JP2617596B2 - ヒートポンプ式給湯装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はヒートポンプ式給湯装置に関する。

（従来の技術及びその課題） 従来のヒートポンプ式給湯装置の１例が第４図に示さ
れている。

圧縮機21から吐出された冷媒ガスは凝縮器22で給湯水
を加熱することによって凝縮液化した後、絞り装置23で
断熱膨張し、次いで、蒸発器24で蒸発気化した後圧縮機
21に戻る。

このヒートポンプ式給湯装置は高温の湯を得るために
は圧縮機21における圧縮比を大きくしなければならず、
圧縮比を大きくすると、圧縮効率が低くなるので給湯性
能が低いという不具合があった。

そこで、これに対処するため第５図に示すヒートポン
プ式給湯装置が提案された。

低段圧縮機31から吐出された冷媒ガスは中間熱交換器
32で凝縮液化し、絞り装置33で断熱膨張し、蒸発器34で
蒸発気化して低段圧縮機31に戻る。

一方、高段圧縮機35から吐出された冷媒ガスは凝縮器
36で凝縮液化し、絞り装置37で断熱膨張し、中間熱交換
器32で蒸発気化した後、高段圧縮機35に戻る。

給湯水は中間熱交換器32で予熱された後、凝縮器36で
加熱されることにより熱湯となって取り出される。

このヒートポンプ式給湯装置は２台の圧縮機31及び35
を要するのみならず高段圧縮機35はその吸入圧力が高い
ため特別仕様とする必要があるので、そのコストが嵩む
という不具合があった。

（課題を解決するための手段） 本発明は上記課題を解決するために発明されたもので
あって、その要旨とするところは、圧縮室から圧縮途中
の冷媒ガスを吐出する中間吐出口及び完全に圧縮された
冷媒ガスを吐出する吐出口を具備する単段圧縮機の吐出
口から吐出された冷媒ガスを凝縮器、絞り装置、蒸発器
をこのこの順に経て上記圧縮機の吸入口に循環させる冷
媒配管と、上記圧縮機の中間吐出口から吐出された圧縮
途中の冷媒ガスを中間凝縮器及び絞り手段をこの順に経
て上記蒸発器の入口に循環させる冷媒回路と、給湯水を
上記中間凝縮器及び上記凝縮器をこの順に流過させる給
湯配管とを配設したことを特徴とするヒートポンプ式給
湯装置にある。

（作用） 圧縮機の吐出口から吐出された高温・高圧の冷媒ガス
は冷媒配管を循環する過程で凝縮器で凝縮液化し、絞り
装置で断熱膨張し、蒸発器で蒸発気化した後、圧縮機の
吸入口に吸入される。

圧縮機の中間吐出口から吐出された圧縮途中の中温・
中圧の冷媒ガスは冷媒回路を流過する過程で中間凝縮器
で凝縮液化し、絞り装置で断熱膨張した後、蒸発器の入
口で冷媒配管中を循環する冷媒と合流する。

給湯水は中間凝縮器で中間吐出口から吐出された中温
・中圧の冷媒ガスと熱交換することによって予熱された
後、凝縮器で吐出口から吐出された高温・高圧の冷媒ガ
スと熱交換することによって更に加熱されて熱湯水とな
る。

（実施例） 本発明の１実施例が第１図ないし第３図に示されてい
る。

第１図において、１は圧縮機で、圧縮途中の冷媒ガス
を吐出するための中間吐出口11と完全に圧縮された後の
冷媒ガスを吐出するための吐出口12と、吸入口13とを持
っている。この圧縮機１の吐出口12と、凝縮器２と、絞
り装置３と、蒸発器４と、圧縮機１の吸入口13とはこの
順に冷媒配管25により接続されている。圧縮機１の中間
吐出口11と、中間凝縮器５と、絞り手段６と蒸発器４の
入口とはこの順に冷媒回路７により接続される。

８は給湯水を中間凝縮器５及び凝縮器２をこの順に流
過させる給湯配管である。

第２図には圧縮機１の詳細が示されている。

シリンダ14内にはロータ15が偏心した状態で配設さ
れ、このロータ15は駆動軸16によって駆動されることに
より矢印方向に偏心回転してその外周面がシリンダ14の
内周面に摺接する。シリンダ14にはベーン17が出没自在
に支持され、このベーン17はスプリング18によって押推
されることにより前進してその先端はロータ15の外周面
に摺接する。シリンダ14にはベーン17に隣接して回転方
向側に吸入口13が配設され、また、その反回転方向側に
は吐出口12が配設され、これら吸入口13と吐出口12との
中間に中間吐出口11が配設されている。19は吐出口12を
開閉する吐出弁、20は中間吐出口11を開閉する中間吐出
弁である。

