JP2611975B2 - 自動化学分析装置の液面検出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は、血清などの液体試料中の物質を定量するた
めの自動化学分析装置に用いられている液面検出装置に
関する。

（従来の技術） 誘電容量変化を利用した液面検出装置としては、本件
出願人による特願昭61-63075号の特許出願に開示した液
面検出装置がある。

この種の液面検出装置は、第４図に示すように、採取
プローブ10と図示しないトレイにセットされ仮想グラン
ド30eとされたカップ４とで構成した浮遊容量30dと、３
つの抵抗30a,30b,30cとから成るブリッジ回路30を備え
ており、浮遊容量30dの値は採取プローブ10が試料（サ
ンプルカップ又は試薬）の液面Ａへ接触したとき、より
大きな変化を与えることから、この変化に基づいて、液
面を検出するようになっている。

（発明が解決しようとする問題点） ところが従来の自動化学分析装置に用いられているト
レイはプラスチック製であるため、有効な仮想グランド
をとることが困難であり、このためブリッジ回路30から
得られる信号が小さくて正確に液面を検出することがで
きないことがあるという問題が生じた。

本発明の目的は、以上のような問題点を解決し、有効
な仮想グランドをとって、正確に液面を検出することが
できるようにすることにある。

［発明の構成］ （問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するため本発明は、サンプル又は試薬
を収容するカップと、このカップを保持するとともに、
該カップと接触する部分が導電体で形成され仮想グラン
ドとされたトレイと、前記カップに収容されたサンプル
又は試薬を吸引する導電体から成る採取プローブと、こ
の採取プローブとグランドとの間の静電容量の変化を検
出するブリッジ回路とを有することを特徴とするもので
ある。

（作用） 本発明は上記の構成としたので、次のように作用す
る。

即ち、トレイのカップと接触する部分が導電体で形成
されているので、仮想グランドが従来に比べて有効であ
り、従ってブリッジ回路から得られる信号も大きくなっ
て、正確に液面を検出することができる。

（実施例） 以下図示の実施例について説明する。

第１図は本発明に係る液面検出装置の要部を示すブロ
ック図であり、第４図に示した従来のものと同一部分に
ついては同一の符号が付してある。

１は本発明の特徴とするトレイであり、第２図に示す
ようにプラスチック板２と、導電体である板状のペルチ
ェ素子３とを重合して構成してある。プラスチック板２
にはサンプルカップ又は試薬カップ（以下単にサンプル
カップという）４を収容するための収容口1aが多数設け
られており、この収容口1aに収容されたサンプルカップ
４の底面はペルチェ素子３の上面と接触するようになっ
ている。そしてこのペルチェ素子３を仮想グランド30e
としてある。

ペルチェ素子３は、第３図に示すように吸熱効果を有
する吸熱板５と、放熱効果を有する放熱板６と、電極８
に接続されて電圧が印加される電極部７とからなり、吸
熱板５にサンプルカップ４の底面が接触するようになっ
ている。

以上のような液面検出装置は次のような作用効果を奏
する。

トレイ１のカップ４と接触する部分が導電体３で形成
されているので、仮想グランド30eが従来に比べて有効
であり、かつ、プローブ10から液を通しての仮想グラン
ドまでの距離が短くなるので、ブリッジ回路30から得ら
れる信号も大きくなって、正確に液面Ａを検出すること
ができる。

導電体３をペルチェ素子で構成し、吸熱板５にカップ
４の底面を接触せしめているので、カップ４に入れたサ
ンプル又は試薬を冷却することができる。従来のトレイ
は、冷却機能を有していなかったため、自動化学分析装
置内部の温度上昇によってサンプルまたは試薬の温度も
上昇し、蒸発が促進され、特にサンプルでは重要な測定
誤差を招く虞れがあったが、本実施例ではそのような虞
れを除去することができる。

以上本発明の一実施例について説明したが、本発明は
上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の
範囲内において適宜変形実施可能であることは言うまで
もない。

例えば、導電体はペルチェ素子ではなく、金属として
もよい。

また、カップ４はその底面に於てのみトレイと接触し
ているわけではなく、第１図に示すように外側面に於て
も接触しているので、カップ収容口1aの内周面1bに導電
体３と導通するアルミ膜などの金属膜乃至金属層を形成
してもよい。この場合仮想グランドの効果は一層向上す
ることとなる。

［発明の効果］ 以上詳述したように本発明によれば、トレイのカップ
と接触する部分が導電体で形成されているので、仮想グ
ランドが従来に比べて有効であり、従ってブリッジ回路
から得られる信号も大きくなって、正確に液面を検出す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る液面検出装置の要部を示すブロッ
ク図、第２図はトレイの部分斜視図、第３図はペルチェ
素子の断面図、第４図は従来装置の要部を示すブロック
図である。 １……トレイ、３……導電体、４……カップ、10……採
取プローブ、30e……仮想グランド。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】サンプル又は試薬を収容するカップと、 このカップを保持するとともに、該カップと接触する部
   分が導電体で形成され仮想グランドとされたトレイと、 前記カップに収容されたサンプル又は試薬を吸引する導
   電体から成る採取プローブと、 この採取プローブとグランドとの間の静電容量の変化を
   検出するブリッジ回路とを有することを特徴とする自動
   化学分析装置の液面検出装置。
2. 【請求項２】前記トレイにはペルチェ素子を備えた特許
   請求の範囲第１項記載の自動化学分析装置の液面検出装
   置。