重量基準で示したものであ
る。
ダイマー酸 ダイマー酸として、ダイマーが75%、トリマーが20
%、モノマーが5%の組成を有し、酸価193mgKOH/g、比
重0.95/25℃、粘度9000cps/25℃の市販のダイマー酸を
用いた。
ヒマシ油系ポリオール ヒマシ油系ポリオールとして、次のものを準備した。
(Y−1)部分脱水ヒマシ油 ヒマシ油600部と酸性亜硫酸ソーダ0.9部を温度計およ
び撹拌機を備えたフラスコに仕込み、減圧下に加熱し
た。脱水反応は165〜190℃ではじまり、その後は徐々に
昇温した。190〜250℃、1時間で反応を終了し、冷却後
150℃で酸性白土を加えてろ過精製した。これにより、O
H価120mgKOH/g、粘度450cps/25℃の部分脱水ヒマシ油が
得られた。
(Y−1′)部分脱水ヒマシ油 実施例1において反応時間のみを変更し、OH価140mgK
OH/g、粘度580cps/25℃の部分脱水ヒマシ油を得た。
(Y−2)部分アシル化ヒマシ油 ヒマシ油600部と無水酢酸35部を温度計、撹拌機およ
び還流コンデンサーを備えたフラスコに仕込み、120〜1
50℃で加熱して約2.5時間反応を継続させた。ついで還
流コンデンサーを蒸留コンデンサーに代えて徐々に昇温
し、副生した酢酸と未反応無水酢酸を蒸留回収した。こ
の間アスピレーターでしだいに減圧度を高めた。系の温
度は1時間後には230℃に達したので、この温度に1時
間継続後、冷却した。これにより、OH価125mgKOH/g、粘
度400cps/25℃の部分アセチル化ヒマシ油が得られた。
(Y−3)ヒマシ油と実質的にOH基を有しない天然油脂
とのエステル交換反応物 ヒマシ油200部とナタネ油(酸価 0.1、流動点−17.5
℃)100部とを、ナトリウムメチラートの28%メタノー
ル溶液 0.6部と共に230〜240℃で4時間反応させた
後、冷却し、リン酸(試薬1級)で中和し、ついで120
℃で活性白土を加えてろ過精製した。これにより、OH価
107mgKOH/g、粘度242cps/25℃のヒマシ油−ナタネ油エ
ステル交換反応物が得られた。
(Y−4)ヒマシ油脂肪酸の低分子量ポリオールとのエ
ステル ヒマシ油脂肪酸300部とエチレングリコール61部とを1
50〜200℃で150〜200℃で8時間反応させた後、冷却
し、ついで120℃で活性白土を加えてろ過精製した。こ
れにより、OH価265mgKOH/g、粘度265cps/25℃のエチレ
ングリコールモノリシノレートが得られた。
(Y′)ヒマシ油 OH価161.1mgKOH/g、粘度680cps/25℃のヒマシ油を用
いた。
実施例1 上述のダイマー酸582g(1モル)、上述のOH価120mgK
OH/gの部分脱水ヒマシ油(Y−1)1860g(2モル)お
よびスズ系触媒 2.4g(系に対し 0.1%)を温度計お
よび撹拌機を備えた三ッ口フラスコに仕込み220℃で8
時間反応させ、冷却後120℃で酸性白土を加えてろ過精
製した。この反応により、酸価2.6mgKOH/g、OH価44.5mg
KOH/g、粘度5080cps/25℃のポリエステルポリオール組
成物が得られた。
実施例2 上述のダイマー酸582g(1モル)、上述のOH価140mgK
OH/gの部分脱水ヒマシ油(Y−1′)1860g(2モル)
およびスズ系触媒2.4g(系に対し 0.1g)をフラスコに
仕込み、220℃で12時間反応させ、冷却後120℃で酸性白
土を加えてろ過精製した。この反応により、酸価1.8mgK
OH/g、OH価48.8mgKOH/g、粘度6380cps/25℃のポリエス
テルポリオール組成物が得られた。
実施例3 上述のダイマー酸582g(1モル)、上述のOH価125mgK
OH/gの部分アセチル化ヒマシ油(Y−2)1860g(2モ
ル)およびスズ系触媒2.4g(系に対し0.1%)をフラス
コに仕込み、220℃で16時間反応させ、冷却後120℃で酸
性白土を加えてろ過精製した。この反応により、酸価
4.3mgKOH/g、OH価42.2mgKOH/g、粘度4880cps/25℃のポ
リエステルポリオール組成物が得られた。
実施例4 上述のダイマー酸582g(1モル)と上述のOH価265mgK
OH/gのエチレングリコールモノリシノレート(Y−4)
832g(2モル)とをフラスコに仕込み、220℃で15時間
反応させ、冷却後120℃で酸性白土を加えてろ過精製し
た。この反応により、酸価 2.3mgKOH/g、HO価 79.0mg
KOH/g、粘度3100cps/25℃のポリエステルポリオール組
成物が得られた。
実施例5 上述のダイマー酸582g(1モル)、上述のOH価107mgK
OH/gのヒマシ油−ナタネ油エステル交換反応物(Y−
3)1840g(2モル)およびスズ系触媒 1.4g(系に対
し 0.1%)をフラスコに仕込み、220℃で15時間反応さ
