JP2608250B2 - 多段圧延機の形状制御方法および形状制御装置 - Google Patents

多段圧延機の形状制御方法および形状制御装置

Info

Publication number
JP2608250B2
JP2608250B2 JP6100871A JP10087194A JP2608250B2 JP 2608250 B2 JP2608250 B2 JP 2608250B2 JP 6100871 A JP6100871 A JP 6100871A JP 10087194 A JP10087194 A JP 10087194A JP 2608250 B2 JP2608250 B2 JP 2608250B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elongation
shape
roll
rolled material
rolling mill
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP6100871A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07303910A (ja
Inventor
洋二 三谷
照雄 草野
敬輔 北里
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Original Assignee
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD. filed Critical THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority to JP6100871A priority Critical patent/JP2608250B2/ja
Publication of JPH07303910A publication Critical patent/JPH07303910A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2608250B2 publication Critical patent/JP2608250B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、上下各一対の作業ロー
ル、中間ロールおよび補強ロールを有する多段圧延機を
使用して圧延材の形状を制御する、多段圧延機の形状制
御方法および形状制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、上下各一対の作業ロール、中
間ロールおよび補強ロールを有する多段(6段式)圧延
機を使用して圧延材の形状を制御する、多段圧延機の形
状制御方法および形状制御装置が特開昭56-66307号公報
により知られている。この多段圧延機は、作業ロールや
中間ロールをベンディングさせるベンディング装置と、
中間ロールを水平方向に移動させる移動装置と、圧延材
の幅方向の各位置における長手方向の伸びを検出する形
状検出器とを備えており、形状検出器が検出する圧延材
の伸びに応じて上下の作業ロールや中間ロールを圧延材
側に凸に、あるいは凹にベンディングさせたり、上下の
中間ロールを水平方向に互いに逆方向に移動させること
によって、圧延材を所望の断面形状に圧延するようにし
ている。これによって、圧延時における圧延材の長手方
向伸びの幅方向分布が凸状あるいは凹状である単純な分
布のみならずW状あるいはM状の複合伸び等を修復させ
るようにしている。
【0003】圧延材を所望の形状に制御するには、圧延
された圧延材の軸方向の伸びを、圧延材の幅方向の各点
毎に検出し、検出された伸びの幅方向分布を正確に表現
する必要がある。従来、この分布を4次以上の高次項を
含む高次式で表わしたものが、例えば特開昭55-42165号
公報等により知られている。圧延材の幅方向の伸び分布
を3次以上の高次項を含む多項式で表現すると、その多
項式からは板形状の実体を直接判断することが一般に困
難であり、高次式で表現される圧延材形状と、作業ロー
ルや中間ロールのベンディング方向やベンディング量と
の関連性が明確でなく、圧延機の形状制御が適切になし
得ないという問題が生じる。
