JP2614967B2 - ガスシールドアーク溶接メタル系フラックス入りワイヤ - Google Patents

ガスシールドアーク溶接メタル系フラックス入りワイヤ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフラックス入りワイヤに
関し、特に、ヒューム発生量を低減したガスシールドア
ーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤに関するもの
で、特に、軟鋼、高張力鋼、低合金鋼などの溶接に適し
ている。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
産業界全体で人手不足が呼ばれているなか、特に溶接技
能者の不足は深刻で、鉄骨、産機、造船などの業界で
は、高能率化、自動化、ロボット化が進められる一方、
脱3Kなどの観点より溶接作業環境改善に関する取組が
急激に進んでいる。
【0003】溶接技能者不足が一因として、ガスシール
ドアーク溶接用フラックス入りワイヤは、(1)溶接の容
易性、(2)高能率性の面より、近年需要が急速に伸びて
いる。その中で、特にメタル系フラックス入りワイヤは
これらの(1)、(2)の利点に加え、スラグの発生量が少
ないという特長を有しており、その伸長が期待されてい
る。
【0004】しかしながら、この種のワイヤの最大の難
点は、高能率性を得るため、高溶接電流で使用され、こ
のため、ヒューム発生量が多く、溶接作業環境面よりそ
の伸展に疑問が抱かれている。
【0005】本発明は、これらの要請を鑑みて、ヒュー
ム発生量の少ないガスシールドアーク溶接メタル系フラ
ックス入りワイヤを提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】溶接ヒュームを低減する
技術としては、本出願人による特許第1403569
号、同第1572313号、同第1572327号など
があり、特に外皮中のC量や酸素量を低減することが有
効であることが知られている。しかしながら、メタル系
フラックス入りワイヤの場合、高溶着速度を得るために
高電流(例えば300〜500A)で適用され、溶接ヒュ
ーム発生量が電流の増加につれて指数的に多くなるた
め、従来技術では十分対応できない。
【0007】そこで、本発明者は、メタル系フラックス
入りワイヤにおけるヒューム発生量の低減対策について
鋭意研究を行った結果、従来の外皮中の低C量化技術に
加えて、特に外皮及びフラックス中のTi、Alの調整が
効果的であることを知見し、この知見に基づき更に種々
の試験研究を重ねて、ここに本発明を完成したものであ
る。
【0008】すなわち、本発明は、軟鋼製外皮にフラッ
クスを充填してなるガスシールドアーク溶接メタル系フ
ラックス入りワイヤにおいて、 軟鋼製外皮として、外皮全重量に対する割合で、 C:≦0.02% Ti:0.01〜0.20% Al:0.01〜0.10% を含有し、かつ、 Ti/C≧1.0 Al/C≧1.5 を満足する組成の鋼であり、 フラックスとして、ワイヤ全重量に対する割合で、 Ti又はTi酸化物(Ti量に換算):0.03〜1.0% アルカリ金属の酸化物、弗化物の1種以上(アルカリ金
属元素に換算):0.01〜0.15% Fe:5〜28% 金属粉:≧94%(対フラックス全重量%)を含み、更に Mn(外皮中のMn量も合計して):0.5〜3.6% Si(外皮中のSi量も合計して):0.1〜1.8% を含むメタル系フラックスであることを特徴としてい
る。
【0009】以下に本発明について更に詳細に説明す
る。
【0010】
【作用】
【0011】先ず、本発明のうち、ワイヤ外皮の成分を
限定するに至った理由を記述する。外皮成分面からの溶
接ヒューム低減を図る手段を検討するために各種実験を
行い、それにより得られた成果の骨子を示す実験結果例
を以下に説明する。
【0012】これらの実験では、後述の表1中のNo.1
の組成のフラックス(フラックス率15%)を、種々のT
i、Al量の軟鋼外皮(C:0.003〜0.03%、Mn:
0.20〜0.30%、Si:0.01〜0.03%、P:
0.008〜0.011%、S:0.005〜0.007
%、N:0.002〜0.004%)と組合せて、1.4mm
径のフラックス入りワイヤを作製した。
【0013】次に、以下に示す一定の溶接条件で、試験
板JIS G3106 SM490A(板厚12mm)を使っ
て下向ビードオンプレート溶接を実施し、その間の溶接
ヒューム発生量をJIS Z3930に準拠して測定し
た。
【0014】(溶接条件) 溶接電流:350A 溶接電圧:36V 溶接速度:30cm/分 ワイヤ突出し長さ:25mm 極性:DC(ワイヤプラス) シールドガス:CO2、流量25リットル/分
【0015】図1、図2は、実験によって得られたデー
タをもとに溶接ヒューム発生量と外皮中のTi、Al、C
量との関係を求めたものである。図1、図2に示すよう
に、溶接ヒューム発生量を減少させるためには、外皮成
分について従来技術である低C%化に加えて、Ti、Al
をそれぞれ0.01%以上での複合添加が有効な手段で
あることが確認された。このうち、Alについては単独
では効果が少なく、Tiとの複合添加により始めて顕著
な効果が生じることが判明した。また、Ti、Alの溶接
ヒューム低減効果は、C≦0.02%、Ti/C≧1.
