JP2608633B2 - 誘電体多層膜フィルタおよびその製造方法並びにこれを用いた光学要素 - Google Patents

誘電体多層膜フィルタおよびその製造方法並びにこれを用いた光学要素

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JP2608633B2
JP2608633B2 JP3012277A JP1227791A JP2608633B2 JP 2608633 B2 JP2608633 B2 JP 2608633B2 JP 3012277 A JP3012277 A JP 3012277A JP 1227791 A JP1227791 A JP 1227791A JP 2608633 B2 JP2608633 B2 JP 2608633B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信において用いら
れている誘電体多層膜干渉フィルタとこれを用いる部品
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光通信では、光路中の微小な間隙に薄い
誘電体多層膜フィルタを配設した部品が用いられ、これ
に必要な薄い誘電体多層膜フィルタが必要となる場合が
ある。図21はその1例であって、光ファイバと光ファ
イバとの間に誘電体多層膜フィルタを挿入したものであ
る(H.Yanagawa,et.al.,‘Filter−Embedded D
esign and Its Applications to Passive Co
mponents' ,IEEEJ.Lightwave Technol.,vo
l.LT−7,pp.1646-1653,1989)。この図において、
(a)は平面図、(b)はA−A'に沿う断面図であって、符
号1,2は光ファイバ、3は誘電体多層膜フィルタ薄
片、4は誘電体多層膜フィルタを配設するための溝、5
は光ファイバと誘電体多層膜フィルタを固定するための
基板を示している。この構成によって、例えば誘電体多
層膜フィルタ薄片3として波長λ1の光を透過させ、波
長λ2の光を反射させる特性のものを用いれば、光ファ
イバ1中を伝搬する2つの波長成分λ1,λ2のうち不要
な波長成分λ2のみを除去し、必要な波長成分λ1のみを
光ファイバ2に伝搬させることができる。通常、入力フ
ァイバの方向に反射して戻る光を入力ファイバ2のクラ
ッドに逃がすため、誘電体多層膜フィルタは光ファイバ
の光軸垂直方向から所要角度で傾けて配設する。このフ
ィルタ入り光ファイバを作製するには、まず基板5に予
め設けた溝の中に光ファイバ1,2(この状態にあっては
両光ファイバは切断されていない)を接着剤で固定す
る。次に、光ファイバを横断する溝4を形成し、ここに
誘電体多層膜フィルタ3を挿入し、接着剤で固定する。
この方法からわかるように、光ファイバ1と光ファイバ
2は元々同一のファイバであり、また固定された状態で
切断されたのであるから、両者の光軸は一致しているの
で特に光軸合わせの必要は生じない。
【0003】また、図21のように単に直線状の光ファ
イバの途中ではなく、方向性結合器のような導波光を制
御する機能を持った素子の一部に誘電体多層膜フィルタ
を配設するものも考えられる。図22はその例を示すも
のであって、この図において符号6,7は入力側光ファ
イバ、8,9は出力側光ファイバ、10は方向性結合器
の光結合部、11,12は誘電体多層膜フィルタ薄片、
13は誘電体多層膜フィルタを配設する溝、14は光フ
ァイバと誘電体多層膜フィルタを固定するための基板を
示している。公知のように方向性結合器の結合度には波
長依存性があるため、例えば入力光ファイバ6を伝搬す
る2波長多重光のうち、一方の波長成分は光ファイバ8
から出力し、他方の波長成分は光ファイバ9から出力さ
れる。即ち、波長分離ができる。しかし、方向性結合器
単体だけでは波長分離度が十分でないため、出力ファイ
バ中に誘電体多層膜フィルタ薄片11,12を挿入する
構成が有効な手段となる。
【0004】これらの他、図21、図22の光ファイバ
を光導波路に置き換えたもの等各種の構成が考えられ
る。
【0005】以上示した従来例において、入力光ファイ
バを導波してきた光は溝内では回折のためにその強度分
布が広がり出力光ファイバには一部の光しか結合しな
い。しかしフィルタを配設する溝幅を十分小さくすれば