【0004】そこで、圧延材の幅方向の伸びの分布を評
価する近似式として、圧延材の板幅中央と板幅端との間
に存在する所定の位置を境界とし、該境界より板幅中央
側の中央領域の圧延材の形状を2次式で近似すると共
に、境界より板幅端側の端部領域の圧延材の形状も異な
る2次式で近似し、これらの2次式を用いて作業ロール
や中間ロールをベンディングさせたり中間ロールを水平
方向に移動させる形状制御方法が特開平4-178208号公報
により提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この特
開平4-178208号公報による圧延材の形状制御において
も、圧延材の幅方向の伸びの分布を2次式で近似しなけ
ればならず、伸びの分布を2次式で正確に表すために
は、圧延材の幅方向に多数の計測点を設けて各点で伸び
の測定を行う必要がある。また、制御装置の容量にもよ
るが、計測点が増えるとそれだけ演算に時間が掛り、フ
ィードバック周期が長くなり、正確な形状制御が難しく
なるという問題もある。
【0006】本発明はこのような問題を解決するために
なされたもので、形状データを2次以上の項を含む高次
式で表すことなく、圧延材の伸びの幅方向の分布に応
じ、作業ロールおよび中間ロールのベンディング量を正
確に調整して、複合伸び等の形状修正能力の優れた多段
圧延機の形状制御方法および形状制御装置を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明に依れば、上下各一対の作業ロール、中
間ロールおよび補強ロールを有する多段圧延機を使用
し、前記中間ロールと作業ロールのベンディング量を調
整して圧延材の形状を制御する多段圧延機の形状制御方
法において、前記圧延材の幅方向の中央部と端部の長手
方向の伸びをそれぞれ測定し、前記中央部と端部の伸び
の差値に応じて前記中間ロールをベンディングさせ、前
記端部の伸びの幅方向の変化率に応じて前記作業ロール
をベンディングさせることを特徴とする、多段圧延機の
形状制御方法が提供される。
【0008】また、別の発明に依れば、上下各一対の作
業ロール、中間ロールおよび補強ロールを有し、前記作
業ロールをベンディングさせる作業ロールベンディング
装置と前記中間ロールをベンディングさせる中間ロール
ベンディング装置とを備える多段圧延機を使用し、前記
中間ロールと作業ロールのベンディング量を調整して圧
延材の形状を制御する多段圧延機の形状制御装置におい
て、前記圧延材の幅方向において少なくとも中央部と端
部の長手方向の伸びをそれぞれ測定する形状検出手段
と、該形状検出手段が測定した前記中央部と端部の伸び
の差値に応じた作動量だけ前記中間ロールベンディング
装置を駆動させる第1駆動手段と、前記形状検出手段が
測定した前記端部の伸びの幅方向の変化率に応じた作動
量だけ前記作業ロールベンディング装置を駆動させる第
2駆動手段とを備えることを特徴とする、多段圧延機の
形状制御装置が提供される。
【0009】好ましくは、形状検出手段は、圧延材の前
記中央部と、前記端部における最外側部およびこの最外
側部に隣接する隣接内側部とにおいてそれぞれを複数の
領域に分割して各複数のそれぞれの領域で伸びを測定
し、第1駆動手段は、前記中央部の各領域で測定される
伸びの平均値と前記最外側部の各領域で測定される伸び
の平均値とから前記差値を求め、第2駆動手段は、前記
最外側部の各領域で測定される伸びの平均値と前記隣接
内側部の各領域で測定される伸びの平均値とから前記変
化率を求めるものが良い。
【0010】
【作用】圧延材に直接接する作業ロールは、第2駆動手
段によって圧延材の端部における伸びの幅方向の変化率
に応じた作動量だけ作業ロールベンディング装置を駆動
させることによってベンディングし、もって圧延材の端
部の形状を修復し、中間ロールは、第1駆動手段によっ
て圧延材の幅方向において中央部と端部の長手方向の伸
びの差値に応じた作動量だけ前記中間ロールベンディン
グ装置を駆動させることによってベンディングし、もっ
て圧延材の板幅全体の形状を修復する。
【0011】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。図1および図2は、圧延機10の概略全体
構成を示し、圧延機10は、6段式(多段式)圧延機で
