JP2613862B2 - 浴用組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、皮膚の疲れやたるみを
取る美肌効果を有し、且つ血行促進により保温効果を高
めるという優れた効果を有する新規な浴用組成物に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の
浴用剤組成物は、その成分として硫酸ナトリウム、炭酸
水素ナトリウム、塩化ナトリウム等のいわゆる無機塩類
を主成分とし、これに香料、油分、色素等の補助成分を
適宜配合し、入浴時の気分を爽快にし、血行を促進さ
せ、新陳代謝を高めるとして、多種多用のものが上市さ
れている。

【０００３】しかしながら、現在の浴用剤は、浴用剤の
成分により皮膚の疲れやたるみをとる美肌効果や血行を
促進し、新陳代謝を高めることによる保温効果を得るに
は不充分といった問題があった。そこで、本発明は、皮
膚の疲れやたるみを取る美肌効果を有し、且つ血行を促
進して保温効果を高めるという優れた効果を有する新規
な浴用組成物を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な状況に鑑み鋭意研究を重ねた結果、γ−アミノ酪酸及
びその誘導体の少なくとも１つを配合することによって
美肌効果、及び保温効果に優れてた浴用組成物が得られ
ることを見出し本発明を完成した。

【０００５】γ−アミノ酪酸は、植物界に広く遊離の形
で存在し、動物では脳内に多く脳の代謝に重要な役割を
果している。脳の代謝系に関するγ−アミノ酪酸の作用
については多数の報告があるがアミノ基転移と脱炭酸反
応の２つが定説になっている。

【０００６】すなわち、脳内のγ−アミノ酪酸は、グル
タミン酸から生じて、最後はＴＣＡサイクルに入り、エ
ネルギー源となる。このため脳血管障害の後遺症の改善
を初め、記憶喪失、言語障害、失語症、筋萎縮症の改善
に用いられている。一方、γ−アミノ酪酸は、延髄の血
圧中枢に作用し、血圧降下作用もあることがわかって来
た。

【０００７】本発明の浴用組成物においては、配合した
γ−アミノ酪酸及びその誘導体類が、安定で経時的に皮
膚に吸収されて、皮膚の健康状態の改善と美化が増進さ
れる。更に浴用組成物に配合した他の成分と相高まっ
て、皮膚の疲れやたるみを取る美肌効果と保温効果を著
しく向上させその商品価値を一層高める。

【０００８】即ち、本発明は、下記一般式で示される、

【化２】 （式中で、Ｒ₁ 、Ｒ₂ は水素原子又はメチル基であり、
Ｒ₃ は水素原子、アルキル基又はアルケニル基であ
る。）γ−アミノ酪酸及びその誘導体の少なくとも一つ
から選ばれるものを含有することを特徴とする浴用組成
物である。γ−アミノ酪酸誘導体としては、具体的には
例えば、Ｎ−メチル−アミノ酪酸、Ｎ−ジメチル−アミ
ノ酪酸、γ−アミノ酪酸ラウリルエステルなどが挙げら
れる。

【０００９】以下、本発明の構成の詳細について説明す
る。本発明の浴用組成物におけるγ−アミノ酪酸及びそ
の誘導体類としての含有量は、０．００５％（重量％以
下同じ）〜２０％、好ましくは０．００５〜５％、更に
好ましくは０．０１〜３％である。

【００１０】本発明においてγ−アミノ酪酸及びその誘
導体類と共に配合する他の浴用剤成分として、通常使用
出来るものなら全て使用出来るが、効能、効果に応じ以
下の物質から適宜選択することが好ましい。

【００１１】１）無機塩類 塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、ホウ酸、ほう砂、硫酸ナトリウム、硫化ナトリウ
ム、硫化カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、
硫酸アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、リン酸水素カ
ルシウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、リン酸ナ
トリウム、次亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸カルシウム、
硫黄、セスキ炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム等。

【００１２】２）無機酸類 無水ケイ酸、メタケイ酸、ホウ酸等。

【００１３】３）有機酸類 安息香酸、クエン酸、フマル酸、酒石酸、リンゴ酸、サ
リチル酸等。

【００１４】４）油脂類 オリーブ油、大豆油、アーモンド油、ひまし油、やし
油、パーム油、タートル油、ヌカ油、ホホバ油、ミンク
油、卵黄油、スクワラン、アボガド油、ラノリン、流動
パラフィン、白色ワセリン等。

【００１５】５）粘結剤類 カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロ
ース、ナトリウム塩、カゼイン、ぺクチン、デンプン、
アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン、ローカストビーンガム、カラギナン、
寒天、カーボポール等。

