JP2610061B2 - 固体ワックスよりの結晶融解温度幅の狭い分別ワックスの製造方法 - Google Patents

固体ワックスよりの結晶融解温度幅の狭い分別ワックスの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は固体の原料ワックスから蒸溜により、更にそ
の溜出分の融液晶析や結晶別により、複数に分離して
なる融点の相違し、かつ溶融開始温度と完了温度幅及び
融解エネルギーなど結晶熱特性の優れたワックス分別物
の製造方法であって、感熱紙(熱転写リボンを含む)、
サーモセンサー、ホットメルト接着剤などに有用なワッ
クスの製造方法に関するものである。
【従来の技術及び解決しようとする課題】
チーグラー法低重合度ポリオレフィン、石炭系合成ワ
ックス、フィッシャートロプシュワックス等の合成ワッ
クス、石油系パラフィンワックス、天然ワックスを利用
して、これらを分子量分別された融点の異なるワックス
の要求が当産業界に強い。特に、近年、融点幅の小さい
もの、すなわち、溶融開始温度と溶融完了温度の幅が小
さく、かつ溶融エネルギーの大なるワックスが熱センサ
ー、感熱紙、蓄熱材、ホットメルト接着剤などに強く求
められている。 しかしながら、現在、チーグラー法低重合度ポリオレ
フィン、すなわち、ポリエチレン製造時に副生される低
重合度ポリエチレン、あるいはエチレン又はこれを主成
分として重合された低重合度ポリエチレンなどは、上記
の産業上の要求に程遠い、特に融点幅で極めて不満足な
ものである。 従来、石油系のワックスの溶剤分別により、いくつか
の融点を持ったものが提供されているが、種々の所望融
点、その融点幅などの点、更には、その製法に難点があ
る。例えば、有機溶剤による再結晶法、発汗法が提案さ
れている。 溶剤再結晶法は、各量の溶剤を使用し、析出した結晶
と溶液とを過して分離する必要がある。析出したワッ
クスはゲル状であり、この過は容易でなく、この過
工程が工業上問題である。 溶剤抽出を固−液で行い、その後溶剤を除く方法も提
案されているが(特公昭48−13992号)、抽出物の融解
温度幅が広い難点がある。 また、発汗法は、高温度時間処理などによる製法の繁
雑さ、得られる分別ワックスの純度等、多くの課題があ
る。したがって、融解挙動が要求に満足された種々のワ
ックスを提供する技術、及びワックス使用上の要求を満
たした所望融点と特定の融解挙動を有したワックスは、
提供されていないのが現状である。 特に、ポリエチレンなどポリオレフィン製造の際に副
生する低重合度ポリオレフィンワックスから、ワックス
を異なった分子量を持つ分別ワックスを得ることについ
ては、特に、上記の高性能ワックスを提供する技術、及
びそのような高性能分別ワックスは知られていない。 本発明の目的はチーグラー合成蝋などの原料蝋又はパ
ラフィン蝋から、融点すなわち平均分子量が相違する1
種類又は2種類以上の熱的特性の優れたワックス分別物
(本発明で分別ワックスと称す)を簡便な製造方法で提
供することにある。
【課題を解決するための手段】
本発明者はワックス、すなわち低分量ポリマーを蒸溜
法、融液晶析の組合せにより、分子量分別(広い分子量
分布を持つものから狭い分子量分布を持つものへと分
別)することを鋭意検討し、それが極めて効率よく種々
の融点のものに分別されること、更に驚くべきことに
は、その分別されたワックスが、最近感熱紙(熱転写リ
ボンを含む)その他で要求の強くなっている融解エネル
ギーの大な、かつ融解挙動のシャープな、すなわち融解
温度幅の狭いものであることを見出し、本発明に至った
ものである。 本発明は、エチレンを主成分としてなる低重合度ポリ
エチレン、その他合成ワックス、石油系パラフィンワッ
クス、天然ワックス等の固体ワックスを蒸溜法、融液晶
析の組合せで分別したピーク炭素数がほぼ10〜70の範囲
の分別ワックスであり、その示差走査熱量計による融解
ピーク温度が−35℃〜100℃の範囲であり、結晶融解熱
が150J/g〜300J/g好ましくは170〜280J/gの範囲であ