あり、上下各一対の作業ロール11,12と、作業ロー
ルより大径の中間ロール13,14と、中間ロールより
更に大径の補強ロール15,16とを有している。作業
ロール11,12は、この2つのロールでワークの圧延
材Wを挟み込んで圧延するするもので、作業ロールの圧
延荷重は、中間ロール13,14を介して上下の補助ロ
ール15,16により加えられる。下補助ロール16の
ロール軸の下方には、油圧圧下装置23が配置され、こ
の圧下装置23によって下補助ロール16に圧延荷重が
加えられる。圧下装置23には油圧制御回路24が接続
され、その油圧制御回路24から作動油圧が供給され
る。一方、下補助ロール16の圧延荷重を受ける上補助
ロール15には、図示しないロードセルが取付けられ圧
延荷重を計測している。
【0012】作業ロール11,12のロール径、ロール
胴長、およびチョック間距離は、圧延対象材に応じて適
宜選択されるが、本実施例ではそれぞれ135mm,850mm,10
75mmである。作業ロール軸11a,12aの各両端部に
は、それぞれ上下一対の作業ロールベンダ21(図1参
照、図2には矢印で示してある)が配設されており、こ
のロールベンダ21によってロール軸11a,12aを
ワークである圧延材Wに対して凸になる方向(図3に示
すプラス方向)、或いは圧延材Wに対して凹になる方向
(図4に示すマイナス方向)に曲げ(ベンディング
し)、圧延材Wの主として端部の形状を修正する。
【0013】中間ロール13,14のロール径、ロール
胴長、およびチョック間距離は、これも圧延対象材に応
じて適宜選択されるが、本実施例ではそれぞれ300mm,85
0mm,1660mmである。中間ロール軸13a,14aの各両
端部には、それぞれ上下一対の中間ロールベンダ22
(図1参照、図2には矢印で示してある)が配設されて
おり、このロールベンダ22によってロール軸13a,
14aをワークである圧延材Wに対して凸になる方向
(図3に示すプラス方向)、或いは圧延材Wに対して凹
になる方向(図4に示すマイナス方向)に曲げ(ベンデ
ィングし)、圧延材Wの全体形状を修正する。中間ロー
ル13,14には、図示しないけれども中間ロール1
3,14を軸方向(図2参照)に移動させる中間ロール
シフトが備えられており、中間ロール13,14を互い
に逆方向に移動させることによって圧延材の幅方向の伸
び分布を修正することもできるようになっている。
【0014】作業ロールベンダ21、および中間ロール
ベンダ22にはそれぞれ油圧制御回路25,26が接続
されており、対応する油圧制御回路から供給される油圧
によって作業ロール11,12、中間ロール13,14
を前述したプラス側あるいはマイナス側にベンディング
させるようになっている。油圧制御回路24〜26は、
図示しない油圧源からの油圧を調圧して対応する油圧圧
下装置23やロールベンダ21,22に供給する電磁弁
等の制御要素から構成されており、これらの電磁弁等は
コントローラ30から供給される制御信号によって作動
制御される。なお、作業ロールベンダ21は作業ロール
ベンディング装置の一部を構成し、油圧制御回路25お
よびコントローラ30は、第2駆動手段の一部を構成し
ている。また、中間ロールベンダ22は中間ロールベン
ディング装置の一部を構成し、油圧制御回路26および
コントローラ30は、第1駆動手段の一部を構成してい
る。
【0015】6段式圧延機10の各ロールは、正逆転が
可能であり、ロールを正転および逆転させて圧延材Wを
往復動で圧延することができる。従って、圧延機10の
前後にそれぞれディフレクタロール32,33と巻取機
34,35とが配設されており、図1に矢印Aで示す方
向に圧延される場合には、圧延材Wはディフレクタロー
ル33を介して巻取機35によって巻き取られる。
【0016】圧延機10の前後にはそれぞれ上下の作業
ロール11,12に向けてクーラント(あるいは潤滑
剤)を噴射させるスプレー装置38,39が配設されて
おり、各スプレー装置38,39は、作業ロール11,
12の軸方向に所定の間隔で多数のノズルを備えてお
り、各ノズルのクーラント噴射量が制御可能に構成され
ている。そして、圧延材Wが図1に矢印Aで示す方向に
圧延される場合には、後方のスプレー装置38の各ノズ
ルから、噴射量が調整されたクーラントがそれぞれ噴射
される。スプレー装置の各ノズルから作業ロール11,