0、Al/C≧1.5で得られることも判明した。
【0016】これらTi、Alにより溶接ヒューム低減効
果が得られる理由としては、Ti、Alが酸素との親和性
が強く、高凝固点酸化物を生成するため、アーク溶接過
程においてワイヤ先端の懸垂溶滴表面に酸化皮膜を形成
し、Cと酸素との反応の結果として生じるヒューム発生
源であるCO、CO2の爆発的生成を抑制するためと考
えられる。
【0017】また、Ti、Al量の上限は、溶接金属へ歩
留った結果生じる延性低下、硬化等に材質劣化を避ける
ため、それぞれ0.20%、0.10%とする必要がある
ことを究明した。
【0018】以上の理由から、溶接ヒューム低減に適切
な軟鋼外皮としては、外皮全重量に対する割合で、 C≦0.02% Ti:0.01〜0.20% Al:0.01〜0.10% を含有し、かつ、 Ti/C≧1.0、Al/C≧1.5 を満足する組成の鋼である。
【0019】より好ましい範囲を示すと、 C:≦0.01% Ti:0.01〜0.10% Al:0.01〜0.05% を含有し、かつ、 Ti/C≧3.0 Al/C≧2.0 を満足する組成である。なお、ワイヤ製造上の圧延又は
/及び引抜工程における加工性を考慮すると、Mn:0.
10〜0.70%、Si≦0.35%の範囲が望ましい。
【0020】次に、充填するフラックス成分を限定する
に至った理由を説明する。なお、フラックス成分は、ワ
イヤ全体に対する重量%である。
【0021】Ti又はTi酸化物(Ti量換算):0.03〜
1.0% Tiは溶接ヒューム量低減、溶込み形状改善及びアーク
安定性改善に効果があり、外皮中のTi量を考慮して添
加する。すなわち、Tiは0.03%以上で、溶接ヒュー
ム量低減、溶込み深さ及びアーク安定性改善に効果があ
る。しかし、1.0%超えとなると、金属又は合金形の
Tiの場合、溶着金属への歩留が大きくなり延性が極度
に低下し、またTi酸化物の場合、スラグ量が過剰とな
り、連続多層溶接時にスラグ巻等の欠陥が生じ易くな
る。
【0022】Ti/C≧1.0 フラックス成分面から溶接ヒューム発生量を低減するた
めには、フラックス中のC量を減少させると共に、Ti
をC量に応じて添加すると効果がある。すなわち、Ti
/C比が1.0以上で溶接ヒューム低減の顕著な効果が
得られる。なお、Ti源としては、金属Ti、Fe−Ti等
の合金、及びルチール、還元イルミナイト、ルコキシ
ン、イルミナイト、チタン酸カリ等の酸化物が挙げられ
る。
【0023】Al又はAl23(Al量換算):0〜1.0% AlはTiに比べると顕著でないが、溶接ヒューム量低減
に効果があるので、必要に応じて添加する。その場合、
Alが1.0%超となると、金属又は合金のAlの場合、
溶着金属へのTiの歩留を過剰にせしめ、延性が著しく
低下し、またAl23の場合、スラグ剥離性が著しく低
下する。なお、Al源としてはAl、Fe−Al、Al−Li
等の合金及びAl23等の酸化物が挙げられる。
【0024】アルカリ金属の酸化物、弗化物の1種以上
(アルカリ金属元素に換算):0.01〜0.15% アーク安定性及びスパッタ量低減を図るため、Li、N
a、K、Rb、Cs等のアルカリ金属成分を添加する。ア
ルカリ金属は、吸湿性が著しいため、酸化物、弗化物の
形で1種以上用いるのが好ましい。上記範囲に限定した
のは、0.01%未満ではアーク安定性向上及びスパッ
タ低減の効果が得られないためであり、また0.15%
超えでは、これらアルカリ金属が高蒸気圧を有するた
め、却ってスパッタが増大する他にTi、Alによる溶接
ヒューム低減効果が得られないためである。
【0025】なお、長石、無水珪酸ソーダ、水ガラス、
Li、Na、K等の複合酸化物、氷晶石、珪弗化カリ、珪
弗化ソーダ等の弗化物や、少量のアルカリ金属の炭酸塩
もアーク熱により分解して酸化物となるため、同様の効
果が得られる。