光の損失を問題ない程度にまで小さくできる。例えば、
光ファイバとしてコア径10μm、比屈折率差0.3%の
ものを用いる場合、溝幅を数十μm以下にすることによ
って、入力光ファイバと出力光ファイバの間隙によって
生じる回折損失を0.5dB程度に抑えることができる。
即ち、これらの部品を低損失で実現するには、薄い誘電
体多層膜フィルタが必要である。
【0006】ところで、従来の誘電体多層膜フィルタ
は、図23に示すように、硬質の基板15とその上に形
成された誘電体多層膜16とから構成されている。基板
15は、透明でかつ表面が平滑であり、またある程度の
強度が要求されるため、平板状の光学ガラス、例えば合
成石英ガラス、BK−7等の材料が用いられ、その厚さ
は0.5mm以上である。また誘電体多層膜16は、低屈
折率誘電体層17と高屈折率誘電体層18とを交互に積
層させたものである。また、誘電体層は2種類のみなら
ず、低屈折率誘電体と高屈折率誘電体とその間の屈折率
を持つ誘電体層を加えた3種類以上の誘電体物質を用い
たものもある。各層の膜厚は動作波長が大きくなるほど
厚くなり、要求される分光特性に近づけるためにより多
くの層を積み重ねる。光ファイバ通信でよく用いられる
波長域1.31〜1.55μmのものでは、多層膜部の総
厚が10μm前後に達するものもある。この従来のガラ
スを基板とする誘電体多層膜フィルタにおいて厚さを数
十μm以下に薄くする場合、基板15をその誘電体多層
膜16が存在しない裏面から研磨して所望の厚さとし、
次いで所定の大きさに切断していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この薄
いフィルタを得る従来技術には大きく2つの欠点があっ
た。第1の欠点は、研磨や加工に熟練した人手を要し、
フィルタは極めて高価なものとなることが挙げられる。
さらにフィルタ全体としての厚さが数十μm以下となる
と、基板の厚さは極めて薄くなり割れ易く、表面の清浄
作業や取り付け作業に熟練した多大な労力を必要とす
る。即ち、図21や図22のように簡単な構成であって
も、それに使用される誘電体多層膜フィルタが高価で、
しかも高度に熟練した人手を必要とするため、部品全体
の低価格化には限界があった。
【0008】従来技術の第2の欠点は、波長変動の無い
緻密な多層膜を得ようとして公知のイオンアシスト蒸着
法を用いると、多層膜内に圧縮性の応力が残りフィルタ
が反ってしまい、薄く研磨できなくなることである。こ
のことは例えば図24の実測データから明らかである。
図24は誘電体多層膜フィルタの多層膜面を上側にして
タリステップによって測定したもので、(A)はイオン
アシスト法によるもので、(B)はイオンアシストを用
いない、通常の蒸着法によるものである。(A),
(B)ともに基板には厚さ0.5mmのBK−7ガラス、
多層膜部は厚さ約10μmでTiO2とSiO2の交互層
からなり波長1.3μmと1.55μmを分けるものであ
る。(A)では多層膜面側が凸になるように大きく反っ
ていた。また(A),(B)の湿度の変化(0〜100
%)に対する分光特性の変化を測定したところ、図25
のような結果が得られた。(B)では湿度変化に対して
波長が25nmも変化するのに対し、(A)では極めて
安定な特性を示した。(B)において大きな湿度特性を
示したのは、多層膜内にある空孔に周囲の湿度に応じた
水分が出入りし、それによって膜の屈折率が変化するた
めである。一方、(A)において優れた耐湿特性を示す
のは、多層膜が緻密であるために水分の出入りを招くよ
うな空孔が存在しないためであるが、反面、緻密である
ことは圧縮性応力の原因となる。
【0009】そこで(A),(B)の研磨加工性を調べ
たところ(A)のものはばらばらに割れてしまい数十μ
m以下の厚さのものは1つも得られなかった。一方、
(B)のものは20μmの厚さまで研磨が可能であっ
た。このような事情により、従来は研磨できる(B)の
ものが使用されていたが、取扱中や加工中あるいは保管
中の周囲の湿度変化に伴う波長変動を余儀なくされてい
た。
【0010】そこで、先ず、上記従来品に変わる安価な
フィルタを得る方法として、本発明者らは、もともと薄
いプラスチックフィルム上に多層膜を形成する方法を検
討した。調査の結果、基板としてプラスチックフィルム
を用いその上に多層干渉膜を形成した試みが、例えば杉
山ら(特開昭63−64003号公報、特開昭63−8