り、結晶融解の開始温度と終点温度の差が40℃〜5℃の
範囲にある、分別数が複数である融解温度幅の狭い分別
ワックスの製造方法であることを特徴とするものであ
る。 ここにいう融解温度幅の狭い分別ワックスは、原料ワ
ックスの種類によって、液状の場合もあるが、大部分が
ワックスであるので、液状の分別物も含めた総称であ
る。 ワックス成分を含む原料としては、ポリエチレン製造
時(第2成分としてプロピレン、ブチレン等共重合され
ることも多い)副生されるエチレンを主成分とする低分
子量ポリエチレンであり、分子量としては、炭素数5〜
1000のものを主成分とし、ピーク炭素数としては20〜20
0の低分子量ポリエチレン、更には重合法によって得ら
れる低分子量ポリエチレンである。その他、石炭系ワッ
クスあるいはその中間原料、フィッシャートロプシュワ
ックス、あるいはその中間原料などの合成ワックス又は
その中間原料、石油系ワックス又はその中間原料、すな
わちスラックワックス、スケールワックス等、更には天
然ワックス等の各種ワックス類が採用され得る。 本発明は、溶剤を使用することなく原料ワックスを分
子量によって分別し、かつその分別ワックスの熱的性
質、即ち結晶融解熱が大であり、融解挙動のシャープな
ものを得ることを特徴とし、基本的には原料ワックスよ
り、より低分子量分を溜出させたもの、又はこの溜出物
を溶解させ、溶融物を降温させ、結晶を部分的に晶析さ
せ、これを別する操作を順次続けることにより結晶物
を得る方法を採用して、目的とする分別ワックスを得る
ことにある。 ここで、本発明の重要な点は、原料ワックスから蒸溜
溜出により、又は、それに続く晶析により目的とする分
別ワックスを得ることにあるが、溶融晶析と、それに続
く結晶の別に供するものは原料ワックスの蒸留による
溜出物でなければならない点は本発明の重要な点であ
る。原料ワックスそのものを溶融させ、部分的に結晶を
析出したものは、クリーム状であり、別性が極めて不
良である。すなわち、フィルターの目詰りが早期に起こ
ってしまう。吸引などにより無理に別を行なえば、結
晶物あるいは固化した非晶部をもフィルターを通過して
しまい、結晶物と未結晶化融液の分離が不完全となる。
あとで触れるが、別により結晶物を分離させ、更に残
融液を再度降温させ、より低温の融点を持った熱的特性
の優れた結晶物を得ることができなくなる。 また、本発明者が先に発明し提案した(特願平2−20
7038号)溶剤抽出法により、分別したワックス分別物を
更にこの融液晶析により細分割化を試みたが、やはり、
部分的に結晶を析出させたものは全体がクリーム状にな
り別が困難であった。 原料ワックスを蒸溜により溜出させたものは、その溶
融液を降温させ、部分的に結晶析出させたものがゼリー
状となり、結晶物と融点に別分離可能である。理論的
にこの現象を明確には説明できないが、興味ある有用な
事実であり、本発明に到達した要点の一つである。 なお、本発明において蒸溜により、溜出物を望ましく
は複数にする、すなわち、最初の蒸溜溜出により、低分
量のものを溜出させ、次いで溜出残液をそれより高温あ
るいはそれより高減圧下で、より高分子量部を溜出さ
せ、必要に応じ、同様な処理を繰返すことにより、順次
高分子量サイドを溜出させることが望ましい。そのプロ
セスのフローチャートは第1図に示すところである。こ
のフローチャートの蒸留による溜出物又は、その溜出物
よりの融液晶析別によって得られる結晶物が、本発明
の目的とする分別ワックスである。 この蒸留による分別ワックスは、蒸留回数を増すこ
と、好ましくは3回以上にすることにより、本発明の目
的とする分別ワックスの性能として優れたものが得られ
る。 更に、この分子量の違った複数個の溜出物から、各々
溶融晶析、結晶別を行なって得られた結晶物の熱的特
性は、一回の蒸溜溜出物からの融液晶析別により得ら
れる結晶物より、より良好な物性の分別ワックスが得ら
れる。 このように、原料固体ワックスよりの溜出物を望まし
くは複数にすることが熱的特性の優れた分別ワックスを
得るのに好都合である。 ここで、蒸溜抽出操作は既存の装置、方法で行ない得