12に噴射されるクーラントの噴射量分布を調整するこ
とによっても、圧延される圧延材Wの幅方向の厚み分
布、すなわち長手方向伸びの幅方向分布(形状)を制御
することができる。
【0017】ディフレクタロール32は、図5(b)に
示すように、一体回転する多数(実施例では30個)の
小ロール32aを同軸上に配列して構成されており、各
小ロール32aにはロールの外周に掛かる張力を計測す
る公知のセンサが組み込まれている。各センサはそれぞ
れコントローラ30の入力側に接続され、センサ出力を
コントローラ30に供給している。そして、これらのセ
ンサによって形状検出器32b(図1)を構成してい
る。各センサが検出する張力は、圧延材Wの長手方向の
伸びに対応しており、図5(a)に示すように形状検出
器32bの出力分布が伸び分布(板形状)と対応するこ
とになる。ディフレクタロール32および小ロール32
aの各ロール幅は、圧延する圧延材の板幅に応じて異な
るが、実施例ではそれぞれ780mm,26mm(30ゾーン)で
ある。従って、実施例において一つの小ロール32aが
測定する伸びは、圧延材Wの幅方向26mmの領域の伸びの
平均値を検出していることになる。そして、実施例で
は、圧延材Wの幅方向を小ロールのロール幅に対応して
多数の領域に分割し、圧延材Wの中央部Cの伸びを中央
部に対応する4つの、小ロール32aに組み込まれたセ
ンサが検出し、圧延材Wの両端部(E+Q)の伸びをそ
の位置に対応する4つの小ロール32aのセンサがそれ
ぞれ検出することになる。
【0018】ディフレクタロール33も、ディフレクタ
ロール32と同じ構成をしており、ディフレクタロール
33の形状検出器33bを構成する各小ロールのセンサ
もそれぞれコントローラ30の入力側に接続され、セン
サ出力をコントローラ30に供給している。コントロー
ラ30は、図示しない入出力装置、中央演算装置、RO
MやRAMの記憶装置、操作者による指令信号を入力す
るための操作盤等から構成されている。操作盤からの圧
延開始指令によってコントローラ30は、ROMに記憶
されている形状制御プログラムを実行し、このプログラ
ムに基づいて、入出力装置を介して形状検出器32b,
33bから圧延材Wの伸びデータを取り込み、作業ロー
ルベンダ21、中間ロールベンダ22による作業ロール
11,12、中間ロール13,14のベンディング量
(ベンダ作動量)をそれぞれ演算し、演算したベンディ
ング量に応じた制御信号を入出力装置を介して油圧制御
回路25、26に出力するように構成されている。そし
て、コントローラ30の出力側にはモニタ装置31が接
続されており、上述した形状検出器32b,33bによ
って検出される圧延材Wの伸び分布等を表示させること
ができる。
【0019】次に、図6および図7を参照してコントロ
ーラ30による圧延材Wの圧延手順(形状修正手順)を
説明する。図6は、中間ロールベンダによる形状修正手
順を示し、圧延開始指令を操作盤から入力するとこのプ
ログラムが実行される。中間ロールベンダによる形状修
正は、形状検出器32b,33bからの圧延材Wの中央
部Cおよび最外側端部Eの伸びのデータに基づいて中間
ロールベンダ22の作動量を制御するもので、コントロ
ーラ30は、先ず目標値MECを読み込む(ステップS
10)。図8の(a)は、圧延材Wの目標とする伸び分
布を示しており、この伸び分布は、圧延後工程等を考慮
して設定されている。上述の目標値MECは、この目標
とする伸び分布の中央部(図5(a)に示すC領域)と
端部(図5(a)に示すE領域)においてそれぞれ得ら
れる伸びの平均値の差値(端部平均値から中央部平均値
を引いた値)として予め設定され、その目標値MECは
コントローラ30の記憶装置に記憶されている。
【0020】次に、コントローラ30は、ステップS1
1に進み、形状検出器33bによって検出される圧延材
Wの上述したCおよびE領域の伸びデータを読み込む。
なお、図1で矢印Aで示す方向と逆の方向に圧延材Wを
巻き取り圧延する場合には、形状検出器32bによって
検出される伸びデータを使用する。そして、伸び検出値
に基づき圧延材Wの中央部Cおよび端部E(E+Qでも
よい)の伸びの平均値MC,MEをそれぞれ演算する
(ステップS12)。伸びの平均値MC,MEを求める
ために何個のセンサの検出値を平均するかは特に限定し