8505号公報),J.A.Dobrowolskiら
(Applied Optics,vol.28,n
o.14,p2702)によってなされている。これら
の例におけるフィルタでは可視域での使用を目的とし、
また要求される分光特性の精度もそれほど厳しいもので
はない。このため各層の膜厚、積層数はせいぜい0.2
μm、20層程度である。前記の例では多層膜形成に、
フィルムの両端を巻き取り機構によって保持し、フィル
ムを真直に張った状態で膜形成を行う、いわゆるロール
塗工法が用いられている。しかしこの方法は、高精度に
制御された均一の膜厚の多層膜が得られない、多層膜が
形成されたフィルムを巻き取る際に多層膜が剥がれた
り、クラックが生じたりする。また基板となるフィルム
はある程度の強度を持たせるための厚さが必要であり、
事実、前記杉山らの例ではポリエステルフィルムの厚さ
を100μmとしている。これらを考慮に入れると、こ
の方法では本発明者らの目的とする誘電体多層膜フィル
タは得られないと判断された。
【0011】そこで本発明者らはプラスチックフィルム
に高精度で高安定な多層膜を形成する方法を鋭意研究し
た結果、基板となるプラスチックフィルムにポリイミド
薄膜を用い、これを従来用いられているガラス等の基板
に密着形成させ、これを蒸着装置に設置しイオンアシス
ト法による多層膜を形成し、最後にガラス基板から剥す
方法を発明するに至った。ポリイミドはスピンコート等
の塗布法によって板状基板の上に密着形成ができ、また
その優れた耐熱性により蒸着時の温度上昇に耐えうるこ
とことから選ばれた。即ち、基板上に薄いポリイミド薄
膜が密着している点を除き、従来と同じ蒸着工程で同一
性能の多層膜を形成できる期待が持たれた。そこで市販
のポリイミド薄膜形成材料から厚さ0.5mmのBK−7
ガラス上にスピンコート法でポリイミド薄膜を形成し、
その上にイオンアシスト蒸着法によってSiO2とTi
2からなる多層膜を形成した。多層膜とポリイミド基
板との付着は良好であった。しかし、最後に多層膜の付
着したポリイミド基板とBK−7ガラスとを剥離する工
程において、ポリイミド薄膜とBK−7ガラスとの密着
が強すぎて、剥離は不可能であった。
【0012】そこで、ガラス基板をより平面性の良いS
i基板に替えその研磨面にポリイミド薄膜、多層膜を上
記と同様に形成した。多層膜が形成されたポリイミド薄
膜をナイフの刃先で徐々に剥したところ、かろうじて剥
離ができた。しかし、剥離したフィルタは直径数mmにカ
ールし、極めて取扱の悪いものとなった。このカールの
方向は多層膜面が凸になる方向であった。カールした原
因として、用いたポリイミド薄膜の熱膨張係数が考えら
れた。即ち、多層膜形成時にイオンの衝撃によって温度
が上昇したため(約200℃)、ポリイミド薄膜の熱膨
張率(カタログ値で約2×10ー5/℃)と多層膜の熱膨
張率(TiO2とSiO2の熱膨張率の平均的な値に近く
0.4〜0.5×10ー5/℃程度と予想される)の差に
よって、室温に戻した状態ではポリイミド薄膜の縮みが
多層膜の縮みを上回り、これが多層膜部の圧縮応力によ
る反りをさらに助長した結果と推察された。事実、得ら
れたフィルムをホットプレート上で昇温させると、カー
ルが戻る傾向が見られた。以上のことから、本発明者ら
が当初発明した方法を実現するには、最終の工程におい
てポリイミド薄膜と基板との剥離ができること、反りを
小さくすることが重要な要素であることが明らかとなっ
た。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者らは、基板としてフッ素化ポリイミド薄膜
を用い、かかるポリイミド薄膜基板上にイオンアシスト
蒸着による多層膜が形成された誘電体多層膜フィルタを
提案する。またこれを実現する製造方法として、液状の
フッ素化ポリイミド材料を表面が平滑な仮基板上に所要
の厚さに塗布し乾燥、硬化させてフッ素化ポリイミド薄
膜を形成し、このフッ素化ポリイミド薄膜上に誘電体多
層膜を形成した後、上記誘電体多層膜が表面に形成され
ているフッ素化ポリイミド薄膜を上記仮基板から剥離す
る方法を提案する。
【0014】本発明による誘電体多層膜フィルタの作用
は、第1には基板を最初から薄膜化できるので従来の高
価な研磨工程を省略することができ、第2には多層膜が
イオンアシスト蒸着で形成されているため安定であり、
第3には基板が多層膜部よりも低熱膨張性であるため