る。例えば、第1段の蒸溜は5〜8mmHg,260〜290℃で、
第2段の蒸溜は0.1〜0.01mmHg,250〜270℃で、第3段の
蒸溜は0.01mmHg,290℃で、そして、第4段の蒸溜は0.00
1mmHg,290℃で行なう。このとき、第2,第3,第4段の蒸
溜は薄膜蒸溜装置などの使用が、蒸溜を効率的に行なう
のに好ましい。当然、この蒸溜条件は得るべき分別ワッ
クスにより変更される。 第1段の溜出物を融液晶析で別し、分別ワックスを
得る目的なら、一回のみの蒸溜溜出でもよい。このと
き、蒸溜溜出物の量を拡大することはワックス分別物を
融液晶析の繰返し数、この分別物の物性が許される範囲
で可能である。 次に、融液晶析について説明する。 蒸溜溜出物を所定温度で加熱し、溶融させる。これを
冷却していき、部分的に結晶を析出させる。結晶物と未
結晶物、すなわち融液との混合物をフィルターにより
別する。別された第1段階結晶物は、蒸溜溜出物のう
ちの高分子量サイドのもの、すなわち、より高融点のも
のである。この混合物から別された結晶物は、熱的特
性の優れた所定の融点を持った分別ワックスである。一
方、未結晶のフィルターを通過した融液は、更にその温
度を低下させ、前回の結晶物より低分子量サイド、すな
わち、より低融点の第2段階の結晶が析出するから、こ
れを別分離する。ここで、未結晶化の融液は更に降温
させ、同様にして晶析、別を行ない、第3段階の結晶
物が得られる。このような融液晶析、結晶別の繰返し
により、高分子量サイド、すなわち高融点のものから、
低分子量サイド、すなわち低融点の融点の違った分別ワ
ックスを複数個得るのである。例えば、5段階の操作に
より最後のフィルター通過融液を含めて融点の段階的に
違った6分別ワックスが得られることになる。 この繰返し数は、各蒸溜溜出物から所望の融点を示す
分別ワックスを幾つ得るかによって違ってくる。 なお、融液よりの晶析は、温度を連続的に低下させて
いき、ある温度域での析出結晶物を別する方法も採用
し得る。 更に、融液晶析を行なうときの結晶の析出率は、融液
晶析の繰返し数、更には分別ワックスの融点設定の仕方
によって違ってくる。例えば、蒸溜溜出分を一回の晶析
別で等量の2分割にするならば、結晶収率を50%にす
ればよい。 一般的に、この結晶収率は70%以下、好ましくは50%
以下の方が得られる結晶物の熱的特性は良好になる。す
なわち、結晶物の融解熱量は大となり、融解挙動はより
シャープとなる。 溶融液の晶析は、一般的に考え得る方法でよい。すな
わち、原料のワックスをベッセル中で加熱し溶融させ、
これを所定温度まで冷却し、部分的に晶析すればよい。
このとき、必ずしも完溶させなく一部未溶融物があって
もよい。また、冷却速度は、特にどのような速度でもよ
いが、好ましくは徐冷がよい。結晶を析出さすとき、結
晶化核材、例えばタルクなどの無機物、高級脂肪酸の金
属塩、原料ワックスより高融点のポリエチレンなどのポ
リマー等を添加してもよい。また、撹拌を加えることも
よい。 析出させた結晶物と融液の別も、一般的なフィルタ
ー過などでよい。吸引あるいは押えつけなどにより圧
力を加えれば、より速やかに別され得る。 ここで、前段、例えば第1段の低分子量部をそのピー
ク炭素数ほほぼ20以下にして蒸溜溜出させたあとの後
段、例えば第2段以降の蒸溜溜出物は、その溜出物の炭
素数ピークがほぼ20〜38になるよう蒸溜条件を設定し、
炭素数分布幅が高分子量部と低分子量部において各々全
量の5%を占める炭素数間がほぼ20以下であるようにし
た溜出物を融液晶析及び結晶別により炭素数の異なる
複数個の液晶物に分別してなる融解ピーク温度55℃〜75
℃、融解エネルギー150〜270J/g、融解温度幅40℃〜5
℃よりなるものとし、これを融液晶析及び晶析別する
ことによって、結晶融解挙動に優れた分別ワックスが得
られるのである。ワックス成分を含む原料を蒸留後、高
真空蒸留を経た後の残渣であって、融解ピーク温度70℃
〜100℃、融解エネルギー150〜270J/g、融解温度幅40℃