ないが、実施例の場合における平均伸び値MCは、図5
(a)に示すC領域に対応する中央の4つのセンサの検
出値の平均値から求められ、平均伸び値MEは、図5
(a)に示す左右の2つのE領域に対応する4つのセン
サ検出値の平均値から求められる。なお、この平均値
は、各センサの検出値の単純平均値であってもよいし、
各センサの検出値に異なる重み係数を乗算した上で平均
値を求めるようにしてもよい。
【0021】次いで、端部での伸び平均値MEと中央部
の伸び平均値MCの差値を計算し(ステップS13)、
これを上述した目標値MECと比較するために、前述の
差値(ME−MC)と目標値MECの差DECを求める
(ステップS14)。 DEC=(ME−MC)−MEC そして、差DECが所定の誤差範囲内の値である場合に
は(差ゼロ)、中間ロール13,14のベンディング量
を修正することなく(ステップS16)、後述のステッ
プS19に進むが、差DECが所定の誤差範囲を超えて
マイナスの場合には、ステップS17に進み、中間ロー
ルベンダ22の作動量を補正して(デイクリーズし
て)、図4に示すマイナス方向にベンディングさせる。
一方、差DECが所定の誤差範囲を超えてプラスの場合
には、ステップS18に進み、中間ロールベンダ22の
作動量を補正して(インクリーズして)、図3に示すプ
ラス方向にベンディングさせる。
【0022】このベンデイング量の補正方法には種々の
方法を採り得るが、例えば差DECを上述したモニタ装
置31に表示させ、この表示を見ながら操作者が操作盤
を操作して中間ロールベンダ22の作動量を調節するよ
うにしてもよいし、差DECに応じて、公知のPID制
御法等によって中間ロールベンダ22の作動量をフィー
ドバック制御するようにしてもよい。何れの場合にも、
コントローラ30は油圧制御回路26に差DECに応じ
た制御信号を出力して中間ロールベンダ22の作動量を
補正することになる。
【0023】ベンディング量の修正が終わるとステップ
S19に進み、圧延が終了したか否かを判別する。答え
が否定(No)の場合には、前述したステップS11に
戻りステップS11以下の手順を繰り返し実行するが、
肯定(Yes)の場合には当該プログラムを終了させ
る。次に、図7の作業ロールベンダによる形状修正手順
を説明する。このプログラムも圧延開始指令を操作盤か
ら入力することによって実行される。作業ロールベンダ
による形状修正は、形状検出器32b,33bからの圧
延材Wの端部の伸びの幅方向の変化率、より具体的には
最外側端部Eおよび隣接内側端部Qの伸びのデータから
作業ロールベンダ21の作動量を制御するもので、コン
トローラ30は、先ず目標値MEQを読み込む(ステッ
プS20)。この目標値MEQも図8の(a)に示され
る目標伸び分布の端部における伸び変化率、この実施例
では最外側端部(図5(a)に示すE領域)と隣接内側
端部(図5(a)に示すQ領域)においてそれぞれ得ら
れる伸びの平均値の差値(E領域平均値からQ領域平均
値を引いた値)として予め設定され、この目標値MEQ
もコントローラ30の記憶装置に記憶されている。
【0024】次に、コントローラ30は、ステップS2
1に進み、形状検出器33bによって検出される圧延材
Wの上述したE,Q領域の伸びデータを読み込む。な
お、図1で矢印Aで示す方向と逆の方向に圧延材Wを巻
き取り圧延する場合には、形状検出器32bによって検
出される伸びデータを使用する。そして、伸び検出値に
基づき圧延材Wの最外側端部Eおよび隣接内側端部Qの
伸びの平均値ME,MQをそれぞれ演算する(ステップ
S22)。実施例の場合における平均伸び値MEは、図
5(a)に示す左右の2つのE領域に対応する4つのセ
ンサの検出値の平均値から求められ、平均伸び値MQ
は、図5(a)に示す左右の2つQ領域に対応する4つ
のセンサの検出値の平均値から求められる。この場合に
も平均値は、各センサの検出値に重みを付けて、例えば
下記式から演算される。
【0025】 ME=(E1×90+E2×110 +E3×110 +E4×90) ÷400 ここに、E1〜E4は、E領域における4つのセンサの検出
値である。次いで、最外側端部での伸び平均値MEと隣
接内側端部の伸び平均値MQの差値を計算し(ステップ
S23)、これを上述した目標値MEQと比較するため
に、前述の差値(ME−MQ)と目標値MEQの差DE