に、基板と多層膜の熱膨張率の差により、蒸着後に室温
に戻すとイオンアシスト蒸着膜の圧縮応力を打ち消し、
反りの少ないフィルタができることであり、第4には基
板にフッ素化ポリイミド薄膜を用いているために透明性
があり、かつ仮基板から容易に剥離ができる。これらに
よって、薄い誘電体多層膜フィルタを用いるフィルタ部
品の安価な供給が可能となる。
【0015】
【実施例】図1は、本発明に係わる誘電体多層膜フィル
タの実施例を示すもので、この図中符号19はフィルタ
の基板となるフッ素化ポリイミド薄膜である。このフッ
素化ポリイミド薄膜19の上面には、誘電体多層膜20
が形成され、誘電体多層膜フィルタ21が構成されてい
る。
【0016】上記薄膜を形成するフッ素化ポリイミド
(以下、ポリイミドと略記する)は、化1に示す化学構造
式(1)〜(15)で示す酸二無水物、および化2に示す化
学構造式(1)〜(31)で示すジアミンとから合成され
る。
【0017】
【化1】
【化2】
【0018】即ち、化1に示す酸二無水物、および化2
に示すジアミンの中から選ばれた酸二無水物の1種また
は数種と、ジアミンの1種または数種を、酸二無水物群
およびジアミン群がモル比で1:1になるように、N−
メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトア
ミド(DMAc)などの極性溶媒中で反応させて得られる
液状のポリイミド材料(化学成分的には、ポリイミドの
前駆体であるポリアミド酸の溶液)、溶媒に可溶なポリ
イミドのポリアミド酸を加熱、脱水などのイミド化処理
により固体のポリイミドとした後、あるいはイミド化処
理中に溶媒に溶解した液状のポリイミド材料を用いるこ
とができる。
【0019】この誘電体多層膜フィルタを製造するに
は、図2(a)、(b)、(c)、(d)に示す工程順によって行な
われる。即ち、まず表面が平滑な仮基板上に液状のポリ
イミド材料を所要の厚さに塗布する。この塗布は、均一
の厚さに薄く塗布するため、スピンコートによって行
う。次いで仮基板上に塗布した液状のポリイミド材料を
乾燥、硬化させ、図2(a)に示すようにポリイミド薄膜
19を形成する。次いで、図2(b)に示すようにポリイ
ミド薄膜19の面に、イオンアシスト蒸着法によって誘
電体多層膜20を形成する。次に、図2(c)に示すよう
に、仮基板22に届く程度の深さの切れ目23を形成
し、最後に図2(d)に示すように誘電体多層膜フィルタ
を仮基板22から剥離する。
【0020】また、剥離と切断の順序を入れ換え、図3
(a)、(b)、(c)、(d)の工程順によって製造しても良い
が、この場合には図3(c)において誘電体多層膜フィル
タ21を剥離してから、同図(d)において切断する。
【0021】上記図2(a)および図3(a)に示すポリイミ
ド薄膜形成工程により得られたポリイミド薄膜19は、
酸二無水物とジアミンの組み合わせに依存して線膨張係
数が−0.5〜10×10-5/℃となり光学多層膜に使
用する殆どの誘電体の熱膨張率をカバーできる。またフ
ッ素含有量の大小によって屈折率は1.5〜1.7程度の
ガラスに近いものとなる。仮基板としては、例えばシリ
コン、BK−7ガラス、石英ガラス、セラミックス等が
挙げられるが、最終的にフィルタには含まれないので、
安価なもの程良い。またフィルタの分光特性の測定、検
査のためには仮基板22にフィルタ21が付着している
図2(b)もしくは図3(b)の状態が強度がある点で好都合
であり、このためには測定、検査においてフィルタの光
学特性に影響を及ぼさない透明な仮基板が望ましい。
【0022】(実験例1)上記の製造方法に基づいて実
際に誘電体多層膜フィルタを製造した。直径30mm、厚
さ0.5mmのBK−7(仮基板)上に化1の酸二無水物
(1)と、化2のジアミン(5)をDMAc中で混合し、反
応させて得られたポリアミド酸溶液をスピンコートし、
オーブンを用いて70℃で2時間、160℃で1時間、
250℃で30分、さらに350℃で1時間の乾燥、硬
化処理を行って、下式化3に示すポリイミドとした。
【0023】
【化3】
【0024】このポリイミドのフッ素含有量は化3から
23%と計算された。得られたBK−7上のポリイミド
薄膜はやや黄色味がかった色を呈していたが0.4〜
1.7μmの波長域ではほぼ100%の透過率を示し
た。ポリイミド薄膜の厚さは約10μm、屈折率は1.