〜5℃である固体ワックスよりの分別ワックスも本発明
に含まれる。 すなわち、分別ワックスは示差走査熱量計による融解
ピーク温度が−35℃〜100℃の範囲のものであり、結晶
融解熱が150J/g〜300J/gであり、望ましくは170J/g〜28
0J/gである。 また、結晶融解温度幅は40℃〜5℃、望ましくは30℃
〜5℃、更に望ましくは20℃〜5℃がよい。融解温度幅
が40℃より大きくなると、また、融解エネルギーが150J
/gより小さくなるとサーモセンサーのセンサー機能が鈍
化し、感熱紙、リボンなどの場合鮮明さが欠け、また、
蓄熱材の場合、蓄熱、放熱機能が不十分となり、ホット
メルト接着剤の場合、耐熱接着性が不十分となる。
【作用】
本発明に係る分別ワックスは、分別蒸溜により所定の
ピーク炭素数が、例えば5〜70のものから、10〜20か、
20〜38とか32〜60とかのワックスとして最も好ましい範
囲の溜出物とし、これを目的の分別ワックスとするか、
更にこれを融液晶析にかけると、ゼリー状の結晶が析出
するので結晶別が容易となる。降温範囲を狭めればそ
れだけシャープな分子量分別が可能であるから、希望す
る特性のワックスが容易に得られる。
【実施例】
以下実施例によって、更に具体的に説明する。 実施例1 チーグラー触媒によりエチレンを主体として重合して
ポリエチレンを製造するときの副生物である低分子量ポ
リエチレンであって、炭素数ピーク40のものを用いた。 これを単蒸溜により3mmHg,180〜300℃で蒸溜溜出させ
(サンプルA)、次いでこのときの蒸溜ボトム(未溜出
物)をフイルムエバポレーターで0.2mmHg,260℃で蒸溜
溜出させた(サンプルB)、更に、このとき蒸溜ボトム
を0.02mmHg,290℃で蒸溜溜出させた(サンプルC)。更
に、サンプルCを得たあとの蒸溜ボトムを0.002mmHg,29
0℃で蒸溜溜出させた(サンプルD)。得られたサンプ
ルA,B,C及びDの物性を表1に示した。結晶融解温度幅
は高分子量程、小さくなっている。 実施例2 実施例1で得られたサンプルAを20℃に降温して結晶
を析出させ、これをこの温度でヌッチェにて吸引別し
た。ヌッチェ上の結晶物は上部より偏平な板で強く加圧
し、十分に未結晶部が通過されるようにした。 ここで得られた結晶物(A−1)の融解ピーク温度は
50℃、融解エネルギーは208J/g、結晶融解温度幅は25℃
であった。 更に、この20℃別の融液を10℃に降温し、同様な操
作で結晶物(A−2)を得た。このものは融解ピーク温
度37℃、融解エネルギー193J/g、融解温度幅は12℃であ
った。 実施例3 実施例1で得られたサンプルBを結晶析出,別温度
は61℃,57℃とする以外は実施例2と同様な方法で結晶
物を2種類得た。 このものの融解ピーク温度、融解エネルギー、融解温
度幅は各々(B−1)72℃,229J/g,14℃、(B−2)66
℃,214J/g,15℃であった。 実施例4 実施例1で得られたサンプルCを、結晶析出別温度
を78℃とする以外は、実施例2と同様な操作で分別ワッ
クスを得た。この結晶物(C−1)の融解ピーク温度は
85℃、融解エネルギー230J/g、結晶融解温度幅11℃であ
った。 実施例5 実施例1で得られたサンプルDを結晶析出、別温度
を90℃にする以外は実施例2と同様な操作で分別ワック
スを得た。この結晶物(D−1)の融解ピーク温度は95
℃、融解エネルギー240J/g、結晶融解温度幅12℃であっ
た。 実施例6 パラフィンワックスを実施例1と同様な方法で第3段
階の溜出物(サンプルC′)を得た。 このものの融解ピーク温度は72℃、融解エネルギーは
192J/g、融解温度幅は16℃であった。 これを結晶析出別温度を66℃とする以外は、実施例
4と同様な方法で結晶物を得た。 得られた分別ワックス(C′−1)の融解ピーク温度
は79℃、融解エネルギーは240J/g、融解温度幅は11℃で
あった。
【発明の効果】
以上、本発明の固体ワックスよりの分子量分別物の製
造方法によると、結晶融解温度幅の狭い分別ワックスが
広い融点範囲にわたって各種の融解ピーク温度を有する