しかして、ロータ15を矢印方向に回転駆動すると、冷
媒ガスが吸入口13から吸入室Ｓに吸入される。そして、
ロータ15が吸入口13を通過すると、吸入室Ｓは圧縮室Ｃ
となり、圧縮室Ｃの容積が次第に減少するのに伴って圧
縮室Ｃ内の冷媒ガスが次第に圧縮される。冷媒ガスの圧
力が所定の中間圧力に上昇すると、中間吐出弁20を押し
開いて中間吐出口11から吐出される。ロータ15が中間吐
出口11を通過すると、圧縮室Ｃ内の冷媒ガスの圧力は更
に上昇し、この圧力が所定の吐出圧力に上昇すると、吐
出弁19を押し開いて吐出口12から吐出される。

第３図にはモリエル線図が示され、圧縮機１の吸入口
13から吸入された状態ａの冷媒ガスは圧縮機１によって
圧縮された後吐出口12から状態ｂ状態で吐出され、凝縮
器２で凝縮することによりｂ状態からｃ状態となり、次
いで、絞り装置３で断熱膨張することによりｃ状態から
ｄ状態となり、次いで、蒸発器４で蒸発することによっ
てｄ状態からａ状態となる。

一方、中間吐出口11からｅ状態で吐出された冷媒ガス
は中間凝縮器５で凝縮することによりｅ状態からｆ状態
となり、次いで、絞り手段６で断熱膨張することにより
ｆ状態からｇ状態となり、次いで、蒸発器４で蒸発する
ことによりｇ状態からａ状態となる。

給湯配管８から供給される低温・低圧の水は中間凝縮
器５に入り、ここで中間吐出口11から吐出された中温・
中圧の冷媒ガスと熱交換することにより予熱された後、
凝縮器２に入り、ここで吐出口12から吐出された高温・
高圧の冷媒ガスと熱交換することによって昇温して熱湯
水となって取り出される。

上記実施例においては、圧縮機１として回転圧縮機を
用いているが、圧縮途中のガスを取り出し得るものであ
れば任意の形式、構造の圧縮機を用いうることは勿論で
ある。

（発明の効果） 本発明においては、圧縮機の吐出口から吐出された冷
媒ガスを凝縮器、絞り装置、蒸発器をこの順に経て上記
圧縮機の吸入口に循環させる冷媒配管と、上記圧縮機の
中間吐出口から吐出された圧縮途中の冷媒ガスを中間凝
縮器及び絞り手段をこの順に経て上記蒸発器の入口に循
環させる冷媒回路と、給湯水を上記中間凝縮器及び上記
凝縮器をこの順に流過させる給湯配管とを配設したた
め、給湯水は中間凝縮器で中間吐出口から吐出された中
温・中圧の冷媒ガスと熱交換することによって予熱され
た後、凝縮器で吐出口から吐出された高温・高圧の冷媒
ガスと熱交換することによって更に加熱されて熱湯水と
なる。

この結果、一台の圧縮機しか有しないのにも拘らず第
５図に示す２段圧縮式と同程度の高い給湯性能を奏する
ことができ、しかも、従来の２段圧縮式に比し装置を構
成する機器の数が減少するので設備費が低減する。ま
た、圧縮機の吸入圧力は低くて足り、従って、従来の２
段圧縮式の高段圧縮機と異なり比重量の大きい冷媒ガス
を圧縮する必要がないので機械的トラブルを回避でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本発明の１実施例を示し、第１図
は系統図、第２図は圧縮機の縦断面図、第３図はモリエ
ル線図である。第４図は従来の単段圧縮式の系統図、第
５図は従来の２段圧縮式の系統図である。 圧縮機……１、吸入口……13、吐出口……12、中間吐出
口……11、凝縮器……２、絞り装置……３、蒸発器……
４、冷媒配管……25、冷媒回路……７、中間凝縮器……
５、絞り手段……６、給湯配管……８

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水野 博国 大阪府大阪市北区中之島３丁目３番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 松下 清嗣 福岡県福岡市南区塩原２丁目１番47号 九州電力株式会社総合研究所内 (72)発明者 岩坪 哲四郎 神奈川県横須賀市長坂２丁目６番１号 財団法人電力中央研究所横須賀研究所内 (72)発明者 関田 真澄 愛知県西春日井郡西枇杷島町字旭町３丁 目１番地 三菱重工業株式会社エアコン 製作所内 (56)参考文献 特開 昭61−107058（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】圧縮室から圧縮途中の冷媒ガスを吐出する
   中間吐出口及び完全に圧縮された冷媒ガスを吐出する吐
   出口を具備する単段圧縮機の吐出口から吐出された冷媒
   ガスを凝縮器、絞り装置、蒸発器をこの順に経て上記圧
   縮機の吸入口に循環させる冷媒配管と、上記圧縮機の中
   間吐出口から吐出された圧縮途中の冷媒ガスを中間凝縮
   器及び絞り手段をこの順に経て上記蒸発器の入口に循環
   させる冷媒回路と、給湯水を上記中間凝縮器及び上記凝
   縮器をこの順に流過させる給湯配管とを配設したことを
   特徴とするヒートポンプ式給湯装置。