【0026】C:0〜0.07% Cは、脱酸剤、強度や焼入性向上による靭性確保及び溶
込み深さを得るため、必要に応じて、外皮中のC量を考
慮してフラックスに適量にて添加できる。その場合、C
量が0.07%超となるとTi、Alの溶接ヒューム量低
減効果が得られず、著しく溶接ヒューム発生量が増大す
るので、0.07%以下とする。なお、C源としては、
Fe−Mn、Fe−Si−Mn、黒鉛、鉄粉(炭素鋼、鋳鉄)
及び炭酸塩などが挙げられる。
【0027】Mn(外皮中のMn量も合計して):0.5〜
3.6% Mnは、脱酸剤、強度や焼入性向上による靭性改善及び
溶融金属スラグの粘性増加によるビード形状改善(特に
水平すみ肉の場合)のために、外皮中のMn量も考慮して
添加する。その場合、Mnが0.5%未満では軟鋼用とし
ても十分な強度が得られず、またビード形状も良好でな
い。またMnが3.6%超では溶着金属強度が過剰とな
り、低温割れが生じ易くなるので、上記範囲とする。な
お、Mn源としては、Mn、Fe−Mn、Fe−Si−Mnな
どが挙げられる。
【0028】Si(外皮中のSi量も合計して):0.1〜
1.8% SiはMnと同様の作用効果を及ぼす。しかし、Siが0.
1%未満では、脱酸剤、靭性改善及びビード形状改善効
果が得られず、またSiが1.8%超では、溶着金属中の
Si量が過剰となり、逆に靭性や延性が低下するので、
上記範囲とする。なお、Si源としては、SiやFe−S
i、Fe−Si−Mn、Fe−Si−Mg等の合金が挙げられ
る。
【0029】Fe:5〜28% Fe粉量は、高溶着速度を得るためにフラックス率に応
じて添加する。フラックス率(フラックスの対ワイヤ全
重量%)は、10%未満では外皮金属の肉厚が厚すぎる
ため大粒のスパッタが増大する。一方、30%超では外
皮金属の肉厚の減少に伴いワイヤが柔らかくなるため、
送給性が低下する他、アークの拡がりが著しくなり、溶
込み深さの低下やアンダーカットが生じやすくなる。こ
のため、フラックス率としては10〜30%の範囲が好
ましい。
【0030】Fe粉は、上述のフラックス率に応じて添
加するが、5%未満ではメタル系フラックス入りワイヤ
の特長である顕著な高溶着速度が得られず、また28%
超では脱酸剤など他の成分が不足し、所定の溶接金属の
機械的性質の確保やピット、ブローホール等の溶接欠陥
防止が困難となる。したがって、Fe粉量は5〜28%
の範囲とする。
【0031】金属粉:≧94%(対フラックス全重量%) メタル系フラックス入りワイヤの特長である高溶着速度
特性及び連続多層溶接可能なスラグ量を確保するために
酸化物、弗化物、炭酸塩等の非金属物質を除く、フラッ
クス中の金属粉比率を94%以上にする必要がある。
【0032】その他、上記金属粉の比率を満足する範囲
内で、ビード外観、形状を更に改善するためにSiO2
ZrO2、CaO、FeO等の酸化物を添加したり、スラグ
剥離性を改善するため高温割れの生じない範囲の0.1
%(対ワイヤ全重量%)以下の酸化ビスマス(Bi23)を
添加したり、ビード形状の劣化しない範囲の0.2%(対
ワイヤ全重量%)以下のMgOやMgを添加することもで
きる。
【0033】更に、本発明の適用母材鋼種は主として軟
鋼、高張力鋼であるが、用途によりNi、Cr、Mo及び
Cuなどの金属又は合金を添加して低合金鋼、高合金鋼
などに拡大適用しても差し支えない。
【0034】なお、シールドガスの種類としては、炭酸
ガスが主体であるが、Ar、He等でもよく、それらの混
合ガスでも適用できる。また、フラックス入りワイヤの
断面形状も何ら制限がなく、例えば、図3の(A)、
(B)、(C)、(D)等に例示する種々の形状のものが使用
できる。(D)の形状の場合はワイヤ表面にAl、Cu等の
メッキ処理を施してもよく、メッキ量は0.05〜0.3
0%が適当である。ワイヤ径も用途に応じて1.2mm
φ、1.4mmφ、1.6mmφ、2.0mmφ、2.4mmφ、