Qを求める(ステップS24)。
【0026】DEQ=(ME−MQ)−MEQ そして、差DEQが所定の誤差範囲内の値である場合に
は(差ゼロ)、作業ロール11,12のベンディング量
を修正することなく(ステップS26)、後述のステッ
プS29に進むが、差DEQが所定の誤差範囲を超えて
マイナスの場合には、ステップS27に進み、作業ロー
ルベンダ21の作動量を補正して(デイクリーズし
て)、図4に示すマイナス方向にベンディングさせる。
一方、差DEQが所定の誤差範囲を超えてプラスの場合
には、ステップS28に進み、作業ロールベンダ21の
作動量を補正して(インクリーズして)、図3に示すプ
ラス方向にベンディングさせる。
【0027】このベンデイング量の補正方法について
も、例えば差DEQを上述したモニタ装置31に表示さ
せ、この表示を見ながら操作者が操作盤を操作して作業
ロールベンダ21の作動量を調節するようにしてもよい
し、差DEQに応じて、公知のPID制御法等によって
作業ロールベンダ21の作動量をフィードバック制御す
るようにしてもよい。何れの場合にも、コントローラ3
0は油圧制御回路25に差DEQに応じE制御信号を出
力して作業ロールベンダ21の作動量を補正することに
なる。
【0028】ベンディング量の修正が終わるとステップ
S29に進み、圧延が終了したか否かを判別する。答え
が否定(No)の場合には、前述したステップS21に
戻りステップS21以下の手順を繰り返し実行するが、
肯定(Yes)の場合には当該プログラムを終了させ
る。なお、数回のパスを繰り返すことによって圧延材W
を圧延する場合には、上述したステップS10以下の各
ステップをパス開始毎に自動的に実行させるようにして
もよいし、各パス毎に操作盤を操作して圧延開始指令を
コントローラ30に供給するようにしてもよい。
【0029】図8は、上述の2つの形状修正制御により
圧延材Wの形状が修正される典型例を示し、目標形状を
超えて下に凸形状である場合には(図8の(b)のケー
ス)、作業ロールベンダ(WRB)21はインクリーズ
(プラス)側に補正され、圧延材Wの主として端部の形
状を補正すると共に、中間ロールベンダ(IMRB)2
2もインクリーズ(プラス)側に補正され、圧延材Wの
板幅全体形状を補正する。作業ロール11,12は、中
間ロール13,14に比べて小径で曲がりやすく、また
ワークに直接接触してこれを圧延するのでワークの端部
の形状修正に影響が大であり、中間ロール13,14
は、作業ロール11,12を介してワークに影響するの
で、ワークの板幅全体形状を平坦な方向に、またはその
逆方向に修正する。
【0030】同様に、目標形状を超えて上に凸形状であ
る場合には(図8の(c)のケース)、作業ロールベン
ダ(WRB)21はディクリーズ(マイナス)側に補正
され、圧延材Wの主として端部の形状を補正すると共
に、中間ロールベンダ(IMRB)22もディクリーズ
(マイナス)側に補正され、圧延材Wの板幅全体形状を
補正する。
【0031】圧延材WがM文字形状の場合には(図8の
(d)のケース)、作業ロールベンダ(WRB)21は
ディクリーズ(マイナス)側に補正され、かつ、中間ロ
ールベンダ(IMRB)22はインクリーズ(プラス)
側に補正されると、圧延材Wは目標形状方向に修正され
ることになる。また、圧延材WがW文字形状の場合には
(図8の(e)のケース)、作業ロールベンダ(WR
B)21はインクリーズ(プラス)側に補正され、か
つ、中間ロールベンダ(IMRB)22はディクリーズ
(マイナス)側に補正されると、圧延材Wは目標形状方
向に修正されることになる。
【0032】なお、本発明は、作業ロールベンダおよび
中間ロールベンダのベンディング量を調整することによ
り圧延材Wの形状制御を行ったが、本発明の形状制御に
加えて、従来公知の中間ロールのシフト制御、クーラン
ト制御、作業ロールおよび/または中間ロールのチルテ
ィング制御等を組み合わせて形状制御を行うようにして
もよい。
【0033】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
多段圧延機の形状制御方法および形状制御装置によれ
ば、圧延材の幅方向の中央部と端部の長手方向の伸びを
それぞれ測定し、中央部と端部の伸びの差値に応じて中
間ロールをベンディングさせ、端部の伸びの幅方向の変