【００１６】６）多価アルコール類 グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、ポ
リエチレングリコール、１，３−ブチレングリコール
等。

【００１７】７）香料類 ラベンダー油、ジャスミン油、ローズ油、レモン油、オ
レンジ油、ハッカ油、タイム油、ショウブ油、ウイキョ
ウ油、スギ油、ヒバ油、ヒノキ油、バラ油、ユーカリ
油、カンファー、ペパーミント油、スペアミント油、ゲ
ラニオール、ミカン油油、トウヒ、シトロネロール等の
天然及び合成香料等。

【００１８】７）植物粉砕物及び生薬類 レモンの皮、海藻、ヒノキ、ヒバ、米ヌカ、シュウブ、
ショウキョウ、カンゾウ、チンピ、トウヒ、トウキ、ニ
ンジン、ハッカ、ケイヒ、ウバイ、ヨモギ、ドクダミ、
モモノハ、カミツレ、アロエ、ジャスミン、ローズヒッ
プ、ラベンダー、グァバ、オウゴン、クコ、レイシ、ニ
ワトコ、アシタバ、ウコギ、ゴボウ等の粉砕物及びその
抽出液等。

【００１９】さらに、本発明の浴用剤組成物は、上記の
もの以外にも、必要に応じてその他の成分として、殺菌
剤、界面活性剤、ビタミン類、及び医薬品、医薬部外品
並びに化粧品用タール系色素等を適宜配合出来る。

【００２０】

【実施例】以下、実施例及び比較例に基づき本発明を詳
細に説明する。 実施例１ 表１の組成から成る浴剤について実施例１と比較例１と
を比べ評価した。製法は通常の浴剤の方法に準じた。評
価方法は、１０人に対し、入浴中の感触、入浴後の感触
および一週間連用した後の皮膚の状態について評価し
た。４０℃のお湯を浴槽に約２００ l入れ、実施例１、
比較例１の組成からなる浴用組成物をそれぞれ３０ｇ投
入し、１０分間入浴した。それぞれの評価項目について
５段階で評価を行い、非常に良い５点、良い４点、普通
３点、変化なし２点、悪い１点の点数を記入しその平均
を取った。その結果を、表２に示す。

【００２１】

【表１】

【００２２】

【表２】

【００２３】表２から明らかなように、実施例１は、比
較例１に比べ全ての項目について優れており、本発明の
浴用組成物が皮膚の疲れ、たるみを取る美肌効果に優れ
ている。また、テスト中、刺激や腫れ、アレルギー等の
問題はなかった。

【００２４】実施例２ γ−アミノ酪酸を表３に示す実施例２の様に配合し、通
常の製法に準じて浴用組成物を作成した。同様にしてγ
−アミノ酪酸を配合しないものを比較例２とし、また、
浴槽に何も添加しない淡水浴の３つの場合について比較
した。４０℃のお湯を浴槽に約２００ l入れ、淡水浴は
そのまま、実施例２、比較例２は各々３０ｇずつ投入
し、１０分間入浴した。入浴後、胸部の皮膚表面温度の
経時変化をサーモグラフィーを用いて測定した。結果を
表４に示す。数値はパネラー１０名の平均値である。

【００２５】

【表３】

【００２６】

【表４】

【００２７】上記の表４より、実施例２の浴用組成物
は、比較例２、淡水浴と比べ保温効果に優れていること
が判る。

【００２８】実施例３ 上記の組成から成る浴剤を、通常の方法にて作成し、浴
用組成物を得た。

【００２９】実施例４ 上記の組成から成る浴剤を通常の方法にて作成し、浴用
組成物を得た。

【００３０】上記実施例３〜４の組成からなる浴用組成
物を各々１０名の被験者が１ケ月間利用した結果、皮膚
の疲れ、たるみを取る美肌効果及び保温効果が得られ
た。また、テスト中に刺激や腫れ、アレルギー等の問題
もなかった。

【００３１】

【発明の効果】以上述べたように、本発明の浴用組成物
が、従来の浴用組成物に比べ、皮膚の疲れ、たるみを取
る美肌効果に優れ、更には、保温効果に優れた有用なる
浴用組成物であることは明らかである。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下記一般式で示される、 【化１】 （式中で、Ｒ₁ 、Ｒ₂ は水素原子又はメチル基であり、
   Ｒ₃ は水素原子、アルキル基又はアルケニル基であ
   る。）γ−アミノ酪酸及びその誘導体の少なくとも一つ
   から選ばれるものを含有することを特徴とする浴用組成
   物。