3.2mmφの中から任意に決めることができる。
【0035】次に本発明の実施例を示す。
【0036】
【実施例】
【0037】表1に示す組成の鋼からなる外皮金属を用
い、表2及び表3に示す成分組成の充填用フラックスを
作成し、図3中の(A)の断面形状にて供試ワイヤ(ワイ
ヤ径1.4mmφ)を作製した。次いで各フラックス入りワ
イヤを使用し、下記条件で溶接を行い、ヒューム発生
量、作業性等について調査した。
【0038】(溶接条件) 極 性:DCワイヤ(+) 溶接電流:350A 電 圧:37±3V 速 度:30cm/min シールドガス:100%CO2、25リットル/min チップ母材間距離:25mm 試験板:JIS G 3106、SM490A(12mmt) 溶接法:下向ビードオンプレート溶接
【0039】(ヒューム測定法)JIS Z 3930「被
覆アーク溶接棒の全ヒューム量測定方法」に準じて、1
分間溶接した際に発生するヒュームの重量を測定するこ
とにより、単位時間当たりの値(g/min)(繰返し回数=
3の平均値)を求めた。ヒュームは図4に示す捕集箱を
備えた装置により回収した。
【0040】実験結果は表4に示すとおりであり、以下
の如く考察される。
【0041】実験No.1〜8は本発明例であり、いずれ
もヒューム発生量が極めて少なくなっている。これに対
し、実験No.9〜31の比較例は本発明の要件を完全に
満足していないため、以下に示すとおり、ヒューム発生
量が多く、或いは比較的少ない場合でも作業性等が劣っ
ている。
【0042】実験No.9は、外皮金属のC量が本発明範
囲外にある例で、ヒューム発生量が増加している。
【0043】実験No.10〜11は、外皮金属のTi量
が本発明範囲外にある例で、少なすぎるとヒューム発生
量が増加し、多すぎると溶接金属への歩留りが高くな
り、延性が低下する。
【0044】実験No.12〜13は、外皮金属のAl量
が本発明範囲外にある例で、少なすぎるとヒューム発生
量が増加し、多すぎると溶接金属の延性が低下する。
【0045】実験No.14は、外皮金属のTi/C比
が、No.15はAl/C比が本発明範囲外にある例で、
ヒューム発生量が増加している。
【0046】実験No.16は、外皮金属のC、Ti、A
l、Ti/C比、Al/C比が全て本発明範囲外にある例
で、ヒューム発生量が急増している。
【0047】実験No.17〜18は、フラックスのTi
又はTi酸化物(Tiに換算)が本発明範囲外にある例で、
少なすぎるとヒューム発生量が増えアークの安定性が劣
化する。多すぎると溶接金属の延性が低下する。
【0048】実験No.19は、フラックスのAl量が本
発明範囲外にある例で、溶接金属の延性が低下してい
る。
【0049】実験No.20は、フラックスのTi/C比
が本発明範囲外にある例で、ヒューム低減の効果が認め
られない。
【0050】実験No.21は、フラックスのC量が本発
明範囲外にある例で、ヒューム発生量が増大している。
【0051】実験No.22〜23は、フラックスのアル
カリ金属量が本発明範囲外にある例で、少なすぎるとア
ーク安定性が悪く、スパッタが増加する。多すぎても却
ってスパッタが増大する他、ヒューム低減効果が損われ
る。
【0052】実験No.24〜25は、フラックスのFe
量が本発明範囲外にある例で、少なすぎると大粒のスパ
ッタが増大する。一方、多すぎると外皮金属の肉厚が薄
くなるため、送給性が悪化し、アンダーカット等の欠陥
が生じ易い。
【0053】実験No.26は、金属粉比率が本発明範囲
外にある例で、メタル系フラックス入りワイヤの特長で
ある能率性が損われると共に、スラグ量が増加し連続多
層溶接が困難となる。
【0054】実験No.27〜28は、Mn量が本発明範
囲外にある例で、少なすぎると十分な強度が得られず、
またビード形状も劣化する。多すぎると強度が過剰とな
り、低温割れが生じ易い。