化率に応じて作業ロールをベンディングさせるようにし
たので、従来のように圧延された圧延材の伸び分布を高
次の多項式で表す必要がなく、従って形状測定点が少な
くできるため、制御演算速度を早くできる。そして、作
業ロールにより板端部の形状を修正し、中間ロールで板
幅全体の形状を修正するために複合伸び等の形状修正能
力が優れている。更に、圧延材の端部と中央部の形状デ
ータだけで中間ロールと作業ロールのベンディング量だ
けを調整するので制御が単純で制御速度が早いという優
れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多段圧延機の形状制御装置の概略構成
を示すブロック図である。
【図2】図1に示す圧延機10の正面図である。
【図3】圧延ロールのプラス側のベンディング方向を示
す図である。
【図4】圧延ロールのマイナス側のベンディング方向を
示す図である。
【図5】図1に示すディフレクタロール32,33の構
成と、それに組み込まれる形状検出器32b,33bの
出力値との関係を示す図である。
【図6】本発明による中間ロールの形状制御手順を示す
フローチャートである。
【図7】本発明による作業ロールの形状制御手順を示す
フローチャートである。
【図8】圧延材の形状と、作業ロールベンダ(WRB)
および中間ロールベンダ(IMRB)の修正方向との関
係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 多段圧延機 11,12 作業ロール 13,14 中間ロール 15,16 補助ロール 21 作業ロールベンダ 22 中間ロールベンダ 30 コントローラ 32,33 ディフレクタロール 32b,33b 形状検出器

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下各一対の作業ロール、中間ロールお
    よび補強ロールを有する多段圧延機を使用し、前記中間
    ロールと作業ロールのベンディング量を調整して圧延材
    の形状を制御する多段圧延機の形状制御方法において、
    前記圧延材の幅方向の中央部と端部の長手方向の伸びを
    それぞれ測定し、前記中央部と端部の伸びの差値に応じ
    て前記中間ロールをベンディングさせ、前記端部の伸び
    の幅方向の変化率に応じて前記作業ロールをベンディン
    グさせることを特徴とする、多段圧延機の形状制御方
    法。
  2. 【請求項2】 上下各一対の作業ロール、中間ロールお
    よび補強ロールを有し、前記作業ロールをベンディング
    させる作業ロールベンディング装置と前記中間ロールを
    ベンディングさせる中間ロールベンディング装置とを備
    える多段圧延機を使用し、前記中間ロールと作業ロール
    のベンディング量を調整して圧延材の形状を制御する多
    段圧延機の形状制御装置において、前記圧延材の幅方向
    において少なくとも中央部と端部の長手方向の伸びをそ
    れぞれ測定する形状検出手段と、該形状検出手段が測定
    した前記中央部と端部の伸びの差値に応じた作動量だけ
    前記中間ロールベンディング装置を駆動させる第1駆動
    手段と、前記形状検出手段が測定した前記端部の伸びの
    幅方向の変化率に応じた作動量だけ前記作業ロールベン
    ディング装置を駆動させる第2駆動手段とを備えること
    を特徴とする、多段圧延機の形状制御装置。
  3. 【請求項3】 前記形状検出手段は、圧延材の前記中央
    部と、前記端部における最外側部およびこの最外側部に
    隣接する隣接内側部とにおいてそれぞれを複数の領域に
    分割して各複数のそれぞれの領域で伸びを測定し、前記
    第1駆動手段は、前記中央部の各領域で測定される伸び
    の平均値と前記最外側部の各領域で測定される伸びの平
    均値とから前記差値を求め、前記第2駆動手段は、前記
    最外側部の各領域で測定される伸びの平均値と前記隣接
    内側部の各領域で測定される伸びの平均値とから前記変
    化率を求めることを特徴とする、請求項2記載の多段圧
    延機の形状制御装置。