せ、冷却後120℃で酸性白土を加えてろ過精製した。こ
の反応により、酸価 2.8mgKOH/g、OH価45.0mgKOH/g、
粘度4300cps/25℃のポリエステルポリオール組成物が得
られた。
実施例6 上述のダイマー酸1160g(2モル)、上述のOH価120mg
KOH/gの部分脱水ヒマシ油(Y−1)1830g(2モル)お
よびヘキサンジオール236g(2モル)をフラスコに仕込
み、実施例1と同様にして反応させ、精製することによ
り酸価 2.3mgKOH/g、OH価42.1mgKOH/g、粘度6100cps/2
5℃のポリエステルポリオール組成物得られた。
比較例1 上述のダイマー酸582g(1モル)と分子量400のポリ
プロピレングリコール800g(2モル)とをフラスコに仕
込み、220℃で6時間反応させ、冷却後120℃で酸性白土
を加えてろ過精製した。この反応により、酸価 2.8mgK
OH/g、OH価80.2mgKOH/g、粘度1530cps/25℃のポリエス
テルポリオール組成物が得られた。
比較例2 上述のダイマー酸1746g(3モル)、エチレングリコ
ール248g(4モル)およびスズ系触媒 2.0g(系に対し
0.1%)をフラスコに仕込み、220℃で8時間反応させ
た。反応物の粘度は100000cps/25℃以上であった。
比較例3 上述のダイマー酸582g(1モル)、エタレングリコー
ル124g(2モル)およびスズ系触媒 0.7g(系に対し
0.1%)をフラスコに仕込み、220℃で8時間反応させ
た。反応物の粘度は100000cps/25℃以上であった。
比較例4 上述のダイマー酸582g(1モル)と上述のOH価76.6mg
KOH/gのヒマシ油(B′)1860g(2モル)とをフラスコ
に仕込み、220℃で12時間反応させ、冷却後120℃で酸性
白土を加えてろ過精製した。この反応により、酸価 2.
7mgKOH/g、OH価76.6mgKOH/g、粘度7620cps/25℃のポリ
エステルポリオール組成物が得られた。
比較例5 市販のポリブタジエンポリオールを準備した。酸価は
0.1mgKOH/g以下、OH価は46.0mgKOH/g、粘度は7800cps/2
5℃であった。
実施例1〜6、比較例1〜5で得られたポリエステル
ポリオール組成物またはポリオールの特性値を第1表に
まとめて示す。
上記実施例1〜6のように、本発明のポリエステルポ
リオール組成物は、ウレタンポリオールとして取扱いや
すい粘度を有する。
〈ウレタン化反応〉 実施例1〜6、比較例1、4および5で得たポリエス
テルポリオール組成物またはポリオールと、カルボジイ
ミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリ
ウレタン工業株式会社製ミリオネートMTL)とをNCO/OH
=1.05の割合で配合し、混合撹拌し、脱泡後鋳型に流し
込み、温度120℃で1時間硬化して厚み3mmの硬化シート
を得た。
このウレタン硬化物の物性を次の第2表に示す。
発明の効果 本発明のポリエステルポリオール組成物は、取扱いや
すい粘度を有し、これをウレタンポリオールとして用い
たウレタンシステムは、吸水率が小さく、電気絶縁性に
すぐれたポリウレタンを与える。そして加温工程におい
ても異臭を生ずることもない。
また、得られるポリウレタンの硬度を小さくすること
ができ、たとえ可塑剤を配合する場合でもその量を少な
くすることができるので、可塑剤配合による不利が最小
限に抑えられる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ダイマー酸(X)1モルと、1分子当りの
    官能基数2.5以下のヒマシ油系ポリオール(Y)1モル
    または2モルおよび該ヒマシ油系ポリオール(Y)以外
    のポリオール(Z)1モルまたは0モルとのエステル化
    物からなるポリエステルポリオール組成物。
  2. 【請求項2】ヒマシ油系ポリオール(Y)の官能基数が
    1分子当り1.3〜2.4である特許請求の範囲第1項記載の
    ポリエステルポリオール組成物。
  3. 【請求項3】ダイマー酸(X)1モルと1分子当りの官
    能基数2.5以下のヒマ油系ポリオール(Y)2モルとの
    エステル化物からなる特許請求の範囲第1項記載のポリ
    エステルポリオール組成物。
  4. 【請求項4】ヒマシ油系ポリオール(Y)が、部分脱
    水ヒマシ油、部分アシル化ヒマシ油、ヒマシ油と実
    質的にOH基を有しない天然油脂とのエステル交換反応
    物、およびヒマシ油脂肪酸の低分子量ポリオールとの
    エステル、よりなる群から選ばれた化合物である特許請
    求の範囲第1項記載のポリエステルポリオール組成物。
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