多種類の製品として得られ、それぞれが蒸留と融液晶析
という比較的簡単な操作で工業的に高品質の各種ワック
ス類となり、したがって、高級な感熱紙(熱転写リボン
を含む)、感熱センサー、ホットメルト接着剤の原料物
質として有用なものが容易に得られる製造方法となって
いる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の結晶融解温度幅の狭い分別ワックスを
得るプロセスの一例を示すチャートである。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワックス成分を含む原料を蒸溜により、低
    分子量部分から順次分別溜出物として取り出し、各蒸溜
    溜出物のピーク炭素数がほぼ10〜70の範囲、又はこれを
    更にこれら各溜出物を融液晶析及び結晶別により炭素
    数の異なる複数個の結晶物に分別することにより、各々
    融解ピーク温度がほぼ−35℃〜100℃の範囲の複数個の
    結晶物にすることを特徴とする固体ワックスよりの結晶
    融解温度幅の狭い分別ワックスの製造方法。
  2. 【請求項2】ワックス成分を含む原料を蒸溜により、低
    分子量部分から順次分別溜出物として取り出し、各蒸溜
    溜出物のうちピーク炭素数がほぼ10〜20であるようにし
    た溜出物を更に融液晶析及び結晶別により炭素数の異
    なる複数個の結晶物に分別してなるもので、各々融解ピ
    ーク温度が−35℃〜60℃、融解エネルギー150〜260J/
    g、融解温度幅40〜5℃の範囲の複数個の結晶物とする
    ことを特徴とする固体ワックスよりの結晶融解温度幅の
    狭い分別ワックスの製造方法。
  3. 【請求項3】各蒸溜溜出物のうち、高真空蒸溜により蒸
    溜させた溜出物のピーク炭素数がほぼ20〜38であり、炭
    素数分布幅が高分子量部と低分子量部において各々全量
    の5%を占める炭素数間がほぼ25以下であるようにした
    溜出物とするか、又はこれを更に融液晶析及び結晶別
    により炭素数の異なる複数個の結晶物に分別し、各々融
    解ピーク温度40℃〜90℃、融解エネルギー150〜270J/
    g、融解温度幅40℃〜5℃の複数個の結晶物とすること
    を特徴とする請求項1記載の固体ワックスよりの結晶融
    解温度幅の狭い分別ワックスの製造方法。
  4. 【請求項4】各蒸溜溜出物のうち、蒸溜溜出させたピー
    ク炭素数がほぼ32〜60であり、炭素数分布幅が高分子量
    部、低分子量部において、各々全量の5%を占める炭素
    数間が25以下であるようにした溜出物とするか、又はこ
    れを融液晶析及び結晶別により炭素数の異なる複数個
    の結晶物に分別し、各々融解ピーク温度65℃〜95℃、融
    解エネルギー150〜280J/g、融解温度幅40℃〜5℃の複
    数個の結晶物にすることを特徴とする請求項1記載の固
    体ワックスよりの結晶融解温度幅の狭い分別ワックスの
    製造方法。
  5. 【請求項5】ワックス成分を含む原料がチーグラー法に
    よってポリエチレンを製造するときに副生する炭素数5
    〜1000のものを主成分とし、ピーク炭素数20〜200の低
    分子量ポリエチレンを用いることを特徴とする請求項1
    記載の固体ワックスよりの結晶融解温度幅の狭い分別ワ
    ックスの製造方法。
  6. 【請求項6】ワックス成分を含む原料を蒸留後、高真空
    蒸留により留出物を除去した後の残渣を取り出し、これ
    を融液晶析及び結晶別により融解ピーク温度70℃〜10
    0℃、融解エネルギー150〜270J/g、融解温度幅40℃〜5
    ℃の複数個の結晶物にすることを特徴とする固体ワック
    スよりの結晶融解温度幅の狭い分別ワックスの製造方
    法。
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