61(λ=1.532μm)であった。その上に、イオ
ンアシスト蒸着法によってTiO2/SiO2からなる多層
干渉膜約10μmを形成した。これにより得られた誘電
体多層膜フィルタの分光特性は図4に示すように光学ガ
ラス基板を用いたものと同等の特性を示し、またほぼ設
計通りのものであった。その他、図5に示す長波長域通
過形(1.3/1.55μmLWPF)、図6に示す狭
帯域形(半値幅約4nm)もガラス基板のものと同等の
分光特性を示した。これらの特性から、ポリイミド薄膜
上に形成した多層膜の膜厚精度は従来のガラス基板を用
いたものと同等であることが確認された。さらに、ポリ
イミド薄膜上に形成された多層膜の周囲湿度に対する波
長変化も認められなかった。ポリイミド薄膜と多層膜と
の付着は、ピンセットの先で擦っても剥がれない程良好
であった。また、仮基板とポリイミド薄膜基板とは、通
常のハンドリングではなかなか剥がれない程に密着して
おり、3〜7日間水中に浸した後も密着性は低下しなか
った。しかし、ナイフの刃先等の薄い鋭利なものによっ
て端の方から容易に剥離ができ、直径30mm、厚さ20
μmのほぼ平らなフィルタが得られた。仮基板から剥離
したフィルタの室温での反りは、多層膜面が凸になる方
向に僅かに反り、その半径は約0.3mであった。この
ためハサミによる切断、ガラス上への接着が可能であっ
た。反りの殆どないフィルタが得られたのは、特にここ
で用いたポリイミド薄膜の熱膨張係数が負(約−0.5×
10-5/℃)であるため、多層膜蒸着中の温度と常温と
の温度差によってポリイミド薄膜の伸びが多層膜の伸び
より大きくなる効果が顕著に現れ、多層膜の圧縮応力に
よる曲げをほぼ完全に打ち消したためである。このこと
は、仮基板から剥離したフィルタを、約100℃のホッ
トプレート上に置くと反りが増加し、温度を室温に戻す
と反りの大きさが元に戻るような、いわゆるバイメタル
のような振舞を示したことから実証された。
【0025】次に、仮基板上のフィルタを、ダイシング
ソーによって流水しながら碁盤の目状に2mm角になるよ
うな切れ目を入れた。この切断においてもポリイミド薄
膜が仮基板から剥離することはなかった。しかし切断さ
れた2mm角のチップは、ナイフの刃先等の薄い鋭利なも
のによって破れることなく仮基板から容易に剥離ができ
た。即ち、直径30mmの仮基板上に形成された誘電体多
層膜フィルタから大きさ2mm角、厚さ20μmのフィル
タチップ約150個が容易に得られた。得られたフィル
タチップの厚さをリニアゲージで1つ1つ測定した結
果、図7、図8に示す厚さ分布であった。ここで、図7
は図4に示す特性のフィルタ、図8は図5に示す特性の
フィルタである。図7、図8において最も頻度の多い2
1μm、15μmの厚さのものは直径30mmのウェハ
の中央部から得られたもので、これより厚いものは周辺
部から得られたものである。厚さ分布は中心の値に対し
て殆どのものが約±2μm以内に納まるもので、ガラス
基板を研磨する方法による精度と同程度であった。この
ように高い膜厚均一性が得られたのは、ポリイミド薄膜
形成にスピンコート法を用いたことによる。尚、1回の
スピンコートでは1μm〜80μmのポリイミド薄膜が
得られるので用途に応じて厚さを選べることも確認でき
た。
【0026】(実験例2)化1の酸二無水物(5)と化
2のジアミン(13)をDMAc中で反応させて得られ
た液状のポリイミド材料を用いた以外は実験例1と同じ
にして誘電体多層膜フィルタを作製した。この場合にお
けるポリイミドは、下式化4の構造を有し、そのフッ素
含有量は11%、熱膨張係数は1×10ー6/℃であっ
た。
【0027】
【化4】
【0028】仮基板から剥離した誘電体多層膜フィルタ
の反りは実験例1の場合よりやや大きかったが十分に使
用できるものであった。
【0029】(比較例)化1の酸二無水物(4)と化2
のジアミン(5)をDMAc中で反応させて得られた液
状のポリイミドを用いた以外は実験例1と同じにして誘
電体多層膜フィルタを作製した。この場合におけるポリ
イミドは下式化5の構造をし、フッ素含有量が31%と
大きく、可視域でも透明で、屈折率も1.5とガラスの
特性に近いものであった。
【0030】
【化5】
【0031】多層膜を形成した後のポリイミド薄膜は仮
基板から容易に剥離ができたが、多層膜とポリイミド薄
膜との付着が十分でなく、ピンセットの先で擦ると多層
膜が一部剥げ落ち、実用には問題が残った。フッ素の含
有量が多いため多層膜とポリイミド薄膜との十分な付着
が得られなかったこと、さらに、ポリイミド薄膜の熱膨
張率が8×10ー5/℃と大きく、多層膜の熱膨張率0.