【0055】実験No.29〜30は、Si量が本発明範
囲外にある例で、少なすぎるとビード形状が劣化し、多
すぎると溶接金属の靱性や延性が低下する。
【0056】実験No.31は、特にヒューム発生量低減
に寄与している要件(外皮金属におけるC、Ti、Al、
Ti/C、Al/C、フラックスにおけるTi、C、Ti/
C)が全て本発明範囲外にある例で、ヒューム発生量が
激増している。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
ヒューム発生量の少ないガスシールドアーク溶接メタル
系フラックス入りワイヤを提供でき、しかも、メタル系
フラックス入りワイヤの特長である高溶着速度、溶接作
業性等も損うことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒューム発生量と外皮中のTi、Al、C量との
関係を示す図である。
【図2】ヒューム発生量と外皮中のTi、Al、C量との
関係を示す図である。
【図3】フラックス入りワイヤの断面形状の例を示す図
である。
【図4】ヒューム捕集箱を備えた装置の概略説明図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本哲哉 神奈川県藤沢市宮前字裏河内100−1株 式会社神戸製鋼所藤沢事業所内 (56)参考文献 特開 平7−276077(JP,A) 特開 平3−294091(JP,A) 特開 平2−307698(JP,A) 特開 昭62−248597(JP,A) 特開 昭62−248593(JP,A) 特開 昭62−84893(JP,A) 特開 昭61−206589(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟鋼製外皮にフラックスを充填してなる
    ガスシールドアーク溶接メタル系フラックス入りワイヤ
    において、 軟鋼製外皮として、外皮全重量に対する割合で、 C:≦0.02% Ti:0.01〜0.20% Al:0.01〜0.10% を含有し、かつ、 Ti/C≧1.0 Al/C≧1.5 を満足する組成の鋼であり、 フラックスとして、ワイヤ全重量に対する割合で、 Ti又はTi酸化物(Ti量に換算):0.03〜1.0% アルカリ金属の酸化物、弗化物の1種以上(アルカリ金
    属元素に換算):0.01〜0.15% Fe:5〜28% 金属粉:≧94%(対フラックス全重量%)を含み、更に Mn(外皮中のMn量も合計して):0.5〜3.6% Si(外皮中のSi量も合計して):0.1〜1.8% を含むメタル系フラックスであることを特徴とするガス
    シールドアーク溶接メタル系フラックス入りワイヤ。
  2. 【請求項2】 前記フラックスが更に、ワイヤ全重量に
    対する割合で、 Al又はAl23(Al量に換算):≦1.0% を含んでいる請求項1に記載のガスシールドアーク溶接
    メタル系フラックス入りワイヤ。
  3. 【請求項3】 前記フラックスが更に、ワイヤ全重量に
    対する割合で、 C:≦0.07% (但し、Ti/C≧1.0) を含んでいる請求項1又は2に記載のガスシールドアー
    ク溶接メタル系フラックス入りワイヤ。
  4. 【請求項4】 軟鋼製外皮として、外皮全重量に対する
    割合で、 C:≦0.01% Ti:0.01〜0.10% Al:0.01〜0.05% を含有し、かつ、 Ti/C≧3.0 Al/C≧2.0 を満足する組成の鋼である請求項1に記載のガスシール
    ドアーク溶接メタル系フラックス入りワイヤ。
  5. 【請求項5】 前記フラックスが、 Ti/C≧3.0 を満足しているものである請求項3に記載のガスシール
    ドアーク溶接メタル系フラックス入りワイヤ。
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