JP6100871A 1994-05-16 1994-05-16 多段圧延機の形状制御方法および形状制御装置 Expired - Lifetime JP2608250B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6100871A JP2608250B2 (ja) 1994-05-16 1994-05-16 多段圧延機の形状制御方法および形状制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6100871A JP2608250B2 (ja) 1994-05-16 1994-05-16 多段圧延機の形状制御方法および形状制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07303910A JPH07303910A (ja) 1995-11-21
JP2608250B2 true JP2608250B2 (ja) 1997-05-07

Family

ID=14285385

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6100871A Expired - Lifetime JP2608250B2 (ja) 1994-05-16 1994-05-16 多段圧延機の形状制御方法および形状制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2608250B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7067541B2 (ja) * 2019-10-31 2022-05-16 Jfeスチール株式会社 圧延機の制御方法および制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07303910A (ja) 1995-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0621087B1 (en) Rolling mill and method
JPH0638961B2 (ja) 圧延材の形状制御方法
KR980008369A (ko) 에지드롭을 저감하는 판재의 압연방법 및 압연기
US5231858A (en) Method of controlling edge drop in cold rolling of steel
JP4847111B2 (ja) 多段式圧延機及び多段式圧延機の制御方法
US5267170A (en) Method and apparatus for controlling rolling mill
JP2608250B2 (ja) 多段圧延機の形状制御方法および形状制御装置
EP2193855B1 (en) Rolling control method, rolling control apparatus and control program for a mandrel mill, and a seamless tube or pipe
JPH10166021A (ja) 多段圧延機の形状制御方法及び形状制御装置
JP2000190012A (ja) 冷間圧延における板形状制御方法及び装置
JP2921779B2 (ja) 非対称圧延補償圧延機
KR20030054637A (ko) 평탄도 제어를 수행하는 피드백 제어 장치 및 방법
JPH0631321A (ja) 圧延機における形状制御方法および装置
JP4086119B2 (ja) 酸洗前熱延鋼帯の冷間圧延における形状制御方法
JP3229438B2 (ja) 板圧延における形状制御方法
JPH07115055B2 (ja) 多段圧延機の形状制御方法及び多段圧延機及び多段圧延機の形状制御装置及び多段圧延機の圧延方法
JPH0631322A (ja) 圧延機における形状制御方法および装置
JP4724982B2 (ja) 圧延ロールのロールギャップ制御方法及び装置
JP2680252B2 (ja) 多段圧延機の形状制御方法
JPH0234241B2 (ja)
JP3438871B2 (ja) 圧延機の形状制御方法
JP2605546B2 (ja) 冷間連続圧延における形状制御方法
JPS6323849B2 (ja)
JPH1029010A (ja) 板材の幅方向板厚制御方法
JPS63260614A (ja) クラスタ圧延機の形状制御装置