4〜0.5×10ー5/℃程度とは差が著しくなるため、
両者の界面には剥離を促進させる応力が残留しているこ
とが原因として考えられた。
【0032】上述した誘電体多層膜フィルタを使用した
光学要素の実施例を以下に列挙する。
【0033】図9(a),(b)は本発明による光学要
素の第1の実施例としてフィルタ入り光ファイバを示す
図である。この図において(a)は平面図、(b)は光
ファイバの光軸A−A'に沿う断面図である。この図中
符号24,25は光ファイバで、中央部26の被覆部が
除去されている。27は薄膜フィルタで、その基板部分
はポリイミドである。28はフィルタ配設用の溝、29
はファイバとフィルタを保持する基板である。このフィ
ルタ収納光ファイバの構造を得るための製造方法として
は、まず光ファイバ24,25を予め基板29に設けた
溝に配設、固定し(この段階で光ファイバ24,25は
切断されていない)、接着剤で固定する。次に、光ファ
イバの光軸に垂直にもしくは傾いた直線B−B'に沿っ
て光ファイバのコア部を完全に切断するように溝28を
形成する。次いで形成した溝28内に、ポリイミド薄膜
を基板とする薄膜フィルタ27を挿入し、光学用接着剤
で固定する。
【0034】図10はこのフィルタ入り光ファイバの特
性を示すグラフであって、入力ファイバから白色光を導
入したときの出力ファイバ光を光スペクトルアナライザ
で分光したものである。ここで用いたポリイミド薄膜フ
ィルタは、前述した実験例1において得られた短波長通
過形のもので、図2の工程によって得られた厚さが約2
0μm、大きさ2mm角のものである。この大きさは図2
(c)の工程において市販のダイシングソーで切れ目を
入れることによって得られたものである。また光ファイ
バには、コア径約10μm、クラッド外径約125μm、
コアとクラッドの比屈折率差約0.3%のものを用い
た。図4の誘電体多層膜フィルタの特性と比べ、透過域
における損失が回折損失の分増加した。また、誘電体多
層膜フィルタは光ファイバの光軸垂直方向に対して8度
傾けて配設したため、図4の分光特性より短波長方向に
移動した。同じ工程により50個のフィルタ入り光ファ
イバを作製して透過損失を測定した結果、いずれのもの
も1.3μmでは0.5dB以下、1.55μmでは5
5dB以上であった。この特性は、例えば、波長多重O
TDR(オプチカル・タイムドメイン・リフレクトメト
リイ)を用いた光ファイバ伝送路の障害検出において、
OTDR光が受・発光素子に混入するのを防ぐフィルタ
としての実用性を有している( H.Takasugi et.all.'Des
ign and Evaluation of Autmatic Optical Fiber Opera
tion Support System',Proceedings of39th Internatio
nal Wire and Cable Symposium, 1990,pp.632)。さら
に、これらは−25〜70℃の熱サイクル試験(4時間
/サイクル)200サイクルを経た後にも特性の劣化が
ない安定な特性を示した。
【0035】図11は、本発明による光学要素の第2の
実施例を示すものであって、先の第1の実施例とは多芯
の光ファイバを用いる点が異なる。この図において符号
30は多芯の光ファイバであって、C−C'の断面構造
で示すように、等しい間隔で並んだ光ファイバが被覆3
1により一本にコード化されたものである。多芯の光フ
ァイバとしては、例えば外径約125μmのファイバを
250μm間隔で並べた2〜8芯程度のものを用いるこ
とができる(例えば、電子情報通信学会春季全国大会講
演論文集、B−649,B−654,B−655等)。ま
た図中符号32は薄膜フィルタであって、その基板部分
はポリイミドである。符号33は溝、34はファイバと
フィルタ薄片を保持する基板である。本実施例では、第
1の実施例と同じ工程で多数のフィルタ内蔵ファイバを
得ることができ、一芯あたりのコストをさらに安価にす
ることができる。
【0036】図12は本発明による光学要素の第3の実
施例を示すもので、偏光子としての応用例を示してい
る。この図において符号35は偏波面保持光ファイバ、
36はポリイミド薄膜を基板とする偏光分離膜、37は
溝、38は基板である。ここで、溝37はファイバ光軸
に対しては45度程度傾斜し、基板面に対しては垂直に
形成する。また、偏波面保持光ファイバの主軸は基板面
に対して0度もしくは90度となるように設定する。こ
れによって、入射側ファイバを伝搬する偏光成分のうち
基板面に平行な偏光成分のみがその偏光方向を保ちなが
ら出力側ファイバより出力される。
【0037】図13は本発明による光学要素の第4の実
施例を示すもので、符号39、40はフェルールを構成
するジルコニアセラミック製の嵌合部とステンレス製の
フランジ部、41は光ファイバ、42は基板部分がポリ
イミドのフィルタ、43はフィルタ配設用の溝、44は
接着剤である。この実施例では、ポリイミド薄膜を基板
とするフィルタ42を、ファイバを成端するためのフェ
ルールの中に配設した構成になっている。このフェルー
ルにハウジング(図示せず)を施すことによって光コネク
タ用のプラグが得られる。この実施例による構造は、既
存の標準的な部品の中にフィルタによる機能を付加でき
る利点がある。
【0038】図14は本発明による光学要素の第5の実
施例を示すもので、光コネクタ内の光ファイバ端面の突
合せ部分にポリイミド薄膜フィルタを挾んだものであ
る。この図において、符号45は光ファイバ、46は光
ファイバ端末を収容するフェルール、47はポリイミド
薄膜を基板とするフィルタである。フェルール中心即ち
ファイバコア中心はスリーブ48によって所要の精度で
一致している。突合せ部のフェルール端面は光軸に対し
て垂直、斜めまたは球面状に研磨されている。この実施
例は、既存の標準的な部品の中にフィルタによる機能を
付加できる利点を有するとともに、溝形成が不要で特に
簡易な構成である。
【0039】図15は本発明による光学要素の第6の実
施例を示す図であって、ポリイミド薄膜を基板とする誘
電体多層膜フィルタを、光ファイバで形成した方向性結
合器(いわゆるファイバカップラ)の出力端に配設したも
のである。この図中符号49,50は入力側光ファイバ
端子、51,52は出力側光ファイバ端子、53は光結
合部、54,55はポリイミド薄膜を基板とするフィル
タ薄片、56はフィルタを配設する溝、57は光ファイ
バとフィルタを固定するための基板である。ここでは、
波長分離素子として用いたファイバカップラの波長分離
度を向上させる目的でポリイミド薄膜フィルタを用いて
いる。また同じ構成で光の伝搬方向を逆にして使う場
合、即ち異なる2つの波長光を合波する場合にもポリイ
ミド薄膜フィルタを用いることができる。この場合のフ
ィルタは、ファイバカップラに入力する光のスペクトラ
ムの一部を削りとったり、反射によって光源方向に戻る
光のうち特定の波長成分を除去する目的で用いる。
【0040】図16は本発明による光学要素の第7の実
施例を示すもので、光ファイバ58と受光器59との間
にポリイミド薄膜フィルタ60を配設した例である。符
号61は受光器のガラス窓面であり、ポリイミド薄膜フ
ィルタはここに光学接着剤で固定されている。また符号
62は半導体受光素子である。この場合、光ファイバ5
8と受光器59が連結していないため光の結合が最大に
なるよう両者の光軸を合わせる必要がある。
【0041】図17は本発明による光学要素の第8の実
施例を示す図であって、ポリイミド薄膜を基板とする誘
電体多層膜フィルタをガラス光導波路中に配設した構造
を示している。この図において符号63は光導波路のコ
ア、64は光導波路のクラッド、65は光導波路形成用
の基板、66はポリイミド薄膜を基板とするフィルタ、
67は溝である。この光導波路の場合には、光導波路の
コアとクラッド部分は元々基板と一体の構造であるため
に、光ファイバを用いた場合と比べ、光ファイバを基板
に固定する工程を省略できる。また、第2の実施例の場
合のように多数本の光導波路を並列して形成し、一括し
てフィルタ薄片を配設する構造も勿論可能である。これ
らは光導波路にファイバを接続することによりピグテー
ル型のフィルタを構成できる。
【0042】図18は本発明による光学要素の第9の実
施例を示す図であって、偏光子としての機能を得るため
のものである。この場合、ポリイミド薄膜を基板とする
偏光分離膜70は、光導波路コア68の光軸に対しては
約45度、基板面(図示せず)に対しては垂直になるよう
な溝71の中に配設される。通常光導波路の場合には偏
波保持性を有し、かつ偏波主軸が基板と平行方向(TE)
と垂直方向(TM)を向いているため、第3の実施例の場
合のような偏波主軸の合わせが不要な点で有利である。
【0043】図19は本発明による光学要素の第10の
実施例を示す図であって、ポリイミド薄膜を基板とする
フィルタを、光導波路で形成した方向性結合器の出力端
もしくは入力端に配設するものである。この図中符号7
2,73はフィルタ、74,75は光導波路のコア、7
6は光導波路のクラッド、77は溝、78は光結合部で
ある。これらのフィルタの役割は、上記第6の実施例と
同様である。
【0044】図20は本発明による光学要素の第11の
実施例を示す図であって、ポリイミド薄膜を基板とする
フィルタの薄片を複数個配設したフィルタ入り光ファイ
バを示すものである。図中符号79,80はポリイミド
薄膜を基板とするフィルタ、81,82は光ファイバ、
83,84は溝、85は基板である。この構成は、除去
したい波長成分に対する阻止域減衰量がフィルタ一個分
では不十分な場合に有効な方法である。この方法は、上
記の第1の実施例ないし第10の実施例のすべてに適用
できる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光ファイバもしくは光導波路中に誘電体多層膜フィルタ
を含む安価な部品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電体多層膜フィルタを例示する断面
図である。
【図2】本発明の誘電体多層膜フィルタの製造方法を工
程順に示す断面図である。
【図3】本発明の誘電体多層膜フィルタの別な製造方法
を工程順に示す断面図である。
【図4】実験例で作製した誘電体多層膜フィルタの分光
特性を示すグラフである。
【図5】同じく長波長域通過形のフィルタの分光特性を
示すグラフである。
【図6】同じく狭帯域形のフィルタの分光特性を示すグ
ラフである。
【図7】実験例で作製したフィルタの厚さ分布の1例を
示すグラフ。
【図8】実験例で作製したフィルタの厚さ分布の他の例
を示すグラフ。
【図9】本発明による光学要素の第1の実施例を示す図
で、(a)はフィルタ入り光ファイバの平面図、(b)はA-A'
断面図である。
【図10】図11に示すフィルタ入り光ファイバの分光
特性を例示するグラフである。
【図11】本発明による光学要素の第2の実施例を示す
平面図である。
【図12】本発明による光学要素の第3の実施例を示す
平面図である。
【図13】本発明による光学要素の第4の実施例を示す
断面図である。
【図14】本発明による光学要素の第5の実施例を示
し、(a)は一部断面図、(b)はD-D'断面図である。
【図15】本発明による光学要素の第6の実施例を示す
平面図である。
【図16】本発明による光学要素の第7の実施例を示す
側面図である。
【図17】本発明による光学要素の第8の実施例を示
し、(a)は平面図、(b)は側面図。
【図18】本発明による光学要素の第9の実施例を示す
平面図である。
【図19】本発明による光学要素の第10の実施例を示
す平面図である。
【図20】本発明による光学要素の第11の実施例を示
す平面図である。
【図21】従来の誘電体多層膜フィルタを用いた光学要
素の1つの例を示す図で、(a)は平面図、(b)はA-A'断面
図である。
【図22】従来の誘電体多層膜フィルタを用いた光学要
素の別の例を示す平面図である。
【図23】従来の誘電体多層膜の断面図である。
【図24】2種類の多層膜形成技術で作製されたフィル
タに生じる反りを比較するグラフである。
【図25】図24に示すA,Bの各フィルタの特性を示
すグラフである。
【符号の説明】
1,2,6,7,8,9,24,25,41,45,49,50,51,52,58,81,82 光
ファイバ 3,11,12 誘電体多層膜フィルタ薄片 4,13,28,33,37,43,56,67,71,77,83,84溝 5,14,29,34,38,57,85 固定用基板 10,53,78 方向性結合器の光結合部 15 誘電体多層膜フィルタのガラス基板部 16,20 誘電体多層膜 17 低屈折率誘電体層 18 高屈折率誘電体層 19 ポリイミド薄膜 21,27,32,36,42,47,54,55,60,66,70,72,73,79,80 誘
電体多層膜フィルタ 22 仮基板 23 切れ目 26 光ファイバの被覆除去部分 30 多芯光ファイバ 31 多芯光ファイバの被覆部 35 偏波保持ファイバ 39 フェルール嵌合部 40 フェルールフランジ部 44 接着剤 59 受光器 61 ガラス窓面 62 半導体受光素子 63,68,74,75 光導波路コア 64 光導波路クラッド 65,69,76 光導波路基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西 史郎 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 富田 信夫 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 山田 典義 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 昭51−93237(JP,A) 特開 昭63−64003(JP,A) 特開 昭63−88505(JP,A) 特開 昭55−65239(JP,A) 特開 昭63−116106(JP,A) 特開 平1−182324(JP,A) 特開 平1−217037(JP,A) 特開 平1−261422(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、イオンアシスト蒸着により形
    成された屈折率の異なる誘電体が積層された多層膜部が
    設けられた誘電体多層膜フィルタにおいて、 前記基板がフッ素化ポリイミド薄膜であって、該フッ素
    化ポリイミド薄膜は多層膜部より小さい熱膨張性を有す
    ることを特徴とする誘電体多層膜フィルタ。
  2. 【請求項2】 前記フッ素化ポリイミドのフッ素含有量
    が10〜30%である請求項1記載の誘電体多層膜フィ
    ルタ。
  3. 【請求項3】 液状のフッ素化ポリイミド材料を、表面
    が平滑な仮基板上に所要の厚さに塗布し、乾燥、硬化さ
    せてフッ素化ポリイミド薄膜を形成する工程と、前記フ
    ッ素化ポリイミド薄膜上に誘電体多層膜を形成する工程
    と、前記誘電体多層膜とフッ素化ポリイミド薄膜とから
    なる光フィルタを前記仮基板から剥離する工程とを具備
    した誘電体多層膜フィルタの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記液状のフッ素化ポリイミド材料がフ
    ッ素化ポリイミドの前駆体であるフッ素化ポリアミド酸
    の溶液である請求項記載の誘電体多層膜フィルタの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記液状のフッ素化ポリイミド溶液が可
    溶性フッ素化ポリイミドの溶液である請求項記載の誘
    電体多層膜フィルタの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記光フィルタを仮基板から剥離する工
    程に、該光フィルタを切断する工程を含むことを特徴と
    する請求項記載の誘電体多層膜フィルタの製造方法。
  7. 【請求項7】 光路中に微小な間隙が形成された光学素
    子と該間隙中に配設された光フィルタとを具備した光学
    要素において、前記光フィルタが請求項1の誘電体多層
    膜フィルタであることを特徴とした光学要素。
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